合宿です。
今回はサクッと導入を・・・
やっぱりRoseliaにも被害者は欲しいよなぁ・・・
特・別・訓・練-2 合宿に行こう!!~地獄のシェイプアップ・導入篇~
とある休日前の羽沢珈琲店。
地域でも人気の店には今日も看板少女であるつぐみ、新人バイトのつくしが今日も甲斐甲斐しく働いていた。
そんな店内では朝の開店早々に友希那と紗夜、そしてリサの3人が重々しい空気を放っていた。
しかも今回は紗夜と友希那の2人がリサに向かい合って座っており、リサが申し訳なさそうに2人の前に座っているという異常事態が発生していた。
「リサ。あなたどういうつもり?」
「湊さんの言う通りです。バンドリの予選もありますし、FWFの練習もあるんですよ?」
「うん・・・。それは分かっているんだけど・・・」
「ならどうして・・・?」
「すっごく言いにくいんだけど・・・
スタジオ借りるためのお金が無くなりそうです・・・」
リサは申し訳なさそうに自身の現状を伝える。
その言葉を聞いた2人は呆れたような視線をリサに向けながら思ったことをそのまま口にする。
「シンプル過ぎる理由ですね・・・。もっと複雑な事情だと思っていました・・・」
「リサ・・・。あなた何をやってるの?そんなに無駄遣いばっかりしてたの・・・?」
「散財の原因の一部は友希那の食費だよ!!」
リサは友希那の一言に即座に友希那の後ろに回り込むと拳を友希那のこめかみにグリグリと押し当てる。
そんな様子に紗夜は呆れながらため息をつきながら話を続けていく。
「・・・痛いわね」
「はぁ・・・、それで今井さん他の理由も聞いておきましょう・・・。流石に湊さんの食費だけでそんなことにならないでしょう?」
「ほら・・・。最近の事件のせいで制服がダメになっちゃって・・・。しかもそれが複数回あったから・・・」
「・・・そうですか」
リサの金欠の紗夜の暴走が原因を一端を担っていたという事実に苦々しい表情を浮かべる紗夜。
「それでしたら・・・今井さんの分は私がお金を・・・。」
「ダメだよ紗夜!!お金の問題はデリケートなんだから!!それにさ、そんなことが原因でRoseliaの仲をギクシャクさせたくないし・・・」
「でしたら宇田川さんや白金さんにも話すべきでしょう」
「それはそうなんだけど・・・。燐子は自費でアタシ達の衣装作ってるでしょ?あこにはこういう話したくないって言うか・・・」
紗夜の言葉にリサの言葉は尻すぼみに小さくなっていく。
「でもリサ、これからどうするの?・・・後、そろそろ頭離してくれないかしら・・・」
「それは大丈夫!!美咲が短期でいいバイト紹介してくれたからさ~」
「奥沢さんがバイトを・・・?」
「なんでも合宿での料理できる人が足りてないらしいからそのお手伝いだってさ~。料理ならアタシ得意だし!!」
彼女達の重くなった空気の中、空気に呑まれてぎこちない様子のつくしが注文を持ってくる。
「お待たせしました。こちら珈琲になりますっ・・・!!」
「二葉さん。ありがとうございます」
「そう言えば合宿って言ってましたけど?Roseliaの皆さんで合宿されるんですか?」
「ううん。なんでもこころのところの黒服さん・・・?の合宿らしいんだよね~」
「そういえばイヴ先輩も前にその合宿に参加したって言ってたような・・・?」
「らしいね~。それにモカとかヒナもやってたらしいしね~」
「日菜が?そういえば連日で外泊してきて帰ってきたら疲れ切ってた時がありましたね・・・」
「・・・あの日菜がそんなことになるって相当ね・・・」
「なんかすごそうですね・・・。私もちょっと気にな・・・」
その言葉と共に店のドアが開く。
外からモカと蘭の2人はつくしの言葉によって顔を青く染めてつくしに駆け寄り、店の中にいたつぐみも店の中からつくしへと詰め寄った。
「つくしちゃん!!あれは気にしたらダメだよ!!」
「あれは人間のやるもんじゃないよ・・・」
「あそこには地獄しか待ってないよ。つーちゃん・・・。行ったら生きて帰れる保証はないよ~」
「えっ!?どういうことですか!?」
蘭達の言葉に目を丸くしてオロオロとしているつくしの姿にリサはプルプルと震えながら友希那達へと視線を向ける。
「あの~友希那も「行かないわ」・・・最後まで言わせてよ・・・」
「・・・今井さん、頑張って働いてきてくださいね。私達もスタジオのレンタル代の件は出来ることはしますので」
「紗夜まで!?」
リサも話を聞いて顔が真っ青に染まっていく。
自分は触れてはいけない何かに触れてしまったと強く後悔しようとしたがそんな時間も無く店の扉が勢いよく開かれた。
そこにはビチビチと跳ねる何かを担いだ巴が立っていた。
「リサさん居ますか?バイトのお迎えですよ!!」
「巴!?その肩に担いでるの何!?」
「ひまりですよ。前にモカがダイエットさせるって言ってたので今回の合宿に連れて行くんですよ」
「しかも、口塞いでるからとんでもないことになってますよ!?」
「む~!!」
