最初は短くなっちゃいましたが導入篇・・・
ギスギスドリドリしたい!!
今回は誰が曇らされるんでしょう・・・
鼓・動・再・輝-1 写真と不安と新たな刺客?
とある日の放課後、街を廻っていた弦太朗はりみ、2人はそのままとある店に入っていく。
扉が開くと同時に店内には軽快な音が流れるが、店員が見当たらない。
しかし、2人はそのまま店内の商品を見て回っていると扉の空いたのに気が付いた店員が店の中から表に出てくるが、目の前の光景を目にした店員は死んだ魚の様な目をして2人に視線を送るが、2人は全く気が付く様子がなく話を続けていく。
「弦太朗くん!!これどうかな?」
「いいんじゃねぇか?」
「弦太朗くん、流石に手に取ったものを見てから答えようよ・・・」
「でも、りみが今、何持ってるかなんて見なくても分かるしなぁ・・」
「もう・・・!!」
はたから見たら恋人同士の会話にも聞こえてくるそれを、心を無にして流そうとするも否応なしに店員の耳には2人の会話が入ってくる。
「そういえば、りみはいつもゆりに写真送ってんのか?」
「そうだよ?・・・実は弦太朗くんがこっちにいることはお姉ちゃんには言ってないんだ~」
「ん?なんでだ?」
「えへへ・・・。折角だったらいきなり弦太朗くんの写真を送って驚かせようと思って・・・」
りみはそう言いながら照れくさそうに笑うのを見た弦太朗もそれを見ていたずらが思い浮かんだ子供のように笑う。
「うっし、ならそうするか!!でも・・・どこで撮るんだ?」
「う~ん。学校なんてどうかな?お姉ちゃんも花咲川に通ってたし・・・」
「なら、そうすっか!!」
そんな2人を見て遂に店員の我慢が限界を迎えて、2人に声をかけてしまった。
「ねぇ、私が店番してる時にそんなにイチャイチャするの見せつけないでくれるかな・・・?」
「あっ・・・」
「よっ!!沙綾!!」
彼らがいたのはやまぶきベーカリーで、その店番をしていたのは沙綾だった。
しかし、沙綾の目は先ほどまでの2人のやり取りを見たせいで完全に目が死んでいた。
「こっちが店番してるのに2人はデート・・・?」
「デート?何言ってんだ・・・?」
「沙綾ちゃん、そんなんじゃないよ?」
沙綾の言葉をすぐさま否定する2人だったが、以前として彼女の目は以前として死んだままだった。
そんな姿を見たりみは何かを思い出したかのような雰囲気で沙綾に話しかける。
「沙綾ちゃん。今度の週末に2人で遊びに行く約束だったけど、予定が入っちゃったから代わりに弦太朗くんと行って来たら?」
「えっ?そんな約束してたっけ・・・?」
沙綾はりみと2人で遊びに行く約束などした記憶はなく、必死に思い出そうとするがやはり何も思い出せない彼女。
「ん?よく分かんねぇけど来週なら空いてるから俺はいいぞ?」
「えっ・・・?うん。じゃあ、よろしく・・・?」
「おう!!じゃあとりあえずこれ頼む!!」
そして流されるまま沙綾は弦太朗と約束をしてそのまま会計を始める。
仕事をしながらもなんとか思い出そうとするが、彼女がりみと約束した記憶など全くなく、不思議に思って沙綾はりみへ視線を送ると、ニコニコとしたりみが沙綾を見ていたことで全てを察した。
最初からりみと沙綾の間に約束などは無く、りみは空気を読んで沙綾と弦太朗が2人で遊ぶ流れを作ったのだ。
それを理解した沙綾は2人に見えないようにガッツポーズをしてからりみへと視線を送る。
「(りみ!!今度、差し入れのチョココロネは多めに持っていくからね!!)」
「(よろしくね?)」
同じバンドのリズム隊は視線だけ会話を終えると沙綾がウキウキしながら仕事を続けるが、ふと思ったことを口にした。
「でも、弦太朗はゆり先輩とも知り合いだっただね~」
「まぁな。前は結構怒られてたけどな・・・」
「あはは・・・。それは弦太朗くんが変なことばっかりしてたからじゃ・・・」
「なんか分かるかも・・・」
りみも当時の事を思い出して苦笑いを浮かべ、沙綾もそんな様子を思い浮かべるとりみに釣られて苦笑いを浮かべるが、すぐに話を戻す。
「りみ。ゆり先輩に写真送るんでしょ?なら3人で撮らない?」
「うん!!いいよ」
そのままりみは3人で並んで写真を撮ると、そのまま姉のゆりへとその写真を送ると笑う。
「お姉ちゃん。驚くかなぁ?」
「そうだろ!!」
「まぁ・・・私だったら驚くかなぁ。知らないんでしょ?」
「うん・・・」
店内に3人しかいないのでそのまま話始めた彼らだったが、突如としてりみのスマホが震えるが、その相手に驚きを隠せなかった。
「お姉ちゃんから電話!?」
「「嘘っ!?」」
写真を送って物の数分で送り相手であるゆりから電話がかかってきた事に驚く3人だったが、りみは嬉しそうな表情でそのまま電話に出た。
「もしもし?お姉ちゃん?」
『りみ?そこに弦太朗いるの?』
「えっ!?ちょっと待って・・・」
りみはゆりの声に驚きながらも、皆にも聞こえるようにスピーカーにして全員に聞こえるようにすると弦太朗に渡す。
「よぉ!!久しぶりだな!!」
『久しぶりじゃないよ!!』
弦太朗が話すと早々に電話の向こうからゆりの怒り声が聞こえることにりみ達は驚くが、怒られてる本人はあまり気にしている様子がない。
「そんないきなり怒るなって」
『引っ越してから1回も連絡しないで!!心配してたんだからね!!これからはちゃんと連絡してよ・・・?』
「わりぃって!!でも海外留学なんてスゲェな!!」
『ありがと。弦太朗はちゃんと勉強してるの?』
「勉強の話はやめてくれよ!!」
『ふふっ。相変らずだね・・・』
「・・・あれ?」
2人の会話を聞いていた沙綾は彼女はここで違和感を覚えた。
最初こそゆりは怒っていたが、すぐに怒りが収まって自分に似た何かを感じ取っていた。
『りみ、そう言えばバンドの方はどうなの?何かイベントに出てるんでしょ?』
「うん!!今みんなで武道館目指して頑張ってるよ」
『武道館には弦太朗と”2人で”見に行くから頑張ってね!!』
「うん!!頑張るね!!」
『それじゃあまたね!!』
「(弦太朗、モテすぎじゃない・・・?)」
その言葉を最後に電話が切れると沙綾は確信したが、その事を考えるのはやめた。
「じゃあ、沙綾。俺たちそろそろいくわ・・・」
「沙綾ちゃん。明日から練習、頑張ろうね」
「うん。2人ともまたね」
沙綾はコロネを抱えて店から出ていく2人を見送るとそのままレジに立ちながらボンヤリと考えていた。
「確かに、バンドリの事も心配だけど・・・」
今の沙綾の心配事はそれだけではなかった。
「最近良く泊まりに来るけど・・・大丈夫かなぁ・・・香澄・・・」
沙綾の呟きに答えるものは誰もおらず、その声は店内に響くことなく消えていき、その心配事は最悪の形で彼女達の前に現れることをこの時は知る由もなかった。
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