バンドリ! コズミックパーティー(仮   作:ツナ缶マン

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書いてたらたえちゃんが壊れた・・・
壊れたことから目を背け(その間に劇場版(仮)を構想し)ながら初投稿です。



悪・戯・煌・星-4 脱走!!絶対零度の花園ランド

 

「あなた、香澄じゃないね・・・誰?」

 

「・・・」

 

目から光が消えているたえに詰められた香澄は俯いたままの状態で彼女の言葉を否定し始める。

 

「おたえ~・・・私が本物だよ~・・・!!」

 

「嘘・・・あなたは本物じゃない」

 

「なんで信じてくれないの~!!」

 

「ちょ!?おたえ!!何でそっちが偽物だって分かんだよ!!合わせたけど殆ど一緒だったぞ!!」

 

「・・・ねぇ?あなたは誰なの・・・?」

 

「私が戸山香澄だよ~!!どうして信じてくれないの~!?」

 

「だったら、なんで私の顔を見ないの・・・?ねぇ?こっち見てよ・・・」

 

今のたえには香澄からの反論も有咲からの言葉も完全に耳に入っていない。

たえの言葉を聞いた香澄は言われるがままにたえの顔を見ようと顔を上げ始める。

 

「ほら!!私がかすっ・・・!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「「ひっ!?」」

 

香澄が顔を上げるのに合わせる様に皆がたえの顔に視線を向けると、香澄の言葉は言葉を詰まらせる横で一緒に顔を上げたあこと透子は小さな悲鳴を挙げる。

 

たえが香澄に対して向けているのは冷めるという表現では生ぬるい―――正に絶対零度ともいえるような視線でたえは香澄を見下ろしていた。

 

 

 

「ねぇ?なんで香澄じゃないのにそんな嘘つくの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なンデ?何で?なんで?何で?なんで?ナンデ?何デ?ナンデ?何デ?なンで?ナンデ?なンで?何デ?なンで?ナんで?ナnデ?naんデ?なんデ?ナんde?naんde?ナンデ?何デ?なンで?ナンデ?なンで?何デ?なンで?ナんで?ナnデ?naんデ?なんデ?ナんde?naんde?naんデ?―――!!」

 

「おたえちゃん!!落ち着いて・・・!!」

 

「りみ・・・うん・・・」

 

 

 

「おたえ・・・私が本物なのに・・・酷いよ・・・!!」

 

 

 

「大丈夫・・・?」

 

「さーやー・・・」

 

目の前の香澄に対して暴走寸前になってしまうが、それをりみがしがみ付いて止めようとする。

そんな視線や態度を向けられた香澄は、一瞬だけたえの後ろで沙綾に慰められていたもう一人の香澄へと目を向けてから視線を下に落としていた。

 

「待ってください!!ハナさんはどうしてそちらが偽物だと分かったんですか!?」

 

「うんうん!!パレちゃんの言う通りだよ!!どっちも聞いてももやもや~ってしたけど?ね!!リサちー!!」

 

「正直、アタシもどっちも同じように聞こえてたけど・・・」

 

「えぇ、どちらもミスを連発していたから余り参考になったとは思えないですが・・・?」

 

「おたえ~・・・私が・・・本物なんだよ~・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・気持ち悪い。触らないで」

 

「「「「!?」」」」

 

「おたえちゃん!?」

 

「あなたのギターからはキラキラもドキドキも何も感じない。気持ち悪い音にしか聞こえなかった・・・」

 

たえの言動に流石に他の皆からも疑問の声が挙がる中で偽物と言われた香澄がたえの足に縋りつこうとするが、たえは香澄を足から振り払う。

 

その光景に一同が驚いている中でたえは振り払った香澄に歩み寄ると彼女の顔に自身の顔を突き出して、感情がまるで感じられない口調で言い放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ・・・あなたは誰なの・・・?」

 

たえが言い放ったその言葉に答えるように―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~あ・・・バレちゃったんだ~♪さっすがおたえ~」

 

「きゃ!!」

 

「「おたえ!!」」

 

「「うわぁ!?」」

 

「あこ!!透子!!」

 

