投稿です。
仕事がなければ、ライブ行きたかった・・・
ぐぬぬぬぬぬ・・・・・・
「ここみたいです・・・!!」
「でけぇ・・・ましろ達のとこといい勝負してんな・・・。とりあえず、近くにバイク停めてくる・・・」
「分かりました」
弦太朗達はますきが通っている学校の前までやってきていたが生徒が出てきている様な気配はなく、弦太朗は近くにバイクを停めて校門の前に戻ってきてすぐに、学校から修道女の様な服を着た職員が門へと近づいてくる。
「あわわわ・・・!!隠れましょう!!」
何を思ったのかロックは弦太朗の身体を引いて校門の柱に身を隠し、それに気が付かずに職員が門を開けてその門の前に直立し始める。
そして学校の方から少しだけ声が聞こえてくると生徒が少しずつ校門へ向かって来る。
ロックと弦太朗は校門に隠れながらますきを探すがなかなか見つからない。
「どうしたんやろ・・・」
「なにしてんだ・・・?」
小さな声で会話をする2人だったが、そのまま待っていると見覚えのある顔が校舎から歩いてくるのが見えてくる。
「ますきさ・・・」
ロックは校門から声を挙げようとしたが、目の前で起こった出来事に言葉を詰まらせてしまった。
「ごきげんよう・・・」
「ごきげんよう」
「なんやこれ・・・」
「なんだこれ・・・?」
大きな声ではないが狂犬とまで言われていたますきの挨拶をロック達の耳はハッキリと捉えてしまった。
あのますきがあんなに上品な挨拶をしたということに驚きを隠せなかった2人からは思わず声が漏れてしまうが、ますきはそんな2人に気づかずにすれ違う生徒達に同じ挨拶をしながら歩いていた。
しかし、2人の前には木陰からますきの後輩と思われる生徒達が出てくる。
それだけでは特段気にするようなこともないが、彼女達の口からは外野の2人からは考えられない言葉が飛び出してきた。
「ますきお姉様!!」
「ますきお姉様!!」
「ますきお姉様!!」
「ん?」
「本日の演奏会、お花をもって伺いますね!!」
「楽しみにしております!!」
「うっ・・・おぉ・・・。あっ?」
後輩たちの言葉にたじろいで視線を逸らしたますき。
しかし、その視線の先には―――
「ますき・・・お姉さま・・・」
「うぉ!!ロック!?なんでここに!?」
校門からこの光景を見ていたロックがいた。
思わずますきは駆け出すが、そんな彼女にロックは声を張り上げた。
「ますきさん!!やめないでください!!私達このままじゃダメになります!!」
「はぁ?」
急なロックの叫びに意味が分からずに首を傾げるますきだったが、ここでもう1人の外野が声を挙げた。
「いいぞロック!!そのまま自分の考えをぶつけてやれ!!」
「はいっ!!」
「げっ!!弦太朗!?」
ロックがいることだけでも驚いていたのに、この場に弦太朗がいることなど完全に想定していなかった。
彼を見た途端に嫌な予感を感じたますきだったが彼女の勘は当たっていた。
「「「「「いやぁああああああああああああああ!!」」」」」
「うぉっ!?」
校内にいた生徒達が弦太朗の姿を見て叫び出す。
ますきとロックからしたら怪我をしていることを除けば弦太朗の姿は見慣れたものであったが、ますきの学校の生徒達からしたら明らかに素行の悪そうな見た目の男子が校門の前にいるという状況に恐怖しか感じていなかった。
叫び声に驚いた弦太朗が次に感じたのは校門にいた教員の冷たい視線。
そして、その叫び声を聞いた学内から警備員と思われる人間達が弦太朗へと殺到していく。
「なんだっ!?」
明らかな異常事態に驚きを隠せない弦太朗だったが構うことなく警備員は不審人物と思われる弦太朗へと飛び掛かる。
しかし、彼もただの不良高校生と言うだけではなく、裏では仮面ライダーとして戦いを続けている。
足を怪我しているというハンデがあろうが、ただ警備員を捌くだけだったら今の彼でも十分だった。
「あぶねっ!?ちょっと待てって!!こっちはますきに用があって来ただけ!!って話聞けよ!!」
「如月先輩!?」
「話くらい聞けって!!おい!!ますきからも何か言ってくれよ!!」
飛び掛かってくる警備員たちを躱しながらここに来た目的を言うが誰一人として聞く耳を持たず、弦太朗を取り押さえようと鬼のような形相で向かってくる。
「ちょっと本当に話聞けって!!」
「えっと・・・!!その・・・!!」
弦太朗も流石に何もしていないただの人間相手に暴力を使う訳にも行かないのでなんとか避けてやり過ごす光景を前にロックは慌てて言葉が纏まらない。
そんな光景を前にして周囲の生徒達からは恐怖と困惑の表情が入り混じりながらも、ヒソヒソと話し声が漏れてくる。
「あの方たちどなたでしょう・・・?」
「ますきお姉さまとどういったお知り合いなの・・・?」
「あれが噂に聞く三角関係というものかしら?」
「・・・嫌いじゃないわ!!」
「はっ!?」
