リアル忙しくて小出しにしかできない私を許してくれメンス・・・
私達は温泉ロケのために学校を早退してロケ地の温泉宿までやってきた。
のはいいのだけれど・・・
「まさか機材トラブルでロケが遅れるなんて・・・」
ついて早々に機材のトラブルでロケの開始が遅れることになってしまった。
折角の機会だから旅館の中を散策していた私達だけれども、そんな中で思わずボヤいてしまった私に彩ちゃんが話しかけてくる。
「それは仕方ないよ・・・。でも最近多いよね?他の人たちもトラブルが多いって聞くし・・・」
「全くどうなってるのかしら・・・」
ここ最近女性の芸能人―――いいえ、アイドルのお仕事でトラブルが頻発するという事態が発生している。
これって・・・いえ、ただの偶然よね・・・?
「でも、こうやって旅館を見て回るのも楽しいね!!」
「えぇ・・・そうね・・・」
色々考えてたけれど、目の前の彩ちゃんを見ていたらなんだか考えるのが馬鹿らしくなってしまい、偶然ということで納得した。
それと同時に私はあることに気が付いた。
「あら・・・?彩ちゃん。他のみんなは・・・?」
「あれっ・・・?いない・・・?」
どうやら麻弥ちゃん達といつの間にかはぐれてしまったらしい。
一瞬慌てるが同じ旅館にいるならすぐ見つかると思い、このまま2人で散策を続けていたら彩ちゃんは何かを見つけらたらしい。
「千聖ちゃん!!見て見て!!カラオケだって!!それにその奥にゲームもおいてある!!行ってみよ!!」
「えぇ・・・」
子供のように目をキラキラさせている彩ちゃんに気圧されてしまい、彩ちゃんに同意してまずはカラオケの部屋を覗き込んだ。
「流石に街にあるカラオケとは違ってちょっと小さいね・・・」
「旅館にあるってだけでも十分じゃないかしら・・・?」
「後でやろうよ!!」
「・・・彩ちゃん。今度ライブがあるんだから・・・」
「じゃあ、また今度で・・・。なら次はゲーム見てみよ!!」
「・・・・今の彩ちゃんってなんか日菜ちゃんに似てるわね」
どうでもいいことを呟きながら彩ちゃんと共にカラオケの横にあったゲームコーナーへと向かう。
よく分からないのだけれど、そこには一昔前位のゲームやクレーンゲームが置いてあった。
街のゲームセンターなんて行ったことがないのだけれどこんな感じなのかしら?
「千聖ちゃん!!これ見て!!」
「今度は何・・・?」
「占いだって!!」
「・・・彩ちゃん。あなた占いなんて興味あったの・・・?」
そこにあったのは妙な雰囲気を放っている占いのゲーム機が置いてあった。
なんで彩ちゃんがこれに目を輝かせているのか分からないけれど、私もそれを覗き込んだ。
「へぇ・・・。色々見れるのね・・・」
「仕事運とか恋愛運とか選んで占えるんだって!!千聖ちゃん!!やってみようよ!!」
「・・・興味ないわね。名前と生年月日と血液型で何がわかるのかしら・・・?」
「じゃあ私だけでもやる!!」
彩ちゃんはそう言って自分のポケットを確認するがいつまでたっても財布が出てこない。
―――だって彩ちゃん。お財布を自分のカバンに入れてたのを私は見てたものそこにないのは当り前じゃない・・・
「彩ちゃん。お財布さっき、カバンに入れてたわよ?」
「そうなの!?私取ってくるね!!」
「ちょっと彩ちゃん!?」
「千聖ちゃんは待ってて~!!」
そう言い残して私を置いて彩ちゃんは自分のカバンの元へと戻ってしまい、見事に私は取り残されてしまった。
「はぁ・・・占いねぇ・・・」
正直、全く信用できない。
こんな機械に名前とかを入れるだけで何が分かるのかしら・・・?
「占いなんて信用できないわね・・・」
私はそう呟いてそっぽを向いた。
―――恋愛運とか選んで占えるんだって!!
