さーてと最後に向かって走り始めるぞぉ・・・!!
後数話かなぁ・・・パスパレ篇・・・
事務所から離れた一同。
精神的にダメージでまともに立てない彩を麻弥とイヴの2人が肩を貸して歩かせていたが足取りはおぼつかなかった。
「彩ちゃん。フラフラだね・・・」
「アヤさん?」
「彩さん・・・」
「・・・」
彩に肩を貸しながら2人は声をかけるが、彼女からの返事はない。
周囲は彼女達から距離を取っているが、それに逆らうようにとある少女達が歩み寄ってきた。
「あら!!弦太朗達じゃない!!」
「ゲンちゃん先輩ヤッホー!!」
「こころ達じゃねぇか!!」
「やぁ、奇遇だね」
歩み寄ってきたのはハロハピのメンバー達。
状況が呑み込めていないこころ達3人だったが、その後ろにいた美咲達は彩の存在に気が付いたようで―――
「ふえぇ~!!」
「あぁ・・・。あのー黒服さん、ちょっと・・・」
慌てだす花音を他所に美咲は大体の状況を理解すると、こころの近くに控えていた黒服さんを呼んであるお願いをするとすぐに黒服たちが動き出していた。
「こころの家の人が車持ってきてくれるので、とりあえずみんなで移動しません・・・?」
「そうね!!弦太朗たちも行きましょう!!」
「わりぃな・・・」
この場を移動することになった彼らだったが、ここで新たなトラブルが発生してしまった。
「ちょっと彩さん!!」
「アヤさん!!しっかりしてください!!」
「おい!!どうしたんだ!?」
「彩さんが意識を失くしてしまったみたいで!!」
彩は途端に2人の間でぐったりとした様子で意識を失ってしまった。
その事に慌て始める弦太朗達だったが、それを見て千聖が彼らを諭すように声をかける。
「・・・きっと、こころちゃん達にあって安心したのでしょうね?そっとしといてあげましょう?」
「ん~・・・?千聖ちゃん・・・」
「日菜ちゃん?」
「あ~・・・確かにその方がいいかもね~」
千聖の言葉に疑問を持ったのは日菜だったが、千聖はそれに気が付いた日菜へと視線を送って威圧すると何となく察したのか日菜も千聖の言葉に乗っかることにした。
2人の言葉を聞いて弦太朗達は落ち着いた様子を見せるとそこに車がやってくる。
「みんな!!行きましょう!!」
「これ?全員乗れるのかしら・・・?」
「大丈夫ですよ?ほら、あそこに2台目が・・・」
「流石こころちゃんのうちね・・・」
無茶苦茶な弦巻家の行動力に慣れた・・・いや、どこか諦めの表情を浮かべる美咲の言葉に千聖は苦笑いを浮かべながら答えるとやってきた車に乗り込むがそこには―――
「遅かったな千聖」
「ちょっと美咲ちゃんと話しててね・・・でも・・・」
彼女はそう言いながら車内を見回すとそこには―――
「やぁ・・・千聖」
「なんでイヴちゃんじゃなくて薫と花音がこっちにいるのかしら?」
「えっとね・・・千聖ちゃん・・・はぐみちゃんが3年生と2年生で分かれようって・・・」
「・・・そうだったね」
車内にはパスパレの5人ではなく意識のない彩と弦太朗を含めた3年生が集まっており、そのことに対して疑問を感じた千聖だったが花音の説明になっていない説明を聞いて納得した表情を浮かべると空いていた花音の横に座ると、今までの疲れが噴き出してしまったのか先に車内にいた麻弥と同じように座席に深く寄り掛かってしまう。
疲れた様子の千聖を他所に車は走り出すと、車内は日菜と薫と弦太朗の空気を読まない会話を聞き流しているうちに千聖もまた意識を手放した。
「薫くん!!千聖ちゃんが寝てるよ!!写真撮らなきゃ!!」
「あぁ・・・心が躍るね・・・」
「ふ・・・ふえぇ~・・・」
千聖が寝ていることに気が付いた日菜と薫が自身のスマホを取り出してその寝顔の撮影を開始する。
そんな珍しい光景に2人が気を取られているその横で千聖に寄り掛かられて慌てた様子を見せる花音の声と寝ていた弦太朗のいびきは誰の耳にも入ることはなかった。
――――――――
「んっ・・・」
私はいつの間にか止んでいた揺れと私の前から聞こえる話し声によって目を閉じたまま意識が戻る。
それにしても、いつの間に寝てたのかしら・・・?
