投稿ですが、今回のメインはついにメインを張れたこの方です・・・!!
私、牛込ゆり。
大学一年生―――とは言っても、普段は海外の学校に留学中なんだけど・・・
今日は年末が近い事とそして妹のりみが武道館でライブをすると言うこともあって日本に戻ってきており、とある駅に降り立った。
「ふんふ~ん」
駅から降りた私は最高のちょっと下くらいには気分で、りみ達のライブ会場であり、待ち合わせ場所でもある武道館へと向かっていた。
ん?なんで最高のちょっと下なのかって・・・?
久々に気になっていた男の子―――弦太朗とのデートであったはずなのに、空気を読んでくれずに一緒に来ることにした七菜が悪い。
っといけないいけない―――
待ち合わせ場所につく前に髪とかが崩れてないか確認しないと・・・
「髪も服も問題なさそうね・・・」
私は武道館へと向かう最中にビルのガラスに写る自分の姿を確認し始めるが、問題がないことを確認する。
今日は服から気合いを入れている。
流石に肌寒くなっている季節に合わせて上着を羽織っているが、その下は身体のラインが分かりやすいニットのセーターで・・・
更にその下も見られても恥ずかしくないように気合いを入れていた。
「これなら年上の魅力でいけそうね・・・!!」
そう確信した私は周囲から向けられる怪訝そうな視線を完全にスルーして武道館へと到着するが、ここで1つ大きな失敗をしてしまった。
「不味い・・・。弦太朗より遅くなっちゃった・・・!!」
待ち合わせの付近にはしばらく直接会っていなかった弦太朗の姿、本来の計画では弦太朗より早く来て―――
「どうしよう・・・!!「悪い。待たせたか?・・・ううん。今来たところだから・・・」ってやり取りをする予定だったのに・・・!!遅刻したのかな?・・・って弦太朗も待ち合わせ時間よりもかなり早く来たの・・・!?」
遅刻してしまったと思った私はスマホを取り出して時間を確認するが、スマホの時刻は待ち合わせをしていた時間よりも2時間以上早い時間を示していた。
「昔の弦太朗だったらギリギリだったのに・・・!!」
恨めしく呟いてしまった私だったが、まだ今日は始まったばかりでまだまだ取り返せる。
そう切り替えて彼の元へと行こうとしたが彼の元へと歩み寄ってくる大人の影が見えて、私は思わず近くの植込みの陰に隠れてしまった。
本来なら気にせずに彼の元へと行くべきだとは思うけど―――
「誰だろ・・・?男の人・・・?」
好奇心の方が勝ってしまい、弦太朗達の会話を盗み聞ぎすることにしてしまった。
「って友希那の親父さん・・・いつの間に・・・」
「と言っても今来たばかりだが?一人かい?」
「そうっすけど、ダチと待ち合わせしてるんで・・・」
「ふむ・・・それにしても友希那がここでライブを・・・」
「そうっすね。もう中で準備してるみたいっすけど」
「友希那とリサちゃんから話は聞いたよ。こうしていられるのも君のお陰だ・・・ありがとう」
「いや・・・俺だけじゃなくて、ダチのみんなのお陰なんで・・・」
「・・・そうかい」
「友希那・・・って確かRoseliaのボーカルの・・・ってそのお父さん?なんで弦太朗と・・・?」
弦太朗が話し始めたのは今日出るバンドのRoseliaのボーカルのお父さん。
でも―――
「一体・・・どういう関係なの・・・?」
私との関係を友達で済ませたことに若干不満はあったが、それ以上にどういう関係が気になった私は武道館を眺めながら、再び始まった彼らの会話の盗み聞ぎを続けていた。
「・・・如月くん」
「なんすか?」
「最近、友希那と話すことが増えたんだ。・・・とは言っても、話す内容は君のこととたまに音楽の事だけだけれどね・・・」
「は・・・?」
結婚した後に義理の親が結婚相手に聞くようなその言葉に私は耳を疑った。
は?
もしかして弦太朗がその友希那ちゃんと付き合ってるの・・・?
親の公認で・・・?
とても容認できない発想が飛び出てきたことに動揺せずにはいられない。
でも、気になって仕方がなかった私は弦太朗の言葉を震えながら待っていたが―――
「この前のがあった前まではスイッチ使って練習に付き合わされてましたけど?」
「聞きたかったのはそう言う事ではなかったのだが・・・。まさかそんなことまでしていたのか・・・」
「これは・・・大丈夫な奴だ・・・」
弦太朗の言っていることはよく分からなかったが、弦太朗がRoseliaのボーカルの友希那ちゃんとは付き合っていないことは確信出来たことに私は胸を撫でおろす。
あれなら大丈夫そうだと確信して私が彼の元へと向かおうとしたが、それよりも先に見覚えのあることもが彼の元へと駆け寄っていくのが見えた私はまた身を隠して彼の観察を再開した。
「「あっ~!!げんたろうだ~!!」」
「おっ・・・沙綾のとこの、純と紗南ってことは・・・」
「あら、如月くん。こんにちは」
「あら~たえちゃんは一緒にいないのかしら~?」
「あら?たしかはあなた・・・ちゆちゃんのお友達の~!!」
「沙綾とおたえ・・・それにチュチュのおふくろさん・・・!?」
「ちょっと待って・・・!!どういうこと?」
目の前の光景に再び私の頭は理解を放棄しかけてしまった。
りみと一緒にバンドをしているメンバーの家族達についてはまだいい。
あの人達だったらライブで顔を見たことあるとか、お店に顔を出して覚えてもらったとかで理解出来るし、弦太朗の性格を考えれば幼い子供たちと仲良くなれるのは1000%理解出来る。
だとしても、その後に登場した人物は絶対におかしい。
―――だってあの人!!
