すまんな。
君は話の展開の犠牲になったのだ・・・
「弦太朗、お疲れ様。とりあえず飲み物でも飲んで休んでなさい」
「おっ!!サンキュー千聖」
「ゲンちゃん!!こっちのお菓子も食べなよ~!!」
Circleの中へと戻った弦太朗は飲み物やお菓子を片手に持った千聖と日菜に出迎えられると、何事もなかったかのような雰囲気でそれを受け取っていた。
そんな弦太朗を見た彼女達は何て声をかければいいか困っていた中で燐子がなんとか切り出し始めた。
「えっと・・・如月さんも無事みたいですし・・・巴さんや若宮さん達もみんな怪我もしてないらしいです・・・」
「透子達のとこには出てないみたいだし、ロック以外のRASも特に何もなかったってさ~」
「ふえぇ~良かったよ~!!」
「儚い・・・」
「でも、どうしてまた出たんでしょうか・・・?ジブンはオーナーを止めたあの時に事件は終わったと思ってましたが・・・」
「「「「「・・・・・・」」」」」
とりあえず皆が無事だということで彼女達は安心していたが、ここで根本的な疑問が浮かび上がってきた。
今回の事件を引き起こした犯人とその目的はなんなのか―――
当然の疑問を麻弥が口にしたが誰もその言葉に応えることが出来ずにいたが、その中で彼女は最悪の事態を口にしてしまった。
「もしかしてオーナーがまた・・・?」
「大和さん。それは無いわ」
「湊さん・・・」
「如月に止められたあのオーナーが同じ過ちを繰り返すとは思えないわ」
「でも、仕方ないわよ。私も麻弥ちゃんと同じことを考えてしまったもの・・・」
皆の頭にはオーナーの影がちらつくも、それは無いと皆が自身に言い聞かせて考え始める彼女達だったが、その中でリサがあることを思い出していた。
「あっ・・・そう言えば弦太朗」
「なんだ?」
「ちょっとしか聞こえなかったけどさ~・・・さっきなんか話してたよね?事件のメンバーがどうとかって・・・」
「ん~・・・リサちー?どういうこと?」
「日菜?それは如月さんに聞くべきだと思うわ」
「あー・・・お姉ちゃんの言う通りかも・・・。じゃあ、ゲンちゃん。その話聞かせてよ」
「前の事件で警察に捕まった奴らが逃げ出したって賢吾が言ってたんだよ」
「どういうこと?如月くん。本当にそう言ってたの?」
「あー・・・なんかそんなようなこと言ってたような気がする」
リサと双子の言葉に皆の視線は弦太朗に集まると、視線を向けられた弦太朗はそのまま賢吾から聞いたことをそのまま伝えるとまるで意味が分からない彩が聞き返してしまうがリサがそれに答えると猶更理解が追い付かなくなり彩は考え始めてしまった。
「でも、どういうことかしら?そんなことを如月に伝えた意味が分からないわ」
「もしかしたら関わってるかもしれねぇって言ってたけど全然分かんねぇんだよ」
「関わっている・・・?どういうことだい?」
「薫。弦太朗がそこまで考えられるわけないでしょ?」
「もしかして、捕まえた如月くんへの逆恨みなのかな?」
「でもよ、花音。捕まえたのは俺じゃねぇぞ?・・・いや、でもその事件の親玉倒したのは俺だから・・・う~ん・・・」
「松原さんの考えはあり得るかも知れませんが、それだったら天ノ川学園を襲うんじゃないでしょうか?
