美咲篇!!完!!
弦太朗さん!!美咲ちゃんに存在感奪われてますよ!!
ペルセウスとピスケスに挟まれた2人。
危機的な状況にも関わらずフォーゼと美咲は静かに相手に視線を向けていた。
「美咲、後は俺に・・・」
「いえ、私が・・・こころを止めます・・・!!」
「でも・・・大丈夫か?」
「えぇ・・・。それに薫さんと約束しましたからね・・・」
美咲の言葉を聞いてフォーゼはその方向へと視線を向ける。
疲労困憊と言ったような声とは対照的に言葉に含まれた強い意志をフォーゼは感じ取ると、その姿に満足そうな表情を仮面の下に浮かべながら頷くとその体と軽く叩く。
「さっきから私の事を無視するなんて許せないわ!!」
「・・・!!」
ペルセウスは目の前の光景に痺れを切らしてダイザーへと駆け出すのと同時にピスケスもそれに合わせてダイザー目掛けて水流を放つ。
――――――――シールドON――
しかしその水流がダイザーへと当たることはなく、シールドを出したフォーゼがその間に割って入った。
「うっし!!じゃあこころは任せたぜ!!」
「えぇ・・・!!」
その言葉と共に美咲はペルセウスへと向かっていくのを見送る。
「うお座の野郎!!こっからはタイマンだぜ!!」
「・・・」
「しゃべんねぇで不気味な野郎だな・・!!」
そんな言葉を漏らしながらも盾を構えたまま水流に逆らって近づいていくが、思うように距離を詰められないフォーゼがドライバーのシールドを構えたまま別のスイッチを起動する。
――――――ホイールON――――
「いっけぇええええええ!!」
「・・・!?」
自身の足ではこれ以上近づけなかったピスケスへとホイールの力を使って強引に寄るとそのままピスケスを地面へと押し倒す。
「・・・っ!?」
「のわぁ!?なんだ!?」
ピスケスは押し倒したフォーゼへ驚いたような視線を浮かべると両手でフォーゼを突き飛ばす。
突き飛ばされたフォーゼはピスケスからの攻撃へ備えようと盾を構えるが攻撃が来ないことに疑問を感じるがピスケスが当たり構わず水流を放ち始めた。
「よく分かんねぇけど止めねぇとな・・・!!」
その行動の意味が分からなかったがフォーゼは放たれる水流を躱しながら再びピスケス目掛けて駆け出して行った。
その一方では美咲がペルセウスとの戦いを始めていたが、その状況はペルセウスに対して防戦一方だった。
「美咲っ!!もっと私を楽しませてほしいわ!!」
「きっつい・・・!!」
ペルセウスは自身の剣をダイザーの装甲へと叩きつける。
剣が叩きつけられる度にその衝撃が内部の美咲を襲い、彼女の体力と精神をすり減らしていくが彼女はそれに耐え続ける。
代り映えのしない光景にペルセウスは次第に苛立ち始め、そんな中でも美咲は耐え続ける。
「みーくん!!」
「美咲ちゃん・・・!!」
「はぐみ・・・花音さん・・・」
体力の限界が近づきながらも、耐え続けた美咲の耳には大切な仲間の声が響いた。
その2人の声を聞いた美咲は身体は溢れてくるのを感じていた。
しかし、2人の声を聞いて反応を示したのは美咲だけではなかった。
「2人とも来たわね!!美咲の次はあなた達で遊んであげるわ・・・!!」
「こころん・・・!?」
「ふえぇ~!?」
ペルセウスは2人へ向けて次の標的だと言い放つ。
はぐみ達は驚き、恐怖を浮かべた表情を浮かべたそれを見た美咲の中で何かが弾ける。
「させるかぁー!!」
「きゃあ!!」
美咲は叫びながらペルセウスへと駆け出すとそのまま体当りで2人から引き剥がす。
突然の出来事にペルセウスも叫ぶ声をあげるもすぐに立て直して美咲へと向き合い―――
「あはははは!!」
「ぁぁぁぁあああ!!」
こころと美咲は互いに剣と拳をその体に叩きつけ合っていく。
「「・・・」」
楽し気な笑い声を挙げるこころと悲痛な叫びを挙げる美咲。
生身ではないとはいえ、大切な仲間同士が傷つけあっているその光景に2人は言葉が出なかった。
互いに攻撃を受け合っている2人。
