ドンドン人間やめてる・・・(ドンドン
「いやぁ~食ったなぁ~」
「そうだね!!久々だから美味しかった!!」
「つぐみの言う通りだと思うけど・・・弦太朗、みっともないからお腹さするのやめて・・・」
「ひーちゃんみたい~」
「モカ!!そんなことしないよ~!!ね~巴~」
「あぁ・・・そうだな・・・」
弦太朗達はラーメンを食べ終えて店の外に出るてから皆で他愛ない話をしながらも商店街の羽沢珈琲店へと向かっていくが、商店街に近づくに連れて弦太朗へと向けられる負の感情が強まっていく。
周囲の彼女達もそんな彼へも視線に気が付くが当の本人は何食わぬ顔で歩みを続けていた。
しかし、この視線が気になってしまい思わず弦太朗に聞いてしまった。
「ねぇ・・・如月くん・・・」
「えっと・・・大丈夫なの・・・?」
「悪いことはしてねぇからな。気にすることもねぇだろ?」
「いや~・・・それはちょっと~・・・」
「ホント・・・単純・・・」
「そうだ!!弦太朗くん!!・・・っ!?」
「ひーちゃん・・・?」
「あれ!!」
しかし、当の本人はそんなことを気にすら止めていなかったことに半ば彼女達は呆れていたが、もはやこの話をするのは止めていた。
ここで明るい話題へと変えようとしていたひまりが言葉に詰まる。
急に言葉に詰まった彼女を心配したモカが声をかけるとその視線の先には、力なく倒れている人と一緒に最悪のものが映っていた。
「えっ・・・!?あの人・・・商店街のお得意さんだよ・・・!!」
「角に・・・杖・・・?」
「今度は羊か・・・!!」
「・・・っ!!」
「ちょっと巴!?」
ひまりが指差すその先には特徴的な角を生やしたアリエス・ゾディアーツが倒れた人を見下していた。
周囲の人間たちは目の前の異形を見て一目散に逃げだしてその場には弦太朗達だけが残る。
弦太朗もアリエスを見てドライバーを取り出すが、つぐみはその倒れている人物が商店街の人物と聞いた巴がそれよりも先に飛び出していたが、突如として彼女の身体に異変が起きる。
「巴ちゃん!!」
「急にふらつきだしたけど・・・!!」
「下がってろ!!・・・変身!!」
走り出していた彼女の膝が折れて体勢が崩れかける姿に声を挙げる彼女達の横を駆けながら弦太朗はフォーゼへと変身していた。
「宇宙・・・きたぁーーーーーー!!」
「弦太朗くん・・・走りながらでも言うんだ・・・」
――コズミックON――――――――
いつものセリフを叫ぶフォーゼに苦笑いし始めたひまりを他所にフォーゼは巴を追い越してアリエスへと向かっていく中で相手の能力を警戒してすぐにコズミックステイツへと変身したフォーゼはバリズンソードを構えていた。
「タイマンはらせて・・・なぁ!?」
しかし、その瞬間に突如として現われたダスタードが後ろからしがみ付いてきたが、それをすぐに振り払ってフォーゼは改めて拳をアリエスに突き付けていたが、ここで彼は不信感を抱いていた。
「全く反応しねぇなんて、なんか気味わりぃな・・・」
フォーゼになってから変身した後には、どんな相手でも多少の反応はあった。
しかし、目の前のアリエスはフォーゼに全く反応することも無く淡々とした様子を見せていたことに不気味さを感じてしまったが、すぐにその考えを振り切ってソードで殴りつけようとするその前にアリエスは自身の杖を掲げていた。
「えっ・・・?」
「なに・・・これ・・・」
「眠く・・・なっ・・・て・・・」
「力が~・・・抜ける~・・・」
「蘭っ!!って邪魔すんな!!」
「逃げれない・・・」
蘭達は突然自身の身体から力が抜けて地面にへたり込んでしまった。
フォーゼはそれを見て蘭達の元へと戻ろうとすると、それを妨害するためにアリエスがフォーゼへと襲い掛かる。
彼女達へとゆったりとした足取りでダスタード達が迫るが、力が抜けた彼女達の身体は思うように動かせずに迫ってくるダスタードから逃げ出すことが出来なかった。
「ぐっ・・・ぉぉおおおおおおおお!!」
「とも・・・え・・・」
「後は任せろ!!」
しかし、力を奪われた巴が声を張り上げながらダスタードを蹴り飛ばすと彼女はまたふらついてしまうがその間にアリエスと巴達の間にフォーゼが割り込むとアリエスへと駆け出す。
それを見たアリエスはフォーゼへと杖を掲げるが、フォーゼの身体には何ともなくそのまま無防備にソードで殴りつけられていた。
「そんなもん効くかよ!!」
「ははっ・・・すげーな・・・」
「ぐっ・・・、数が多い!!」
自身の技が通用しなかったが、アリエスは未だに淡々とした様子で今度は杖から光弾をフォーゼに向けて飛ばし始める。
フォーゼはそれを避けることも出来たが、後ろの蘭達の攻撃がいかない様に自身の身体で全ての攻撃を受け止めていた。
