次回、戦いたい・・・
「今日は私が笑顔になれることを考えるわよ!!」
「「「んんっ・・・?」」」
こころの言葉に疑問を感じて首を傾げている3人。
その横で同じく疑問に思っていたのかはぐみがこころへ問いかける。
「ねぇこころん?どういうこと・・・?世界中の皆を笑顔にするんじゃないの・・・?」
「はぐみ!!私思ったのよ!!世界を笑顔にするためには私がいっつも笑顔でいるべきだと思うの!!」
「そっか!!こころんすっごーい!!ねぇ!!ゲンちゃん先輩はどうすればいいと思う?」
「って言われてもなぁ・・・」
「はぐみはね!!どこか楽しい場所に行けばいいと思う!!遊園地とか!!」
「でも、遊園地何て今から行っても時間ないぞ・・・?」
「そっか~・・・。ならショッピングモールは?あそこなら近いし!!」
「いいわね!!早速行きましょう!!」
「ちょっとこころん!!待ってよ~!!」
こころの言葉を受けてはぐみは意見を出すと、こころがそれを採用し早速部屋を飛び出す。
そのこころを追うようにはぐみもこころの後へと続く。
美咲ははぐみを追いかけようとした弦太朗を捕まると3年生の元へと連れてくる。
「美咲。一体どうしたんだよ?」
「前から思ってたんですが、最近のこころがおかしいんですよ・・・。1人でどっか行ったと思ったら、今日は自分が笑顔になる方法とか言い始めますし・・・」
「こころの言っていることは間違ってはいないと思うが、確かにいつもとは少し違うね・・・」
「あれで少しなのか・・・?」
「それにこころちゃんが笑ってないところなんて殆ど見たことないよ・・・?」
「確かにいっつも笑ってるよな・・・」
「いや・・・でも・・・まさかね・・・」
「薫さん・・・?どうかしたの?」
美咲の言葉に薫の脳裏にあることが思い浮かぶが、信じたくないそれを即座に否定して考え出す。
そんな様子に花音は首を傾げた。
「いや・・・大丈夫だよ花音。きっと私の思い違いさ・・・」
「んんっ・・・?」
「とりあえず・・・今はこころの要望を聞きましょうか・・・」
「あぁ・・・。こころとはぐみを待たせるわけにもいかないからね」
「ほら、如月先輩も行きますよ」
美咲の言葉を受けて弦太朗は彼女達の後に続き、屋敷を出るとそこにはこころとはぐみの2人が弦太朗達が屋敷から出てくるのを待っていた。
「皆!!遅かったわね!!」
「何してたの~?」
「あー、如月先輩がトイレに行ったのはいいけど迷子になったから迎えに行ったんだよ」
「おい・・・美咲・・・」
遅れたことを不思議に思っていたこころが理由を尋ねるが、遅れた本当の理由を言う訳にもいかずに美咲が咄嗟に嘘をついて誤魔化す。
「あらそうだったのね?それじゃあ行くわよ!!」
「でも、こころ?これからどこへいくんだい?」
「ショッピングモールよ!!沢山のお店もあるし何か素敵なことがありそうだわ!!」
「それじゃあ行くわよ~!!」
「ふっ・・・儚い・・・」
「ふえぇ~薫さ~ん」
「美咲たちも早く~!!」
「俺たちも行くか」
「ですね・・・」
「ふえぇ~待ってよ~」
そのままこころははぐみと薫と共に先に行ってしまい、美咲と花音と共にその後ろを追いかけてショッピングモールへと向かう。
一行がショッピングモールに着くが、そこからの事を決めていなかった彼女達は入口に集まっていた。
「それでこころん?ここからどうするの?」
「とりあえずお店を回りましょう!!」
「でもこころちゃん?どこから・・・?」
「それなら服なんてどうだろう?」
「服・・・?どういうことかしら?」
「折角弦太朗がいるんだから、彼の服を探してみるのはどうだろう?」
「薫!!いや・・・ちょっと待て・・・!!」
薫の突然の提案に弦太朗は以前にあったつぐみとの買物での思い出して声を挙げた。
あの時は彼女だけなのに何着も着替えさせられて疲労感に襲われたのに、今回は女子が5倍。
しかも、今回は明確に弦太朗の服を探すと言ったのだ―――
前回の時以上に時間と体力を持っていかれると感じた弦太朗はその提案を断ろうとするが―――
「面白そうだわ!!それなら弦太朗の服を探しましょう!!」
「おー!!」
「ちょっと!!人多いんだから走らないの!!」
こころはその案を採用してはぐみと共に駆け出していくと、美咲がそれを咎めながらも急ぎ足で彼女達を追いかけ、その後に遅れて店に入った弦太朗だった。
そこには弦太朗に着せたい服を楽し気に選ぶこころ達の姿。
その光景に逃げられないと察した弦太朗が肩を落とし、花音に慰められている奇妙な光景が繰り広げられている後ろでは薫は満足気な表情を浮かべながら遅れて店に入ってきていた。
「ふっ・・・儚い・・・」
「薫・・・。なんであんなこと言ったんだよ・・・」
