バンドリ! コズミックパーティー(仮   作:ツナ缶マン

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過去回想篇です・・・

今回はあの姉妹編です。
※注意
今回の話では地名はぼかしていますが、その場所での飛び込みは絶対にやめましょう
近くの野球チームが優勝したら飛び込まれていましたが、今はどうなんでしょうねぇ・・・?


日・常・風・景27 少女達の前日譚-関西姉妹と巡り合い

 

弦太朗くんに始めてあったのは私が小学校6年生の時で―――

 

 

 

 

「おはよ~・・・」

 

「りみ、もう・・・小学校6年生になって半月経つんだから、もう少ししっかりしないとね~」

 

朝ごはんを食べていた時に、何かを思い出したお姉ちゃんは食べながらお母さんに話しかけていた。

 

 

「そういえば・・・昨日、外が騒がしかったけど何かあったの?」

 

 

 

 

 

「あぁ、近所に新しい人が引っ越して来て、挨拶に来たのよ。なんでもあなた達と年の近い男の子がいるみたいよ」

 

「へぇ~・・・」

 

お母さんからの言葉を聞いて、ちょっとだけ興味がありそうな表情を浮かべたが私とお姉ちゃんは朝ごはんを食べ終えるとそのまま学校に行く準備を整えて―――

 

「「いってきまーす」」

 

 

 

そうして同じタイミングで家を出て学校に向かっていた。

 

「それにしても、どんな子なんだろ?」

 

「お姉ちゃん、気になってるの?」

 

「う~ん・・・。今いる学校の人みたいに変なことしない人だといいな~って。それに近所に年の男の子って少ないからね」

 

「そうだね~」

 

私は読書ばっかりしていて関りがないけど、学校にいる男子達はいつも騒がしく遊んでいるのはよく見ていたし、お姉ちゃんも中学の人達が騒がしいって言ってたのは聞いていたのも覚えていた。

 

そんな話をしていた私達は中学校と小学校の分かれ道まで歩いてきていた。

 

 

 

「じゃあ、お姉ちゃん。気をつけてね?」

 

「うん・・・!!りみもね・・・!!・・・って何かし・・・!?りみ!!こっち来て!!」

 

 

お姉ちゃんは私を見送ろうとしていたが、小学校に行く道の方に何かがあったのに気が付いて声を出ていたが、突如として私の手を掴むと私を自分の背中に隠し始めた。

 

訳が分からなかった私は声を挙げると小学校の方から足音が段々と近づいていた。

 

「なぁ・・・ちょっと聞きてぇんだけどよ・・・」

 

「なんですか?警察呼びますよ!?」

 

「待て待て!!なんでだよ!?」

 

「明らかに不審者じゃないですか!!」

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん・・・!?何して・・・!?・・・ひっ!?」

 

私は思わずお姉ちゃんに声を挙げるとお姉ちゃんの背中越しに小学校の方へと視線を向けると、そこにはリーゼントに学ランを着た変わった男の人が立っていたのを見て―――

 

「・・・前にテレビで見た不良って人たちだ」

 

「りみ・・・!!」

 

 

 

大阪の街では見た目がちょっと怖い人をたまに見たことはあったけど、今目の前にいる人はその人達から感じるのとは別の怖さを覚え、お姉ちゃんも怖いのか身体を若干震わせていたが目の前の人が若干恥ずかしそうな表情を浮かべながら尋ねてきた。

 

「だから待てって!!あのさ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中学校ってどっちだ・・・?昨日来たばっかで場所がよく分かんなくてよ」

 

「それ・・・私の学校・・・えっ・・・?昨日・・・?」

 

「お前、その学校の奴か!!悪いんだけど場所教えてくれよ!!・・・あっ!!俺は如月弦太朗!!学校のみんなと友達になる男だ!!」

 

