千聖さんが気づかなかったのはおかしいって?
そら花音を探して焦ってたところに、本来いることがあり得ないそっくりさんと入れ替わってたらそうもなるよ・・・
ってことで1つ
「今、他のメンバー達に連絡もして、花音さんにはお迎えを送ったのですぐに来ると思いますよ・・・」
「よかった・・・!!」
「それにしてもよくここまで来れましたね・・・」
「こころさんの家の人に道を教えてもらってなんとか来られたんですよ?」
「なるほど・・・花音さんも道教えたらちゃんと来れるようになってくれたらいいんですけどね・・・」
「ふふっ・・・」
「にしても、美咲の奴すげーな・・・」
「あぁ・・・やっぱハロハピってとんでもないな・・・」
「うん・・・お姫様とあんなに・・・」
美咲は何気なく1国のお姫様と話している光景には流石の弦太朗も驚愕していたが、それ以上にこの空気に耐え切れなかったものがいた。
「おっ・・・お・・・おま・・・おまた・・・!!たたせ・・・・せしし・・・まま・・・!!こっここーひーでっでひゅ・・・!!」
「こっこちらが・・・!!ケッケッケーキになりましゅ・・・!!」
「あー・・・羽沢さん達もそんな緊張しないでいいから・・・」
「で・・・でも・・・美咲ちゃん!!」
「美咲さんの言う通りです。普段通りで大丈夫ですよ?」
羽沢珈琲店は商店街にあるただの喫茶店なのだが、そこを突如として1国の姫という国賓クラスのVIPをもてなす為の会場にされてしまった従業員はたまったものではない。
そして、そんなVIPへと商品を出すことになってしまったつぐみも、月ノ森のお嬢様であるつくしすらも目の前のお姫様オーラを前にして完全に緊張で固まってしまっていたが、そんな彼女達に当の本人は笑みを浮かべながら話しかけていた。
「いえ・・・ですが・・・」
「今は美咲さんのお友達ですから・・・」
「って事なんで・・・羽沢さん達・・・」
「えっ・・・その・・・分かりました・・・ごゆっくりどうぞ!!」
そんな緊張でガチガチになっていた2人に美咲と二コリーナの言葉が届くと、そのまま店の裏へと姿を消してしまうと、そんな2人に美咲が声を漏らしていた。
「あぁ・・・うん。やっぱり緊張するよね・・・」
「スイマセン・・・」
「いえ、二コリーナさんが悪い訳じゃないですから・・・」
2人の様子に落ち込んでしまったような表情を浮かべてしまう二コリーナを見た美咲は弦太朗達へと一瞬視線を送るとそのまま手招きをして彼らを呼ぶと彼らは視線とボディーランゲージで会話を始めていた。
「(美咲の奴。俺を呼んでるのか?)」
「(多分、アタシ達を・・・だと思うけど・・・。ほら如月、行って来いよ!!いつもの威勢はどうしたんだよ!!)」
「(でも、お姫様なんてどうしたらいいんだよ!!)」
「(いつも通りでいいんだよ!!)」
「(だったらひまりがいくか?得意だろ?)」
「(荷が重いよ~!!)」
「(後でますきのところでバナナ買ってやるから)」
「(やった~!!バナナだ~!!ってそんなんじゃ釣られないよ!!)」
「(仕方ない・・・こうなったら3人で行くぞ!!)」
「(千聖はどうすんだ?)」
「(千聖さんは・・・寝てるからそっとしておこう・・・!!)」
彼らはそのまま会話を終えると意を決して美咲達がいる席へと歩み寄っていくと、最初に弦太朗が話しかけ始めていた。
「あー・・・その・・・さっきは悪かったな・・・話も聞かないで」
「って言っても最初はひまりのせいだけどな・・・」
「ちょっと巴~!!」
「気にしてませんから・・・大丈夫ですよ?でもあちらの・・・千聖さん?は大丈夫ですか・・・?」
「そりゃ・・・迷子の花音だと思って話しかけたら他人みたいな態度をされた挙句、そのそっくりさんが実はお姫様だったんだから驚きもするだろ・・・」
「アタシ達はそれ以上に美咲が普通に話してる方に驚いたけど・・・」
「色々あったからねぇ・・・最初は花音さん見て向こうの人たちが驚いてたし・・・」
「そう思うと私はあの時の花音さんと一緒の体験が出来たってことですか・・・?」
