前話との温度差・・・
確実に最終に向けて動き出してはいるのですが・・・
「う~ん・・・」
「やっぱ分かんねぇ・・・」
「先輩、ご飯食べないの・・・?」
「それに如月も燐子先輩も、さっきからなんでずっと唸ってんだ?」
アリエスの戦闘があった翌日、生徒会室に呼ばれた弦太朗は紗夜達やポピパと共に昼食を取っていたが、彼は燐子と同じように唸りながら昼食すら取らずに何かを考えていた2人に一緒にいた紗夜は呆れた表情を浮かべていた。
「市ヶ谷さんの言う通りです。今は食事中ですよ・・・?」
「あっ・・・すいません・・・。でも・・・昨日言われたことが気になってしまって・・・」
「昨日・・・?もしかして・・・2人が考えてるのは・・・巴さん達の事ですか?」
「はい・・・」
「そうなんだけど・・・ちっとも分かんねぇんだよ・・・」
「巴ちゃん達って・・・?Afterglowのこと・・・?」
「なら、燐子先輩達が考えてるのも変だろ?おい、如月。昨日の戦いの後の事話せ・・・」
「でしたら・・・私から・・・」
有咲達は話が理解できなかったが、そこで燐子が昨日の戦闘の後に起こった出来事―――
CiRCLEでの話を彼女達に伝えるとここまで聞いて燐子と弦太朗は唸りながら考えていたことを理解したが有咲もまた頭を抱え出してしまった。
「そう言われればそうだよな・・・何でこんな当たり前のことに気が付かなかったんだ・・・」
「弦太朗くんの方が凄くてそこまで考えられなかったよ・・・」
「だからチュチュさんが巴さん達のことを"特別"と言ったんだと思いますが・・・」
「その理由がちっとも分んねぇんだ・・・」
「そもそも如月は頭使うのがダメだろ・・・」
「頭使うのは有咲の役目だから・・・」
「おたえも少しは考えろ!!」
「分かんない・・・」
唸る理由は分かっても答えが出てこない。
そこで速攻で思考を停めたたえ以外の全員が昼食の手を停めて有咲達も彼らと一緒に考え始めていた。
「達って事は1人じゃないんだよね・・・?誰の事?」
「香澄ちゃん、多分だけど巴ちゃんに美咲ちゃんにイヴちゃんのことだよ・・・」
「それと3人ほどではないですけど今井さんも・・・と言ってました・・・。攻撃されてからの復帰が早すぎると・・・」
「確かにあの人もぶん殴られたり、2階位からの高さから落ちても案外大丈夫そうだったし・・・」
「でも、普通に戦ったり出来てる3人はやべーだろ・・・」
「ますきも前にバイクで突っ込んでたけど、あれはバイクが凄いからって言ってたから・・・」
ここで、考えていた全員が唸り始める。
結果だけで見れば彼女達は特別と言われたことは納得できるが、その原因の全く共通点が見えてこない。
それを確かめるようにりみが声に出し始める。
「学年も違うし・・・誕生日とか血液型も違うもんね・・・?」
「分かった!!みんなバンドやってる!!」
「戸山さん・・・。如月さんもさっきそう言ってましたが・・・、そんな単純なものではないと思いますよ・・・」
「・・・これは流石に情報が少なすぎるな。他に特別なのがいるのかも知れないけど・・・」
「それなら・・・最近変わった人を探せばいいってこと?」
「おたえがまともなことを・・・」
「じゃあ、みんなで考えよ!!」
「(沙綾、羽沢さん、上原さん、それに花音さん以外の花咲川の3年生・・・って思ったけど、これは明らかに方向性がちげーな・・・」
「有咲?何か言った・・・?」
「沙綾!?いや!?なんでもねぇよ!?」
たえから出たまともすぎる提案に驚く有咲を他所に香澄の号令で皆が最近変わったと思う人を思い浮かべる。
しかし、皆が思い浮かべる人物はバラバラだったがただ共通点があるとしたら―――
「みんなバラバラだったけど、時期は弦太朗くんが来てからって事くらいしか共通点が無さそうだよ・・・」
「俺?」
「多分、正確に言うならスイッチ――コズミックエナジー?だったか?それに関わり始めてからってとこだけど・・・」
「そう言えば、天校でも特異体質?だったかそんなのがあったな・・・」