その人から出てきた学校はお姉ちゃんが通っている中学校の名前と、昨日引っ越してきたと言ったことで私とお姉ちゃんは信じたくはなかったが、目の前に立っている怖い不良の人が朝に話してた引っ越してきた人だというのは理解した。

 

これが私達と弦太朗くんとの初めての出会いだった。

 

 


 

「・・・って!!最初はりみりんもゲンちゃんの事怖かったの!?」

 

「逆にいきなりアレを出されて怖いと思わねぇ奴がいる訳ねぇだろ・・・」

 

今では平然としているりみだが、そんな彼女も弦太朗との出会いの時点では怖いと思っていたと語られたことに香澄が思わず声を挙げてしまった。

しかし、それに首を傾げるものがいた。

 

 

 

 

 

「「・・・そうかしら?」」

 

「はいはい。こころはちょっと静かにしておこうね~」

 

「友希那はあの時は紗夜の事でそこまで頭回ってなかったでしょ~。アタシも話聞かないで見たら多分怖いと思っただろうし!!」

 

「アタシ達は沙綾の男と一緒にライブ見に来たって聞いたから怖いとか・・・」

 

「蘭達はモカとアタシの後ろに隠れてたろ?あこもあの時は後ろに隠したけど・・・アレはほらヤバい奴だったらヤバいと思ってな・・・」

 

「そういえば麻弥ちゃんも平気そうだったよね~」

 

「お恥ずかしながら・・・あの時はたえさんが買ったアンプにしか目が行ってなくて・・・」

 

「私も最初は花音が脅されてると思って・・・それどころじゃなかったわね・・・」

 

「ふえぇ~!?」

 

「そう言えばチュチュもビビってたよな!!それにパレオに至っては風呂が初めてで・・・!!」

 

「もう!!マッスーさん!!」

 

いつの間にか牛込姉妹と弦太朗の出会いから初対面の弦太朗が怖かったかということに話が脱線してしまっていたが、それに待ったをかけたものが現れた。

 

 

 

「ってそうじゃない!!そうじゃないよ!!りみりん!!」

 

「沙綾?どうしたの?お腹空いたの?」

 

「おたえもバカ言わないの!!」

 

この流れを止めたのは沙綾。

彼女の言葉に周囲は何とも言えない空気になったが、そんなことを気にすることも無く彼女は言葉を続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあどうやってりみりんは弦太朗と仲良くなって・・・その・・・ゆり先輩はあんな風になっちゃったの!?」

 

「確かに・・・!!今のままじゃりみりんとゆり先輩がどうやってゲンちゃんと仲良くなったのか分かんない!!」

 

沙綾と香澄のやり取りに全員がハッとした表情を浮かべていた。

 

積極的に前に出て行くタイプではないりみ。

そんな彼女がも不良の見た目をしている弦太朗と平然と話せるようになった理由については今までの話では全く触れられていない。

 

それを考えた途端に彼女達の興味は再びりみのことについてに引き戻されていく。

 

「りみりん!!そこの話!!後はゆり先輩との話も!!」

 

「あはは・・・じゃあ、私の方からね・・・?」

 

必死な形相で訴えかけてくる沙綾を見てりみは再び昔の事を語り始めた。

 

 


 

「よぉ!!おはよう!!」

 

「・・・」

 

「えっと・・・おはようございます・・・」

 

「・・・私達は、先に学校行くから!!」

 

「またな!!」

 

 

「お姉ちゃん・・・?」

 

「りみ、あの不良には近づいたらダメだからね!!」

 

「え・・・?うん・・・」

 

 

弦太朗くんが引っ越してきてから2週間くらいが経った。

最初に見かけてからも学校に行く途中でたまに見かけることもあったけど、1回も会話らしい会話をしたことはなく、お姉ちゃんも弦太朗くんの姿を見た日はちょっとだけ不機嫌になっていて私に近づかない様に言ってくる

 