「紗夜ちゃんの考えも分かるけれど・・・。私だったら花咲川の方にいくわね。イヴちゃんと美咲ちゃんってイレギュラーがあったから失敗したけれど・・・」
「ジブンも犯人だったらと考えると千聖さんと同じ考えですね。天校には美咲さんが乗っていたロボットがあるはずですし、それにこっちは女子校ですから襲撃しやすいと考えるんじゃないですか?」
「でしたら、如月さんへの逆恨みが原因と言うことになるのでは・・・?」
「あの・・・氷川さん?ちょっと待ってください・・・」
「白金さん?なんでしょうか」
花音の言葉から紗夜達が非情にそれっぽい理由が出てくると、紗夜や一部の面々がそれが理由だと考え始めるがそこで燐子が紗夜に待ったをかけた。
紗夜は不思議そうに燐子に視線を向けると、燐子はゆっくりと話し出した。
「仮に氷川さんの言ってることが正しいとしたら、どうして羽丘やここにも来たんでしょうか・・・?」
「それは羽沢さん達がいるからではないでしょうか?如月さんと仲のいいみたいですし・・・」
「紗夜。仮に弦太朗の友人がいるからという理由なら月ノ森や他のところにも出ないのは不自然だね」
「ん~・・・アタシも薫の言ってることが気になるな~」
「お姉ちゃん。あたしもモヤモヤしてきちゃった・・・」
「ふぇ~ん。話について行けない・・・」
「丸山さん。私もよ・・・」
2つの意見と話について行けない組という情けない3つの派閥に別れてしまったCircle。
そこからは考えても話は平行線で一向に進む様子はない。
「こうなったら仕方ありません。市ヶ谷さんや羽沢さん達が来るのを待ちましょう」
「そうね。私達が考えるよりも有咲ちゃんやつぐみちゃん達にぶん投げた方が早いわね」
「ですが白鷺さん、どちらも来るまでに時間が・・・」
「有咲!!ゲンちゃんだよ~!!」
「うっせぇ!!みりゃ分かるわ!!」
「いや~!!なんとなかったな!!」
「いや・・・まぁ・・・うん・・・トモちん凄かったからね~・・・」
「あっ!!リサ姉達も大丈夫だったんだ!!」
「宇田川さん!?まだ授業のはずでは!?」
「あ~・・・あんなことがあったからそのまま下校ってことになったんですよ。おい如月!!今から真面目に話すから少し静かにしろ!!」
そして彼女達は平行線になってしまったこの話を被害者達にぶん投げるという暴挙を提案すると皆がそれに同意してしまったそのタイミングで3年生以外の花咲川と羽丘の面々がCircleへと駆け込んできた。
来るはずのない彼女達の登場に驚いて比較的真面目側の人間である紗夜がその事を指摘すると皆を代表して有咲がそれに答えると弦太朗の周囲が騒がしくなっているのを黙らせるとそのまま本題へと入っていく。
「そんで今回は何がどうなってるんだ・・・?」
「えっとね・・・麻弥ちゃん!!説明して!!」
「えぇ~!?日菜さん!?ジブンっすか!?」
「誰でもいいわよ・・・」
「じゃあそういう友希那が・・・って話が分かってないよね~。まぁこっちも全然分かってないんだけど・・・」
そんなやり取りがありつつも、何となくの流れでリサが先ほどまで話していた内容を有咲達には話を伝え始めていた。
「実は”うんぬんかんぬん”って感じで話が進んでてさ~」
「「「訳が分からない・・・」」」
「なるほど・・・私達が学校で追いかけられてた時にそんなことが・・・」
「それでCircleでの戦い終わってそんな話が・・・」
「ちょっと待って。なんで市ヶ谷さんと羽沢さんは”うんぬんかんぬん”で伝わって・・・」
「分かってるのは・・・出たのは学校とCircleの3ヵ所だけだよね・・・?」
「そうだな・・・それと戦力的に考えて本命はここってことだよな・・・。さっきリサさんから聞いた話を考えると如月への逆恨みってのも考えられるけど・・・なんかしっくりこないんだよなぁ・・・」
「そうだよね?それに有咲ちゃん達と私に攻撃してきた理由も分かんないし・・・」
「あはは・・・ツッコむのはやめよう・・・」
大半の面々を置き去りにした説明を有咲とつぐみは状況をおおよそ把握してしまっていただけではなく、犯人の目的まで予想し始めた彼女達に美咲はツッコミを放棄すると、そのタイミングで彼女達を置いて香澄達は弦太朗と話し始めていた。
