遅くなりましたが投稿です。
さてと、徐々に被害者が増えていく・・・
生き残るのは誰だ・・・
授業も終わった放課後、疲れ切っていた多くの学生たちが机に伏せていた。
その中で燐子は机に伏せていた紗夜へと近づいていく。
「氷川さん大丈夫ですか・・?」
「えぇ・・・練習がありますから・・・」
「無理しないほうが・・・」
「私のせいで練習が遅れてるんですから、これ以上迷惑をかけるわけには・・・」
「きゃ!!」
そう言って紗夜はふらつきながら席を立つが、しっかりと立てずに燐子にそのままもたれ掛かる。
しかし燐子は紗夜を支えられずに小さい悲鳴を挙げながら2人で仲良く床に倒れる。
「白金さん、すいません・・・」
「いえ、私は大丈夫ですから・・・立てますか・・・?」
「えぇ・・・あら・・・?」
燐子が先に立ち上がって紗夜に手を差し伸べる。
しかし、紗夜がその手を取るが足に力が入らないのか立ち上がることが出来なかった2人に弦太朗が歩み寄ってきた。
「おい。2人とも大丈夫か?」
「如月さん・・・。えぇ、問題ありません・・・」
「いや、そんな状態で言われてもな・・・」
「氷川さん・・・説得力がありませんよ・・・?」
「くっ・・・!!」
弦太朗と燐子は2人で紗夜へと視線を送るが、彼女はいまだに床から立ち上がるような様子はない。
「流石に休んだ方がいいんじゃねぇか・・・?」
「そんなことは・・・!!」
「ですがその調子じゃ・・・」
「あれだけ迷惑をかけたから、これ以上は迷惑をかけたくないんです」
「紗夜、お前・・・」
「氷川さん・・・」
その言葉を聞いた2人は複雑な表情を浮かべていた。
紗夜は事件を起こしたことに負い目を未だに感じており、今回もこれ以上迷惑をかけられないという気持ちはあったが身体がその気持ちに追いついてきていなかった。
「如月さん・・・氷川さんの事をお願い出来ますか・・・?私だけだと連れていく自信がなくて・・・」
「・・・燐子?マジで言ってんのか?」
「マジです・・・」
「白金さん・・・」
「でもよ・・・」
「お願いします・・・」
「ったく、しゃあねぇな・・・・・・紗夜、少し我慢しろよ?」
「我慢・・・?って如月さん・・・何を!?」
「おい!!暴れんなよ・・・!!
燐子の言葉を聞いた弦太朗は困ったような表情を一瞬だけ浮かべるが、彼女の想いを受けて床にへたり込んでいた紗夜へと歩み寄ると彼女を肩に担いで持ち上げる。
抱えられた紗夜は驚きの声と力なく暴れて抵抗するが持ち上げている本人はその抵抗を意に介さなかった。
「あの如月さん・・・?氷川さんをどうするんですか?」
「何って運ぶんだよ?前もこうしたからな・・・」
「前・・・?」
「あぁ、あの時は燐子は学校休んでたっけな」
「そんなことが・・・」
「ちょっと如月さん・・・!!降ろしてください・・・!!苦しいです・・・」
紗夜が弦太朗に抗議するがこの抗議に対して燐子が彼女らしからぬ言葉を紗夜へと言い放った。
「氷川さん。降りたら練習は休んでもらいます・・・」
「なっ・・・!?」
思わぬ燐子の言葉に紗夜は狼狽える。
羞恥に耐えて練習に行くか、羞恥から逃げて練習を休むかの間で彼女は揺れていたが―――
「如月さん・・・お願いします・・・。練習に連れて行ってください・・・」
紗夜は練習を取ったが彼女の表情は今にも羞恥で泣き出しそうになっていた。
「とりあえずバイクの乗せてそこから押してくからそこまでは耐えろ・・・」
「うぅ・・・はい・・・」
「それでは行きましょう・・・」
その言葉と共に弦太朗達は学校から出ると、近くに停めてあったバイクに紗夜を乗せるとそれを押しながらCiRCLEまで歩きだした。
――――――――――――――――――
私は如月さんが押しているバイクの後ろを2歩くらい後ろを着いて歩く。
「紗夜。お前ハンドルから手を離せって」
「なら、どこを掴んでれば?」
「ほらシートの前とかで・・・」
「そんなところでは不安定です。ハンドルが一番安定しますから」
「俺が押しずれぇんだよ!!」
「それはなんとかしてください・・・」