巴の言動に驚きを隠せないリサとつくしに平然と答える巴の言葉に反応して担がれたひまりが跳ねるが巴は何事もなかったかのように話を続ける。
「ひまり!?」
「おっ!?蘭もモカもいるのか!!」
「ひーちゃん大丈夫~?」
そう言いながらモカはひまりの口を開放すると涙声で喚く。
「モカ~!!」
「まぁ、この間の件もあるからね~。いい機会だよ~」
「なら!!モカも一緒だよ!!最初に言いだしたのはモカなんだし!!黒服さーん!!モカも参加でー!!」
ひまりの言葉を聞いてどこからともなく黒服がモカを確保する。
突然の出来事に固まる一同を他所に捕まったモカが蘭へと視線を送る。
「蘭~。一緒に・・・」
「ごめん。弦太朗の家にいた分の華道の稽古があるから・・・」
「うらぎりもの~」
目の前の光景に戦々恐々とするリサたちだったが、彼女達の思考を壊す出来事が立て続けに発生する。
「あ~。みんな揃ってたんだ・・・」
「美咲ちんやっほー」
「奥沢さん・・・?どうしてそうなってるの・・・?」
「逃げようとしたら捕まりました・・・。あのもう逃げないんで降ろしてください・・・」
そこに現れたのは黒服に米俵のごとく担がれていた美咲がいた。
彼女は合宿から逃げ出そうとしたが見事に捕獲されて羽沢珈琲店に連行された彼女は黒服から解放されたが、美咲は逃げることを諦めていた。
「後はイヴだけだな!!」
「今回は何やらされるんだろ・・・」
「あのチソ訓練程度ならモカちゃんでも・・・」
生き生きとする巴の言葉に美咲とモカの目が死んでいく。
その光景にリサは壮絶な合宿であることを確信した。
自分はバイトと思い浮かべてなんとか自分を保っていたがこの後すぐに目に飛び込んできた光景にリサの思考は完全に停止した。
「皆さん!!お待たせしました!!」
「イヴ!!遅かったな」
「すいません!!お2人のところに行ってたら遅れてしまいました!!」
「若宮さん・・・2人って?」
「うぇええええ!!なんでぇ~!!」
「お”ね”~ち”ゃ”~~~~ん”!!」
「丸山さん!?それに日菜!?どうして2人が!?」
イヴが黒服と捕獲―――もとい連れてきたのは彩と日菜。
その2人が黒服さんによって抱えられている光景に紗夜は目を見開いて驚いていた。
「アヤさんは最近、「衣装がキツくなった」とマヤさんが言ってるのを聞いたらしいので連れてきました!!
ヒナさんは「今回の合宿には日菜ちゃんも連れて行って。1回も2回も行くことには変わらないわ。スケジュールは合宿の後にギチギチに詰め込んでおくわ。」とチサトさんがおっしゃっていましたので!!」
「ですが・・・本人の意思は・・・?」
「サヨさん。これチサトさんからこの封筒を渡すようにと・・・」
紗夜は千聖からの封筒を受け取って中身を確認すると、目の色を変えて満面の笑みを浮かべながら黒服たちへと頭を下げた。
「ご迷惑をおかけすると思いますが、日菜の事はよろしくお願いします」
「うらぎりもの~!!」
「じゃあ全員揃ったし。行きましょうか!!」
「リサ先輩も行きますよ・・・」
巴の号令によって合宿の参加者―――もとい被害者たちが自分の足で、黒服に担がれて店を後にする。
「湊さん。そしたら私はこれで・・・。スタジオのレンタル代については私も出来ることはしますので・・・」
「えぇ・・・。私も考えておくわ・・・」
こうして満面の笑みを浮かべている紗夜と無表情な友希那も店を後にして、店内には何とも言えない顔をしたつぐみ達だけが店内に残された。
「つぐみ先輩・・・今封筒の中身って・・・」
「ファーストフード店のポテトの無料券だったよね・・・」
「みんな生きて帰ってくれればいいね・・・」
「お2人とも何を言ってるんですか!?」
前回の合宿を体験している蘭と話だけを聞いて凄惨さを知っているつぐみはそうして遠い目をしながら出て行った彼女達の身を案じていた。
「前のはすっげぇキツかったけど・・・どんなことやるんだろうな!!」
「前回は大変でしたけど・・・今回は楽しみですね!!」
羽沢珈琲店から連れてこられた一同は弦巻家所有のマイクロバスに揺られている中では巴とイヴが今回の合宿の内容について楽しそうに話合っていた。
「「「・・・・・・」」」
一方で強制連行されたメンバー達―――
その中でも、前回の合宿を途中参加した日菜とモカの目は死んでいた。
「どうして2人は元気なの・・・」
「モカちゃん・・・前回の合宿で3人とも壊れちゃったんだよ・・・
そうだ・・・お手紙書かないと・・・
『おねーちゃんへ・・・これが私からの最初で最後のお手紙になると思います・・・、今まで迷惑かけてごめんなさい・・・・』」
「あたしも蘭に書かないと~・・・」
そう言って2人はどこからか紙を取り出すと大切な人たちへと手紙を書き始める光景に初参加のひまりは恐怖に震える。
「何が待ってるの・・・」
「ガタガタガタガタ・・・」
「上原さん大丈夫。黒服さん達が居るから助けが間に合えば死ぬことはないんじゃないかな?