そしていつもの分かれ道についた時にお姉ちゃんは何かを思い出したかのように私に話しかけてきた。

 

 

 

「そうだ。今日はお父さん達が仕事で遅くなるって、2人よりは早く帰ってくるけど私も部活からそのまま塾に行くから帰りが遅くなっちゃうけど・・・」

 

「大丈夫だよ?6年生なんだから1人で留守番くらい出来るよ?前にもしてたでしょ・・・?」

 

「そうだよね。じゃあ行ってくるね!!」

 

「いってらっしゃい」

 

そうやって別れてから学校に行くと、いつも通りに授業を受けてから家に帰った時に事件が起きた―――

 

 

 

 

「あれ・・・?家の鍵がない・・・!!どこ行っちゃったんだろう!?」

 

私はいつもはランドセルの中に閉まっている家の鍵を取り出そうとしたが、いつもの場所に鍵がない。

どこかに落としたかと思ったが、ふと昨日のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

「あっ・・・!!そういえば・・・昨日、家の鍵使ってから机の上に置きっぱなしだった・・・!!」

 

昨日も同じように家の鍵を使ったが、その際に鍵をしまった記憶がなく机の上に置いたままにしてしまっていたことを思い出した。

 

「誰かが帰ってくるの待ってなきゃ・・・」

 

そう思った私は玄関の前に座り込んで家族の帰りを待っていたが―――

 

「何時まで待つんだろう・・・」

 

自分の口から出た言葉に私は不安を覚えてしまっていた。

 

今日はお父さんとお母さんはお姉ちゃんよりも遅くなるのは聞いてたからお姉ちゃんが帰ってくるのを待つしかない。

お姉ちゃんが部活から塾に行くと言ってたけど、お姉ちゃんが部活が終わる時間なんて分かんないし、塾が終わる時間までで1人―――

 

 

「うぅ・・・」

 

そう考えると急に不安になった私は下を向いてしまったが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・こんなとこで何やってんだ?」

 

「えっ・・・?あっ・・・如月さん・・・?」

 

私は顔を上げて声が聞こえた方に視線を向けると、そこには荷物を抱えた弦太朗くんがいたけど、弦太朗くんの事が怖くて上手く声が出せずに震えていた。

 

そうしたら何を思ったのか弦太朗は私の横に座ると抱えていた荷物を探り始めるとその中から何かを取り出していた。

 

 

 

 

「とりあえず・・・チョコでも食うか・・・?」

 

「えっ?あっ・・・うん・・・」

 

私はそのチョコを受け取るとそのまま口に運んで食べ始めると、思わず頬が緩んでしまう。

 

「おいしい・・・」

 

「なんだ?チョコ好きなのか?」

 

「うん!!・・・あっ・・・えっと・・・ごめんなさい・・・」

 

「ん?なにがだ?」

 

チョコをもらって気が抜けてしまった私は敬語を使わないで答えてしまって慌てて謝ったが、弦太朗くんは私が謝った理由が分からずに首を傾げていたが、私は謝った理由を話した。

 

 

 

 

「年上には敬語を使わないとダメだって・・・お母さんとかお姉ちゃんが・・・」

 

「だったら今からダチだ。ダチが相手なら気にしなくていいだろ?」

 

「・・・でも、年上だし・・・」

 

「ダチになるのに年なんて関係ねぇだろ?・・・もう1個食うか?」

 

「うん・・・!!」

 

「それにこうやって一緒に物を食ったらダチだ。・・・それで、なんで家に入んねぇんだ?」

 

弦太朗くんから差し出されたチョコをまた受け取ると今度はそれを弦太朗くんと一緒に食べ始める。

そして食べながら私が家の前に座っていた事について聞かれたが、先ほどまで感じていた不安はもう感じなくなっていて、友達と言われたことで私は先ほどのように砕けた話し方で話し出した。

 