「ふふっ・・・」
「燐子?何笑ってんだ?」
「いえ・・・なんか2人の会話がおかしくて・・・」
「白金さん、私はいたって真面目です・・・」
くだらないことで言い争う2人に昨日までの騒動が嘘のように感じてしまった私は思わず笑ってしまう。
そんな私に如月さんが素直に疑問を口にした後に氷川さんから顔を赤くして反論してきましたが、、今の氷川さんはたまに見る自転車に乗せられた子供の様にしか見えません。
「氷川さん・・・子供みたいで・・・」
「なっ・・・!?白金さん何を言って・・・」
「子供をカゴに乗っけて自転車押してるみたいで・・・」
「あ~」
「私はそんな子供じゃありません・・・」
「ふふっ・・・」
どうやら、言葉に出てしまったみたいだったのでもう隠すのを辞めて私は思ったことをそのまま伝えると氷川さんがまた顔を真っ赤にして今度はバイクに乗ったまま顔を伏せてしまった。
それがまたおかしくて私はまた声に出して笑ってしまうが、そんなことをしている間にCiRCLEに到着すると如月さんは氷川さんを抱えると私達が借りているスタジオに入っていく。
「よっ!!」
「あっ!!げんたろー!!って紗夜さん!?どうしたの!?」
「宇田川さん。疲れが出てしまって足が言うことを聞きませんが、この程度は問題ありません・・・」
「いやいや!!流石に米俵みたいに担がれてるの見て問題ないことは無いでしょ!?」
「あなた、そんな調子で練習できるの?」
「とりあえずやってみりゃいいんじゃねぇか?」
「・・・そうね。この時間も勿体無いわ。紗夜、すぐに準備して」
「分かりました」
「とりあえず、あこは椅子用意して!!」
「うん!!」
「如月、紗夜をここまで連れてきてもらって申し訳ないのだけれど、練習に集中したいから帰ってもらえるかしら?」
「おう。なんかあったら呼べよ?」
友希那さんが不満そうな表情を浮かべてましたけど、如月さんの言葉を聞いてとりあえず練習を始めることになりました。
その間にあこちゃんは今井さんの言う通りに椅子を用意して、と如月さんがそこに氷川さんを降ろすと何事もなかったかのようにギターの準備を始めたのを見て、私もキーボードの前に立って準備を始めました。
そんな中で友希那さんは如月さんをスタジオから出すと何事もなかったかのように私達へと視線をむけてくる。
「それじゃ始めるわよ・・・。まずは次のライブのセトリを通すわよ・・・」
その言葉と共に私達は演奏するために構えると、あこちゃんが開始のカウントを取る。
そしてそのまま次のセットリストを順番に通していくその途中で違和感を感じる。
氷川さんのギターが走ってる・・・?
普段の氷川さんからは想像の出来ないような演奏に湊さんも顔を顰めながら続けていたが、流石に走りすぎだと感じたのかここで友希那さんが演奏を止めようと声をあげる。
「ちょっと紗夜・・・」
「・・・っ!!」
しかし、氷川さんは友希那さんの言葉が耳に入っていないのかそのまま演奏を続けていた。
「紗夜・・・?あなた?聞いてるの・・・?」
「・・・!!」
友希那さんが声を挙げるが氷川さんから返ってくるのは楽器の演奏だけ・・・
もしかしてこれは―――
そう思っていた私だったが、ここで予想もしていないことが私を襲った。
「・・・っ!!」
「ちょっと燐子もどうしたのよ?」
私も氷川さんを止めようと思って声を出そうとしたが声が出ない。
それどころか身体が勝手に動き出して氷川さんの合わせる様に演奏をし始める。
これってもしかして私も―――
そう思った瞬間に私の身体は自分の意思とは無関係に動き続ける中で私の意識は少しずつ遠退いて行った・・・
――――――――――――――――――
「紗夜。それに燐子も何をしているの・・・!!」
友希那が声をあげるが2人は全く彼女の言葉に耳を貸さずに演奏を続け、それは次第に彼女達らしからぬ激しい演奏へと変わっていく。
「もしかしてこれって・・・あこ!!」
「リサ姉・・・」
目の前の光景にリサがあこを呼びながら視線を向ける。
