唐突ですがAfterglow篇最終章です。
今回は誰が変身するんでしょうねぇ・・・
祭・狂・騒・曲-1 懐疑的なストリート
学生としての一大イベント―――定期試験を終えた弦太朗はGalaxyでのライブを控えたりみと有咲と共に商店街のやまぶきベーカリーへと向かっていた。
「テスト返ってきたし、もう冬休みだな~!!」
「お前、冬休み明けにはもういないだろ・・・。でも香澄達も補習になんなかったからバンドリの決勝は大丈夫そうだな」
「でも、まだ出れるか分かんねぇだろ・・・?」
「うっ・・・うっせぇ!!出るつもりだからこうやって毎日ライブしてんだよ!!」
「まぁまぁ有咲ちゃん・・・。でも、私は弦太朗くんが補習じゃないことの方がびっくりだよ~」
「紗夜達にめちゃくちゃ搾られたからな・・・。まぁ、殆ど分かんなかったからギリギリで赤点回避だったけどな・・・」
「それでも、今までの成績からなら凄いと思うよ・・・。中学の時はいつも1桁くらいだったし・・・」
「だよな!!」
「いやいや!!それはそれでヤベーだろ!!よく高校に入れたな!?」
「それ、レイにも言われたな」
弦太朗の成績の話を聞いて思わずツッコミを入れてしまう有咲だったが、本人はその事をさして気にする様子も見せなかった。
しかし、レイヤの名前が挙がったことで有咲は先日まで起こっていた事件について思い出した。
「そう言えば・・・如月。お前、怪我は大丈夫なのか?」
「千聖先輩から聞いたけど・・・パスパレの後すぐにRASの方でもって・・・」
「それなら心配すんなって!!見てろよ!?」
2人の心配を他所に彼は少し彼女達から離れるとそのままバク転を見せつける。
突然の行動に驚いた表情を浮かべた2人を他所に彼はしっかりと着地してみせるとそのまま彼女達の元へと戻る。
「なっ?大丈夫だろ」
「お前!?やるならやるって言えよ!?心臓に悪いわ!!」
「パレオちゃんから聞いたけど、金曜に見た時は歩くのも辛そうって聞いてたけど・・・」
「土日にメディカルの注射を使ってたら治ったぞ!!」
「「・・・・・・」」
弦太朗からの思わぬ回答に2人は完全に返す言葉を失ってしまった。
そんなにポンポンと使っていいのか?と疑問に思ってたがこれ以上は聞いてはいけない気がした彼女達はこの話をこれで切り上げた。
「そう言えば、ライブの後にRASが蔵に来るって言ってたな・・・」
「レイ達が・・・?」
「なんでも、迷惑かけたから謝罪しに来るんだってよ。・・・香澄がロックを焚きつけただけで、こっちはなんもしてねぇんだから気にしなくていいのによ・・・」
「有咲ちゃん?照れてる・・・?」
「照れてねぇ!!」
有咲は香澄の事を話すと少しだけ恥ずかしそうな表情を浮かべたが、その事ををりみから指摘されると彼女は真っ赤になりながら否定する。
そんな他愛ないやり取りを続けながら彼は商店街までやってきていたが―――
「んっ・・・?」
「如月?どうかしたのか?」
「有咲ちゃん・・・なんか変じゃない・・・?」
「ってりみもか・・・?それでどうかしたのか?」
「なんつーかよ。みんなピリピリしてねぇか・・・?」
「・・・そうか?」
「「「んっ?」」」
2人は商店街に入ってから何故か警戒心を向けられている様な感覚を覚え、一緒にいる有咲は全く気になっていないようで互いが自分の感覚に違和感を覚えていたが――――
「「・・・」」
「いや、私の方が間違ってた・・・」
間違っていたのは有咲の方だった。
最近はGalaxyでのライブで頻繁に来ていたが、それ以前は商店街に来ること自体は多くなかった。
そんな彼女や弦太朗はともかく、ほぼ毎日パンを買いに来ているりみにすら商店街の人々は警戒心を向けていた。
そんな状況が不思議だったが、流石にりみと有咲は居心地の悪さを覚えたのか弦太朗を連れて足早に商店街の中にあるやまぶきベーカリーへと入っていく。
「あっ・・・いらっしゃい!!」
「よっ!!沙綾」
「なぁ。沙綾の奴なんか変じゃねぇか?お前を見るまで警戒してたぞ?」
「なんか変だった様な気がしたよ・・・?」
「確かに・・・」
しかし、沙綾が弦太朗の姿が見えるまで少しだけ警戒心を見せていたという事態に2人は驚いてすぐに弦太朗へと小声で話しかける。
