バンドリ! コズミックパーティー(仮   作:ツナ缶マン

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投稿です。
さてと、前話の最後は・・・投げる!!
次に回収すっから・・・(震え声


祭・狂・騒・曲-12 Like a Torrent

 

「「・・・・・・」」

 

「う~・・・空気が重い~・・・」

 

 

 

 

「ろっか、みんなどうしちゃったんだろう?」

 

「えっと・・・」

 

 

弦太朗達を分かれて商店街の集会に参加しようとしていたつぐみ達だったが、つぐみの親やバンド仲間の家族たちを除いた大人達からの敵意や不安感の籠った視線が彼女達に突き刺さる。

 

 

 

さながら魔女裁判の様な空気に包まれた中、2人の少女が遅れてやってきた。

 

「すいません・・・!!」

 

「遅くなりました!!」

 

「沙綾先輩・・・!!ライブお疲れ様です!!」

 

「あ!!ひーちゃん!!やっほー!!」

 

「ロック・・・?叔母さんの代わりに来てたんだ・・・」

 

「はい・・・!!」

 

「でも・・・どうなってるの・・・?」

 

遅れてきたのはライブを終えてきた沙綾とひまりだったが、彼女達もこの場にやってきてすぐにこの場の空気の異常さに気がついてしまった。

 

そしてすぐに会議が始まるが、最初に出た言葉がこの場の空気をぶち壊した。

 

 

 

 

 

「祭りを中止しよう―――」

 

その提案に少女達は目を丸くするが、そんな彼女達を無視して心無い言葉が続いた。

 

「妨害が入るのは巴ちゃんのせいだ―――」

 

「彼女がいなくなれば邪魔されるようなことはなかった―――」

 

 

 

 

 

 

「ふざけないで!!」

 

しかし、友達に責任を擦り付ける様な大人達の言葉にひまりが声を挙げた。

 

「巴が何をしたのか?ハッキリ言ってくださいよ!!」

 

 

 

 

「巴ちゃんがいなかったらあんな邪魔なんて入ることはなかった―――」

 

「「そうだそうだ!!」」

 

 

 

 

「そんなのが理由になると思ってるんですか!!」

 

「つぐみの言う通りだよ!!何を根拠に!!」

 

 

 

 

 

「つぐみ先輩!!落ち着いてくださ~い!!」

 

「らんらんも落ち着いてよ~!!」

 

「ロック!!」

 

「ちょっと・・・!!」

 

余りの言葉につぐみと蘭も同調して声を挙げるがそこにロックとまさかのはぐみが止めに入る。

普段からは信じられない光景が目のまえで繰り広げられており―――

 

「流石にそれは・・・」

 

「言いがかりではないですかね・・・」

 

 

 

 

「「お父さん・・・」」

 

その言葉に止めようとしたのはつぐみと沙綾の親だった。

少し前までは商店街の為に頑張っていたのをよく知っていた彼らの言葉なら耳を貸すと蘭達も信じていたが―――

 

 

 

「娘さん達に誑かされたんですか・・・?」

 

「「「・・・」」」

 

 

 

 

「それとも巴ちゃんか牛みたいなお仲間にですかね?」

 

「んっ・・・・・・!!」

 

「これって・・・」

 

返ってきた言葉には流石に呆れて大勢の人間が言葉を失ってしまうが、そんな中でも巴のせいにしようとしている大人たちの言葉は止まることは無かった。

 

しかし、最後の言葉が完全に失言だったのを今まで無言を貫いてたモカとつぐみが見逃さなかった。

 

「あの!!牛みたいってなんですか?」

 

「だって巴ちゃんが一昨日、そいつらと一緒に山吹さんのとこの子供たちに暴力を・・・」

 

「「何を言って・・・!!」」

 

 

 

 

 

「「「・・・!!」」」

 

大人の言葉に感情的に答える蘭とひまりを他所に現場にいた3人は明らかにおかしい事に気が付いて最初にモカが声を挙げた。

 

 

「それはおかしいですね~。実際に会ったことと言ってることが全然違いますよ~?」

 

「あの時の巴は襲われてた私達を庇って気絶したんですよ!!そんな巴が私達に暴力なんてすると思ってるんですか!!」

 

「それにあの時あそこにいたら巴ちゃんが背中を怪我してたのを見えてるはずですよね?商店街の事を思っている巴ちゃんが商店街の人間に無意味な暴力なんて働くなんてよほどのことがないとあり得ないですよ!!」

 

モカから始まった反論に当事者である沙綾とつぐみの言葉に周囲は困惑しながらも彼女達の言葉を聞いて今までの事を考え直して始めていた。

 

 

 

確かに巴は以前のピスケスの事件時にダスタードが商店街で暴れたのを美咲達と共に大立ち回りをしていた。

しかし、それはダスタード達が商店街で暴れるのを止めるためだったのをそれなりの人数が見ていた。

 

 

 

今のつぐみ達の言葉を聞いて一昨日の戦闘があった後に巴が意識を失った場面を見ていた数人がおかしいことに気が付くと若干だが室内の空気が変わったのをモカが見逃さず、ここでモカは畳み掛けるべく普段の彼女では信じられない速度で室内を見渡して巴の事を悪く言っていた人物たちの顔を確認するとある共通点を見つけ出した。

 

「それになんかトモちんを悪者にしようとしてるのは分かったんですけど~・・・」

 

ここでモカが一旦言葉を止めると周囲の視線が集まり、周囲の関心が高まったタイミングを見計らって彼女は言葉を続けた。

 

「あれれ~?トモちんのことを悪く言ってるみなさん~。目のクマが凄いことになってますけど~、なんかあったんですか~?」

 

「ホントだ!!パンダみたい!!」

 

