拙僧は今、寺子屋の子供達に読み書きを教えておりまする。
それは、慧音殿が拙僧を寺子屋に泊める対価として臨時教師をご下命され、こうして師の真似事をしているのですが──
「なに? 拙僧と遊びたい?」
「そうだぞどーまんッ!!あたいは道満と遊びたいんだぞッ!!」
「ちるの殿。元気が有り余っておるのは結構ですが、今は読み書きの時間。遊びはそれを終えてから──」
「『凍符』パーフェクトフリーズッ!!」
「ンンンンンンッ!!致し方なしッ!!急急如律令ッ!!」
「おー。流石どーまんだッ!!あたいが認めただけはあるぞッ!!」
「そーなのかー」
「ち、チルノちゃんッ!!寺子屋での弾幕勝負はダメだって慧音先生に言われたでしょッ!!ご、ごめんなさい蘆屋先生ッ!!」
「チルノ殿は全く元気が良いですな。後少しで拙僧は氷漬けになる所でしたよ。ただ、拙僧は今身動きも取れませぬが……」
「あ、蘆屋先生ぇッ!!」
チルノ殿に拙僧、とても苦戦を強いられておりまする。
そもそも、この寺子屋には人間の子供達が勉学に励むのですが、拙僧が請け負っている子供達は妖に妖精と人外ばかりが集まっているのです。
そして、何よりも拙僧が何よりも苦戦を強いられているのはチルノ殿。他の妖や妖精なれば読み書きをお教えするのは簡単ではありますが……チルノ殿は少々元気すぎますが、仕方なし。
「道満は美味しそうなのだー……」
「ルーミア殿。拙僧は美味しくはありませぬぞ。ええ、ですからルーミア殿、拙僧の腕に噛み付いてはなりませ……ンンンンンンッ!!ルーミア殿お止めなされッ!!」
「る、ルーミアちゃんッ!?蘆屋先生を食べちゃダメだよッ!!チルノちゃんも座って勉強を──」
「あたいってば最強ッ!!」
「ぢ、ヂルノちゃん…ぞれ以上…はガチで、ヤバい…僕、冬眠…しちゃう……」
「リグルッ!?だ、誰か〜ッ!!リグルにお湯ッ!!」
ふむ。このままではもう読み書きどころの騒ぎではありませぬな。
…既に左腕にはルーミア殿が拙僧を捕食しようと噛みつき、チルノ殿は暴走。大妖精殿はミスティア殿と一緒にリグル殿を温めておられる。
…ンン、拙僧は他者の矜持、信念、その手のものを踏みに躙るのは、好きですが少々──
「侮ってましたな」
──パチンッ
「チルノちゃ…ぁ……」
「え、先せ…ぇ……」
「最、きょ〜……」
「寒い…ょ……」
──ドサッ、ドサッ
「…ンンン、安らかにお眠りを」
いやはや、この道満久方ぶりにこの法術を行使いたしましたが、上手くいってなにより。
…ですが、チルノ殿が使っておられたのはよもや仙術・道術を行使して……いえ、違いますな。
確か拙僧の古き記憶にて、この幻想郷では能力なるものを行使出来る力が妖や人には存在するとか。
力を行使する姿は初めて目撃しましたが…ええ、ええ、とても厄介な力で。
…さて、しばらくはこの荒れた寺子屋は我が式神で証拠隠滅を。
…いや、しかし──
「妖と妖精……ンフフフ、ええ、致し方ありませぬな。妖と妖精は人ならざるもの……ならばこの儂がより良い駒として──」
「そいつらに触るな」
……ふふ、ふふ、ふふふふふゥフフフフフフゥゥウッ!!やはり幻想郷は面白いッ!!まさか拙僧の術が破られようとは。
「……これはこれはルーミア殿。これまた随分と成長を。妖はこれほどまでに成長した話は聞いたことはありませぬが?」
「元々私は封印されてあの姿でいたんだ。別に成長した訳じゃない」
「封印術式……ルーミア殿はただの妖と思っておりましたが、拙僧は勘違いを。ルーミア殿、貴殿は……いえ、これ以上の言葉は語らずにおきましょう」
「ええ、その方がいいわよ。そうでなくても今は気分が悪いの」
「左様で。……しかし、ルーミア殿。そんなに睨まれては拙僧、身動きも取れませぬ。フフフフ……」
「……まぁ、いいわ。もうすぐ私の封印がまた施されるけど、もしあの子達に何したなら……殺す、か…ら……」
「……」
「…そー…なの、かー……」
ルーミア殿、いいでしょう。拙僧はルーミア殿が大切になされておられるチルノ殿や大妖精殿には手を出しませぬ。……ええ、ええ、今は決して──。
チルノ
天才⑨。あたいってば最強ねッ!!
大妖精
最近チルノちゃんが色々な人に迷惑かけすぎてて……はぁ。
リグル・ナイトバグ
( ˘ω˘ ) スヤァ…
ミスティア・ローレライ
り、リグルぅッ!!
ルーミア
道満は美味しそうな見た目だけど、実際味はイマイチ。なんか混じってるから美味しくない。
ルーミア(──)
次に会う時は……