ペルセウスは疲弊しているのか肩で息をするような仕草を見せているが、それ以上のダメージがあったのは美咲だった。
彼女が乗るダイザーの装甲は至るところに無数の傷が刻まれていた。
そして一部の装甲はペルセウスの攻撃に耐えきれずに剥がれ落ち、そこから剥き出しになっているフレームからは時折火花が飛び散っているのが見えていた。
傷だらけになりながらも2人は戦いを止めない。
「(美咲ちゃん・・・!!こころちゃん・・・!!)」
「みーくん!!頑張れぇぇぇええええ!!」
そんな光景を見ていられなくなってしまった花音は目を閉じて、祈るように手を合わせる。
その横でははぐみが力の限りの声を出して美咲に声援を送り、花音は驚いてすぐに目を開けてしまった。
その声に答えて美咲はボロボロになったその腕を全力でこころに叩きつける。
「きゃ!!」
「まだまだ!!」
「やった!!」
美咲の攻撃は1回では収まらず、何度も何度もその腕をこころへと叩きつけているとそれに耐えきれずペルセウスは吹き飛ばされて地面へと倒れるが、すぐに起き上がるとその場で地団駄を踏んでいた。
「さっきまで美咲がやられっぱなしだったのに、急にこっちがやられちゃうなんて楽しくないわ!!」
「こころん・・・」
「なんで美咲
「1人じゃない・・・!!」
「意味が分からないわ!!」
ペルセウスの言葉に美咲は声を張り上げて否定する。
しかし、言葉に意味が分からないペルセウスは苛立ちを隠さないままに美咲へと駆け出してその剣を振り下ろすが、美咲はそれを受け止めると再び力比べが始まる。
「確かに今、こころの前には私だけしかいない。でも、1人じゃない!!」
「なにをいってるのかしら?」
「黒服さん達と如月先輩がこころを必死に止めようとしてくれた!!はぐみがいて、花音さんがいて!!心の中には薫さんや他のみんなもいて!!それで、みんなが前のこころに戻ってほしいと思ってる!!」
「美咲ちゃん・・・!!」
「みーくん・・・。うん!!そうだよね!!」
美咲は自分の想いをペルセウスへとぶつけ、その想いを聞いたはぐみと花音も同意する。
しかし、その言葉はペルセウス―――こころには届かない。
「意味が分からないわ!!そんなにみんなで私の邪魔をするなんて酷いわ!!みんな―――
大っ嫌いよ!!」
「私も!!今のこころは大っ嫌い!!」
「そうなのね!!なら美咲なんていなくなっちゃえばいいのよ!!」
「こころんもみーくんも何言ってるの!?」
こころと美咲の言葉、驚きが隠せないはぐみ達。
その場で慌てふためく2人の前ではペルセウスも美咲は1歩も引かない。
「今の・・・みんなの笑顔を奪うこころは大っ嫌い。だから、前の・・・みんなを笑顔にしてた時のこころを取り戻す!!」
その言葉と共に美咲の乗るダイザーから激しい火花が飛び散るのと共に甲高い金属音が響く。
「なっ!?」
「嘘・・・」
「すっごーい!!」
呆然とするペルセウスと驚きの表情を浮かべるはぐみ達の視線はペルセウスの手元に集まる。
そこにあったのはペルセウスの剣が根元から叩き折れている光景だった。
「なんで・・・どうして・・・?」
目の前の出来事が信じられないのか、それとも心が折れたのかペルセウスがよろよろと後退りをした後にその両膝を地面につけて崩れ落ちると地面を殴りつける。
「どうして!!どうして負けてるよ!!ただ笑顔になろうとしただけなのに!!」
ペルセウスの叫ぶが、美咲はその疑問に答えた。
「『私達で世界中のみんなを笑顔にするんだ・・・みんなの笑顔があるこの世界で私達が負けるないでしょ(だろう)?』」
「えっ!?」
「ふえぇ~!?薫さん・・・?」
美咲が言ったその言葉だったが、はぐみと花音には美咲の声と共にここにはいないはずの薫の声が重なって聞こえたことに驚きを隠せなかった。
それを聞いたのははぐみ達だけではなかった。
「薫・・・。うわぁああああああああああああ!!」
「こころ・・・!!」
