これで大体どの辺かは時系列ははっきりとわかる・・・よね?
よね・・・?
今回の出来事が始まったのは・・・いや、多分もっと前から始まっていたんだけど、問題が表面化したのはちょうど昨日。
花ちゃんの誕生日で私達は3人でライブを見た後に控室に入れてもらって―――
「オッちゃんだ~!!」
「これすげーな・・・」
「マッスーが作ってくれたんだよ」
「オッちゃんのアイディアはレイだけどな」
「へへへ・・・」
「後でプレゼント渡すね~」
「おたえ~ケーキ持って~写真撮ろ~」
「うん!!」
目の前ではますきが作ったオッちゃんの形のケーキに嬉しそうな表情を浮かべてる花ちゃん。
そんな花ちゃんの誕生日をポピパとロックがはしゃいでるのをますきと2人で眺めてた。
「次はチュチュの番だね・・・」
「でっけぇ苺用意してっから楽しみにしとけ」
そのままお祝いムードの中だった私達だったけどロックのスマホが鳴るとそれを手に取った。
「ランキング更新されてます!!」
ロックの言葉を聞いて私達も自分のスマホを手に取ってランキングを確認すると、考えてもない出来事が起こっていた。
「RAS・・・2位に落ちてる・・・」
「「「「「えぇ!?」」」」」
「じゃあ1位は・・・?」
みんなが驚いてたけど有咲ちゃんだけはRASを抜いて1位になったバンドの事を話にあげると私はまたスマホへと視線を向ける。
「Roselia・・・。友希那先輩達だ!!」
「エントリーがギリギリで出遅れてたのに・・・凄いね・・・」
「それに1週間くらい前は確か8位とかだったよね・・・」
「それなんだけど、この間のdubでの1件がかなり話題になってるって夏希達から聞いたよ」
「それが話題性を呼んだってこともあるけど、この1週間であたし達みたいにライブ詰め込んでるって燐子先輩に聞いたぞ」
「dubのって・・・」
「確か・・・」
「レイとロックが大暴れしてた時のアレだな・・・」
たしか怪物の曲を聞いたら暴れ出すって言うものらしくて私もそれに巻き込まれて―――
それで正気に戻った時にはdubのフロアで湊さんと変身した弦太朗が並んで怪物を向き合っている光景で・・・
その後は急にステージで爆発が起こってパニックになったフロアでAfterglowでドラムをしているあこちゃんのお姉さんが2階から降ってきたり、Roseliaが怪物相手に立ち向かったり、ロックと2人で逃げようとしないチュチュを引っ張って逃げた事が頭の中に蘇ってくる。
正気に戻った誰かが話したのだろう。
噂話は私も耳にしていたが、SNSでは投稿があってもすぐに消され、それでも人の口は塞げなくて話に尾ひれがついて行ってしまって話題になっていた。
それを思い出していたら私のスマホが震える。
いや、私だけじゃなくてRASの3人のスマホだった。
差出人はチュチュでその内容をロックが読み上げてくれるのをポピパを含めた全員で聞いていた。
「チュチュさんからです・・・。全員今から集合だそうです・・・」
「今から・・・?これのことか?」
「だろうね・・・」
RASの3人は顔を見合わせる。
今回の理由は当然このランキングの事で何かあるのだろう。
何があるか分からないけど今から向かおうと思った、その時に有咲ちゃんが声を挙げた。
「ちょっと待て!!」
「んっ?どうした?」
その声に振り返るますきに有咲ちゃんが説明してくれた。
怪物が出てて、パスパレのドームでのライブを中止にさせるために動いていること。
今は弦太朗がパスパレを守っていること。
「それで前に麻弥さんがマスキングの事を尊敬してるって雑誌の取材で言ってたらしいんだよ・・・」
「それであたしが狙われるかもってことか・・・?」
「まぁ・・・確率自体はかなり低いけど・・・用心に越したことはないだろ?」
「なるほどな・・・」
それだけで意図が伝わったのかますきはすぐにチュチュに連絡を入れていた。
「とりあえず、今日は用事でいけねぇから明日行くって言っておいたわ」
「ますき・・・ごめんね?」
「ハナが気にすることじゃねぇって。ロックも今日はバイトで遅くなるからいけそうにないって連絡してくれ」
「はっはい!!でも・・・なんで明日なんですか・・・?」
「麻弥さん達を襲ってライブを中止に追い込むなら、もうライブに乗り込むくらいしか出来ねぇだろ?・・・申し訳ないけどそうなりゃこっちが安全だからな・・・」
「ますきさん・・・」
頭では納得しているが内心では不満だらけなのがますきが不満げな表情を見たロックもますきに言う通りにチュチュへ連絡を入れると、チュチュから「明日に集合」とだけの短い文章が送られてくるのを見て私達はそのまま花ちゃんの誕生日を祝ってからすぐに家に帰っって次の日、私達は学校とかが終わってチュチュのスタジオに集まっていた。
「チュチュさん怒っとるんかな・・・。すぐに集合なんて・・・しかも、昨日集まらんかったから・・・」
「怒るっつうか拗ねてんだろ。・・・甘いもん作ってくりゃ良かったな・・・」
「必要ないわ」
私達の会話を割る様にチュチュがパレオと一緒にスタジオに入ってくるけど、パレオの表情が浮かない顔をしている。
その中でチュチュが自身で考えたここからの逆転の手段話し始める。
「他のライブハウスに殴り込みをかける。RASの実力はすでに知れ渡っているわ・・・。私達が仕掛ければ他のバンドは出演を辞退する・・・いえ、させてみせる」
「・・・物騒だな」
私もdub以外のライブハウスに行ってライブこと事態はいい。
むしろ機会が増えるのは悪い事じゃないけれど、そのために他のバンドの出演を辞退させようとするという事には賛同できなかった。
