恋愛裁判開幕
これは1回では裁き切れませんでした・・・
ライブハウスCiRCLE。
そこのとある1室ではチュチュを除いた34人のガールズバンドのメンバー達が集まっており、そこには沈黙と緊張した空気が流れている中で瑠唯がガベルを振り下ろしてライブハウスには不釣り合いな言葉を告げる。
「これより、裁判を始めます」
しかし、1番疑問を感じていたのはその言葉を告げた瑠唯自身、彼女は思ったことを口にしてしまった。
「どうしてこうなっているのかしら?」
「モカちゃん・・・?ここに立たされてるけど私も状況が分からないんだけど・・・」
「るいるいさいばんちょ~も、レイヤも分かってないんだ~」
それに同意したのは瑠唯の斜め前―――
弁護士席と思われる場所に立たされてるレイヤは同じく横に座っていたモカに視線を送るとモカはやれやれと言った様子で首を振りながら答える。
「かくかくしかじか~四角いムーブって感じ~」
「あの、全く分からないのだけれど・・・」
「え~」
そんな訳の分からないモカの説明を聞いていたが、それに痺れを切らして彼女達と反対側の検察側が答える。
「なんでも色々とやらかしてるからそれに対して裁判するらしいぞ?」
「ますきとましろちゃんはそっちなんだ・・・」
「おう、ましろ。形だけでここにいるけど・・・やるぞ?」
「はい・・・」
検察側にいたのはますきとましろだったが、ましろはますきの勢いに呑まれていたがそんなことを気にする様子もなく瑠唯は審理を進めていく。
「それでは最初の審理に入ります。被告人達は被告人席へ・・・」
「ちょっと待って!!達ってなに!?裁判って1人ずつじゃないの!?」
「まぁまぁ~」
「お遊びみてぇなもんだからな・・・」
レイヤがツッコミを入れるが右から左へ受け流すモカ達を他所に最初の被告として4人が被告人席へと立たされる。
「香澄ちゃんとりみちゃんと有咲ちゃんに白金さん・・・?いったい何をしたの・・・?」
「それでは検察は罪状を読み上げてください」
「はいっ・・・!!」
裁判長の瑠唯に言われた通りにましろ検事は封筒を開けて、そこにかかれていた罪状を読み上げる。
「えぇっと・・・罪状は・・・同衾・・・?どういうこと・・・?」
「静粛に・・・。倉田さん、続きを・・・」
その言葉を聞いて周囲にいるメンバーが騒がしくなるが、瑠唯はガベルを打ち鳴らして黙らせるとましろに説明を求めた。
「うん・・・。4人は如月さんと一緒に寝た・・・としか書いてないよ?」
「そう・・・。でも、犯罪でもないし、こんなことする意味あるのかしら?」
「ん~・・・るいるい。ちょっといい~?」
「・・・広町さん、何かしら?」
瑠唯が首を傾げているところに七深が挙手してから彼女の元へと歩み寄るとそっと彼女にだけ聞こえる様に耳打ちをする。
「じゃあ、もしもとーこちゃんが流星さんと一緒にベットで寝てたらどうする・・・?」
「・・・」
七深の言葉を聞いて瑠唯は想像を膨らませ始めると、分かりにくいが怒りの表情を浮かべるとガベルを打ち鳴らす。
「桐ヶ谷さん。あなた・・・極刑よ」
「はぁ!?なんで!?」
「刑場まで連れて行きなさい」
「なんでぇえええええええ!!」
訳も分からず極刑を告げられた透子だったが瑠唯の言葉によってこころの家の黒服がどこからともなく現れると彼女を抱えて部屋から消える。
ただ連れていかれただけで何かをされることはなさそう。
そんな甘い考えを浮かべていた彼女達だったが―――
「ぎにゃああああああああああああああああああああああ!!」
その淡い期待は外から聞こえてきた透子の悲鳴によって打ち砕かれた。
「ねぇ!?あれ大丈夫なの?」
「まぁ・・・検察と弁護士役なら安全なんじゃない~?」
そんな中でモカの発言によってましろとレイヤはほっとした表情を浮かべていたが、悲鳴を聞いて被告席にいる4人を中心に大半のメンバーが恐怖を感じていた。
「とりあえず、全員極刑でいいかしら?」
「るいるいさいばんちょ~。流石にそれは不味いから証言が必要だと思うな~」
「私もそう思うよ・・・?」
「・・・それもそうね」
暴君になりかけていた瑠唯をモカとましろが意見を聞いてそれなりに話を聞くことになり、裁判が本格的に始まる。
「それで、この罪状についてだけど被告人達は容疑を認めますか?」
「「「「・・・・・・」」」」
「・・・沈黙は肯定と捉えます」
