ハロハピ篇2章スタートジャイ!!じゃい!!
ここでギスギスドリドリしたいなぁ・・・
歪・曲・笑・顔-1 Bud of anxiety
「「はわぁ~・・・」」
「おいっ・・・。2人ともしっかりしろ・・・。美咲の奴も言ってたけど、なんで劇を見てこんなことになってんだよ・・・」
弦太朗は薫の招待を受けて、りみとひまりと共に彼女が所属する演劇部の舞台を観覧するために羽丘へ足を運んでいた。
しかし、物語の最後になる頃には弦太朗を除いたすべての客が薫のセリフを聞いて気絶しており、劇が終わって少し経った頃にはその全員が意識を取り戻して満足気に会場から去っていく。
その光景に弦太朗は美咲から聞いた通りになった事と余りにも現実離れしたそれに頭を抱えていたが、2人が弦太朗の横で意識を取り戻すと何食わぬ顔で席を立ったので弦太朗もその後を追った。
「話には聞いてたけど、薫の奴ってあんな人気なんだな・・・」
「そうなんよ!!」
「今日は凄かったね!!弦太朗くん!!」
「そうだな!!・・・ってちょっと待ってくれ。麻弥から電話だ・・・」
会場を出てすぐに麻弥からの着信を受けると弦太朗はすぐに電話を取る。
「もしもし?麻弥か?どうしたんだ?」
『あぁ!!如月さん!!今日牛込さん達と一緒に演劇部の劇を見てくれてありがとうございます!!・・・この後って時間ありますか?』
「ん?何かあったのか?」
『そういう事ではないんですが、薫さんが如月さん達に舞台の裏を見せてみたいって言ってまして・・・』
「あ~、俺はいいんだけど、りみ達に聞いてみねぇとな・・・」
「ん?弦太朗くん、私達がどうかしたの?」
彼女達には電話越しの麻弥の声が聞こえていなかったようで自分の名前が出てきて、りみが通話中にも関わらず弦太朗に質問してしまった。
「なぁ、2人とも、この後って時間あるか?」
「私は予定ないから大丈夫だけど・・・」
「私も薫先輩の劇見るために予定空けてあるから大丈夫だけど?」
「これから舞台終わった後の薫のところに行くけど一緒に・・・「「行く!!」」・・・最後まで言ってねぇぞ・・・」
『分かりました。それでしたら演劇部の部室まで来てください。場所は上原さんが知ってると思いますので・・・』
「おう!!じゃあ後でな!!」
「部室はこっちだよ!!行こ!!」
「おいひまり、腕引っ張んなよ!!」
こうしてひまりを先頭に3人は演劇部の部室へと向かう。
その道中では他の演劇部員と思われる生徒が弦太朗を見て驚いたような視線を送っていたが、彼自身はそれに全く気が付いていなかった。
そのまま彼らは演劇部の部室まで辿り着き、ひまりがその勢いのままドアを叩くと中から麻弥が顔を出す。
「よぉ!!麻弥!!」
「「こんにちは!!」」
「みなさん。今日はありがとうございました!!薫さんは中にいますのでどうぞ!!」
「サンキュー!!」
そうして彼らは部室に入るとそこには衣装から制服に着替えていた薫がそこにいた。
「やぁ弦太朗、それに子猫ちゃん達も・・・。今日は楽しめてもらえたかな?」
「はい・・・!!」
「最高でした!!」
「こういうの初めて見たけど凄かったな・・・。最初から最後までクライマックスみたいに盛り上がってたな」
「それなら良かっ・・・「薫~!!」・・・おやおや」
弦太朗達に感想を聞いていた薫の言葉を遮って部室の扉が勢いよく開かれるとそこにいたのはこころを先頭にハロハピのメンバー達が集まっていた。
「ちょっとこころ!!勝手に入ったらダメでしょ!?すいません薫さん」
「それは別に構わないよ。皆も中へ・・・」
「わーい!!あっ!!ゲンちゃん先輩だー!!」
「ふえぇ~!!」
開け放った扉からこころが薫の元へと駆け寄り、その後に続いて他のメンバーも部室へと入ってくる。
「薫!!みんな笑顔になっててとっても素敵だったわ!!それに弦太朗も見てたのね!!」
「あぁ!!薫に招待されたからな。こういうのは初めてだったけどな」
「そうだったんだ!!はぐみたちも薫くんに招待されたんだ~!!」
「弦太朗の貴重な体験になれてよかったよ」
ハロハピの3バカと弦太朗が盛り上がる一方で、比較的に落ち着きのある美咲たちは弦太朗達と一緒にいたりみ達へと話していた。
「でも意外だった。如月先輩はこういうの興味ないと思ってたけど」
