バンドリ! コズミックパーティー(仮   作:ツナ缶マン

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投稿です。
さぁて唐突に始まりました。
こんな中途半端な時間に予約投稿でパスパレ篇開始ででございやす。






Pastel*Palettes篇3-未・来・彩・色
未・来・彩・色-1 落日


 

Roseliaの事件が解決して弦太朗は珍しく早い時間に自宅に帰ってくると速めの晩飯を取り終えてボーっとしていた。

 

「もう晩飯も食ったけど寝るには早すぎるよなぁ・・・」

 

寝るには早すぎる時間で、彼はそれまでの時間をどう潰すか考えていたが、何気なくテレビをつけるとその向こうには見知った顔が映っていた。

 

 

 

 

 

 

「彩たちじゃねぇか・・・」

 

テレビに映ったのはよくある音楽番組でそこでは彩たちパスパレのメンバー達楽器を片手にライブの準備を行っていた。

 

「アイドルって言ってたけど、今まではそんなイメージなかったな・・・」

 

弦太朗は彩たちがアイドルというのは頭では知っていた。

 

だが実際にはファーストフードや喫茶店でのアルバイトという印象しかなかった違和感しかなかったが、不意に千聖が言っていた言葉を思い出す。

 

 

 

「そういえば千聖が前に生放送がどうとか言ってたけどこれのことか・・・?」

 

千聖は弦太朗に自身の出る生放送の番組を伝えていたが、多分これの事だったのだろう。

彼は珍しくテレビの張り付いて彼女達の姿を目に焼き付けようとしていた所へと祖父の吾郎から声をかけられた。

 

 

「弦の字、おめぇ・・・そんなアイドルなんて興味なかったろ?」

 

「アイドルに興味はねぇけど、この5人はダチなんだよ」

 

他愛ない会話を繰り広げていたが、テレビの向こうの彩が声を挙げていた。

 

『それじゃあ聞いてください!!"しゅわりん☆どり~みん"!!』

 

 

 

 

 

「彩達のこういう姿を初めて見たけど、こうして見ると・・・本当にアイドルなんだな・・・」

 

楽しそうに歌う彩とその周囲では曲を演奏する千聖達。

普段の彼女達とは違うアイドルとしての一面を見た彼は思ったことをそのまま口に出してしまった。

 

そのまま曲がサビに入るまさにその瞬間、突如としてテレビの中継が切れると放送とは全く関係のない風景だけが写されていた。

 

「なんだ?番組が終わったのか?」

 

呑気な祖父の言葉が響くが、弦太朗の目はハッキリと中継が切れる直前の映像を捉えてていた。

 

不安感が募る中でマグフォンから通知音が響き、弦太朗はそれを手に取る。

送られてきたのは1枚の画像、彼の表情が変えてマグフォンをしまうと同時に立ち上がる。

 

 

 

「・・・・・・わりぃ!!俺!!行ってくる!!」

 

「よく分からんが・・・気をつけてな」

 

呑気な祖父の言葉を背中に受けながらそのまま家を飛び出すとバイクに跨って走り出していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時は少しだけ遡る―――

 

営業の終わった実家の珈琲店だが、閉店後にも関わらず店の中にはますきに、薫、花音につくしが集まって、本来はこの場にあるはずのない大きなテレビが鎮座していた。

 

 

「早く麻弥さん出てこねぇかな・・・!!」

 

「録画は当然してあるが、放送の千聖の雄姿を目に焼き付けなければね」

 

「イヴ先輩はバイトの休憩中も練習してましたからね・・・!!」

 

「彩ちゃんも休憩室で踊りの確認とかしてたけど・・・大丈夫かな・・・?」

 

「期待して待とうじゃないか・・・」

 

「パレオも来れば良かったのによ・・・折角うちに転がってたデケェテレビ引っ張って来たのによ・・・」

 

彼女達はパスパレの生放送を一緒に見るために集まっていたが、そんな彼女達の視線はテレビではなく机の上へと移る。

 

 

 

 

 

 

「にしてもこいつら・・・可愛いな・・・」

 

「如月くんのだけど・・・私も犬は初めて見たよ・・・。普段はちっちゃい子達だけだから・・・」

 

「私は犬以外は初めて見ました!!どうなってるんだろ・・・?」

 

「ワンちゃんは最近私に懐いてよくいるんだよ!!それに今日はイヴちゃん達と一緒にいる子も預かってるんだよ!!」

 

 

 