1つ1つのダメージは小さくても、数が増えればそれも無視できない。
しかし、後ろの蘭達も動けそうにないことにフォーゼも迂闊に動けない状況下でアリエスが突如として杖を明後日の方向に向け始めた。
「なっ・・・!?」
「嘘・・・」
「沙綾・・・ちゃん・・・」
「えっ・・・なに・・・これ・・・」
「アイツ!!動けねぇ沙綾に・・・!!って邪魔すんな!!」
アリエスが杖を向けた先、そこには幼い弟妹と共にいた沙綾が地面へと倒れていく姿
沙綾と一緒にいた弟妹は意識を手放していたが、その中で沙綾だけは蘭達同様に意識を保ったまま身体が動かなくなっていた。
そんな状態の沙綾達にアリエスは以前として杖を向けたまま、そしてその杖の先に光が集まり始める。
アリエスは動けない沙綾に攻撃をするつもりであるのが分かったフォーゼはアリエスへと向かおうとするがダスタードがそれを妨害され、フォーゼは声を張り上げることしか出来なかった。
「沙綾!!逃げろ!!」
「動け・・・ない・・・」
フォーゼがダスタードに抑えられ、思うように身動きが出来ないを前に沙綾は絶望の表情を浮かべていたそんな危機的な状況の中、アリエスの杖から沙綾へ向けて光弾が打ち出されたその瞬間、沙綾の前には信じられない光景が広がっていた。
「ぁああアアアァァああ!!」
「え・・・?巴・・・?」
「巴!?・・・っておい!!逃げんな!!羊野郎!!」
フォーゼ以外で立ち上がっていた巴が沙綾達の前に立つとそのまま彼女達を抱え込み、その攻撃が彼女の背中に直撃すると耐えがたい痛みに叫びを挙げ、沙綾も目の前の光景が信じられないといった表情を浮かべていた。
巴の行動に驚きながらもフォーゼは自身を抑えていたダスタード達を倒して、これ以上暴走させないためにアリエスへと駆け出そうとするが、アリエスはそんなフォーゼ達を後目に既にフォーゼ達の遥か彼方へと逃げ出していた。
フォーゼはアリエスを追いかけるのを早々に諦めると巴の元へと駆け寄る。
「おい!!しっかりしろ!!」
「なぁ・・・、沙綾達は・・・?」
「お前は人の心配してる場合じゃねぇだろ!!」
「巴ちゃん・・・沙綾ちゃん達は大丈夫だから・・・」
「つぐ!?それにみんなも大丈夫なのか?」
「少しだけなら動けそう・・・」
「なら、沙綾達と少し離れてろ」
なんとか動けるようになったつぐみ達がフォーゼへと歩み寄ると心配そうな表情を浮かべて沙綾達を4人がかりでフォーゼ達から離す。
それを見たフォーゼはメディカルスイッチを手に持つ。
しかし、それは不意にフォーゼの手から弾き飛ばされて地面へと堕ちていく。
「んっ?」
何が起こったか分からなかったフォーゼは何かにぶつかった様な気がした。
最初は気のせいと思って彼は地面に落ちたメディカルスイッチを掴むと再びに体に何かがぶつけられた様な感覚に襲われる。
流石に気になったフォーゼはぶつけれられた何かが飛んできたであろう方向へと顔を挙げると、蘭達の同じように視線をあげると信じたくない光景が広がっていた。
「「「「「えっ・・・・・・」」」」」
彼女達の視線の先には商店街の人たちが集まっていた―――
その全員がフォーゼと巴に不信感の籠った視線を向けていた。
商店街の視線が気になるフォーゼだったが彼は再び身体に衝撃を受けた。
「いてぇ!?・・・んっ・・・?」
彼は痛みと共に何かが地面に落ちる音を聞いて視線を下に向ける。
「石・・・?」
彼にぶつけられていたのは石。
しかもそれは商店街の人たちが集まっていた方から飛んできて―――
それを理解して顔を挙げた途端に状況は最悪になっていた。
「うぉ!?痛っ!!待てよ!!巴がいんだろ!!」
「待って・・・!!」
大半が視線を向けてきていただけだったが、誰かがこれまでの騒動の原因がフォーゼであると勘違いして彼に石を投げたのを理解すると数名がそれに倣ってフォーゼへと物を投げ始めていた。
つぐみを始めとしてそれ以外の多くの人がそれを止めようとするが、一度暴走を始めた集団がその程度で止まる事はなく、次第にそれは激しさを増していった。
「にげて・・・」
――――スモークON――――――
「・・・悪い!!」
何もしていない街の人を傷つけるわけにもいかず、つぐみの呟きを聞き取ったフォーゼは目の前の状況から逃げ出すためにスモークを起動してそのまま周囲に撒き散らし、スモークが晴れるとそこにフォーゼと巴の姿は消えていた。
2人の姿が消えると街の人々もその場から離れて行き、その場には蘭達だけが取り残されていた。
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