しかし、4人は未だに透子の悲鳴を聞いて言葉が出なかった。
少しだけ考えた瑠唯が判決を言い渡そうとしたその時―――
「待った!!」
「市ヶ谷さん。何か?」
「確かに如月と寝たっていうと間違いじゃないけど、私とりみは話をしてたら寝落ちしただけだ!!」
「・・・そうだよ!!」
「証拠はあるんですか?」
「・・・」
有咲はその時の状況を説明したが、証拠がないと思い撃沈寸前まで追い込まれたがここで傍聴席にいた千聖から手が挙がる。
「あの・・・発言いいかしら?」
「・・・発言を許可します」
「ありがと・・・。有咲ちゃん達は分からないけど、燐子ちゃんならやましいことをしてないって証拠ならあるわ!!」
「本当の裁判なら証拠の申請が必要ですが・・・、まぁいいでしょう。証拠の提示をお願いします」
「えぇ・・・バガちゃん。あの時の映像を出してくれるかしら?」
千聖は手の上にバガミールを乗せて映像を映すように頼むと、バガミールは即座にその時の映像を投影し一同はそれを一通り確認する。
「確かにやましいことはしていませんね?」
「あ~、そう言えばこの時って紗夜さんの事件の時ですね~」
「だったら不安で無意識に手を握るくらいは・・・自然なのかな・・・?」
「「「「・・・・・・」」」」
「ひぃ・・・!?」
千聖の流した映像では燐子が保健室のベットで弦太朗の手を握って寝ていただけだった。
それを見て弁護士たちは燐子を擁護するが一部の少女達は憎しみの籠った視線を燐子に飛ばすと燐子はその視線に震えてしまうが、りみは咄嗟に言葉を並べた。
「ねぇ、私たちの時の映像もあるんじゃないかな・・・?」
「そうだ!!あの時こいつの事も話してたから・・・!!私達の映像はあるか!?」
りみの言葉に有咲は慌ててバガミールに詰め寄ると少しだけ時間が空き、バガミールが有咲達の時の映像を流し始める。
それを見てガッツポーズを浮かべた有咲だったが、途端に表情が曇りだして映像を見て誰かがポツリと呟いた。
「有咲って寝相悪いんだね・・・」
「ぬぅ・・・。あの刑の執行に比べたらこの程度・・・」
「ねぇねぇ私のは!?」
有咲のあられもない寝姿を映されて有咲は泣きそうになるもなんとか堪える。
その横では香澄が自分の映像を映すようにいうがバガミールから映像が出て来ずに慌てる香澄にほぼ確実に極刑を免れたであろう有咲がそっと擁護した。
「まぁ、香澄は明日香ちゃんの事件の時だったしな・・・。声が出せなくなるくらいにメンタルやられてた時に寝ぼけてベットに引きずり込んだだけだけど・・・。罪は償って来いよ?」
「ありさ~!!」
「では・・・判決を言い渡します」
香澄の様子を見て
これ以上は何も出てこないと察した瑠唯は少しだけ考えてから判決を言い渡す。
「被告・戸山香澄は有罪、他の3名はやましい点が全くないため無罪とします。
戸山さんですが精神的に追い詰められていた点を考えて刑はCiRCLEスタジオ清掃の刑に処します」
無罪を勝ち取ったりみと燐子は互いに手を取って喜び、寝相の悪さの露見と引き換えの無罪の有咲も複雑そうだが少しだけ嬉しそうだった。
一方で極刑を免れたが有罪を言い渡された香澄は黒服に清掃道具を押し付けられるとトボトボと部屋から去っていくと、室内は再び静まり返る。
これで裁判が終わったと思っていた彼女達だったが、瑠唯はそれを見てガベルを打ち鳴らす。
「それでは次の裁判を始めます」
「まだ続くの!?」
「・・・次の被告人は被告席に」
レイヤの言葉も虚しく、裁判が続き今度はパスパレの5人に加えてロックとパレオが出される。
「ロックにパレオ・・・?」
「ひぃ~!!」
「・・・検察側は罪状の読み上げを・・・」
「おう、今回の罪状は・・・覗き?あぁ、そう言えばロックのとこの銭湯で男子風呂に突っ込んだって言ってたな」
「「「「「・・・・・・」」」」」
「パレオは男湯から日菜ちゃんの声と如月様の悲鳴が聞こえてきたから、心配になって番台で店番をしていたロックさんと男湯に行っただけで覗くつもりはありませんでした!!」
「・・・ここで裁判するよりも本当に警察に突き出したほうがいいのではないのかしら?」
「まぁまぁ・・・。ここで判決決めてからでいいんじゃない?」
「判決を言い渡します。朝日六花は無罪。それ以外の被告は全員有罪で戸山さんと同じ刑よ」
「異議あり!!異議ありです!!どうしてロックさんだけ無罪なんですか!!」