自身が石に変えた薫の声はペルセウスにも聞こえたらしく、ペルセウスは取り乱して暴れ出すがすぐに美咲がペルセウスの身体を左腕で掴み上げる。
「美咲!!」
「如月先輩!!おっと!!・・・こいつ!!」
「割って・・・挿す!!」
―――N―――――――
―――――――S―――
―――マグネットON ―――
フォーゼの声に反応し、その方向へ向き直ると何かが飛んでくるのを右腕で受け止める。
飛んできたのはフォーゼと戦闘していたはずのピスケス。
かなりの力で抵抗されるが美咲は逃がさないように力の限りピスケスを握しているとフォーゼは先ほど美咲から受け取ったマグフォンを使ってマグネットステイツへと変身した。
「・・・挟み撃ちで決めるぞ!!」
「えっ・・・!?はい!!」
―――リミットブレイク ―――
「うぉおおおおおお!!」
「いっけぇぇぇぇぇええええええ!!」
美咲の返事を聞いてフォーゼはマグフォンのスイッチを押し込んで構えた途端に走り出したと思った途端、背中のバーニア・リパルシブマニューバーの出力を限界まで上げて地面を滑る様に移動し始めた。
移動しながらも肩のマグネットキャノンにエネルギーと集めながらダイザーへと互い目掛けて突っ込んでいく。
「・・・っ!!」
「きゃあ!!」
「みーくん!!」
「美咲ちゃん!!」
しかし、ピスケスは傷ついたダイザーの右肩の関節に少量の水流を放つ。
普段なら大した問題にはならないが、傷ついたダイザーにとってそれが致命傷になってしまい、ダイザーの右肩を中心に爆発する。
その衝撃によって操縦席内に火花が飛び散るのと同時にダイザー右腕が地面へと落下する。
フォーゼはその光景に速度を緩めようとするがダイザーは速度を緩めず、フォーゼへと突っ込んでくる光景に美咲の覚悟を感じてフォーゼも速度を緩めるのを止めてそのまま突っ込んでいく。
「行くぜ!!ライダー超電磁タッァァァァクル !!」
ダイザーとフォーゼがすれ違うと同時に
それを見ていたはぐみ達はその爆炎に耐え切れず目を塞いでしまい、炎が収まって2人が目を開くとそこにペルセウスの姿は無く、銀色に輝くフォーゼと傷だらけのダイザーがピスケスがいたはずの場所へと視線を向けていたが、ピスケスは捕まれていたダイザーの腕から抜け出してそのまま夜の街の中へと消えて行ってしまった。
「美咲!!大丈夫か!?」
「えぇ・・・。でも、これ壊しちゃったし・・・」
「気にすんなって!!とりあえず降りてこいよ!!」
「えぇ・・・」
美咲はその言葉に従ってダイザーから降りようと操縦席を開けるとそこにはボロボロの操縦席とそこから傷ついた美咲が出てきる。
彼女はそのまま降りようとするが、体力を使い果たしてしまい降りる際にバランスを崩して地面へと堕ちていく。
「「「美咲(ちゃん)(みーくん)!!」」」
突然の出来事に反応が遅れてしまった3人。
しかし、誰かがその3人の間を走り抜けると地面に落ちる直前の美咲を受け止めた。
「マジか!?」
「うそ・・・」
「どうして・・・?」
「かおるさん・・・?」
「やぁ、美咲。よく頑張ったね・・・」
美咲を受け止めたのはペルセウスによって石化されてしまったはずの薫。
その彼女が今、石化しておらず生身で彼女を受け止めていることに驚く一同だったが、美咲は驚く体力も無く薫の腕の中に納まっていた。
「薫さん。すいません・・・制服・・・ボロボロにしちゃって・・・」
「なに、気にすることはないさ。仲間を救った名誉の負傷さ」
「薫くん!!身体は大丈夫なの?」
「あぁ、問題ないよ。心配をかけたね」
「ふえぇ~良かったよ~!!」
「おやおや、花音もかい?」
薫の姿に花音はその場で号泣しながら、みんなで笑い合うのを見たフォーゼはふと疑問に思ったことを口にした。
「でも、なんで薫が元に戻ったんだ?」
「つまり・・・そういうことさ・・・」
「いや、わかんねぇよ?」
「ふふっ。とりあえず、理由は後で考えればいいんじゃないかな?」
「うん!!かのちゃん先輩の言う通りだよ!!」
「お~~~~い!!みんな~!!」