最近の主な仕事が花音の迷子捜索になっているナゲジャイロイカ、最近つぐみに懐きだしたホルワンコフ、そして普段はパスパレと共にいることが多いバガミールは今日はつぐみの元に預けられていた。

 

みんなパスパレの人と仲のいい人たちがこうして集まって話しながらパスパレの出番を待っているが、彼女達の視線はフードロイド達に視線が向いている。そんな中で店の扉が開かれるとそこには練習を終えてやってきたであろう紗夜とリサの姿があった。

 

「つぐみ~来たよ~」

 

「羽沢さん。すいません・・・こんな時間に・・・」

 

「いえ!!私もみんなとイヴちゃんの生放送一緒に見る約束してたので!!」

 

「まぁ、アタシは面白そうだから着いてきたんだけどね~。つぐみ、これ差し入れのクッキーね。珈琲入れるの手伝おうか?」

 

「ありがとうございます!!珈琲は大丈夫ですから」

 

「んじゃ、薫用の紅茶用意するね~☆」

 

リサから貰ったクッキーを受け取るとつぐみは珈琲を、リサは紅茶をそれぞれに用意するとそれぞれに机に並べていくと彼女達はそれを摘まみ始めていた。

 

「このクッキー・・・うめぇな・・・」

 

「おいしい・・・!!」

 

「リサ、流石だね」

 

「ふふふ・・・でしょ~!!自信あるんだよね~」

 

 

 

「みんな・・・そろそろ始まるようだよ?」

 

クッキーとそれぞれの飲み物を片手に他愛ない話を続けていた彼女達だったが、薫の言葉で話が止むと画面に釘付けになる。

 

「こうやって見るのも楽しいね・・・」

 

「最近は色々あったからね。こういった何気ない日常を大切にしないとね・・・」

 

 

「おっ!!麻弥さん達が出てきた!!」

 

薫がカッコつけたセリフを吐くも、ますきの言葉に全員がテレビに視線を送ると、彩たちパスパレのメンバー達楽器を片手にライブの準備を行っていた。

 

「普通、セッティングはしておくもんなのに何で準備から流してんだ?」

 

「慣れてる人は何とも思わないけど、知らない人はこういうのも見たいんじゃないかな・・・?」

 

「何とも思わないことが珍しい事ということは最近よくありますから・・・」

 

 

 

 

 

「「「「「「あぁ~」」」」」」

 

紗夜の言葉を聞いて、彼女達の頭の中では弦太朗の事が思い浮かぶと声を挙げていた。

そんな中でテレビの向こうではパスパレの一同が準備を終えていた。

 

『それじゃあ聞いてください!!"しゅわりん☆どり~みん"!!』

 

 

「千聖ちゃん!!」

 

「日菜・・・!!」

 

「流石、麻弥さん!!今日のドラムもイケイケだな!!」

 

「イヴちゃん、生放送なのに凄い・・・!!」

 

 

 

 

 

 

「おや・・・?」

 

「薫先輩?どうしたんですか?」

 

「つくしちゃん。今、上から彩を照らしていた照明が不自然に動いたように見えてね・・・」

 

「生放送だから操作ミスでしょうか?」

 

「そうだろうね・・・」

 

それぞれが思い思いの感想を呟きながらもテレビに熱い視線を向けていた彼女達だったが、最初に異変に気が付いたのは薫だった。

舞台は違えど照明について多少の知識があった薫だから気が付けたわずかな違和感。

彼女はつくしの言葉に答えたはいい物の何かとてつもなく嫌な予感が彼女を襲っていた。

 

 

そして、その薫の予感は的中してしまった。

 

千聖がアップで写されていたその後ろでは彩も顔を上にあげたまま迫ってくる恐怖に身体が固まってしまい、そんな彼女を画面の外にいたであろう日菜が彩を突き飛ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それと同時に中継が切れてしまった。

 

「おい!!どうなってんだ?」

 

「何かあったのかな・・・?」

 

「私には何が起こったのか分かりません・・・。最後に日菜が画面に映りこんでいたのは分かったんですが・・・」

 

「紗夜さんも気が付かなかったんですね・・・」

 

「う~ん・・・機材トラブルかな・・・?」

 

ここにいた彼女達もアップになっていた千聖と演奏にしか意識が向いていなかった為に何が起こっていたのか把握できていなかった。

 

 

 

 

 

薫と話を聞いたつくしを除いて―――――――――

 

「薫先輩・・・もしかして・・・」

 

「あぁ・・・多分・・・そうだろうね・・・」

 

 

 

 

「薫さんは何があったか分かったの?」

 