「えっとね。家に帰って来たんだけど、家の鍵を家の中に忘れちゃって・・・それで、誰かが帰ってくるまで待ってたんだけど・・・」

 

「姉貴のとこには行かねぇのか?」

 

「えっと・・・学校は分かるけど、部活からそのまま塾に行くって言ってて・・・。私はお姉ちゃんが通ってる塾の場所知らないから・・・」

 

「なるほどな・・・。じゃあ誰か帰ってくるまで一緒に待ってるか」

 

「えっ・・・?でも・・・」

 

「吾郎爺・・・爺ちゃんに買物頼まれたけど、こんなことがあって1人で放っておいたら怒られちまうし、ダチを放っておけねぇからな!!」

 

「ありがと・・・」

 

そうして弦太朗くんは私と一緒に誰かが帰ってくるのを待ってくれている間に、いろんなとこに引っ越していることやそこで出会った友達の事など弦太朗くんの話を沢山聞かせてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなに友達がいるんだ・・・凄いね・・・。私はそんなに友達いる方じゃないから・・・」

 

「みんないい奴ばっかりだからな。りみも会えばダチになれるぜ」

 

「えへへ・・・そうかな?」

 

そうして話を聞いているうちに私は弦太朗くんのことが怖いとは思わなくなっていて、気が付けば1人でいた時の不安はなくなっていた。

 

「あーもうだいぶ暗くなってんな・・・」

 

「あっ・・・ほんとだ・・・」

 

話を聞くのに夢中になっていて全く気が付かなかったが、顔を上げたら既に空が暗くなっていた。

こうなればもうそろそろ―――

 

「もうそろそろ帰ってくるんじゃねぇか?」

 

「多分お姉ちゃんが帰ってくるかも・・・。もう少し話聞きたかったな・・・」

 

「だったらまた今度な?」

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「りみ!!」

 

「あっ!!お姉ちゃん!!」

 

「こんな時間に何して・・・っ!!」

 

「お姉ちゃん・・・!?」

 

そんな話をしていたら塾から帰ってきたお姉ちゃんの声が聞こえたが、お姉ちゃんは弦太朗くんを見た途端に物凄い勢いで私達の方に向かってくると、私を弦太朗くんから引き剥がすと心配そうな表情を浮かべながら私の肩を掴んできた。

 

 

「大丈夫!?何かイヤなことされてない!?」

 

「ううん。家の鍵持ってくるの忘れちゃった私と一緒にいて・・・それに、チョコもらってお話してただけだよ?」

 

「りみ!!もう!!家に入るよ!!それにこの人と仲良くしちゃダメって言ったでしょ!!」

 

「ちょっとお姉ちゃん・・・!!」

 

お姉ちゃんは私の言葉を聞くと、自分の鍵を取り出して家の鍵を開けると私の肩を凄い勢いで押してくる。

 

弦太朗くんのことを無視してる様で私はお姉ちゃんに押されながら弦太朗くんの方へと視線を送ると、弦太朗くんは笑みを浮かべていた。

 

「じゃあ、またな!!」

 

「またね・・・弦太朗くん!!」

 

 

 

「りみ!!」

 

私は弦太朗くんに別れの言葉を掛けるとお姉ちゃんはそのまま私を家の中に引きずり込んでいく。

そしてすぐに鍵を閉め直すと私の方を向くと怒っている声を出してきていた。

 

 

 

「りみ!!言ったでしょ!!あの人と仲良くしたらダメだって!!」

 

「なんで・・・?さっきまでお話したけどいい人だったよ?」

 

「騙されてる!!絶対に騙されてるからね!!」

 

 

 

 

「そうだ。宿題しないと・・・それに家の鍵もしまっておかないと・・・!!」

 

「りみ!!話は終わってないよ!!」

 

私は宿題と言い訳をして自分の部屋へと逃げ込んでいた。

 

 

 

「今度はどんな話をしてくれるんだろ・・・」

 