薫がなぜ戻ったのか理由が分からない彼女達を誰か呼ぶ。
彼女達はそのままその声の方へと視線を向けると特徴的な髪型が目に入る。
「あっ!!かーくん!!」
「はぐ!!・・・ってもう終わったんだね!!」
「香澄?何してんだ?」
「えへへ~。美咲ちゃんが気になっちゃって・・・って美咲ちゃん!?」
やってきたのは美咲にこの場所を伝えた香澄。
彼女がここに来た理由を言いながら美咲を見るとその姿に驚いてしまう。
「私は・・・うん。ご覧の通り・・・」
「大丈夫なの!?」
「私はいいから・・・そういえば、こころは?」
「みんな!!こころちゃんが!!」
美咲の言葉に花音が答えてこころを指差すとそこでは彼女が意識を取り戻そうとしており、全員で彼女の元へと駆け寄っていく。
「こころ!!」
「みさき・・・?そんなになってどうしたのかしら?」
「ったく・・・あんたは・・・。っていうか如月先輩はいつまでそのままなんですか?」
こころの言葉といつまでもフォーゼでいる弦太朗に呆れる様子を見せる美咲。
フォーゼもその言葉を受けてそのまま変身を解くと、こころは目を見開いて驚いていた。
「すごいわ!!弦太朗!!」
「ん?なにいってんだ・・・?」
「そういえば・・・こころちゃんには見られてなかったよね・・・?いつも後ろで変身してたから・・・」
「「あっ・・・」」
ここで彼らはペルセウスには直接変身する姿を見られてはいなかったことを思いだした。
ペルセウスと戦闘を始める前に変身していても常にその後ろで変身していたため、直接は見られてなかったので、こころは気が付いていなかったのだ。
その事に気が付いた弦太朗と美咲は声を出してしまうが、とりあえずそんなことはなかった事にして、こころへとそのまま話しかける。
「こころ、何があったか覚えてるか?」
「はっきりとは覚えてないけれど、みんな怖がってたのは覚えてるわ・・・」
「なら、その怖がらせてしまった以上にみんなを笑顔にしていけばいいさ・・・」
「そうね!!」
「後、覚えてたらでいいんだけど。魚みたいなのにスイッチ貰ったって言ってたけど、いつ貰ったかとか覚えてるか?」
「確か・・・学校に沢山虫さんが日の放課後だったわ!!そういえば・・・誰かに似てると思ったんだけど・・・誰だったかしら・・・?よく覚えてないわ!!」
「そっかサンキューこころ」
こころの事を考えて弦太朗は話を聞くのを辞めると、疲れ切ってしまったのかこころはそのまま寝息を立ててしまった。
それを見て一同が笑っていると、不意に誰かのスマホが震える。
「誰だ?」
「私だ・・・。ゲンちゃん先輩!!瑠唯ちゃんも元に戻ったって!!」
「そっか!!でも何でだ?」
香澄から瑠唯も戻ったという話を聞いたが、弦太朗には皆目見当もつかない。
そんな中で薫は笑いながら弦太朗に答えた。
「魔法・・・かな?」
「何言ってんだ薫・・・」
「原因が分からないが、そう思ったほうが素敵だと思わないかい?」
「そうだな・・・!!」
薫の言葉に納得してしまった弦太朗は考えるのを辞める。
とりあえず1件落着と言った空気が流れる中で、スマホを眺めていた香澄の顔がどんどんと青くなっていく。
「かーくん?どうしたの・・・?」
「あ~!!どうしよう!!電車もうないよ~!!」
「えぇ~!?」
「ゲンちゃん先輩!!バイク乗せて~送ってって~!!」
「任せとけ!!」
「それじゃあ私達も帰ろうか・・・。美咲は私が送っていくから安心してくれ。それじゃあ、おやすみ」
薫の言葉を聞いて弦太朗達はこころの屋敷からそれぞれ帰路に着く。
皆がこころを助けた安心感に胸を撫でおろしていた。
しかし――――
「・・・っ!!」
夜の闇に紛れ、嫉妬や憎悪に塗れた視線が彼女達を捉えていたことに誰も気が付くことはなかった。
誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。
次章:キラキラドキドキ(ギスギスドリドリ
そろそろあれを解放かな・・・