「もしかしたら、巴達もその特異体質?って奴なのかも・・・」
「ですが・・・それはもう調べようがありませんね・・・」
弦太朗から出た"特異体質"という言葉がどんなものか余り分からないが、彼女達には本当にそうなのかは調べる術がなく話はここで完全に止まってしまった。
そんな中で有咲がすぐに話題を次に切り替えていく。
「なら巴さん達は一旦置いておいて・・・。商店街の邪魔は・・・巴さんへの嫌がらせか?」
「それだったら宇田川さんや同じバンドのメンバーを襲撃する方が効率的だと思いますが・・・」
「それは・・・「将を射んとする者はまず馬を射よ」って奴じゃないですか?」
「なるほど・・・ゲームでもボスの前に周りから倒しますからね・・・」
「流石ですね。市ヶ谷さん・・・」
有咲の考えを述べると即座に紗夜が疑問を投げるが、すぐに有咲は自分の考えを述べると燐子も紗夜もすぐに納得の表情を浮かべていた。
そんな光景に何故かたえが満足そうな表情を浮かべて頷きながら呟いた。
「ライダー部の部長は伊達じゃないね・・・」
「おたえ!!だから部長じゃねぇ!!」
「だったら商店街と巴ちゃんを守ればいいってこと?」
「それが出来ればいいけど・・・」
「今、商店街の一部は巴への当たりが酷いから・・・」
「でも、沙綾ちゃん。バラバラだと危ないよ?」
「せめて、いつ来るかが分かれば如月くんと巴ちゃんも・・・」
「弦太朗!!それだったら心当たりがあるよ!!」
巴に商店街にいてもらえればいいのだが、今の商店街の一部からの当たりが厳しい彼女が長い時間商店街にいるのは危ないかもしれない。
せめて商店街が襲われる可能性が高い時が分かれば―――
そんな希望的な意見を言うりみだったが、沙綾はそれを聞いて心当たりを思い出して声を挙げていた。
「いつだ?」
「明日の夜だよ!!お祭りの準備のために集まりがあるんだけど・・・直近で商店街を狙うならそこかも!!」
「流石だな!!沙綾!!」
「うんっ!!」
思い当たることを弦太朗に伝えて礼を言われた沙綾がニヤニヤし始めるが、有咲はその事にツッコむことはなく今後の対応をどうするかを考え始めていた。
相手の目的は全く見当がつかないが、次の襲撃時間の予測が出来たこと―――
部屋に走っていた緊張感が少しだけ緩むが、神妙な面持ちを崩さない有咲に全員の視線が集まる。
「ポピパはGalaxyでライブがあるから商店街にはいるけど・・・商店街の人の説得・・・は厳しそうだな・・・」
「Roseliaは明日はCiRCLEで予選ライブですね。最悪の場合、宇田川さんが狙われる可能性もありますが・・・何かあればすぐに連絡します」
「北沢さん・・・いや、説得できるような奴じゃないから期待できねぇし・・・。ますきはRASで多分動けねぇだろうから羽沢さん達がどうにかするしかないないか・・・」
最終的にはここに集まっているメンバーではどうすることも出来ず、羽沢さん達に完全に任せてしまうことになることに内心申し訳なさを浮かべる有咲だったが、彼女はもうこれ以上どうすることも出来ないと察した。
そして彼女はあることに気が付いて表情を変えると、全員の視線が彼女へと集まっていく。
「有咲どうしたの?」
「いや、もうここでどうすることも出来そうにねぇなってなっただけだから・・・」
「では、この話は終わりですか・・・?」
「そうですね・・・後、最後に言っておかないといけないことがあって・・・」
「「「「「「・・・?」」」」」」
「みんな!!急いで飯食うぞ!!もう10分も昼休みが残ってねぇ!!」
「「えっ!?」」
「「「あっ・・・」」」
「えっ?皆食べてなかったの・・・?」
そして有咲の一言によって全員が急いで昼食を取り始めるが、燐子だけは時間内に食べきることが出来ずに可愛らしい腹の虫を鳴かせながら午後の授業を受ける羽目になるのだった。
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