えぇ~!!
アイドルって農業したり、料理したり、建築するもんじゃないんですか!?
―――拝啓、モニカの皆さん。
お元気でしょうか?広町です。
そちらは今では、クリスマス目前で街もにぎわっていると思います。
私は今、アイドルの先輩達やモカ先輩と一緒ですが―――
「「「「「「・・・・・・」」」」」」
みんな目が死んでいます。
それなのに―――
「折角の南の島だ~!!遊ぶぞ~!!」
「ヒナさん達も呼んで、一緒に遊びましょう!!」
「みんな~。遊ぶのもいいけど、もうそろそろご飯できるよ~!!」
「やっぱ、知識で知ってるのと実際に試すのはちげーな・・・」
「一歩間違えてたら私もあっち側にいたのね・・・良かったわ・・・」
「向こうは大丈夫かな・・・」
美咲先輩も遠くにいる私達の存在には気が付いていないのに心配してくれていますが、私達の周りは呪詛のような言葉しか聞こえてきません。
「アイドルなのに・・・アイドルなのに・・・」
「おねーちゃん・・・おねーちゃん・・・」
「ふへへへへ・・・・・・」
「チュチュ様~・・・」
「ぱ~ん~・・・」
「透子ちゃん・・・絶対に許さない・・・」
そんな空気に呑まれて私からも、こんな事態に巻き込んだ透子ちゃんへの恨みの言葉が漏れる。
私がこんなことに巻き込まれてしまったのは今から数日前に遡る。
「―――でね!!透子ちゃん!!モカが凄かったんだよ~」
「やばっ!!でも、うちの七深だってもっとすごいんですからね!!」
「あはは・・・とーこちゃん。はずかしいよ~」
羽沢珈琲店でひまりと透子が互いのバンドメンバーについて話し、その横では話を聞かされていた七深は恥ずかしそうな表情を浮かべていたが、そんな中で喫茶店の扉が開く。
「いらっしゃいませー!!ってモカちゃんに日菜先輩」
「つぐちゃん!!やっほーって。透子ちゃんたちだ!!」
「どーもです!!」
店にやってきたのはモカと日菜の2人。
2人は透子たちを見ると当たり前のようにそこの席に混ざっていく。
「それで!!みんなで何話してたの?」
「実はモカ先輩と七深がマジで天才じゃね?って話してて・・・あっ日菜先輩も天才でマジヤバいですよね!!・・・って2人ともどうかしたんで・・・うわぁ!?」
透子が遅れてきた2人に今までの話をした途端、2人の表情が曇ったのを見て透子が声を掛けると、2人はその肩を持つと普段からは全く考えられないような覇気のない声を漏らし始める。
「あたしの天才って言うけどさ・・・」
「でも~とーこちゃんが言ってるのって~・・・」
「「人間レベルでの話だよね?」」
「はい?・・・ってなるほど~」
モカと日菜が言った言葉が分からず、思わず首を傾げてしまう。
人間レベルと言ったが、もしかして2人は弦太朗の変身する姿とでも比較していると勝手に納得してしまった七深は声を漏らす。
「へぇ・・・そうだったんだ~・・・ってそうだ!!」
「ちょっと日菜先輩!?どうしたんですか?」
そのまま2人が加わって何気ない話をしていた所に日菜が何かを思い出したかのような声を挙げながら机をたたく。
「みんな!!来週1週間空いてる?」
「ん・・・?1週間?どうしてそんな・・・?」
「ん~とね。今度の撮影で あたしと彩ちゃんと麻弥ちゃんvs千聖ちゃん、イヴちゃんのチームで対決するの!!」
「へ~。でもなんでモカちゃん達にそれを~?」
「んとね~。実は助っ人で友達を探してくることになっててさ~。何人でもいいから良かったらどうかなって!!学校には話してくれるって言ってたから大丈夫だよ!!」
「モカちゃんは空いてるからOKで~す」
「広町は・・・バイトが1日だけ入ってますね~・・・」」
「やっば!!面白そう!!・・・ってあっちゃ~・・・来週実はブランドの打ち合わせとか入ってて無理でした・・・」
「ん~モカちゃんだけかぁ・・・」
「申し訳「七深!!行ってきなよ!!」・・・透子ちゃん?」
「バイト1日だけなら誰かに変わってもらえば行けるっしょ!!ほら!!前に1回バイト代わりに出たって言ってたじゃん!!」
「う~ん・・・確かにそうだけど~・・・」
「いけるって!!ミクロンミクロン!!」
「分かった!!これで後はパレちゃんも来てくれるから・・・。この勝負は貰ったよ千聖ちゃん!!じゃ~!!2人とも!!後はヨロシクね~!!」
そう言い残して日菜は喫茶店を飛び出していき、七深は透子に期待に応えようとバイトのシフトを変えてもらい参加を決意して指定された日に荷物を持って集合場所に集まり日菜に言われるがままバスに乗り込み―――
次に目が覚めたら見たことのない無人島だった。
「へっ・・・?なにこれ・・・」
「あっ!!七深ちゃん!!やっと起きた~!!」
「彩先輩・・・?それに・・・ここは・・・?」
「これで全員無事ですね!!麻弥さん!!」
「多分ですが、これに書いてあると思います!!読みますね!!」
周囲には話に聞いていたメンバーの6人が座っており、そん中で麻弥は懐から1枚の手紙を取り出すとそこに書かれていた内容を読み始める。