「普段はいない弦太朗がいるんだったらいつもなら出来ないことをした方が楽しんでもらえると思ってね。勝手で悪いがこころのために頼むよ」
「まぁ、言っちまったもんは仕方ねぇか・・・」
「ふえぇ~・・・如月くん、ごめんね・・・?」
「・・・ああなったらこころはもう止められませんから、どれだけ楽しむかを考えたほうがいいですよ?」
肩を落とした弦太朗の前に現れた美咲。
そんな彼女は両手いっぱいに服を抱え込んで目いっぱいこの場を楽しんでいた。
「ふえぇ~美咲ちゃん・・・?そんなに・・・?」
「いや・・・「将来、弟にこんな服着せたいな~」って思って選んでたらこうなってまして・・・」
「なるほど・・・なら私も・・・」
「マジかよ・・・」
美咲の言葉を聞いて花音も店の服を見始めて、ハロハピでも良識のある2人が暴走を始めてしまったことに弦太朗は頭を抱えるがこの事態を引き起こした元凶である薫が慰めるように弦太朗の肩に手を置く。
「すまない弦太朗。まさか花音と美咲までああなってしまうとは・・・」
「どうすんだよこれ・・・」
「確かに美咲の量もそうだけど、花音もなかなかだね・・・」
「うおっ!?なんだあれ!?」
「これもいいなぁ~。でも、こっちもいいかも・・・」
「うわぁ・・・花音さん本気ですか・・・」
「かのちゃん先輩すごーい!!」
「とっても多いわね!!私も負けないわよ!!」
彼らの視線の先には、わずかな時間で先ほどの美咲以上に服を抱えている花音とそれを見たこころは笑顔で対抗心を燃やしていた。
「あの量は無理だ!!」
「まさか美咲と花音があそこまでとは思わなかったよ・・・。ちょっと話してくるよ」
「頼んだ!!」
弦太朗の最後の希望として薫が皆の元へと歩み寄り何かを話している。
この状況を作り出した元凶に事態の打破を頼むという普通では考えられないような事が怒っているがその事を気にする人間は誰もいない。
薫の言葉に納得したのか花音たちは自身が持っていた服を元に戻していくのを見て安堵していた弦太朗。
そんな彼にそれぞれが違うアイテムを渡していく状況に彼の理解が追い付いていなかった。
「こころがシャツで・・・美咲はズボン・・・ってこれはどういう事だ・・・?」
「分かったのよ!!私達で1つずつ物を選んで弦太朗に来てもらうの!!ハロハピコーディネートよ!!」
「まぁゲンちゃん先輩!!とにかく来てみてよ!!」
「理解が追い付かねぇ・・・。脳細胞がエンストしそうだ・・・」
弦太朗の呟きも虚しくハロハピコーデを身に纏った弦太朗が彼女達の前に姿を現した。
それを見た彼女達は―――
「弦太朗!!とっても個性的だわ!!」
「でもこころん!!なんか変だよ~」
「流石に・・・これは方向性が違いすぎたね・・・」
「何やってんですかそんな変なコーデ早く脱いでくださいよ」
「ふえぇ~!?」
「って、これお前たちが選んだんだろ!?」
「まぁ、そうですけど・・・」
「みんなのセンスがバラバラだね・・・」
「でも楽しかったわね!!弦太朗、着替えたら次の事をしましょう!!」
弦太朗に待っていたのは彼女達からの厳しいダメ出しだった。
それを理不尽を感じたがこころの言葉に従ってそそくさといつもの学ランへと着替えて彼女達の元へと戻っていくとこころとはぐみは姿を消していた。
「あれ?こころ達はどうしたんだ?」
「何かのイベントをやっていたみたいでね。つまり・・・そういうことさ・・・」
「どういうことだ?」
「まぁ・・・。何のイベントか分かんないのに「面白そうだから!!」って言って走っていっちゃったの・・・」
「子供か・・・とりあえず行ってみっか」
彼らはこころ達がいるであろう場所まで移動するとはぐみが1人で立っていたのを見つけた美咲は彼女に近づいていくと後ろからその肩を叩いた。
「はぐみ」
「あっ、みーくん!!みんなも!!」
「みんなも!!じゃなくて・・・勝手に行かないでよ・・・」
「えへへ・・・ごめんなさーい」
「おや?はぐみはこころとは一緒じゃないのかい?」
「へっ?こころんは薫くん達と一緒にいるんじゃないの?」
「「・・・ふぇ?」」
こころが互いの元にいると思っていたはぐみと花音は疑問をそのまま声に出る。
それを見て弦太朗達が周囲を見渡すも人混みのせいでこころを見つけることが出来ない。
「まぁ黒服さん達が見つけてくれるのをここで待ってようか・・・」
「みーくん?こころん探しに行かないの?」
「黒服さん達もこころを見失ったみたいだし、下手に動くと今度は花音さんが迷子になるでしょ・・・」
「ふえぇ~~~~!!」
そして美咲からの思わぬ飛び火に花音から悲鳴めいた声が挙がると、その声に釣られて人間ではない何かが彼女達へと迫っていった。
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