さてと、来週は戦闘はいるかな?
入るやろ?入れろ!!
ってことでここからアイドルが現場からフェードアウト・・・
ライブ会場でパスパレ一同は控室で衣装に着替えてリハーサルが始まるのを待っていたが、その中に彩の姿は無いせいもあって暗い空気に包まれていた。
「アヤさん、リハーサルに来るんでしょうか・・・?」
「それに、さっき沙綾さんから彩さんが学校に行こうとしていたと連絡は貰えましたけど、精神的に厳しいんでしょうね・・・」
「アヤさんが心配ですね・・・」
「だけど・・・そんな状況で来て、本番で歌えるかしら・・・?」
「う~ん・・・ゲンちゃんがいるから大丈夫でしょ?それにリハまではまだ時間もあるよ?大丈夫でしょ」
「そうなのだけれど、やっぱり不安なのよね・・・」
千聖が不用意に言ってしまった言葉はこの状況で日菜以外の不安を助長してしまう。
それに気が付いた千聖だったが気が付いた時にはもう遅く、自身の迂闊な発言を後悔し始めてしまう。
そんな空気を読んでかは分からないが日菜も黙ってしまい、完全に無言の控室ではただ時間だけが過ぎていく。
「もうリハーサルの時間ですね・・・」
「そうね・・・」
麻弥が不意に時計を見て呟くと全員が時計に視線を向ける。
その時刻は予定されていたリハーサル開始時刻を示していたが、未だに彩の姿はない。
「ですが、アヤさんはまだ・・・」
「う~ん・・・。千聖ちゃん、どうしよっか?」
「仕方ないけど・・・彩ちゃんの歌は諦めるしかないわね・・・」
表面上は不安を隠そうとしていた千聖すらそれすら出来なくなっていた。
そんな中で彼女達の控室の外が次第に騒がしさを増していくが、それは彼女達が知っているライブ前の騒がしさとは別の物だった。
「ねぇ?なんか外が騒がしくない?」
「ライブの準備で何かあったんですかね・・・?」
「もしかして・・・敵襲ですか!?」
「逃げる準備しないとダメね・・・!!」
日菜を言葉を皮きりにして控室は襲撃に対応するために自前の木刀を構えたイヴを先頭にして逃げれるように準備をして身構えて、完璧に準備が整ったタイミングで控室の扉が勢いよく開け放たれる。
「ブシドー!!」
それと同時にイヴは先手必勝と言わんばかりに扉から入ってくるであろう襲撃相手へと斬りかかった。
「みんな!!遅くなってごめん!!」
「彩さん!?」
「それに弦太朗!?」
「わぁ~!?イヴちゃん~!!ストップストップ!!」
「・・・っ!?」
控室へと飛び込んできたのは弦太朗の腕を引いた彩だった。
それが分かると日菜がイヴを必死に静止の声を挙げるとイヴもかろうじて彩に当たる直前でその動きを止めるが、彩はイヴがそんなことをしたにも関わらず彼女は全く怯んだ様子はない。
いや―――イヴがそんなことをしたということを全く意識していなかった。
流石に先ほど沙綾から連絡を受けた様な不安定さを全く感じさせない彩に一同は流石に不思議に思っていたが、パスパレで一番こういうことに疎い日菜が何事もなかったかのように彩に質問をしようと声を挙げようとしたが彩がそれよりも先に話し始める。
「ねぇ?もうリハーサルって終わっちゃった?」
「いえ・・・まだ始まってないわ・・・」
「あの・・・アヤさん・・・?本当に大丈夫ですか・・・?」
「本当に大丈夫だよ!!」
「でも、本当にどうなっちまったんだ?落ち込んでたと思ったら急に元気になるし・・・」
「彩ちゃん?無理してない・・・?一昨日あゆみさんがあんな・・・あっ・・・!!」
皆が心配する声に彩が応えるがそんな時、また千聖が不用意に彩が気にしそうなワードを零してしまう。
彼女も精神的な疲れが出てしまっているのか先ほどから不用意な発言が多くなってしまっていたが、それすらも今の彩にはダメージがなかった。
「確かにあのことは辛かったけど・・・、でも私はアイドルだから!!」
「アヤさん・・・アイドルだから・・・ですか・・・?」
「うん・・・!!私はあの人を憧れて・・・ううん!!あゆみさんみたいなアイドルを目指してた!!