「確かにそうかも・・・」
「前からそうだったけど、弦太朗くんは興味なくても友達に呼ばれたら行くからね・・・」
「ぐぬぬ・・・」
「あはは・・・ひまりちゃん・・・」
美咲たちの言葉にりみが答えたが、その横では昔から知っていると無意識にマウントをとられたひまりが悔しそうにりみを見つめる姿に花音は苦笑いを浮かべていた。
「そうだわ!!薫くん!!次はどんな劇をやるの?はぐみ気になっちゃった!!」
「はぐみの言う通りだわ!!」
「そういや、この前麻弥と一緒にそのための衣装を買いに行ったな・・・」
「ゲンちゃん先輩!!教えてよー!!」
「そうね。弦太朗教えてくれるかしら?」
「えぇっとだな・・・確か・・・」
その言葉を聞いたはぐみとこころはその事を聞こうと弦太朗へと近寄っていく、弦太朗もそんなはぐみに困り顔を浮かべていたがそれを見た薫が助け船を出す。
「ふふっ・・・それは次回までの秘密だよ。楽しみはとっておいた方が盛り上がるからね。ライブでの演奏曲が分かってたら楽しみが減ってしまうだろ?」
「そうだね!!」
「つまりそういうことさ・・・。弦太朗も出来たら秘密にしておいてくれないか?」
「おう!!そういう事だから悪いな」
「ううん!!それならはぐみは楽しみにしてるね!!」
「・・・それじゃあ私は笑顔になれることを探してくるわ!!薫!!また明日会いましょう!!」
その事を聞いた2人は納得した様子を見せると途端にこころが席を立つと部室から飛び出してく。
何気なく見送った彼女達の中で1人だけ心配そうな表情を浮かべていた。
「こころ・・・?」
「美咲ちゃん・・・?どうしたの?」
「ん?美咲も花音もどうかしたのか?」
「私じゃなくて美咲ちゃんが・・・」
「いえ、なんか嫌な予感がしたっていいますか・・・。こころがまたなんか面倒ごと持ってきそうだなーって」
「ふふっ。でも、それがこころちゃんの良いところだと思うよ?」
「だな・・・」
「それに最近は如月先輩の件もありますからね・・・。あはは・・・」
「ふえぇ~美咲ちゃ~ん!!しっかりして~!!」
美咲自身がハロハピでのぶっ飛んだ事を体験してはいた。
そんな彼女達―――いや、弦太朗の知っているガールズバンドのメンバーでも1,2の常識人が普通じゃあり得ないような非日常的な事件を目の当たりにするだけでなく、その事件の犯人達と戦ったりした美咲。
そんな彼女は今回のこころがそれクラスの面倒ごとを持ってきそうな予感を感じ、遠くを見つめて笑いだすと花音がそれを見て彼女を揺さぶる。
「でも、そのお陰で花音さんの方向音痴が一時的に改善されて探す手間がないのはいいんですけどね・・・」
「この子たちが道教えてくれてるだけなんだけど・・・」
「ははは・・・」
そんな花音の呟きを聞いて美咲達だけに見える位置にナゲット達が飛んでくる。
それを見て美咲は乾いた笑い声をあげる。
弦太朗がここを離れると花音の方向音痴が復活するという現実を受け止めるには今の彼女のメンタルが耐えられなかったのだ。
「おや・・・。すまないが、私はそろそろ会場の片づけをしないといけなくてね・・・」
「そうだったのか?こっちも長い時間いて悪かったな」
「こちらから呼んだのだからそれは構わないよ」
「それじゃあ薫先輩!!失礼します!!」
「失礼します・・・」
「またな!!」
「ばいば~い!!」
そんな美咲と花音だったが、ここで薫が時計を見ると彼女達に申し訳なさそうな表情を浮かべると弦太朗達も申し訳なさそうな表情を浮かべるとそのまま部室を後にして、学校の校門前まで移動するとはぐみから突然声が挙がる。
「はぐみ!!お腹すいちゃった!!」
「ふふっ・・・それならこの後ファミレスでもいこっか?如月くんたちもどうかな・・・?」
「俺はいいぞ?」
「私達も大丈夫ですよ!!」
「来れるか分からないけど、薫くんにも連絡しておくね・・?」
そして、笑顔のはぐみを先頭にして彼らはファミレスへと歩き出す。
そんな微笑ましい光景を後ろから見ていた花音と美咲だったが、そんな微笑ましい光景はいとも簡単になくなってしまうことを彼女達は再び身をもって味わうことのことをこの時は知る由もなかった。
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