香澄は狂気を孕んだ笑みを浮かべながら、たえを突き飛ばしてから横にいたあこと透子も同じように突き飛ばすが、たえは偽物と自白した香澄に視線を向けていた。

 

 

「・・・気持ち悪い。これ以上香澄の声で話さないで・・・」

 

「残念だな~。明日にはそっちの私は消えちゃうんだから~。おたえもみんなも私に乗り換えたほうがいいよ~?」

 

「ふざけないで・・・!!」

 

「そっか~。残念だな~」

 

 

 

 

「待ちたまえ!!」

 

「「逃がすかよ!!」」

 

 

「じゃーね!!」

 

偽物はそう言うと同時にその場から地上への入り口まで飛び上がって外へと出て行き、それを追いかけようと弦太朗と巴、そして薫の3人が入口から外へ出ようとした途端、外から何かが倒れる音が地下に響き渡った。

 

「くっそ!!偽物の奴!!扉塞ぎやがった!!」

 

「アタシが出口を出す!!」

 

弦太朗の言葉を聞いた巴はすぐにヴァルゴへと変身すると入って来た時と同様の穴を作り出して飛び込むと、弦太朗と薫もその後に続いて外へと出るが、既に偽物の姿と彼らが出てきた穴は消えてなくなっていた。

 

「入口の上に物が・・・!!」

 

「それにジェミニの奴が見当たんねぇ!!」

 

「どこ行ったんだよ!!それにリサさん達も助けないと・・・!!」

 

 

 

 

「・・・如月!!」

 

「その声・・・!!有咲か!!」

 

完全に見失って焦っているタイミングで、蔵の入り口の方から有咲の声が漏れ聞こえてくると3人はそれに耳を傾けてた。

 

「空から偽物を探せ!!あんな下着姿なら嫌でも目立つからすぐ見つかるはずだ!!」

 

「先行ってるぞ!!如月はみんなを!!」

 

「弦太朗。私も探してくる・・・!!」

 

ヴァルゴはそのまま蔵の外へ出ると翼を広げて空へと飛びあがり、薫もそのまま蔵の外へと走り出す。

その背中を見ながら弦太朗もドライバーを装着してスイッチを叩き始めていた。

 

3―――――――

2―――――――

1―――――――

 

「変身!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「如月!!蔵の中には貴重なもんもあるから風で吹っ飛ばすなんてことはすんなよ!!」

 

「・・・だったらこいつだ!!」

 

弦太朗もそのままフォーゼに変身すると、スイッチを起動しようとしたタイミングで地下から有咲の声を聞くと、フォーゼは意気揚々と取り出したエアロスイッチをしまうと別のスイッチを取り出して起動する。

 

――マジックハンドON――――――――

 

 

 

「おらよっ!!」

 

フォーゼは右腕と右足の手で入口を塞いでいた物をドンドンと撤去―――

何てすることなく、塞いだものをそのままに蔵の入り口をこじ開ける。

 

「早く出てこい!!」

 

「全部開けてないってことは・・・無理やり開けたな・・・とりあえず出れる奴らだけでも出るぞ!!」

 

有咲はフォーゼが扉を全開にしていないことに状況を察すると、少しの隙間から有咲を含めた何人かが外へと這い出てくると、有咲の指示を聞いてフォーゼは入口を閉める。

 

「ここは任せて、如月は偽物捕まえてこい!!」

 

「香澄は大丈夫なのかよ?」

 

「香澄のフォローは沙綾とリサさんがしてるから心配すんな!!それよりも偽物が何かやらかす方がダメージがデカいんだよ!!」

 

「弦太朗くん!!任せて!!他の人たちには透子ちゃんが連絡してくれたから・・・!!」

 

「そーいう訳なんで!!ビシッと決めてきちゃってください!!」

 

 

 

 

「りみ・・・透子・・・わりぃ!!」

 

 

――ロケットON――――――――

 

「おまえ!?壁ぶち抜くなよ!!」

 

「分かってるよ!!」

 

フォーゼはこの場を有咲やりみ達に任せると、蔵の中でロケットスイッチを起動する姿に有咲は声を挙げるが、その心配を他所にフォーゼは何も壊すことなく器用に入口から飛び出すとそのまま空へと上がっていくのだった。

