田中だ。
前はどこまで話したっけ…………。
あ、そうだそうだ。人生は神ゲーだって思ったんだったな。
そう、我の人生は神ゲーなのである。だってほら、星をパンチひとつで粉砕できるんだぜ?まさに男のロマン。
この男のロマンである星を粉砕が自分自身でできるようになって興奮しないやつなんていねよ。
気分はさながらフリー○。
おーほっほっほ!!!!何やってんだ俺。
まあ、そんな話は置いといて今の俺は高校三年生である。
中一の時に能力を発症し、中二でディスなんとかを倒し、そこから5年間怪物倒したり人助けし、今は高校三年生。
いやー波乱万丈な人生であった。もちろんこれから頑張るぞい。
というわけで今俺は学校に向かっている。
ちょっとそれっぽいやつやってみるか。
季節は夏。火のように燃えている太陽から発せられる日差しは、溶けてしまいそうなほどに熱い。
周りの生徒たちも「暑い暑い」と嘆いている。
もしも「暑い」という言葉がなかったら、見方によってはゾンビにも見える。
そんな中僕は今日も背中に希望を乗せ、学校へと一歩踏み出すーーーー
「せーんぱいっ!」
ーーーー踏み出せなかった。
背中から聞こえてきた声に俺は振り返る。
首まで切ったショートの髪は茶色がかった色で、にっこりと笑った際に見える八重歯に整った顔。
こいつの名前は千枝梨沙。この学校で大人気の一年の後輩。その整った容姿ゆえ、告白された回数は数知れず。
千枝梨沙はボッチである俺に話しかけてくる唯一の友達だ。
だが、もともとこいつとは幼馴染でもなんでもなく、ほんとに知り合うまでただの他人であった。
だけどある日、いつものようにホワイトロック(田中が自己満で怪物などを倒す際に着る白のロングコートに不気味な仮面のことである。え?厨二っぽい?厨二だもの)を着てパトロールしていたところだ。
こいつが夜中に人間みたいな怪物に襲われていたのだ。
だから俺はいつも通り、パッと登場してパッと倒して行こうと思ったらそいつが案外強くて仮面を壊されちまったんだ。
結構高いんだだけどな…………って問題はそこじゃない。そう、顔を見られてしまったのだ。
他人とはいえ同じ学校の者。顔くらいは知っている。
で、こいつはちょっと不思議そうな顔をした後に言った。
「どうしてあなたはこんなことをしているんですか……?」
それに対して俺は答えなかった。なんかそうした方がかっこいいし。そしてこいつは続け様に言った。
「こんなことしても…何ににもならないじゃないですか……」
それで俺は待ってましたとばかりにおもむろに顔を上にむけ、ちょっこーっと悲しそうな顔をしながら。
「償いだ」
って言ったんだよ。まるで空に語りかけるように………。
もう満足だ。俺が人助けした時に言いたかった言葉第三位を言えたんだ。もう死んでもいい。いややっぱ死にたくない。
まだ第二位と第一位があるし。
そして、俺が感傷に浸っている間にこいつは「そうですか…ありがとうございました…」つって去っていった。
多分引かれたなとか思いながら俺も帰った。
で、その日の明日、いつもどうりぼっちで学校向かってたら突然「せーんぱいっ!」って言われたんだ。
そっから自己紹介しあったりLINE教えてもらったりなんやらして今に至るってわけよ。
……ドアが目の前にある。
俺が回想している間に教室まで着いたみたいだ。
ちなみにあいつは一年だから別の教室だ。
俺はドアを開けて教室へと足を踏み入れる。シーンとする。みんなが一瞬こっちを見て、興味なさげにまた話へと戻る。
うん。いいね。何がいいかはわかんないけどこの感じ好きだわ。
俺もさっさと自分の席へいく。俺の席は教室の一番左の一番後ろの端っこ。この席が最強だと思う。
俺的には授業にも集中できるし、ぼーっとしたい時はぼーっとできる。最強である。
今はぼーっとしている。空を眺めている。雲ひとつない快晴。でもクソ暑いから気分は悪い。
「なあなあ、【闇の善人】って知ってるか?」
「あ!私知ってる!白いロングコートに、ちょっと不気味な仮面を被った人でしょ?」
どうやらクラスの人たちが話をしている。
「なあなあ」って言ったのがこのクラスの中心的な、いわゆる陽キャ。「あ! 知ってる!」って言ったのがそいつの女友達。
しかし、白いロングコートにちょっと不気味な仮面………………俺のことだね。
完全に俺のことだ。まあ今に限ったことじゃない。ディスなんとかを倒してから俺は【闇の善人】って言われてた。
なんで闇なのかっていうと、基本的に現れるのが夜だから。真昼間に白いロングコートとかちょっとダサいし。
俺はこの呼び名が嫌いじゃない。むしろかっこいいから好きだ。
「し…知ってる! 私この間助けてもらったんだぁ…かっこよかったなぁ」
どうやら俺は知らないうちに同級生を助けていたらしい。やっぱり褒められるのはいいね。もっと褒めてくれ。やべ、ついニヤニヤしてしまった。
「うわ…なんかニヤニヤしてる…マジきもい…」
「ほんとだよな、あいつなんか髪型も変だし…」
「陰気くさいよね…ちょっと無理かな…」
いやひどすぎるだろと思う。三人目に関しては助けてあげたんだぞ。
まあいい。僕はそう思い、顔をそっとそらす。クラスメイトたちの雑談を音楽に、窓の下を覗いた。そこにはあいつがいた。
一瞬クエスチョンマークが浮かんだがすぐに忘れ、まだぼーっとした。
どうでしたでしょうか!よければ感想お願いします!モチベーションになるので!!
では!!