ますきが私達が思っていたことを代弁するように声を挙げるけど、チュチュの言葉は止まらなかった。
「それから・・・ここからは私の命令に全て従ってもらうわ。あなた達のスケジュールも私が管理する。他のバンドとの接触も禁止。時間の無駄だから」
「「えっ・・・?」」
「なんだそりゃ・・・」
そこから先は流石の私も不満を覚えた。
1位のために行動を起こそうとするのは悪いことではないけれど、その手段もそのために私達を物みたいに扱おうとするその姿勢が許せなかった。
そんなチュチュにますきは食って掛かる。
「マジで言ってんのか?」
「・・・これは戦いなのよ!!」
戦い・・・
確かに順位をつけて争っているからチュチュが今回のイベントの事を”戦い”と言うのも理解が出来る。
でも、チュチュ以外の全員は弦太朗が命がけで戦いをしているのを知ってしまっていた。
そんな私達にはチュチュが今言っている”戦い”は酷く自分勝手で薄っぺらで、全くその言葉の重みを感じられなかった。
そんな彼女にますきが反論し始めた。
「ちっちぇな・・・だからRoseliaに負けんだよ・・・」
「はぁ!?負けてない!!この間だって勝ったじゃない!!それに普通に音楽やってたら勝てないからってRoseliaは音楽からヒーローショーに逃げる様なバンドに成り下がってた!!そんな連中に私達が負けるはずがない!!もう1度・・・いえ、何度やっても絶対に私達が勝つわ!!」
「・・・そうかな?」
「えっ・・・?なに・・・?何言ってるの・・・?」
チュチュの言った言葉を聞いた私は無意識に思っていたことを口にしてしまっていた。
それを聞いたチュチュが私に視線を向けてくるけど、漏れてしまった言葉の気まずさも会ってチュチュから目を逸らしてしまった。
「「「「・・・・・・」」」」
「そんな気持ちじゃ勝てる物も勝てない!!あなたRASの自覚あるの?他の2人もそう!!ポピパのライブに行く時間も遊んでる時間もない!!」
「「「「・・・・・・」」」」
「そんな気持ちで私のバンドに参加しないで!!」
チュチュは遂に”私達”では無く”私”と言い始め、そんなチュチュに呆れてしまって背けてた顔を挙げるとますきがチュチュを宥めようと手を伸ばしていた。
でも、チュチュはそれを振り払っていた。
「逆らう気!?私はプロデューサーよ!!」
「そうかよ」
ますきがそうチュチュに冷たい視線を向けながら呟くとスタジオを出て行く。
そんなますきの行動にみんなが固まってしまったが、ロックが最初に我に返るとますきを追いかけ始めて、泣き出したチュチュとそれを追いかけてパレオがスタジオを飛び出していくと私は1人、スタジオに残されてしまった。
いつも練習しているスタジオを見渡すが、自分の呼吸音くらいしか聞こえないそこは以上に広く感じてしまった。
私はどうしていいかわからずに俯いた時にあるものが目に入った。
「これ・・・ますきのスマホ・・・」
スタジオの扉の前にはますきの使っているスマホが落ちていた。
私はそれを拾い上げ、自分の荷物を手に取るとますき達が向かっているであろう駅に最短ルートで走り出すと、駅前ではロックがますきを捕まえている光景が飛び込んできた。
「レイ・・・」
「これ、落としてたよ」
「わりぃ・・・」
ますきは私からスマホを受け取るとそのまま電車のホームへと向かってしまい、それを見て私とロックもそれを追いかけて同じ電車に乗って同じ駅で降りる。
その間無言だったけど、ロックが電車を降りると私達に声をかけてきた。
「あの!!・・・ラーメン行きませんか?」
「おう・・・」
「うん・・・」
――――――
「それでラーメン食べることになったんだけど、ラーメン屋に向かってたら・・・」
「なるほどな・・・」
「これからどうなってまうんやろ・・・」
ここで弦太朗が合流するまでに起こった出来事を話し終えたレイヤはどこか複雑そうな表情を浮かべていたが、それでも先ほどよりかは表情は明るくなっていたが、一方のロックは今後が不安になってしまって表情が暗くなっていく。
そんな2人を見て、痛みに耐えながらも弦太朗は傷だらけの身体でベットから立ち上がると2人は驚きを隠すことが出来ずに声を出してしまった。
「っう・・・!!」
「弦太朗!?」
「なら、早く寝て明日にでもチュチュと話せばいいだろ」
「如月先輩!?まだ痛むんじゃ!?」
「大丈夫だから気にすんなって・・・!!」
「でも・・・」
「ロック送んねぇとダメだろ?それに俺がここで寝てたらレイが寝れねぇだろ?」
弦太朗はそう言うとボロボロになっていた自分の上着を手に取ると部屋の外へ向かう。
そして部屋を出る直前に弦太朗はレイヤの方へと振り向いた。
「じゃあな!!また明日!!それと今日はあんがとな・・・」
弦太朗はレイヤに別れの言葉を言って部屋を後にする。
そんな様子に2人とも固まってしまったが、不意にレイヤが笑みを浮かべて呟いた。
「やっぱり、凄いな・・・」
「えっ?レイヤさん?今なんて・・・?」
「なんでもないよ。ほら弦太朗が待ってるから早く行かないと。花ちゃんから聞いたけど、明日テストなんでしょ?」
「えっ!?・・・はい!!」
レイヤに急かされたロックは自分の荷物を掴むと急いで弦太朗の後を追う様に部屋を出て行く。
そんな2人を見送ったレイヤはそのままベットに横になって精神的に疲れていたのかそのまますぐに意識を手放してしまった。
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