留学先でコンサートのポスターでしか見たことのないけど・・・プロのバイオリンの奏者・珠手美羽だよ!?
昔から交友関係は広かったとは思っていたけど、まさかあんな有名人が飛び出してくるなんてことは完全に想定していなかったよ!!
「・・・でも、チュチュって確かライブするRASってバンドのメンバーにいたし、その親ってのは分かるけど・・・そうだ!!きっとRASのバンドの練習見せてもらった時に覚えられたんだ・・・!!だって弦太朗のあの髪型はすぐ覚えられるし・・・!!」
私は気持ちを落ち着こうと必死になって自分に言い聞かせるが、全く効果がない。
こういう時は―――
「こういう時は素数を数えるのよ・・・。3.141592 ・・・」
「ゆり、それは素数じゃなくて円周率よ?」
「七菜!?いつからそこに・・・!?」
「そうね。「これは大丈夫な奴だ」辺りね・・・」
「なら、声かけてよ!!」
「何度もかけたのだけれど・・・」
そんなタイミングで私に声をかけてきたのは同じバンドのメンバーだった七菜。
急に声をかけられたことに驚いて私は思わずいつからいたのかと聞くが、彼女はずっと声をかけていたらしい。
でも、声が聞こえていなかったのだからいなかったのと一緒だ。
うん。そういうことだ。
「それでゆりは何をしているのよ・・・」
「ちょっと隠れて!!」
「ゆり!?」
私は七菜に視線を一瞬だけ向けたがすぐに弦太朗の方へと視線を戻しながら、呆れた様子の声を挙げた七菜を隠れていた植込みの影まで引きずり込む。
「何を・・・もしかしてだけど・・・。一緒に見る約束をしてたのって男だったの・・・?」
「・・・そうだよ?」
「それを先に言いなさいよ・・・。それだったら空気くらい読んだのに・・・」
「言ってなかった?」
「言ってないわよ。全く・・・それにしても、ゆりにあんな不良みたいな知り合いが・・・いえ、見た目だけで判断してはダメよね・・・」
言ったつもりだったが伝わっていなかったみたいで七菜は呆れていたけど、そこは私達の代の生徒会長なんだから察してほしい。
それにしても・・・
「七菜。ちょっと身体のライン出しすぎじゃない?七菜は何時からそんな破廉恥な服をきるようになっちゃったの・・・?」
「はっ・・・?」
今の七菜はダメだ。
服も私と似たようなニットセーターだけど黒はダメだ。
普段からかけている眼鏡のせいもあって知的な空気を出しつつ、イケナイ大人の色香を出している七菜に、私にゾッコン・・・とまでは行かなくても、意識している筈の弦太朗も今から隕石が地球に落下する位の確率で七菜にホレてしまうかもしれない―――
「信じて送り出したバンドのメンバーがいつの間にかこんなことになってて私は悲しいよ」
「留学先から一時帰国してきた親友が知能指数下がったような事しか言わなくなった私はどんな表情をすればいいのかしら?」
「笑えばいいと思うよ」
「笑えないのだけれど・・・」
七菜が何か言っていたが、私はそんなことよりも気になっていた弦太朗の方へと視線を送る。
「―――そういえば、最近は妙な事件とかの噂がありましたけど~無事に出来て良かったですね~」
「そうですね~。うちのお店がある商店街でもあったんですよ?」
「そういえば、最近変な生き物を見たって噂がよく流れてたわね・・・。結構見た人がいるみたいだけど、私は見なかったわね」
「ふ~ん・・・」
七菜の話を聞き流して私は弦太朗観察を続けていていたが―――
「最近、うちの友希那とはどうなんだい?」
「最近、たえちゃんとはどうなのかしら?」
「最近、沙綾とはどうなのかしら?」
「最近、ちゆちゃんとはどうなの?」
「は・・・?」
「あの彼・・・結構モテるのね・・・。と言うよりは大人のウケがいいのかしら・・・?」
「まっ・・・まぁ!!私の弦太朗だし!!モテるのは当然だよね!!」
大人たちと横にいる七菜が私の理解出来ないことを言い始め、七菜も弦太朗の事をほめたことに私は胸を張っていたら、大人たちは一触即発の空気を纏って弦太朗の前から姿を消していた。
「ゆり・・・。その・・・彼は一体なんなのかしら・・・?」
「私のだから、七菜に譲らないよ?」
「いや、いらないわよ」
「いらないってどういうこと!?」
「・・・本当にめんどくさいわね・・・」