私はあの人に夢をもらったから今度は私が!!ううん!!私達が誰かの夢にならなきゃダメなんだよ!!」
「彩ちゃん・・・あなた・・・」
「だからファンのみんなに見てもらおう!!私達のライブ・・・ううん!!夢に真っすぐ向かう私達の姿を!!」
不安そうな一同の前で彩は胸の中にある思いの熱さを伝えるように力強い口調で語っていた。
そんな彩をみんなが驚いたような表情で見つめたが、彩の熱い思いは先ほどまで消沈していた彼女達にも伝わっていた。
「あははははは!!今日の彩ちゃん燃えてるね~!!」
「ふふっ・・・そうね・・・」
「ブシドー!!」
「ライブ!!張り切っていきましょう!!」
日菜を筆頭に彩の熱に当てられた彼女達は先ほどの落ち込みとは一転していつも以上にライブに向けて燃えていた。
「そうなったら準備しないと!!彩ちゃん!!早く着替えて!!」
「日菜ちゃん!!うん!!」
「ヒナさん!?アヤさん!?まだゲンタローさんがいますよ!?」
「イヴちゃん。余計なこと言わないで。彩ちゃんのモチベーションが下がってしまうわ・・・」
「如月さん!!こっちです!!」
「わりぃ、目を閉じてるから分かんねぇわ・・・」
「連れて行きますから!!」
そう言って日菜に勧められるままに彩はそのまま着替えだそうとするが、まだ部屋の中には弦太朗が残っていたのを完全に忘れていた。
イヴが彩を止めようとするが千聖が彩の高いモチベーションを重視してそれを止めた。
その裏では麻弥が咄嗟に目を閉じていた弦太朗を控室の外まで連れ出されていた。
2人だけになって話し始めるが、勿論話題は彩の事だった。
「如月さん。彩さんのこと、ありがとうございました!!」
「俺は別になにもしてねぇぞ?」
「いやいや、それはないですよ。彩さんに何をしたんですか?」
「本当に何もしてねぇんだよ・・・。急に泣き出したと思ったら元に戻ってよ・・・」
「んっ・・・?急に泣き出した・・・?本当に何があったんですか!?」
弦太朗は自身が見たありのままを伝えるものの、「急に泣き出した」という言葉に流石の麻弥も声を挙げて驚くが彼は頭を搔いて困った様子のままありのままを話す。
「本当に俺も覚えがねぇんだよ・・・。しいて言えば学校から離れて気が付いたら昨日こころ達がライブした幼稚園に着いてよ・・・。それで子供を見て泣き出したんだよ」
「??よく分からないですが・・・。ライブ終わりに彩さんから聞いてみましょう!!」
「だな!!」
ここで一旦彩の事についての話を終え、ライブ中のことに話を変える。
「でも、あゆみさんはライブ中に来るんでしょうか・・・?」
「来るって自分でいったからな・・・。そっちは心配すんな!!俺もいるし、学校終われば巴も美咲もくるからな!!」
「ですけど・・・その分巴さん達が危険な目に・・・」
「巴の奴なら、「商店街の仲間の活躍を邪魔はさせねぇ!!」ってめっちゃ気合入ってたぞ?沙綾とかますきとかもやる気はあったみてぇだけど、あいつらはみんなライブらしいからな・・・」
「あはは・・・巴さん達らしいですね・・・」
巴達の心配をしてた麻弥だったが、流石にやる気満々だと聞いてしまい苦笑いを浮かべるしか出来なかった。
彼女達なら問題ないのを頭では分かっていても、自分たちがライブやってる裏では後輩が危険な場所に飛び込むことに彼女の内心はちょっとだけ複雑だった。
「心配すんなって!!横にしか歩けねぇカニ野郎に真っすぐ突っ走るお前らの邪魔はさせねぇって!!」
「でも、如月さん。カニって進むのが遅いだけで前にも歩けるらしいですよ・・・?」
「そうなのか?まぁ細かいことは気にすんなって!!お前らはライブがあんだからな!!」
「ふへへ・・・!!ならジブン達はジブン達の戦いをしないといけませんね!!」
独特な笑い声を挙げて麻弥は弦太朗に答える。
気合いも十分で今の会話で緊張もほぐれて非常に良い状態になっている麻弥。
しかし最後の最後で彼女に予想外の出来事が襲った。
「ん・・・?」
「うぇ!?如月さん!?」
「麻弥お前・・・」
突如として弦太朗が何か違和感を感じたのか突如として麻弥の顔に自身の顔を近づける。
それに驚く麻弥だったが彼はその顔を観察し続けてその違和感に気が付いた。
「麻弥!!お前!!眼鏡どうしたんだ!?」