それと彩先輩?怖くて震えるのは分かりますけど、擬音が声に出てますよ?」
「みんなはいったい何をさせられるの!?それに何で美咲は平気なの?」
「リサ先輩。私はもう諦めたんですよ・・・。リサ先輩は調理補助のバイトだから安全ですよ・・・多分・・・」
「そうだよね・・・。みんなのご飯作るの頑張るからね!!そういえば・・・向こうで楽器が用意されてるらしくて、時間があったら使っていいって言ってたよ?」
未体験の恐怖に震える彩たちと虚空を見つめる美咲を励ますリサ。
そんな彼女が黒服から聞いた内容を聞いた彼女達の顔がみるみる明るくなっていくが、それも長くは続かなかった。
突如としてバス止まると、運転席にいた黒服がリサを含めた全員をバスから降ろすとあることが告げられる。
「皆さん、目的地まで後30kmです。これから合宿を始めます」
「そうなんですか?でもなんでここで止めるんですか?」
「あの~もしかしてここから歩くんですか?」
「結構時間かかるけど、歩くだけなら前より楽だよ!!彩ちゃん!!」
「ですね~」
全員がちょっとだけ安堵した。
30kmも歩くのは大変だけど荷物もないならなんとかなるだろう―――
しかし、そんな甘い考えはすぐにぶち壊される。
「今から30kmですが・・・バスを押して移動します」
「「えぇ!?」」
「るんっ♪ってしないよ・・・」
「いやー期待が裏切られたよ・・・」
突然の宣告にモカ達の顔には絶望が浮かぶが、巴達は何事も無さそうに平然としていた。
「最初はこんなもんだろ?」
「平地押すだけなら大丈夫でしょ・・・」
「以前に比べたら大したことありません!!ブシドーです!!」
「ちなみに少ししたら山に入ります。というよりも最初1km以外は全部山道ですので・・・バスのハンドル操作は気にしないで結構ですよ?」
「「「・・・」」」
「あの~それでなんでアタシは外に出されたんでしょうか・・・?」
黒服の言葉に巴達も固まってしまう。
そしてただ1人バイトであるはずのリサが外に出された理由が分からなかった。
「今井様もこれから働いてもらいますので・・・」
「それって巴達と一緒にバスを!?」
「いえ・・・」
黒服からの否定の言葉に安堵するリサだったが、一瞬にしてその顔は絶望に染まった。
「野菜の下処理をお願いします。バスの中で出来るだけ多くお願いします」
「はい。でも・・・その野菜ってどこにあるんですか・・・?」
「運転席以外の座席は取り払って代わりに野菜を積んであります。やり方は中に指示がありますので出来る範囲でお願いします」
「・・・・・・はい」
「それでは、始めましょう。到着が遅いと今日の夕食は中の生野菜だけになりますので頑張ってくださいね」
そう言い残して黒服はリサを連れてバスの中へと戻っていった。
「よっしゃやるぞぉおおお!!」
「ブシドー!!」
巴とイヴの掛け声と共の彼女達の地獄が始まった。
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今回の被害者一覧(参加理由
・メイン3人巴・イヴ・美咲(強制-美咲以外はノリノリ
・ひまり(ダイエットのため
・モカ(ひまりの巻き添え
・彩(麻弥による密告による強制ダイエット
・日菜(千聖による前回の報復
・リサ(美咲に巻き込まれて