七菜に譲るつもりはないけど、彼女には弦太朗の良さをもっとよく知ってもらわないと―――
まずは私と弦太朗の出会いから・・・
「ちょっとゆり。また誰か来たわよ」
「えっ?」
しかし、私の考えを遮るかのように別の刺客が弦太朗の元へと現れたが、その人物に私は目を丸くしていた。
「アレは・・・明日香ちゃん・・・!?」
「知り合い?」
「水泳部の後輩で香澄ちゃんの妹だよ・・・!!それにあの服・・・スタッフの奴よね・・・そう言えばひなこ達もボランティアで・・・」
「っと、噂をすればきたわね・・・」
明日香ちゃんが着ていたスタッフの服を見て、同じバンドのメンバーのリィとひなこもスタッフとしていることを噂すればその2人が明日香ちゃんの方へと歩いていたが、ひなこが突如として明日香ちゃんの方へと駆け出し始めた。
「へい!!マイシスター!!」
「だからあなたの妹じゃないですって!!」
「ひなこ・・・まだあの絡み方してるんだ・・」
ひなこの登場に懐かしさを覚えたが、それは瞬く間に崩壊した。
「―――っておやおや?そこにいるのはマイブラザーではないか~」
「ブラ・・・?ひなこが私の弦太朗にセクハラしてる・・・!!」
「ゆりは現実を見なさい。ブラザーって言ったのよ」
明日香ちゃんに絡んだと思っていたひなこがいきなり弦太朗に飛びついて絡みだしていたことに怒りがこみ上げてくる。
その場にリィが合流して何かを話していたが、私の耳には全く入ってこない。
そもそも、何がどうなったら弦太朗がひなこの姉弟になるのか?
弦太朗は私の旦那になる予定なのに・・・!!
「―――りみちゃん達から聞かせてもらったよ。ありがとうこうしていられるのも君たちのお陰だから今日は楽しんでいってくれ・・・」
「おう」
「それじゃゆりによろしく・・・って何時までやってんだ!!いくぞ!!」
「リィちゃん怒んないでよ~!!シーユー!!マイブラザー!!」
「それじゃあ・・・」
「りみちゃん経由での知り合いだったのね・・・。ってゆり・・・?ちょっと落ち着いて」
「あんなに女の子をひっかけて・・・もう許せない・・・!!」
3人が会話をするとそのまま離れて行く。
横で七菜が何かを言っているが私の中の怒りは全く収まる気配がないどころがドンドン膨れ上がった私はそのまま弦太朗の元へと歩き出していた。
「よう!!久しぶりだな、ゆり!!」
何事もなかったかのような弦太朗の言葉に、私は遂に堪忍袋の緒が切れてしまった。
「弦太朗の・・・」
「・・・ってなんだ?」
「弦太朗の・・・バカぁー!!」
「ぐほっ!!・・・いきなりグーってなんだよ!?」
怒りに任せたグーを弦太朗に向けてしまったが、流石男の子と言うべきかいともたやすく避けられてしまった。
しかし、それでこの怒りは収まらない。
「弦太朗のバカ!!アホ!!女ったらし!!」
「久々に会ってどうしたんだよ!!」
「何よ!!この前久々に電話してきたと思ったら明日香ちゃんの事を聞いてくるし!!こんな公共の場で相手の親公認で私以外の女の子達といちゃいちゃして!!」
「そんなのしてねぇ!!」
「私が何のためにこんなに頑張ったと思ってるのよ~!!」
「ちょっとゆり!!やめっ!!」
「煩い!!」
弦太朗が何かを言っているが、私はそんなことを構わず彼の胸に飛び込んでその胸を何度も叩き始めていた。
「ちょっとゆり!?久々に帰って来たと思ったら何してるの!?」
「七菜 !!離して~!!」
しかし、すぐに七菜が私の事を弦太朗から引き剥がされてしまった。
「あんたは・・・?」
「私は鰐部 七菜・・・この馬鹿の同級生で同じバンドのメンバーよ」
「あんたがゆりの・・・俺は如月弦太朗」
「如月くん。うちの馬鹿がごめんなさいね?」
「ちょっと七菜!!」
「煩い!!アンタは公共の面前で何をやってるのよ!!」
弦太朗と仲よさそうに話し始めた七菜に声を挙げるが、私は七菜の言葉と起こった表情を見て完全に固まってしまった。
「ちょっと・・・鰐部先輩・・・?」
「如月さん。あなたもですよ?」
「俺何もしてねぇぞ?」
「あなたはもう少し乙女心ってものを理解しなさい!!」
「はぁ?」
こうして私と弦太朗は仲良く七菜に公開説教を受ける羽目になるのだった。
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