あの・・・
途中の美咲さんのセリフなんですが、あなたがそれを言っても説得力が皆無なんですけど・・・
「「美咲!!」」
「みーくん!!」
「・・・」
「美咲ちゃん・・・!!どうしたの!?」
「美咲・・・もしかして無意識に立っているのかい・・・?」
こころ達の声が響く中で美咲はふらつきながら立ち上がるが、彼女はこころ達へと何も反応を返すことはない。
普段の彼女からはあり得ない様子に思わず薫からは驚愕の声が漏れる。
今の美咲の目に光はないにも関わらずタウラスの前に立ち塞がろうとするが、それをなぎ倒そうとタウラスがデッキの床を踏み抜きながら美咲へと体当りを決めると彼女を船の壁面へと叩きつけると、そのまま彼女を壁へと押し付け始めた。
「昨日やられたことを返してあげる・・・!!潰れろ!!」
「ぅぅ・・・」
「返事も出来ないのね・・・」
タウラスは先日ダイザーにやられた借りを返そうと美咲を壁に押し付ける力を籠め始めるが、美咲からは肺から空気が漏れる音しか返ってこない。
そんな彼女を見てタウラスは呆れた様子で美咲を見るが、ここで信じられない出来事がタウラスを襲った。
「美咲を離してちょうだい!!」
「そうだよ!!みーくんを離して!!」
「こころちゃん!?はぐみちゃん!?」
「邪魔しないで・・・!!」
「「うわぁ!?」」
こころとはぐみは美咲を助けようとタウラスの腕にしがみつくもののタウラスは押さえつけていた美咲諸共3人を花音たちの足元へと弾き飛ばす。
「こころちゃん!!はぐみちゃん!!大丈夫!?」
「お2人とも大丈夫ですか!?」
「えぇ!!平気よ!!」
「うん・・・!!」
「美咲!!しっかりするんだ!!美咲!!」
「・・・」
転がってきたこころ達へと花音とロックが声を掛けると、何もなかったかのような態度で答える。
しかし、その一方で薫に抱きかかえられた美咲は全く返事を返すことはなく、それを見て薫がゆっくりと何かを決心すると美咲を床に寝かせるとゆっくりと立ち上がった。
「みんなは美咲を頼んだよ」
「「薫さん!?」」
「薫!!」
「薫くん!?どうするの!?」
「今度は私が牛と戯れるのさ」
「薫先輩!?」
「薫さん!?そんな危ないよ!!」
「なに・・・こう見えても闘牛は芝居でもやったこともあるし、それに前にも千聖と一緒に逃げたこともあるから逃げ足にも自信があるからね。だから六花ちゃんもまりなさんも心配しない欲しいな」
薫はジェスチャーをするように自身の足に触れながらこころ達へと自身の考えを伝えると一同は驚いた表情を浮かべていたが、そんな中で花音は薫が自身の足を触れていた本当の意味を理解してしまっていた。
「(薫さん・・・怖いんだ・・・)」
薫が自身の足を触ったのは自信の表れをジェスチャーで示すためではなく、今にも恐怖で震えそうな足を誤魔化すためだった。
こころや美咲達が逃げるための時間を作るために、薫は恐怖の感情を押し殺し、普段通りの自分を演じてながらゆっくりと前へと歩み出そうとするが彼女の足は急に止まってしまう。
「美咲ちゃん!?」
「美咲!?何を・・・!?」
「もう茶番はいいかしら・・・!!」
薫が歩み出そうとしたその途端、美咲が無意識のまま立ち上がってそのまま薫の前に歩み出していた。
皆が驚いていた中で、タウラスは痺れを切らして美咲へと突っ込むとそのまま今度はデッキの手すりへと叩きつけると、美咲からは今にも途絶えそうな呼吸音しか返ってこない。
そんな彼女を見てタウラスは彼女に最後の怒りをぶつけるべく構えを取っていた。
「このまま海に突き落としてあげる・・・!!その後はあの子達よ・・・!!」
「・・・っ!!」
タウラスの言葉に動かないはずの美咲の身体が僅かに動くが、誰もそれに気が付かず、タウラスは足に力を籠め始めていた。
「死ね・・・!!」
「「「美咲(みーくん)!!」」」
「「「・・・っ!!」」」
タウラスは自身の中で膨れ上がっていた怒りを爆発させ、その言葉と共に両腕を突き出して美咲へと突っ込んでいくと、こころとはぐみは美咲の名を叫ぶ中で他のメンバーはこの後に起こる悲劇から目を背けようと目を閉じてしまった。
しかし―――
「なっ!?」
そこに響いたのはタウラスの驚きの声。
その声が不思議に思った彼女達はタウラスの声がしたその方向へと視線を向けると、信じられない光景が広がっていた。
「「「「嘘・・・!?」」」」
「美咲さん・・・!?」
「みーくんが・・・!!」
「牛と掴み合ってるわ!!」
「・・・」
「あっ!!みーくんが!!」
「美咲!!頑張って!!」
彼女達の目の前では、意識のない美咲がタウラスを抑えていた。
驚いたタウラスだったが手を振り払ってから美咲に掴みかかろうと両手を伸ばすが、その手を美咲が掴み返すと互いの身体を押し合い始めたが、すぐに美咲の方が押し込まれていく姿にタウラスは侮蔑の笑みを零す。
「所詮は・・・道化ね!!」
「花音さん・・・道化ってどういう意味なんでしょうか?日本語だと意味が分からなくて・・・」