そっぽを向いた途端、頭の中で先ほどの彩ちゃんの言葉が蘇ると、私は再び機械へと向き直った。
「占いなんて・・・」
そう言って私は周囲を見て、誰もいないことを確認する。
「占いなんて・・・!!」
そう言いながら私はポケットからお財布を取り出して100円玉を素早く機械へと入れると素早く自分の情報を入れると機械には占う項目が出てきた。
「・・・これ!!」
私は素早く”恋愛”の項目を選ぶ。
そうすると特に何か音が鳴る訳でも、画面の表示が変わる訳でもなく1枚の紙きれが機械から吐き出される。
とてつもなく損した気分になりながらも私はその紙を拾い上げて目を通す。
「恋愛運―――イケイケドンドンが吉・・・プレゼントを送ると激熱!!・・・」
書かれていた結果は訳が分からなかった。
とりあえずその場に捨てるわけにもいかず、財布の中にその紙を押し込む。
それと同時に彩ちゃんが財布を握りしめて戻ってきた。
「千聖ちゃん!!お待たせ!!って財布持ってどうしたの?」
「・・・えぇ、折角だから何かやってみようかと思って・・・占い以外で・・・」
「へぇ~!!」
彩ちゃんはそう言って私がさっきやった機械へと向き合った。
「どれにしようかな~やっぱり恋愛・・・」
「ライブも近いし、この後ロケもあるから仕事なんてどうかしら?」
「う~ん・・・でも・・・」
「どうかしら・・・?」
私は笑みを浮かべて彩ちゃんに話しかけると、彩ちゃんはあたふたしてしまい気が付けば時間切れみたいで1枚の紙が出てきた。
「あっ!!いろんなことが書いてある!!・・・う~ん」
「へぇ・・・そんなことも出来るのね・・・。それで何が書いてあったのかしら?」
「あんまりいい事じゃない~!!」
そう言って彩ちゃんは私にそれを見せてくれると思わず声に出して読んでしまった。
「・・・空から恐怖と信じてた人に裏切られて絶望的な状況に追い込まれそう。過去の自分と小さなきっかけが絶望を希望に変えてくれる。・・・・・・まるで意味が分からないわね・・・それに占いと言うよりも予言ね・・・」
「こうなったら・・・みんなの分もやろう!!まずは日菜ちゃんか・・・「お~い!!彩ちゃ~ん!!千聖ちゃ~ん!!」って日菜ちゃん!?」
彩ちゃんが意気揚々とみんなの分もやろうとするとそこに日菜ちゃんが大声で私達を呼びながら渡したとの方へ向かってくる。
「ここにいたんだ~。そろそろロケ出来そうだから準備してだって~!!」
「そうなんだ!!分かった!!千聖ちゃん!!」
「そうね・・・行きましょうか」
日菜ちゃんからの連絡を聞いて私達はロケの準備をするために自分たちの部屋に戻っていった。
後日。
この予言が見事に的中したことを思い出して、驚愕することにこの時の私は知る由もなかった。
――――――――――――
ロックもますきが部屋を出て行ったのを見送った私は気分転換も兼ねて旅館の中を散策していると、ベンチに座って外を眺めている今井さんがいた。
同じ楽器をしているけど普段話したりする機会もないし、折角の機会と思って私は声をかける。
「今井さん」
「レイヤさん。1人?」
「えぇ」
どうやらRoseliaもみんなバラバラになって旅行を満喫しているらしい。
そんな他愛ない話をしていたら手招きをしてベンチに座る様に催促するリサさんの横に座るがやっぱり落ち着かない。
私の様に不思議そうな視線を送るリサさんに私は今の気持ちを正直に打ち明けた。
「なんか落ち着かなくて・・・」
「どうして?」
「同年代の子と一緒にいるの、あんまり慣れてないんです」
「そうなんだ~」
「・・・私、修学旅行とかも行ったことなくて・・・。転校もあって音楽ばかりやってたから・・・」
「あっ!!枕投げやる?みんなでさ!!・・・あ~でも、弦太朗はどうしよっか・・・流石に仲間はずれはなぁ~・・・」
弦太朗の事だし・・・だったら誘えば喜んで参加しそうだけど、女子相手だと流石に遠慮するようになったのかな・・・?
でも意外だな・・・
「今井さんもやるんですか?」
「もちろん!!後、リサでいいよ。タメなんだし!!」
えっ・・・?
タメってリサさん。私の年勘違いしてる・・・?
「あたし・・・2年です・・・」
「えぇ!?年下じゃん!!・・・大人っぽいし同い年だと思ってた!!」
「よく言われます・・・あはは・・」
「いやいや~。落ち着いててカッコいいからさ~。それに弦太朗ともタメ口じゃん?」
大人っぽいとはよく言われるけど、弦太朗ともタメ口だから勘違いされたのは考えてなかったな・・・
「・・・実は引っ越してすぐに弦太朗と出会ってこっちで再開したんですけど・・・花ちゃんが弦太朗の事を先輩って言うまで年上って知らなくて・・・。それに今から治すのも違和感があるので・・・」
「あははっ!!そうだったんだ~。でも、よく考えればみんな弦太朗にタメ口だよね~。ていうかさ、年下で弦太朗に敬語使ってる方が少ないんじゃない?」
「確かにRASもロックとパレオくらいですね」
「Roseliaはあこ以外タメだけど、あこはあれだしね~。紗夜と燐子は普段から敬語だからさ~」
「へぇ~」
「それにしてもこっちから引っ越した先で出会った後に別れて再開する・・・なんて、恋愛小説にありそうな運命的な出会いだね~」
恋愛・・・?