まぁ・・・ライブも近いし、最近は色々あり過ぎて疲れてるのね・・・
そんなボンヤリした思考の中でハッキリとした違和感を感じた。
「(確か・・・車に乗ったのよね・・・。でも、この頭を置いてるこの温かくて柔らかいものは何かしら・・・)」
気になってしまった私は頭の下にあるものに手を伸ばすとそれを撫でまわし始めた。
「(この感触・・・癖になるわね・・・)」
寝ぼけている私はその手に伝わる感触を確かめるようにそれを撫でまわしていた。
「ふえぇぇぇぇえええ!?」
「花音・・・!?あっ・・・」
そんな突然聞こえた花音の叫び声に私は顔を上に向けて目を開く。
開いた視線の先には顔を赤くしている花音がいて、頭の後ろには先ほどまで手で感じて柔らかい感覚が伝わってそこで理解してしまった。
寝ぼけていた私の手が撫でまわしていたものは花音の太ももだった。
それに気が付いた私は先ほどまでのだるさが嘘のようにその体を一気に起こした。
「花音・・・ごめんなさいね?」
「ううん・・・驚いただけだから・・・」
すぐに謝ると花音は許してくれたが、何か視線を感じて私はその視線を感じた先を見ると―――
「あっ・・・。千聖ちゃんおはよー・・・」
「やっ・・・やぁ・・・千聖・・・」
そこには日菜ちゃんと薫が苦い表情をして声をかけてきた。
私は2人の顔から視線を落とすと2人ともスマホをしっかり握りしめているといる状況に私の脳裏にはあることが思い浮かんだ。
「あなた達、写真撮ったわね・・・?」
「「はい・・・」」
「消しなさい・・・」
「え~・・・」
笑みを浮かべながら2人に言うが、2人は全く動かないどころか日菜ちゃんに至っては嫌そうな声を挙げる。
イラってするわね・・・
「もう1回言うけど・・・消しなさい・・・」
「「・・・」」
流石に日菜ちゃんも今回は声を挙げてこないが、スマホを弄るような行動を起こすどころか日菜ちゃんも薫も私から視線を逸らしてしまう意味が分からないが私は笑みを崩さない。
それに観念したのか日菜ちゃんが話出す。
「千聖ちゃん。さっきの写真リサちーたちに送っちゃった」
「はい・・・?」
今、何て言ったのかしら・・・リサちゃん達に送った・・・?
私はその言葉を聞いてカバンの中から関西人のりみちゃんから譲り受けたスリッパを取り出した。
「どうしてなのよ~!!」
「いたっ!?」
「なんでやねん・・・?うっ!!」
「ぐぇ!?」
日菜ちゃんにスリッパを叩きこんだ後、文字を読んでいた薫にも日菜ちゃんを止めなかったから同罪と言うことで叩きこむ。
ついでに気持ちよさそうに寝ていた弦太朗にもスリッパを叩きこんだ。
「いい加減。降りるわよ?それと日菜ちゃん達は後でしっかり話をするわよ・・・?」
「痛い痛い!!千聖ちゃん!!」
「ちーちゃん!!放してくれ!!」
「ダメよ。ほら、弦太朗も花音も降りるわよ」
「うん・・・」
私は2人の耳を引っ張りながら車を降りる。
2人から声が挙がるがあえてそれを無視して先に降りた麻弥ちゃん達の元へと向かうと、彩ちゃんがベットに寝かされていて周りにみんなが集まっていた。
「薫!!遅かったわね!!」
「薫くん・・・?」
「なんで耳を引っ張られて・・・あぁ、さっきの・・・いえ白鷺先輩なんでもないです・・・」
「「・・・」」
こころちゃん達は薫がこうなっている理由が分かってないようだけど、美咲ちゃんは写真と言ったが笑みを浮かべて黙らせる。
そんな光景に麻弥ちゃんとイヴちゃんは恐怖の表情を浮かべて抱き合いながら震えていた。
・・・この部屋そんなに寒いのかしら?
そんな中で空気を読まずに弦太朗が彩ちゃんに視線を送りながら話し始める。
「にしても、彩の奴大丈夫か?」
「分からないわね・・・。流石にあんなことがあった後だもの・・・」
「あんなこと・・・?何の事かしら?」
状況が分かっていないこころちゃん達だったが、流石にここまでやってもらって内緒にするのも失礼だと思った私は先ほどまでの事を簡単に説明する。
「さっき事務所に行ったときに怪物に襲われたのよ・・・」
「そうだったんだ・・・。でも、なんで彩ちゃんがあんな風に・・・?」
「目の前で正体を現したのだけれど、それがその・・・彩ちゃんが目標にしてたアイドルの人だったのよ・・・」
「そんな・・・!!」
「それがショックで気絶しちゃったんだ・・・」
説明したのは失敗だったかしら?