「へ?・・・あ~、自分、パスパレのライブの時は眼鏡じゃなくてコンタクトにしてるんですよ。この前の放送の時もコンタクトだったんですが・・・?」
「わりぃ、あの時はな・・・」
「まぁ、仕方ないっすね」
麻弥の言葉に納得したのか弦太朗は麻弥から距離を取る。
一安心した麻弥だったがこれはただのジャブだった。
「麻弥。お前、眼鏡よりそっちの方が可愛いと思うぞ」
「うえぇ!?」
「それじゃ、俺はライブ始まるまで色々見てるから頑張れよ!!」
彼は爆弾を投下してその場から離れて行く。
それを聞いた麻弥は突然のことに慌ててしまい声を挙げるが、彼はそれを気にするような素振りを見せずに麻弥と別れる。
その後に準備を終えた彩たちにその慌てる姿を見られながらも、次第に落ち着いてライブへと意識を切り替える。
リハーサルなどであっという間に時間が過ぎていき、学校が終わった時間が過ぎると巴達や美咲達が合流すると、黒服達と共に準備をしてから会場近くを見回りはじめる。
そして―――
「みんな~!!今日は来てくれてありがと~!!」
会場派にはステージ立つ彩の一言でライブが始まり、盛り上がりを見せ始める。
その一方で、巴達を中心にいつ襲撃かあるか分からない状況に会場外の空気は張り詰めていくが・・・
「なんだろうな・・・これ・・・」
『如月くん?何をボヤいてるの?』
弦太朗が黒服から渡されたインカムに対してボヤくと突如として弦太朗の耳から巴と一緒に来ていたつぐみの声が響く。
どうやら今の言葉が聞こえていたらしく、彼は隠すことなくマイクに向かって話す。
「いつも電話とかだから耳になんかつけるってのが違和感がな」
『ふふっ。何となくわかるな~。私も最初は生徒会の仕事で使う時があるけど慣れるまでは違和感あったから』
「それによ。俺ってみんなのライブを見る機会が全然ねぇな・・・。ちゃんとライブで見たのはつぐんところとこころのところだけだぞ?」
『でも、如月はRoseliaとRASのライブにも行ったんだろ?』
「あの時は紗夜もいねぇし、ロックも入る前だったからな。カウントするには微妙だろ・・・?てか巴の方は大丈夫なのか」
『こっちには巴とミッシェルがいるから大丈夫よ!!』
『ライブもあるのに千聖ちゃんが頑張ってくれたんだよね・・・?』
『らしいですよ?私達と如月先輩が入口を固めて、黒服さん達が他を見てくれてますから大丈夫ですよ?』
『それにゲンちゃん先輩のあれもあるんでしょ?大丈夫だよ!!』
「でも、ダイザーに誰が乗ってるんだ?」
『誰も乗ってないよ?』
『はぐみがのる~!!』
『ひーちゃん。あれすっごい疲れるらしいからダイエットで乗ってみれば~?』
『モカ~!!』
『みんな!!どうやら招かれざる客が来たみたいだよ?』
巴も弦太朗と同じく落ち着かないのかつぐみとの会話に突如として割り込んでくる。
割り込んできた彼女の質問に弦太朗は答えながら、状況確認するがそれにどんどんと色んな人が応えて緊張感が薄れる中で薫が緊張感を持った声が響くと一気に緊張感が包まれ、弦太朗のインカムからは戦闘音が聞こえてくる。
「そっちかよ!!待ってろ!!すぐ行く!!」
『待って!!如月くん!!』
「何でだよ!!つぐ!!」
『如月くんが言ってたカニ座がいない!!これは多分如月くんを誘ってるんだよ!!』
『いるのは前の黒い奴らだけだよ~!!』
『凄いわ!!巴とミッシェルがどんどん倒してるわ!!』
戦闘が始まったのは弦太朗がいる入口とは違う入口。
不味いと思った弦太朗はすぐに移動しようとするがつぐみに止められてしまい、すかさず抗議するが理由を聞いて移動を踏みとどまった。
キャンサーがいない。
後から来るのかも巴達の方に出たダスタード達に紛れているか分からないかは分からないが、ダスタードだけしかいない。
心配はしているがそれ以上に2人を信頼して弦太朗は移動を踏みとどまる。
そして戦闘音をBGM代わりに入口で待っていると、
1人の影がこちらに向かって歩く姿が弦太朗の目に飛び込んでくる。
『如月くんどうしたの?』
「いや、こっちが当たりみてぇだ・・・!!」
「ふふふっ・・・」
弦太朗へ向かって歩いてきた影の正体。
それは今回の事件の犯人であり、彩の憧れの人である人物、あゆみその人だった。
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