前に商店街でダスタードに狙われたことはあったが、あの沙綾がそこまで警戒すると言うのが分からなかった。
弦太朗もRASの事件の時に店番しているときにはそんな素振りを見せていなかったことを思い出すが、あの時とは明らかに違った態度に疑問を持たずにはいられなかった。
「沙綾、お前・・・なんかあったのか?」
「えっ?」
「えっ?じゃねぇって・・・沙綾、如月が入ってくるまでなんか変だったぞ?」
「そうかな・・・?」
「うん・・・」
「弦太朗達ならいいかな・・・?」
沙綾の様子がおかしいと切り込んだ有咲にりみと弦太朗は2人で頷いて答えると、沙綾は少しだけ考えるような素振りを見せながらボソリと呟くと彼女は事情を話し始めた。
「えっとね・・・今度、商店街でお祭りやるんだけど、知ってる?」
「それって確かバンドリの決勝と同じ日にやる奴だったよな?」
「確か蘭達がバンドで演奏するって言ってた奴か・・・?」
「うん。私はバンドリの予選であんまり手伝えてないけど、商店街のみんなで準備してるんだけど・・・」
「だけど・・・?」
ここまで言った沙綾の表情は少しだけ暗くなり、再び考えてしまったが今起こっていることをありのまま伝えることにした。
「実は・・・祭りの準備を邪魔している人がいるみたいで・・・」
「はぁ?なんでだよ?」
「それが分かんなくてさ・・・。実際に祭りで使うテントとか置いてある倉庫で備品確認してたら人が閉じ込められたらしいんだ・・・」
「はぁ?たまたまじゃねぇか・・・?なぁ?有咲」
「んなわけあるか。扉が閉まるくらいならともかく閉じ込められるなんて早々ねぇだろ」
「それだけなの・・・?」
「ううん。それが段々エスカレートしてるみたいでこの前は準備のための会議してたら急に外で癇癪玉みたいな爆発音がしたとか外に出たみたいなんだけど・・・」
「爆発・・・?」
「なぁ・・・それって・・・」
なんでそんなことをされているのかが分からないと言った様子で3人は首を傾げていたが、その説明で3人は嫌な予感を感じていたが沙綾はそのまま話を続けた。
「見た人は黒い服の覆面してたって言ってたから多分・・・」
「また・・・?」
「それで商店街のみんなも犯人見つけるために警戒してたってことか・・・?」
「・・・うん」
そしてその悪い予感は的中していた。
ここにいる誰も直接その現場を見たわけではないが、犯人の見た目の特徴は間違いなくダスタードと一致していた。
状況を理解した彼らはそれと同時に商店街の雰囲気がおかしかった理由も理解できた。
ダスタードの事を知る由もない商店街の人々は誰か分からない犯人を見つけようとして警戒心をむき出しにしていたのだ。
納得は出来た彼女達だったがここで別の疑問が浮かんでくる。
「でも、なんで商店街の祭りを狙ってんだ?」
「如月の言う通りだな・・・。昔、ばぁちゃんと行ったことあるけどただの祭りだぞ?」
有咲は以前の祭りの事を思い出すが、狙われている理由が全く見当もつかなかった。
彼女からしたらどこにでもあるようなただの祭りだが、犯人からしたら特別な何かがあるのだろうか?
しかし、有咲がいくら考えても全く見当がつかない。
勿論他のメンバーも考えはするが結果は有咲と一緒だったが、そんな中で急に店の扉が開かれる。
「お~い、沙綾・・・。って如月!?」
「お!?っ巴じゃねぇか」
店の扉を開けて外からやってきたのは巴。
そんな彼女は弦太朗を視界にとらえると驚いたような表情を浮かべるが、すぐに彼に歩み寄ってくる。
「如月!!ちょっと来てくれ!!」
「おいっ!?どういうことだよ!!」
「頼む!!手伝ってくれ!!有咲達はライブだったよな!!頑張れよ!!」
「ちょっと説明しろって!!」
「如月~。みんなの邪魔すんなよ~・・・って沙綾、お前は店番だろ?」
「・・・・・・っ!!」
「弦太朗くん・・・!!頑張ってね・・・」
巴に腕を掴まれた弦太朗は3人に見送られてそのまま店を後にすると彼女に言われるがままその後ろを着いて行くだった。
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