「あ~・・・まぁそうですけど・・・」
「見た目一緒でも・・・やっぱり別人だな・・・」
「そうだな・・・花音さんと違って凄い落ち着いてるし・・・」
「ていうかそれ以上にメンタル強すぎない・・・?」
彼らの会話で一気に笑顔を取り戻すが、それを見て巴達は驚いた表情を浮かべながら思わず呟いてしまっていたが、ここで店の扉がいきなり開かれると同時に声が響き渡った。
「あっ!!本当にニコリンだ!!やっほー!!」
「やぁ・・・久しぶりだね・・・」
「はぐみさんに薫さん!!お久しぶりです!!」
薫とはぐみが店に現れると美咲と共にいた二コリーナへと歩み寄ると彼女は先ほど以上に笑顔を浮かべると、そのままはぐみ達の話がどんどん膨らんでいく。
「二コリーナも元気そうだね」
「はい。みなさんも元気そうで安心しました」
「うん!!こっちに戻ってからもいろんなことがあったんだよ!!」
「あぁ・・・ハピネールから帰って来てから、新しい友達も出来たからね・・・」
「新しい友達・・・?」
「そこにいる弦太朗さ・・・」
「そうだよ!!ゲンちゃん先輩はかめ・・・!!」
「はーい!!はぐみ~ちょっと静かにしようね~!!」
「かめ・・・?」
「あ~!!カメラ!!カメラ!!今は手元にないけど変わったカメラとか持ってるの!!」
「そうなんですか・・・?」
「ふえぇ~ごめんなさい~!!」
「花音さん・・・!!」
「二コリーナさん!!」
「わぁ・・・本当に花音ちゃんとそっくりだ・・・」
「花音!!それに彩も一緒か」
話が盛り上がる彼女達だったがはぐみが弦太朗の事をバラシてしまいそうになったのを見てすぐさま美咲がそれを止めに入る。
そんな行動に不審がった二コリーナは首を傾げるが即座に美咲がそれを誤魔化すと店の扉が再び開かれて、そこから花音が彩に連れられてやってくると再び笑みを浮かべて再開出来たことを喜び合っていた。
そんな中で彩は弦太朗達の方へと歩み寄るとその近くに寝ていた千聖の存在に驚きの表情を浮かべていた。
「如月くん・・・!!って千聖ちゃんはどうしたの?」
「花音と二コリーナの事を間違えてな・・・」
「そうだったんだ・・・。でも、こんなに似てるなんて・・・知らなかったら間違えちゃうよ・・・」
「2人が並んでると間違えちゃいそうですよ~・・・」
「う~ん・・・」
「あっ!!千聖ちゃん!!」
弦太朗から理由を聞いた彩は苦笑いを浮かべると、一同の気持ちをひまりが代弁するとそれに同意するように頷き、次第に騒がしくなる店内で千聖がうめき声を上げ始めていた。
「あ・・・ちゃ・・・?」
「千聖ちゃん・・・!!」
「・・・!!」
千聖は未だに混乱しているようでハッキリとしない言葉出すことが出来ていない。
そんな彼女を心配する一同だったが、千聖は先ほどまでの出来事を思い出して顔が青くなっていくと目の前にいた彩の肩を掴んでいた。
「
「「「「はい?」」」」
「何言ってんだ?」
「「えっと・・・千聖ちゃん(さん)?」」
「花音・・・!!」
混乱している千聖は完全に呂律が回っておらず、言いたいことがハッキリと口に出せない。
皆が彼女の言葉に首を傾げていたが、花音と二コリーナは同じタイミングで千聖へと声をかける。
花音の声が耳に届いた千聖は勢いよくその方向へと顔を向けると、2人は気まずそうな表情を浮かべながら千聖に右手を振っていた。
―――顔が、声が、挙句の果てには振る腕の動きから何までが完璧に一致する。
そんな目の前に光景を彼女の頭は処理出来ずに完全に目を回し始めていた。
「かのんがいっぱいよぉ~・・・」
そんな言葉を残して千聖は再び意識を飛ばしてしまった。
「千聖ちゃん!?しっかりして!!」
「「ふえぇ~!?」」
「ちょっと3人でナチュラルに面白いことしないでくださいよ・・・」
意識を失った千聖に声をかける彩に、何故か花音の口癖を口にしながら慌てる花音と二コリーナ。
そんな面白過ぎる光景に美咲は思わずツッコミを入れずにはいられなかった。
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