そんなことを考えながら、私は逃げる言い訳に使った宿題を取り出すのだった。

 

 


 

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

「あれ・・・みんな・・・?」

 

 

 

 

「ただ如月に餌付けされただけじゃねぇか・・・!!」

 

りみと弦太朗が友達になった時に話を終えるが、周囲は静かになっていた。

何かを間違えたのかと思ったりみは不安そうな表情を浮かべていたが、この話を聞いていた有咲が皆を代表して思ったことを口にするとそれに同意するように皆が首を縦に振っていた。

 

「それに、りみは分かったけどゆり先輩についてはいつからああなったのか分かんないよ?」

 

「えっと・・・それは・・・私も分かんないし・・・」

 

ゆりの事は全く分からない。

でも、弦太朗との出会いについては話したから自分の番は終わった。

そう思っていたが―――

 

 

 

「リミさん!!ゲンタロウさんとお出かけとかはしなかったんでしょうか!!」

 

「えぇ!?」

 

「そうだよね・・・ゲンちゃんと1年近く一緒にいたんだからどこか行ったりしたんだよね!!」

 

イヴからの思わぬ攻撃に驚きの声を挙げるが、香澄がそれに乗ってくるとりみは大阪での彼との出来事を思い出していた。

 

「えっと・・・後は一緒に買物に行ったり、夏に浴衣着てお祭り行ったり・・・プールに行ったりもしたっけ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

「浴衣で・・・お祭り・・・?」

 

「「プール・・・?」」

 

「「買物デート・・・?」」

 

 

 

 

 

「沙綾落ち着けって・・・!!」

 

「ちょっとつぐもひーちゃんも・・・落ち着きなよ・・・」

 

「彩ちゃんと千聖ちゃん!!面白ーい!!」

 

「それでリミさん!!2人で出掛けた時は何をしてたんですか!?」

 

「最初は・・・お姉ちゃんの誕生日プレゼントを選ぶのについてきてもらったんだ~。・・・そう言えば買物中にアイス買った時にオマケって言われてチョコミント貰ったんだ~・・・」

 

「あれ?りみってチョコミントダメだったろ・・・」

 

りみは弦太朗と一緒に行ったことを思い出すかのように呟くが、その全てが悉くが沙綾達の琴線に触れてワナワナと震え始めていたが、りみの言葉に有咲は彼女の話で気になったことが口から漏れてしまっていたが、それがりみの耳に届いてしまったのが彼女の不幸の始まりだった。

 

 

 

「えっと・・・頑張って食べようとしたんだけど・・・弦太朗くんが代わりに食べてくれたんだ~」

 

「ちょま!?それって・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「「「「「「間接キス!?」」」」」」

 

「えっ・・・?あっ・・・///めっちゃハズイ・・・」

 

何食わぬ顔で答えたりみ。

その答えを聞いた皆が声を上げてしまい、冷静になったりみは恥ずかしがっていた。

その一方では遂に堪忍袋の緒が切れてしまった彼女達は行動を起こしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「りみ・・・明日からのコロネにはチョコミント入れておくね・・・」

 

「沙綾ちゃん!?何言っとんの!?」

 

 

 

「これは・・・OHANASHIが必要ね・・・」

 

「れんこーだよ!!」

 

「ちょっとひまりちゃんにつぐみちゃん!?」

 

「「OHANASHIしよっか?」」

 

「なんでぇ~!!」

 

彼女達はりみを捕まえるとそのまま会場から姿を消してしまい、何とも言えない空気が流れる。

そして少し時間が経ち――――

 

 

 

 

 

 

「悪い。遅くなった・・・ってなんだ?」

 

遅れていた弦太朗がこの場に姿を現したが、何とも言えない空気に思わず辺りを見回している姿を見たますきはそっと彼に歩み寄るとその肩にそっと手を置いていた。

 

「よぉ・・・女ったらし」

 

「・・・何言ってんだ?」

 