彼女達の空気が暗くなるのを感じたけれど、そこで弦太朗が話を変えてきた。
「それはいいんだけどよ。あの場所でこころ達は何してたんだ?」
「ハロハピと仮面ライダー部の活動よ!!」
「みんなでパトロールしてたんだ~!!」
「みんな笑顔で危ない話は聞かなかったわ!!」
「まぁ、こころとはぐみがすぐにどっか行っちゃうからこっちは大変だったけどね・・・」
こころちゃんとはぐみちゃんが楽しそうに話す一方で美咲ちゃんだけは更に落ち込み始めた。
美咲ちゃんも気になるけど、さっきこころちゃんが言ってた"仮面ライダー部"って何かしら・・・?
そんなことを考えてたら薫が私の考えを遮るように話し始める。
「でも、どうするんだい?千聖達のライブって・・・」
「明後日・・・だよね?」
そう薫と花音の言ったように明後日がライブの本番。
平日の夜と言うとんでもないスケジュールを組まれた最初は頭を抱えたけど、ここまで来たらやるしかないと息まいてたら彩ちゃんが・・・
「とりあえず、ライブはやるわ・・・。アイドルとして、いえプロとしてライブが決まった以上はやるしかないわ」
「でも、彩ちゃんはどうするの?」
「そうです!!彩さんは・・・!!」
「それに去り際に言ってましたが、ライブの時に来るって言ってましたよ!!」
確かにあの時あゆみさんはライブに来ると宣戦布告をして去っていたが、あんな自信満々の態度ということは嘘をついているようには思えない。
それだったら話は簡単だった。
「イヴちゃん。相手は城を攻めると行ってきたのよ?それだったら万全の準備で迎えればいいのよ!!それに相手は元アイドルなのよ?そんな人が最初から中に入り込んで、大勢の人がいる前で怪物に変身なんてすると思う?」
「確かにそれはしない・・・とは言い切れないが・・・」
「流石に人目は気にするでしょうね・・・」
「でも、千聖ちゃん?どうするの?」
私自身もあまり納得できるような内容ではないが、私は勢いで押し切って話を続ける。
「入口を絞ればいいだけよ。それに今回の相手はライブの終盤・・・一番盛り上がっている時を襲うと思うのよ?」
「なるほど、確かに盛り上がる部分を台無しにすれば・・・!!」
「麻弥ちゃんの考えてる通りよライブとしても大失敗ですし、今後の活動にも大きな影響が出るわ。前の生放送の時もそうだったじゃない」
「なるほど・・・!!」
余りにも都合の良い考えで笑えて来てしまうけれど・・・
だとしても、私の方でもなんとか打てる手は打っておきましょう・・・
「前の事もあって防犯には力を入れるはずだから、入口を絞って手荷物検査とかを厳重にするように話してみるわ・・・観客の数を考えるとライブ開始前の入口は絞れても3か所が限度だと思うわ」
「それだったらゲンちゃんと、美咲ちゃんと巴ちゃんで大丈夫だね!!」
「ふえぇ~」
・・・流石に美咲ちゃんが可哀そうね。
これが終わったら何かしてあげようかしら?
「だったら!!部長の有咲も呼びましょう!!」
「あ~ちょっと待って!!ポピパで今ほぼ毎日ライブしてるから厳しいから!!とりあえず連絡だけで!!」
「それもそうね!!ライブは大切だものね!!」
こころちゃん達は納得したようでとりあえずは明後日の話は終わる。
でも、本当に大事なのはここから・・・
「弦太朗。明日の仕事だけれど・・・明日は彩ちゃんと一緒にいなさい」
「どういうことだ?」
「メンタルケアよ?流石に今のままじゃライブに出れるとは思えないもの・・・」
「おう・・・」
「弦太朗!!私達も彩の笑顔を取り戻すのを手伝うわ!!」
「ふふっ・・・こころちゃん達もお願いね?」
「任せてちょうだい!!」
大まかな流れが決まってとりあえずは解散という流れになると、彩ちゃんはそのまま寝かせて私達はこころちゃんの家の人に送ってもらうことになった。
さてと・・・
「私も頑張りましょうか・・・」
そう言って私は先ほどの提案をするために事務所へと電話を掛け始めるのだった。
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