その視線の先にいたあこは自分の意思に逆らって勝手に動こうとしていた身体を抑えようとなんとか堪えていた。
辛そうに耐えているあこだったがなんとか口を開いて言葉を出す。
「これって・・・げんたろーが言ってた・・・!!」
「ちょっとあこ!!しっかりして!!」
「リサ姉・・・あこ・・・もうだめ・・・!!身体が・・・言うこと聞かない・・・!!」
「あこ!!」
「リサ姉・・・ごめんなさい・・・」
その言葉を最後にあこも自身の意思で身体の動きを抑えられず紗夜達に混ざって演奏を始めてしまう。
「どうなっているの・・・?」
「友希那!!出るよ!!」
「ちょっとリサ・・・!!」
リサはあこの言葉が聞いて、ベースを抱えたまま友希那の腕を引いてそのままCiRCLEを飛び出した。
そしてそのカフェテラスには弦太朗が1人で珈琲を口にしていたが、2人を見て驚きの表情を浮かべていた。
「リサと友希那!?お前らどうしたんだ?」
「私も何がどうなっているか分からないわよ・・・。急に演奏が走り出したと思ったら暴れるような演奏を始めて・・・」
「これって弦太朗が言ってた・・・」
「でも、どうして友希那は何ともなってねぇんだ・・・?」
「ちょっとそれってどういう・・・!!」
友希那が言葉を続けようとしたが、ここで彼女のスマホと弦太朗のマグフォンが同時に鳴る。
弦太朗はすぐに電話にとって話始めると、リサもスマホを取り出して内容を確認する。
そこには日菜やモカが再び暴れ出したという情報が飛び込んでくると同時に弦太朗が通話相手に向かって叫ぶ。
「・・・なんだ。みさ・・・ミッシェル達のところでもか?」
『そうなんですよ・・・。ライブしてたら急に客が暴れ出して・・・』
「それでみんなは大丈夫なのか?」
『今、ミッシェルで空飛んで逃げてます~』
「ならいいんだけど・・・ってクマが飛ぶか!!」
『とりあえず、また後で連絡します~。はぐみ、携帯切って~』
『うん!!』
どうやら弦太朗は美咲・・・いや、ミッシェルからの連絡でどうやらハロハピのライブ客の中にも被害者がいたようでそちらでも暴れ出したとの連絡だった。
「ちょっと2人とも説明して・・・」
「ゴメン!!ちょっとアタシまりなさんのとこ行ってくる!!」
「おい!!」
「すぐ戻るから!!友希那!!家帰ったらちゃんと説明するから!!」
そう言ってリサは再びCiRCLEの中へと戻っていってしまった。
「如月、説明して・・・今の出来事と昨日の出来事も・・・」
「お前・・・昨日のこと・・・覚えてないのか?じゃあ最初から話すけど・・・」
不穏な空気の中で弦太朗が今までの流れを説明して始めた一方で、リサはスタッフルームへと駆け込んでいた。
「・・・まりなさん!!」
リサが声をあげたがすでにまりなも正気ではなく、スタジオの貸しギターを片手に暴れながら演奏していた。
そんな中でリサは机の上に広がっていた物達の存在に気が付いた。
「これって・・・CD・・・なんで?」
そこには数枚のCDが机の上に広げられていたが、リサはそれを見て先日のまりなが言っていたある言葉を思い出していた。
『結構昔にどこかで聞いたことあるような気がするんだけど・・・ 』
「まりなさんが言ってたのって・・・これだったんだ・・・!!」
リサはCDへと視線を向けるとそこからの彼女の行動は早かった。
「ごめんなさい!!まりなさん借りていきます!!」
そう言いながら彼女は机に広がっていたCDを全て持ち出すと暴れている紗夜達がいるスタジオから手早く荷物を回収する。
そして、その時にリサは何故かCDから嫌な予感を感じて、弦太朗達がいるであろう正面からではなく、スタッフ用の出入り口からCiRCLEを出る。
「何となくだけど・・・。これは友希那に聞かせちゃいけない気がする・・・。それにどっかで見たことあるような・・・。とりあえず、大丈夫だった香澄のところに行かないと・・・」
そう呟きながら、リサは弦太朗達から隠れながら香澄の元へと急ぐのだった。
誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。