 


 

 

「戸山さん・・・!!先ほどの事は許せません!!万死に値します!!」

 

「そ~ですね~。流石のモカちゃんもプンプンですよ~!!」

 

「紗夜さんも、モカちゃんもきっと香澄ちゃんも悪気があったわけじゃ・・・」

 

 

 

「羽沢さんには申し訳ありませんが・・・こればかりは譲れませんね・・・ポテトへの冒涜です・・・」

 

「つぐ~ごめんね~。モカちゃんもこれは許せないな~」

 

私はついさっきまで倒れていたモカちゃん、それとモカちゃんみたいな事をされた紗夜さんと共に香澄ちゃん達がいるであろう有咲ちゃんの家の蔵まで向かっていた。

 

 

「どうやって折檻しましょうか・・・」

 

「ここは目には目を・・・と言うことで・・・」

 

「奇遇ですね・・・私も青葉さんと同じことを考えてました」

 

その道中は今のような香澄ちゃんへと怨念の籠った言葉が漏れるが、私はこれを止めることが出来ずにいたが、そんな私達の耳には聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

「あははははは!!ここまでおいで~!!」

 

「待ちたまえ!!なんて早さだ・・・!!」

 

「このっ!!逃げんなっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今、戸山さんと瀬田さん達の声が聞こえましたね」

 

「そうですね~ってトモちんが飛んでる~」

 

「って巴ちゃん!?何で変身してるの!?」

 

私達は香澄ちゃんと瀬田先輩の声と変身して空を飛んでいる巴ちゃんの姿を見つける。

どうやら2人は香澄ちゃんを見つけて追いかけているようだけど、巴ちゃんが変身するなんてただ事ではない。

そう思ったら巴ちゃんが予想外の行動に出ていた。

 

「いい加減に・・・捕まれってんだよ!!」

 

「当たんないよ~!!」

 

「土煙で・・・見えない・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「巴さん!?」

 

「一体何してるの!?」

 

「こっちに来てますな~・・・」

 

突如として巴ちゃんが地上にいる香澄ちゃんへと弾を撃ち始めるが、香澄ちゃんはどうやら全て避けているようで揶揄う声が徐々に大きくなってくる。

 

どうやらこっちに来ているようで紗夜さんとモカちゃんは来るであろう香澄ちゃんを捕まえようとその場に構えるが、香澄ちゃんの予想もしていない格好に私達は完全に固まってしまっていた。

 

 

「えぇ~どういうこと!?」

 

「なんでこんな街中で下着姿なんですか!?」

 

「意味わかんないよ~」

 

そう、今私達の目の前に現れた香澄ちゃんは下着姿で瀬田先輩と巴ちゃんから逃げていた。

 

 

 

理解が追い付かない私達を他所に香澄ちゃんは私達の頭上を飛び越えてそのまま逃走を続けていく。

 

「モカ!!つぐ!!」

 

「紗夜ちゃん!!」

 

「「偽物を追え!!」」

 

私達は瀬田さんと巴ちゃんの言葉を聞くと、言われるがまま2人が偽物と言っていた香澄ちゃんを追いかけ始める中で紗夜さんが瀬田先輩に話しかけていた。

 

 

「瀬田さん!!これはどういうことですか!?」

 

「香澄ちゃんが2人に分かれてしまって・・・あの香澄ちゃんが今回の犯人ということさ!!」

 

「分かれる?薫先輩~それってどういう・・・っ!?」

 

モカちゃんが曲がり角を曲がりながら、その言葉の意味を聞こうとしたが突如として言葉に詰まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あはっ!!つーかまえた♪」

 

曲がり角のその先には黒いニンジャを従えて、巴ちゃんと同じ形のスイッチを持っている香澄ちゃんが待ち構えていた。

 

 

 





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感想評価は気分次第でお願いします。

カラーコードの使い方が分かったから時間があったらスイッチ軌道のところをイメージカラー文字に変えておきたいなぁ・・・(願望
でも量が多すぎんよなぁ・・・(絶望

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