「ちょっとキング!?ちゃんと説明してあげたほうが・・・!!」

 

「麻弥ちゃん~こういう時はノリに乗っておかないと~ってことで口塞いじゃうね~」

 

「ヒナの言う通り~・・・でも、ホント弦太朗ってたらしだね~☆」

 

「マジで何言ってんだ?ってなんでみんなまでそんな目してるんだよ!?」

 

遅れてきたせいで今の状況が分かってない弦太朗は麻弥なんとか状況を

 

 

弦太朗は遅れてきたせいで状況がまるで分からないまま、OHANASHIが終わって戻ってきたりみが事情を話すまで女子達の冷たい視線を浴び続けることになるのだった。

 

 

 

 


 

「りみ!!買物行こ!!」

 

「お姉ちゃん・・・ゴメンね。私今日は友達と遊びに行くから・・・」

 

ここ2週間くらいの間、りみが私の誘いを全て断っていた。

その事で私は怪しんでいることがある。

 

 

 

 

「まさかあの不良に唆されて悪いことをしているんじゃ・・・」

 

真っ先に思い浮かんだのは春先に引っ越してきた如月って不良のことだった。

 

以前もりみが家の鍵を忘れて家の前に座り込んでいた時の彼は一緒にいて、完全にりみを取り込んでいた。

りみが非行に走るのではと心配で仕方がなかった。

 

私に隠れてりみは彼と一緒にホラー映画のDVDを見ていたりするらしいが、全く信用できない。

きっとあの人に何かされているに違いないという確信があった。

 

 

 

 

 

「確かめないと・・・!!」

 

私は隠れて準備をすると家を出たりみを尾行することを決めると、妹を追いかけて家を出る。

遠巻きにりみを見ていると図書館の前で止まってしまった。

 

「ここであの不良と待ち合わせするのね・・・!!」

 

私の勘はここで不良と待ち合わせていると確信すると、少し遅れて彼が現れた。

 

 

 

「悪いな・・・」

 

「弦太朗くん!!ううん・・・!!大丈夫だよ!!」

 

「とりあえず行くか・・・」

 

 

 

 

「りみ・・・あんな不良の事を名前で呼んで・・・!!」

 

りみはあの不良と共に図書館の前から歩き出すと、2人に気が付かれない様にその後ろを追いかけるとその方向にある建物を思い出していた。

 

 

 

 

 

 

「この方向・・・繁華街のほう・・・まさか・・・万引き・・・!?いや・・・まだそう決めるのは早い・・・。りみだけは止めないと・・・」

 

案の定、2人は大阪でも有名な繁華街の方に向かっていく。

私の頭の中には最悪の想像が過るが、2人を見失わない様に距離を詰めて後をつけていく。

 

「りみ、これなんてどうだ?」

 

「う~ん。多分趣味じゃないと思う・・・」

 

 

 

 

 

「よく聞こえないけど、2人して何を見ているのかしら・・・」

 

2人は雑貨屋で会話しながら何かを見ているようだが、何を見ているのかはよく分からない。

でも、あの不良が何をしでかすか分からないから気を抜くことはできない。

 

「それじゃ次見てみるか・・・」

 

「そうだね」

 

 

 

 

 

 

「移動した・・・!!追いかけないと・・・!!」

 

2人で雑貨屋から別の店に移動するのが見た私はその後をつけていく。

そうして何件か店を回っていた2人の後をつけていたが―――

 

「って最初の店で見た奴じゃねぇか・・・」

 

「そうなんだけど・・・やっぱりこれがいいかな~って」

 

「ならいいけどよ・・・」

 

「うん・・・!!そうだ!!折角こっちまで来たんだから、何か食べて行こうよ」

 

「いいな・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何も起こらない・・・どういうこと・・・?まさか・・・後をつけてるのがバレてるから何もしないの・・・!?」

 