「えっと・・・Jokerって言えば分かるかな・・・?」
「・・・そういう事なんですね」
「ふふふっ・・・・あっははははっ!!」
タウラスの放った言葉の意味が分からなかった二コリーナは花音に意味を聞いてしまった。
しかし、その言葉を聞いて薫からはこの場に不釣り合いな笑い声が響き渡っていく。
「仲間がやられてるのに・・・何がおかしいの?」
「あなたが言ったJokerの例えがピッタリで思わず笑ってしまったのさ」
「薫さん!?どういう事・・・!?」
「酷すぎですよ!!」
「あはは!!仲間からも同じように見られているのね!!」
薫がまさかタウラスの発言に同意するという事態にロックや明日香から批判の声が響き、タウラスはそんな彼女の発言に笑ってしまい、若干美咲へとかける力が抜けてしまう。
しかし、薫はタウラスをあざ笑う様な表情を向けて静かに言い放っていた。
「何を勘違いしているんだ?」
「「「「「はっ?」」」」
薫は先ほどまでタウラスの言葉に同意していたのにも関わらず、勘違いと言い放った。
その事にタウラス以外の面々からも疑問の声が挙がるが彼女は構わず言葉を続けていく。
「確かに確かに"Joker"は道化と言う意味もあるが・・・少なくとも私にとっては違うのさ」
「何を言ってるの・・・っ!?」
薫の言葉に答えるかのように美咲はタウラスを徐々に押し返し始めていくことに驚いたタウラスは力を入れ直すが、美咲を押し返すことが出来ない事に動揺し始める。
その光景を前に薫は笑みを浮かべて動揺し始めたタウラスへと言葉をぶつける。
「あなたが思ってる
―――最高の切り札なのさ!!」
「何を・・・っ!!」
薫の言葉に更に動揺したタウラスだったが、美咲からとてつもない力を感じて思わず薫から目の前の美咲へと視線を向ける。
そこには、先ほどまで完全に無意識だった彼女が意識を取り戻し、その目には強い光を灯して自身へと抗っている光景にタウラスの思考が鈍って力が緩むと美咲が吼えた。
「・・・っぁぁぁああ!!」
「なっ!?アンタはなんなのよ!?」
美咲は声を挙げながら渾身の力を籠めると、徐々にタウラスを押していく。
しかし、タウラスは負けじと力を入れるもののタウラスの後退が止まらないことに思わず絶叫してしまう。
タウラスが組みあっている美咲は、
普段こそ改造されているミッシェルやパワーダイザーを使ってはいるものの、美咲は根性だけで他に食らい付いていた。
それがハッキリと分かっていた彼女はタウラスの問に対して答えを出していた。
「―――――だ・・・」
「何よ!?」
「私はただの―――
人間だぁぁぁああああああああ!!」
「美咲!!」
美咲はその叫びと共にタウラスを全力で突き飛ばす。
しかし、それと同時に美咲の身体からは力が抜け、こころの叫び声が響く中でデッキに倒れそうになるが、彼女の身体は何者かに支えられデッキに身体を打つことはなかった。
「ったく、遅いですよ・・・如月先輩」
「如月くん!!」
「えっ?あれが・・・如月さんなんですか・・・?」
「そうよ!!あれが弦太朗よ!!」
「うん!!ゲンちゃん先輩は仮面ライダーなんだよ!!」
「仮面・・・ライダー・・・?」
彼女の身体を支えたのはこの場に駆けつけたフォーゼだった。
思わぬ人物の登場に盛りあがるこころ達を他所にタウラスは再び声を荒げていた。
「なんで!!あのRoseliaとRASを襲わせたあの分身達はどうしたの?」
「あぁ・・・?あれなら俺のダチが戦ってたけど、もう全部倒したからもうすぐこっちに来るぜ!!」
「なっ!?」
フォーゼの言葉に驚きを隠せないタウラスだったが、フォーゼは離れていたこころ達へと視線を向けるとまりなが彼に向かって叫ぶ。
「如月くん!!それの正体は美子ちゃんよ!!」
「誰だ?」
「Galaxyの店長です!!」
「サンキュー!!ロック!!まりなさん!!美咲は頼んだぜ!!」
「うん!!任せて!!」
「はい!!」
「・・・後はお願いしますね・・・」
フォーゼは美咲をロック達へと任せ、タウラスへと拳を突き付ける。
「こっからは俺が・・・タイマンはらせてもらうぜ!!」
「ふふふふふっ!!」
「何がおかしいんだよ!!」
「誰もタイマンなんてしないわ・・・!!こっちにも切り札はあるのよ!!」
美咲の事もあってかフォーゼは突如として笑い始めたタウラスに、若干の怒りを向けるがタウラスは自身のものとは別のスイッチを取り出しながら叫ぶと同時にスイッチを入れる。
「ヴァルゴ以外のこっちで戦ったホロスコープスが全員集合か・・・だったら纏めてタイマンはらせてもらうぜ!!」
そして、そのスイッチの起動と同時に現れたのは先ほど船内で見ることのなかった12使徒のゾディアーツ達が現るが、フォーゼはそんな状況に怯むことなくタウラス達目掛けて突っ込んでいくのだった。
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