周囲の生徒達の言葉が聞こえ、呆然としていたますきは我に返った。
そして目の前を見ると痛みを抑えながら警備員の猛攻を躱している弦太朗を視界にとらえるとますきは慌てながら弦太朗と警備員の前に飛び出した。
「ちょっと待ってください!!そいつ、私の親戚っす!!」
「「「「「「えっ・・・?」」」」」」
まさか過ぎるますきの言葉に弦太朗や警備員を始めとして、この場にいた全員が動きを止めてしまった。
勿論その言葉は全くの嘘なのだが、全くの斜め上の解凍にその場の空気が凍り付くとその間にますきは弦太朗とロックへと歩み寄るがすぐに2人が再起動した。
「はぁ?お前何言って・・・」
「ちょっとますきさ・・・」
「うっせぇ、話合わせろ・・・」
驚きを隠せない弦太朗達が声を挙げようとするが即座にますきが2人を黙らせる。
それを見てますきは2人の後ろに回りこむとこれ以上余計なことを言わない様に片手ずつで2人の口を抑え込む。
「・・・それではごきげんよう」
「「ん~!!」」
「暴れんなっ!!」
余計なことを言う前にここから離れるべきと判断したますきは2人をそのまま引き摺ってそのまま学校から離れて行く。
その行動は周囲の視線を集めてしまうが今の彼女はそれどころではなく、一刻も早くこの場所を離れることを優先した。
そして周囲の目が無くなったがますきは自身のバイクが停めてある場所までそのまま連れて行くと2人を解放した。
「・・・ついて来い」
「俺もバイク取ってくる」
弦太朗もそう言うと自身のバイクを取りに戻り、ロックを再び後ろの乗せて目的地も知らないままに彼女の後を追う。
そして、彼女のバイクはバンドリの決勝会場でもある武道館の前でバイクを停めると車止めに腰を下ろした。
弦太朗はバイクから降りるとロックを車止めに座らせてから、自分は地面に座り込むとロックは自身が思っていることを口に漏れ出してしまった。
「あの・・・お姉さまって・・・」
「先輩って意味だ。妹じゃねぇ・・・」
「にしても、ますきが「ごきげんよう」なんて挨拶するなんて思わなかったぜ?」
「私もです・・・」
「あっ?」
「ひっ!!」
「ロック落ち着けって」
学校でもますきの姿を見た感想が最初に漏れてしまい、揶揄われていると思ってしまったますきは2人を睨む。
その姿に怖がるロックを弦太朗が宥め始めると、呆れてしまったのかますきは肩を落としてため息を零しながら2人に問いかけた。
「・・・ったくお前ら何しにうちの学校まで来たんだよ」
「ロックがお前に言いてぇことがあるんだってよ」
「あっ?」
「ロックが思ってること言えばいいんだよ」
ますきに視線を向けれてロックは急な展開に慌ててしまうが、弦太朗の言葉を聞いて一旦落ち着こうと深く息を吸い込むとありったけの思いを込めて言葉を吐き出した。
「バンド辞めないでほしいんです!!」
「はぁ?」
「私、ますきさんがドラムしてくれてるから思いっきり演奏が出来るんです!!だから!!」
「待て待て!!ロック!!」
「だから!!あの!!」
「だぁ~!!だからあたしの話を聞け~~~!!」
ロックの言葉の意味が分からかったますきは彼女の話を止めさせようとするがロックは全く止まらず、仕方なく無理やり口を手で塞いで物理的に話を止めにかかった。
「むっ~~~!!」
「ますき何やってんだ?」
「いや、それこっちのセリフだかんな?てか、何であたしがバンド辞めるみたいなことになってんだよ?」
「ロックに聞いてくれよ・・・」
ますきの疑問に弦太朗が答えると彼女はロックの口を抑え込んでいた手を退かす。
口が自由になったロックだったが、彼女自身困惑した様子を浮かべていた。
「えっと・・・昨日、怒ってチュチュさんのとこ飛び出してまったし・・・、その後にレイヤさんの家からも・・・」
「それは・・・悪かったよ・・・。色々あって気持ちの整理っていうか・・・頭冷やしたくてよ・・・」
ますきは昨日の行動の理由を話す。
そして、少し無言になると途端に頭を抱えて叫び出す。
「あ~~~~~~!!今日のライブ!!顔合わせずれぇ~~~!!」
そして叫び終えると2人から見えない様に顔を腕で隠そうとするが、耳まで赤くなっているのがハッキリと見えていたがロックがそんなますきに声をかける。
「だったらなおさら行きましょう!!」
「・・・チュチュから連絡ねぇし・・・」
「大丈夫です!!」
顔を伏せるますきだったが、その横でロックが立ち上がるとますきのバイクからヘルメットを彼女へと突きつける。
「行きましょう!!」
「・・・ったく、しゃあねぇなぁ。弦太朗も来いよ」
「おう」
「ロック、次はあたしの方に乗れよ」
彼らはロックの勢いに流されるように再びヘルメットを手に取るとバイクに跨ってチュチュのマンション目指してバイクを走らせるのだった。
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