瑠唯の言葉に冷たい視線が被告人たちに刺さり、瑠唯が正論をぶつけるがレイヤもそれなりに弁護しようとするがまるで意味をなさずにすぐさま瑠唯が判決を言い渡すがその判決に納得がいかなかったパレオが速攻で噛みつく。
傍聴していた少女達もこの判決には理解が出来なかったのかパレオに同意するような空気が流れている中で瑠唯が理由を説明する。
「番台で店番をしていたっていうことは、店内で起こった問題への対応も業務の一環ではないかしら?それだったら如月さんの悲鳴が聞こえて問題が思ったと考えて男湯に行っても問題はないと思うのだけれど?」
「それはそうかもしれませんが!!従業員といえども女の子が男湯に行くなんて!!」
「・・・その気持ちは分からなくはないけれど、それを言ったところであなたが男湯に行っていい理由にはならないと思うわ」
「流石に、これは無理かな・・・」
「パレオ、諦めろ。本当に警察に突き出されても少年法が守ってくれる・・・かもな」
「そんな!!レイヤさんもマッスーさん!!ぁぁぁあああああ!!」
レイヤとますきにも諦められたパレオは黒服に捕まった。
パレオは推しと一緒にいられる喜びと有罪判決の悲しみが入り混じって複雑な表情と声を出しながらそのまま部屋から引きずり出されていく。
それを見てロックは安堵の息を漏らしてそのまま傍聴席まで戻ろうとするが―――
「待ちなさい。あなたにはまだ別の罪状が残ってるわ。あなた、如月さんと混浴したそうね?」
「えっ・・・?」
「うらやましい・・・これは極刑だよ!!」
「つぐの言う通り!!極刑だよ!!」
「羽丘は風紀が乱れてるわ!!」
安堵していたのも束の間裁判長自らが罪状を述べる。
その直後傍聴席からつぐみとひまりに紗夜まで声をあげ始め、それを聞いた沙綾はロックへと詰め寄ろうとするがポピパの4人がかりで抑え込むが、騒がしくなり始めてしまい瑠唯が声をあげる。
「静粛に!!朝日さん。確認するのだけれど場所はあなたの下宿先の銭湯でいいのよね?」
「・・・でも!!営業時間が終わってました!!それに女湯はお湯が抜かれた後で・・・それに如月先輩と合意の上です!!」
ロックの言葉に紗夜は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、つぐみとひまりが飛び出そうとするが即座に巴が2人の首元を掴んで静止されられた。
そんな中で瑠唯はロックへ視線を向けると彼女への判決を言い渡す。
「・・・判決、無罪」
「しゃああ!!」
「では、本日の裁判はここまで。閉廷とします」
最後の判決にざわつく中が瑠唯は今日の裁判が全て終わったことを告げるとその場でため息を吐いた。
そんな様子を見て検察と弁護士が歩み寄ってくる。
「瑠唯。お疲れ」
「るいさんかっこよかったよ!!」
「佐藤さん。倉田さんもお疲れ様」
「るいるい、しつもーん」
「なんでしょうか?」
苦労をねぎらい合う中でモカが疑問を口に出す。
「なんで最後のろっかは無罪なの?」
「それ私も思った・・・」
「同意があった上に、完全にプライベートの時間ですからとやかく言う必要はないと思いました。それに・・・」
「それに?どうしたの?」
レイヤが瑠唯の言葉の続きを聞こうとすると瑠唯はロックへと視線を向け、彼女達もそれに合わせて彼女の視線の先を見る。
「ねぇロック?弦太朗とお風呂ってどんな事したの!?」
「あこにも教えてよ!!」
「リサ先輩!?あこちゃん!?」
「別に話さなくてもいいけど・・・。後ろの人たちが何をするか分からないよ?」
「ひぃ!?」
リサたちが詰め寄られたロックは驚いていたがその後ろには沙綾とつぐみ、ひまりに紗夜と言う怒りのオーラを身に纏った少女達がロックを威嚇していた。
リサはそれを使って面白半分にロックから話を聞きだすべく、あこと2人でロックの腕を掴み怒っている彼女達を引き連れて部屋を出て行く光景が繰り広げられていた。
「あそこで有罪にしても、あの人たちからの私罪にされそうでしたので・・・」
瑠唯の言葉を聞いてその内容に納得し、連れていかれたロックへと同情する彼女達だった。
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小ネタ解説
小ネタ28
本編であったラバーズ嫉妬しそうなのをジャッジメントですの!!
透子ちゃん?あの子は犠牲になったのよ・・・