私の予想ではりみを巻き込んで悪さをすると思っていたが、あの不良が全く問題を起こさないことに私は頭を抱えてしまう。

 

そんな私を他所に2人は最初に訪れていた雑貨屋で何かを買ってそのまま街の方へと歩いていくと2人は移動販売のアイス屋の前で止まると、りみを置いて如月はひとりでアイスを買いに行ってしまった。

 

「アイツ・・・りみを置いて・・・って、両手にアイス持ってる・・・っあれは・・・!!」

 

如月は両手に2段重ねのアイスを持ってりみの元へと戻ってくるが、おそらくりみが食べるであろうアイスを見てアイツにはやさしさと言うものがないことを確信した。

 

「2段重ねになってるけど・・・あの下の奴はりみが苦手なチョコミント・・・!!ああやって嫌がらせするつもりね・・・!!」

 

 

 

 

 

「待たせたな!!チョコだけだったけど、店の人がなんかオマケしてくれたんだ!!」

 

「あっ・・・ありがと・・・」

 

りみは如月が買ったアイスを苦々しい表情で受け取ると、好きなチョコアイスを食べ始めるとすぐにチョコを食べ終えると我慢しながらチョコミントを食べ始める。

そんなりみの横で2段重ねのバニラアイスを食べ始めていた。

 

「やっぱりアイスってたまに食いたくなるな」

 

「そうだね・・・」

 

りみは弦太朗の声に応えるが、チョコミントを食べるスピードは先ほどの比べて圧倒的に遅い。

そんな光景をイライラしながら見ていたが、如月は1個目のアイスを食べ終えたところでようやくりみの異変に気が付いた。

 

 

「りみ・・・お前もしかして・・・」

 

「うぅ・・・実は・・・チョコミントって苦手なの・・・」

 

「だったら先に言えよ・・・」

 

 

 

 

 

 

「「あっ・・・!!」」

 

「なんだ?」

 

「えっと・・・これ・・・」

 

「そっちは食べられんだろ?」

 

如月はりみが持っていたアイスを自分の物と入れ替えていた。

私とりみは奇しくも同じタイミングで声を挙げてしまうが、彼は何食わぬ顔でりみに話しかけていた。

 

 

 

「でも・・・」

 

「気にすんなって。嫌いなもんを無理して食うのもあれだろ?バニラもダメか?」

 

「ううん・・・!!ありがと・・・!!」

 

 

 

 

「りみがあんなことをするなんて・・・はっ!?」

 

 

 

 

私の目の前で2人は交換したアイスを食べ始めたのが信じられず固まってしまったが、なんとか我に帰ることが出来た時には2人は目の前から姿を消していた。

 

 

「探さなきゃ・・!!」

 

私は消えた2人を探すために歩き出す。

ここは大阪で一番有名な繁華街だから人は多いけど、あの特徴的な不良の事だからすぐに見つかると思ったがそれは見事に的中し有名な橋の隅に2人はいた。

 

「見つけた・・・・・・りみ!!」

 

 

 

 

 

「えっ!?お姉ちゃん!?」

 

「何でここにいんだ・・・?」

 

「どうしておるの・・・!?」

 

「・・・バレてるなら仕方ねぇんじゃねぇか?」

 

 

 

 

 

 

「ちょっと何話してるの!!」

 

「えっと・・・お姉ちゃん・・・!!」

 

私の声が聞こえた2人は驚いたような表情を浮かべて何かこそこそ話し出したと思ったらりみが何かを持って私の方へと寄ってきた。

 

 

 

 

 

「えっとね・・・実はお姉ちゃんの誕生日プレゼント探してたんだ・・・」

 

「じゃあなんで・・・?その人と一緒に・・・?」

 

「えっとね。折角だから今年は弦太朗くんに相談しようかなって思って・・・」

 

「そうだったのね・・・」

 