「ちょっと!!はぐみ先輩!?」

 

モカの言葉に反応したはぐみの言葉に思わず周囲の空気がぶち壊される。

その事に一部は返って苛立ちを覚えて反論しようとした途端、予想外の乱入者によってその目論見は早々に瓦解してしまうことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前ら、やっぱりここにいたのか・・・。ってなんだこの空気・・・」

 

「ますきさん~!!」

 

「マスキンだ!!どうしたの?」

 

「あんた・・・なんでここに・・・」

 

「んぁ?んなことは今はどうでもいいだろ・・・ってそうだ。花音さんのとこの奴から渡されたんだけどこれ見ろよ・・・」

 

乱入者の正体はますきだった。

しかも、普段はほとんど見ない学校の制服姿であることが彼女が急いでこの場に来たことを察するには十分だったが、彼女が取り出したのは1つのタブレットを受け取った蘭はそこに映し出された物を見始めると横からはぐみ達が覗き込み始める。

 

「これ・・・商店街・・・っ!!」

 

「イヴちんにミッシェルだ!!」

 

 

 

 

 

『若宮さん・・・!!』

 

『はぁ・・・はぁ・・・!!トモエさんに・・・比べたら・・・まだ・・・まだです・・・!!』

 

そこに映っていたのは商店街で暴れているダスタード達を止めている巴達の姿。

イヴが奪った刀を杖代わりにして立ち上がろうとしている所にミッシェルが表面には焼け焦げた跡をつけながら声をかける様子が映っていたが、彼女はイヴの言葉を聞いて画面の中にいる巴に絶句した。

 

巴は全身の至る所に傷を作り、そこから滲む血で制服を赤く染めながら立ち上がっていた。

 

『つぐたちの居場所は・・・アタシが守るんだよ・・・!!』

 

「巴・・・!!」

 

彼女は自身の血で濡れた顔を制服の袖で拭うと自分に言い聞かせるように声を挙げると再びダスタードの中へと突っ込んでいく。

まだ動画は続いていたが、蘭は全部見終える前に席を立つとすぐに出口へと歩き出していた。

 

「ってちょっと蘭!!どこ行くの?」

 

「商店街の巴のところ」

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

 

 

答えた行先にこの場にいる全員が驚きの表情を浮かべるが、その言葉に巴を責めていた大人たちは汚い笑みを浮かべて彼女に心無い言葉をぶつけていた。

 

「高校生ならもっと大人になって・・・!!これだから不良の子供は・・・!!」

 

 

 

 

「アンタらの言う大人になるってのが友達を見捨てる事なら・・・私は子供と言われて笑われてる方がましだよ」

 

「・・・待てよ」

 

「なに?アンタも止めるつもり?」

 

蘭の言葉に大人が固まってしまうが、彼女はそれを無視して部屋を出ようとするが、ますきがそれに待ったをかけると蘭がますきを睨みつけるが、ますきは睨んでくる彼女の肩に腕を回して笑いだした。

 

 

 

「んなこと言うかよ。アタシも一緒に行くんだよ」

 

「はぁ?アンタ・・・何言って・・・」

 

「確かにお前らみたいに商店街でなんかやってた訳じゃねぇけど、あそこはアタシの住んでる街だしな!!・・・それによ、商店街に関係ない奴まで身体張ってのを見て黙ってる訳にもいかねぇだろ?」

 

「ならはぐみも行く!!」

 

「蘭が行くなら私も行くよ!!」

 

「何かできるわけじゃないけど・・・私も!!」

 

「沙綾先輩が行くなら・・・私も・・・!!」

 

 

 

「みんな・・・行くよ・・・!!」

 

「そういう事だから親父、行ってくるぜ!!」

 

「モカちゃんも行って・・・!!」

 

「つぐ~!!先行ってるね~!!」

 

蘭の言葉を聞いてぞろぞろと少女達が部屋を飛び出していく姿を見送ったつぐみは1人で大人たちと向かい合うと彼女は自分の思っていることをそのまま言葉に出し始めた。

 

 

「今・・・巴ちゃん達が商店街のために必死になって頑張ってます・・・」

 

「~~~~!!」

 

つぐみの真っすぐな視線に巴を責めていた者たちが何を言ってるのか分からないが喚きながら暴れ始める。

流石に異常だと判断したのかつぐみ達の言葉を信用し始めていた大人がそれを止めようとするが、止めるのが少しだけ遅れてしまい、つぐみへと湯のみが飛ぶがそれは彼女の顔の横を通り過ぎると壁にぶつかって砕け散っていた。

 

普段だったら悲鳴を挙げているかもしれないが、巴の言葉に力をもらった彼女は全く動じることなく言葉を続けていく。

 

 

 

 

「・・・少なくとも子供の頃に見ていた商店街の大人の人たちはもっとすごくて・・・カッコよくて・・・街のために頑張ってて・・・そんな背中がカッコいいなって思ってて・・・そんな大人になりたいって思ってました・・・」

 

 

 

 

 

「私も・・・巴ちゃんも・・・この商店街が好きだからこの街を大切にしたい。ここでみんなと笑い合っていたいんです・・・!!今、巴ちゃんは商店街のために色々頑張ってくれてたのに・・・そんな街の人達に後ろ指をさされてた巴ちゃんがボロボロになって頑張ってるのに何も思わないんですか?」

 

つぐみの様子が周囲にはいたたましく見えて言葉が出なかった。

何も答えが返ってこないことにつぐみは内心では嫌な気持ちになるが表に出さない様にしてそのまま部屋を出ようと出口へと歩み出す。

 

しかし、そんな彼女の背を見た大人たちは先ほどのつぐみの言葉を思い出して動き出すのだった。

 

 





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