「薫さん・・・?」

 

「もしかして二葉さんもですか?」

 

 

「えぇ・・・っと・・・その・・・」

 

「いや、ここは最初に気が付いた私が言おう・・・」

 

「薫先輩・・・」

 

全員の視線が2人に刺さり言葉を詰まらせるつくしを見て薫がそっと彼女の肩を叩きながら語りかける。

 

「うぅ・・・!!」

 

「みんな・・・特に紗夜は落ち着いて聞いて欲しい・・・」

 

「私・・・ですか・・・?」

 

「「「「・・・・・・・・・」」」」

 

薫の緊張感を持った表情に全員が息を呑む一方で、薫と最悪の考えが一致してしまったつくしは泣き出してしまったその空気の中で薫から衝撃的な言葉が飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彩の頭上にあった照明・・・・・・あれが落ちたんだよ・・・」

 

「ふえぇ~!?」

 

「あははー・・・薫、流石に信じられないよ・・・」

 

「薫先輩!!何でそう思ったんです!?」

 

薫の言葉に驚きを隠せない一同だったが、流石に信じられないつぐみが皆を代表してそう思った理由を聞くと彼女ははっきりとその疑問に答える。

 

 

「さっきつくしちゃんには話したけど、最初に彩を照らしていたライトの動きが変だったんだ・・・」

 

「なんかライトの照らし方がおかしいって思ってましたけど・・・。パレオに確認しねぇと・・・!!」

 

ますきはその説明に納得したのかパスパレ関係で一番頼れるパレオへと連絡を取り始める。

しかし、薫の説明だけでは分からないことがあった。

 

「瀬田さん。それでしたら何で私に落ち着いてほしい・・・そう言ったんですか・・・?」

 

「確かに同じ学校だけどさ・・・。それだったら花音だって・・・」

 

 

 

「そういえば最後に日菜ちゃんが映りこんでたって言ってたよね?」

 

「松原さん。それはパスパレの生放送なんですから当然では・・・?」

 

 

 

「・・・まさか!!嘘ですよね!?薫先輩!!」

 

「そのまさかだよ」

 

「ちょっと薫とつぐみだけで納得してないでハッキリ言ってよ~!!」

 

ここまでの言葉でつぐみは今回の事故の結論に至り、それを考えただけでその顔から血の気が引いていく。

そんな中でリサが薫に結論を急かし、薫は最後の覚悟を持って残酷な現実を突きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後に日菜が映ったのはたまたまじゃない・・・日菜が彩を助けようとしていたんだよ・・・」

 

 

 

 

 

「嘘・・・ですよね・・・?日菜が・・・」

 

「紗夜!!しっかりして!!」

 

「嘘です・・・信じられません・・・きっと瀬田さんの見間違いです・・・」

 

信じたくない現実を聞いた紗夜はその場に力なく崩れ落ち、リサが紗夜に声をかけるも彼女から返事ではなく嘘だと自分に言い聞かせる様な独り言しか返ってこない。

 

 

 

 

 

その重い空気の中で話しから抜けていたますきが声を挙げる。

 

「パレオから連絡来ました!!中継が切れる直前の動画付きっす!!今テレビに映します!!」

 

ますきはそう言ってテレビに自身のスマホを繫げてパレオから送られてきた動画を流してしまった。

その動画が中継が切れる直前をスローモーションにしたものであり、それにはハッキリと映っていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上から黒い何かが彩目掛けて落ちてきている光景と、彩を助けようと彼女を突き飛ばした日菜の姿が―――

 

 

その動画を見て全員が薫の言葉が真実であることを悟ってしまった。

 

「日菜ちゃんが・・・」

 

「大丈夫だよな?」

 

「あの日菜先輩だよ!!きっと彩さん助けて自分も避けてるに決まってるよ!!」

 

なんとか日菜は無事と信じ込もうとして最悪の展開を口に出さずに希望的な言葉を口にする一同だったが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「日菜・・・ひな・・・・・・いやぁあぁぁぁぁぁあああああああぁあああああ!!」

 

「紗夜!!しっかりして!!ヒナならきっと大丈夫だよ!!」

 

「いやぁぁああ!!日菜が・・・!!日菜が!!」

 

目の前の現実に耐えられず、紗夜は狂ったような叫び声を挙げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

紗夜がその現実に耐え切れる訳もなく狂ったように叫びをあげて壊れた。

そんな中でバガミールだけはその光景を写真に収めるとこっそり弦太朗のマグフォンへと送り付けていた。

 




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