若干自分がしてたことが恥ずかしいと思ったが、私は未だに横にいる不良―――如月に対して不信感が拭えなかった。

 

「本当は当日まで隠しておきたかったんだけど・・・先に渡しちゃうね?」

 

「りみ!!ありがとう」

 

「折角だから開けてみろよ」

 

「・・・そうね」

 

そう言ってりみから少し早い誕生日プレゼントを受け取って喜んだが、如月の言葉でテンションが下がる。

でもりみが期待した表情を向けてきているのを見て私は受け取った箱を開けようとした。

 

 

 

そして事件が起こった。

 

「きゃ・・・!!」

 

「お姉ちゃん!!」

 

私は後ろから誰かにぶつかってよろけてしまった。

ここは繁華街のど真ん中で人の往来が多いこんな場所では誰かがぶつかってくる可能性があったのにそれを忘れていた。

 

りみが心配そうに声をかけてくれたが、私は異変に気が付いた。

 

「プレゼントが・・・ない!!」

 

「あっ!!あれ!!」

 

私の手元にはりみから貰ったプレゼントが入っていた箱がなくなっており、それは宙を舞って橋から川へと落ちそうになっていた。

 

折角のプレゼントが無駄になってしまう。

そう思っていたが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぉおおおおお!!」

 

「弦太朗くん!?」

 

如月は声を挙げながらプレゼント目掛けて飛んでいて、その手はりみのプレゼントに手が――――

 

「届いた・・・!!」

 

「弦太朗くん!!」

 

「うわっ!?」

 

手は届いた。

しかし、プレゼント諸共彼は橋の下の川へと落ちてしまった。

 

 

 

人が1人落ちた水音が響いた。

でもその音は私にとって―――

 

「あっ・・・!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――恋に落ちた音になった。

 

「弦太朗くん!!」

 

「大丈夫・・・とは言えねぇけど、物はあるぜ!!」

 

如月―――ううん。弦太朗が水面から顔を出して答えると私達は川から上がってくるであろう場所まで走っていた。

 

「・・・弦太朗くん!!怪我してない!?」

 

「全身びしょ濡れだ・・・。りみ、とりあえずこれ・・・中身大丈夫か見た方がいいんじゃねぇか?」

 

「うん・・・!!」

 

弦太朗はりみに手に持っていた箱を手渡すと、りみはそれを空けて中を確認し始めていた。

 

「良かった・・・中身は濡れてないよ・・・お姉ちゃん。これ・・・箱はびしょびしょだから直接渡すね?」

 

 

「りみ・・・弦太朗(・・・)もありがとう!!」

 

そう言って私はりみからプレゼントを受け取ると2人に満面の笑みを浮かべて答えるのだった。

 

 

 

 


 

 

「でね!!これがその時にもらったプレゼントのペンで・・・!!」

 

「「「・・・・・・」」」

 

「なによ・・・みんなして・・・!!」

 

りみが弦太朗との出会いを語っていたのと同じ頃。

奇しくもゆりが同じバンドのメンバーに弦太朗との話を語っていたが、ゆりの語りを他の3人のメンバーは死んだ魚のような目で聞いていたことにゆりは不満そうな表情を浮かべていた。

 

「いや・・・なんというか・・・その・・・な?」

 

「リィちゃん!!こういう時ははっきり言うのがゆりりんの為だから!!」

 

「ちょっとひなこ!?どういう事!?」

 

死んだ目をしていた彼女達だったが、ゆりの言葉を聞いた途端に一斉に反撃に出ていた。

 

 

 

 

 

「恋愛感が小学生以下じゃね?」

 

「ひなこの言う通りね・・・」

 

「ちょっと七菜まで!?」

 

「俗にいうチョロインって奴だな?なぁ・・・デベコ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょろくなーい!!」

 

久々に再開したメンバーからの言葉に反論しようとするが、彼女はこの話題でしばらく弄られ続けることになるのだった。

 

 

 





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