リサさんが何を言ってるのか分からないけど、こんな偶然もあってもいいかもしれない。
でも、1つだけ言うことがあるとしたら―――
「まぁ、再開してすぐに酷い目に会いましたけど・・・」
「あ~あれね~。アタシも最初に会ってすぐにえらい目にあってさ~」
「そうだったんです?弦太朗、私をバイクの後ろに乗せたまま体当りしたんですよ?」
「アタシはヒナが目の前で怪我して制服が血まみれになったり、投げ飛ばされてゴミ捨て場にツッコんだり・・・。この前は犯人が分かったらすぐに襲われて正気失ってたし・・・」
「最後のは私もですね・・・。それにしてもリサさん・・・その・・・凄いですね・・・」
「そうだね~。正直、アタシの場合は制服と財布へのダメージが大きかったな~・・・」
「ふふっ・・・」
音楽以外の話題でこんなに人と話したのは久々で、それが余りいい思い出でもないけれどこうやって話すのも楽しくて気が付けば笑っていた。
その後は星のシールの子が来たけど恥ずかしがってすぐにいなくなっちゃったけどそれも話のネタにして私はリサさんとそのまま会話を続けながら2人で温泉へと向かっていた。
――――――――――――
「・・・こんなにのんびりしていて良いのでしょうか・・・」
「だからこそよ」
「「・・・」」
温泉に浸かりながら思わずつぶやいてしまった私の言葉に近くにいた湊さんが答える。
その言葉と互いに沈黙してしまったがそれを破ったのは湊さんだった。
「紗夜。あなた、日菜と一緒に入るのではなかったの?」
「確かに誘われましたが・・・」
確かに旅館について早々に日菜に誘われたが、私はそれに答えずに逃げてしまった。
その理由は―――
「一緒に入ったらあの時の傷が見えてしまうから・・・かしら?」
「・・・・・・えぇ」
湊さんに理由を言い当てられてしまった私は驚きの表情を浮かべながら、なんとかその言葉に答える。
その間湊さんは私の方を一切見ていない。
この表情を見られたくないということを察してくれてるのね・・・
「日菜はもう気にしてないのかもしれません。許してくれるとも言ってくれましたが、その時の傷を見たら私は罪悪感でおかしくなってしまう気がします」
「そう・・・」
「湊さんは何とも思わないんですか?」
「なんのことかしら?」
「この間のお父さんの事を・・・」
「何も思ってないと言ったら嘘になるわね」
「では・・・?」
私は湊さんにこの間のお父さんが起こした事について思わず聞いてしまった。
しかし、そんな私の言葉に湊さんはハッキリとした口調で答えるとそのまま彼女の言葉が続く。
「演奏をしただけとは言えお父さんは結果的に多くに人に迷惑をかけたわ。それも巻き込んだ人数だけで言えば一番多い・・・」
「それは・・・そうですね・・・」
確かに湊さんのお父さんは基本的にはギターを弾いていただけ。
それが人を狂わせることを知ってたのか知らなかったのかは分からないが、配信サイトに音楽を流した時点で巻き込んだ人数は途方もない数なのは容易に想像がついた。
「なら・・・」
「だからそこ向き合い続けないといけない。娘であり、音楽を教わった者として・・・」
「湊さん・・・それはとてもつらいものではないですか?」
そうに決まってる。
自身が音楽をやっている限り、そのことは彼女の頭に容易に思い浮かぶのはわかる。
―――そんなのは苦行意外の何物でもないはず・・・
「きっと何度も辛い思いを味わうことになるかもしれない。でも、私はあの時の気持ちは変わらないわ」
「あの時の気持ち・・・?」
「5人でRoseliaであり続ける限り私達は折れない・・・」
「・・・」
「だから、あなたいつか自分のしたことと向き合うべきじゃないかしら・・・?」
その言葉を聞いて私は決心して湯舟から出るとそのまま脱衣所の方へと歩き出す。
「もう出るの・・・?」
「えぇ・・・。でも、すぐ戻ってきますよ。日菜と一緒に・・・」
「そう・・・」
私は日菜を迎えに行くために温泉から上がった。
その間に湊さんに視線を向けるが彼女は真っすぐ何かを見つめて、脱衣所に入る際に何かを呟いていたがその言葉を聞き取ることは出来なかった。
「にゃーんちゃん・・・」
誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。
次はここで書かれなかったバンドメンバー視点書いてフィニッシュです・・・