「え~何々?『パスパレの皆さん。今回の”パスパレDISH特別編-パスパレ下剋上の乱”の企画ですが、先日話した”1週間をかけて色々な対決をしてもうらう”と言いましたが―――
あれは嘘だ。』へっ・・・?」
「「「「「へっ・・・?」」」」」」
事前に説明を受けたがそれが全くの嘘と言うことが告げられた彼女達は、唖然とした表情を浮かべてしまうが、なんとか正気を取り戻した麻弥は手紙の続きを読み進めた。
「続けますね・・・『色々な対決をするのではなく、今回の勝負はただ一つ。"1週間以内にチームの誰かが無人島から脱出すること”―――撮影用の小型カメラ3台と最低限のサバイバルの道具、この島の周辺と脱出する先が書かれた地図、それと緊急用の衛星電話を用意した。1週間頑張ってください。』だそうです・・・。それに相手のチームの人数と名前が書いてありますよ!!人数は一緒見たいっすけど・・・うわっ・・・」
「「「「「・・・・・・」」」」」
「とりあえず・・・荷物を確認しましょうか・・・」
相手のメンバーを見た彼女達は絶望感が襲ったが、麻弥の一言にみなは近くにあった支給品の荷物を確認していく。
「お~、包丁代わりのナイフとまな板に鍋!!それに調味料もありますよ!!」
「それにこれは本当にサバイバルセットですね~。広町、映画で見たことありますよ~」
「なんとかなりそうかも!!」
こうして優秀なのか無能なのか分からないスタッフ達の手によって七深は彩たちと共に理不尽極まりないサバイバル生活が幕を開ける。
その一方で千聖達のチームは―――
「―――1週間頑張ってください。』ですって・・・」
「はぁぁ!?あたし達まで騙すとかあり得ねぇだろ!?リサさんもそう思いますよね!!てか脱出するのは1人でもいいってなんだよ!?」
「有咲~。気持ちは分かるけどさ~仕方ないでしょ~。でもさ~正直、他のメンツ見たら楽勝じゃない?」
「うわぁ・・・」
千聖達のチームも同じ頃に同じ手紙を読んでいた。
それを聞いて完全にキレている有咲をリサが若干の不満を覚えながらも他のメンツを有咲と見ると、有咲の口から思わず声が漏れてしまった。
「楽勝だな!!」
「トモエさん!!ブシドーの心で頑張りましょう!!」
「うわっ・・・これ、向こう大丈夫かな・・・」
「ヌルゲーでしたね・・・」
チーム千聖のメンバーにはイヴと有咲とリサに加えて、
それを目の当たりにして、有咲は納得するとリサは笑みを浮かべていた。
「でしょ~?肉体労働イヴ達3人と料理担当のアタシ。そんで頭使うのは有咲にお荷物の千聖―――ある意味で最強メンバーだから大丈夫だって~」
「あの・・・リサちゃん・・・?怒って・・・その・・・ごめんなさい・・・」
「まぁ~。千聖が謝ることじゃないしいいって~。まぁとりあえず紙は何かに使えそうだし、有咲に渡しておこっか」
「そうね・・・」
この中で一番落ち着いていたリサは千聖に若干の毒を吐きながら答えると、有咲は手紙に目を向けると、書かれていた禁止事項が目に入った。
「禁止事項が書いてある・・・。ん?『海の上を走ってはいけません』・・・?そんなこと出来る訳・・・」
「「「へっ・・・?」」」
「えっ・・・」
―――バッシャーン!!
「「へっ・・・?」」
有咲が禁止事項を読み上げると海の方向から声が間抜けな声が響くと、それが聞こえた有咲達からも声が漏れる。
そして次の瞬間、海の方から何かが水面へ落ちる音が聞こえると思わず3人は海の方へと視線を向けると巴達が海に沈んでいた。
水面に落ちる音の正体―――
それは水面を”走っていた”3人が海に落ちる音だった。
3人はいそいそと海を泳いで有咲達の元へと戻ってくると、申し訳なさそうな表情を浮かべていた。
「いやぁ~悪い悪い!!でも、まだ始まってないしノーカンだよな!!」
「ここから取り返しましょう!!」
「まぁ、こういうのは楽しんだもの勝ちかな~」
「リサさんの言う通りですね・・・。とりあえず支給品とやらを確認・・・あっ、ペットボトル落ちてるから拾っておこ・・・」
海を走った3人とリサは若干楽しむ様子を見せながら支給品とやらを広げ始めた光景に有咲は頭を抱え始めた。
「いや、これは反則だろ・・・。てか、白鷺先輩はどうしてこのチームに・・・?」
「リサちゃんが言ってた通りね。最初の企画だと運動系が多いって聞いてたからイヴちゃん以外にあの2人を呼んで・・・後は頭がいい有咲ちゃんと、料理系もあるって聞いたからリサちゃんで勝ちに行こうとしたらこうなったのよ・・・」
「そもそも、頭が良いなら燐子先輩の方が適任・・・あぁ、あの人だとテレビって事でテンパって使えないってことか・・・。そんじゃ、さっさと方針決めて動くしかねぇか・・・」
流石はポピパと言う魔境で振り回され続けた有咲。
彼女は諦めモードに入って自身を無理やり納得させると、めんどくさそうに4人の方へと歩き出す姿に千聖は危機感を覚えながら呟いてしまった。
「有咲ちゃんも順応早いわね・・・これじゃ、本当に私がお荷物じゃない・・・」
こうして過酷?な1週間がそれぞれ幕を開けた。
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ネタ解説?
電波少年だ・・・