「そう言えばゲンちゃん。この前一緒にこころんの船に乗った友達は来てないの?」
「流星と賢吾か・・・?流星は学校に用事があるとか言ってて、賢吾は京都の大学で行ってるぞ?」
「大学って凄いね!!でも、何で京都?」
「昨日になんかスゲーのを観測したらしくってそのデータを確認してくるって・・・」
「如月も香澄も何話して・・・って待てよ?昨日・・・って言ったか?」
弦太朗と香澄の会話を聞いた有咲だったが、2人の会話を聞いた途端に彼女の頭の中では話が繋がり始めていた。
「昨日って言えば・・・あれだよな・・・。おい如月!!それっていつごろか大至急、確認してくれ」
「んっ・・・おう・・・」
「後は一応SNSの方も確認してそれっぽいのを・・・」
「まりちゃんとリサ先輩もSNSとか調べてみて貰えますか?あれ?彩さんはどこに行ったんですか?」
「あ~つぐちゃん。彩ちゃんはみんなが来た時に別室に連れていかれて、千聖ちゃんからのお説教中だよ」
「それでしたら、SNSに詳しい桐ヶ谷さんに連絡してみますね・・・もしもし?」
『もしもし紗夜さん?大丈夫ですか!?』
「えぇ、桐ヶ谷さんに聞きたいことが・・・」
有咲の話を聞いたつぐみも気になったことを確認するためにSNSに強い面々に調べものを依頼し始める。
因みに彩は昨日の写真の件で別室でお説教中だったが、もう誰もそのことに触れようとしない。
その中で紗夜がSNSに強い透子に話を聞こうとおもむろにスマホを取り出して電話をかけだすと数コールで彼女は電話に出ると開口一番に紗夜の心配をしていたがそれを軽く流して紗夜が単刀直入に本題に入る。
「知っていたらでいいのですが、昨日SNSで変わった情報とかありましたか?」
『変わった情報だったらとびっきりのがありますよ!!』
「それについて教えてほしいんですが・・」
『紗夜さん知らないんですか!?ちょっと待ってください!!今その投稿を・・・ってあっちゃ~消えてる。でも、大丈夫ですよ!!そのバズった投稿は写真撮ってあるんで送りますね!!じゃ次の授業あるんで!!失礼します!!』
「ちょっと桐ヶ谷さん!!・・・ってもう切れてしまいましたね・・・ですが、とびっきりのとは何でしょうか・・・?」
「日菜さん。ジブン、凄く嫌な予感がするんですが・・・」
「麻弥ちゃん。あたしもなんだよね~」
「あ~麻弥もヒナもだけど・・・もしかして・・・」
「ふえぇ~・・・まさかね・・・?」
「ですが・・・状況的には・・・あれのことだと思いますけれど・・・」
「燐子、つまりそういうこと・・・なんだろうね・・・」
「来ましたね」
速攻で透子との通話が切れてしまったが、何かがあったらしくその場にいた面々がその話題を挙げるが3年の面々はとてつもなくイヤなものを感じたタイミングで紗夜のスマホが震えだして、透子から送られてきた画像を確認すると、案の定送られたのは先日彩が投稿した内容の写真を見た有咲はブチギレた。
「あの・・・ふわふわピンクの先輩!!やるなって言ったのにやりやがったな!!」
「有咲待てって!!」
「如月!!止めんじゃねぇ!!」
「わ~!!有咲~落ち着いて!!」
「落ち着けるか!!この写真でほとんど繋がったわ!!犯人は分かんねぇけど、ほぼ確実に目的は昨日出たアレで、私達がこれに制服で写ったから学校が狙われたってことじゃねぇか!!」
「一緒にいたはずのつくしちゃんとチュチュちゃん達は見切れてるから何もなかったんだ・・・。それで私とか有咲ちゃん達を見つけたら狙い始めたんだね・・・」
「まぁ市ヶ谷さん。これのお陰で他の生徒が襲われなかっただけでも良かったってことで・・・」
「そうですよアリサさん!!」
「たくっ・・・そう言われたら・・・」
「うぅ~・・・千聖ちゃ~ん・・・」
「ダメよ!!そんな目で見ても、彩ちゃんはしばらくSNSへの投稿は私か麻弥ちゃんのチェックを受けてからよ!!」
彩の投稿を見て怒り狂う有咲を香澄と弦太朗が物理的に静止させ、イヴと美咲が言葉で宥めてなんとかこの場を収めようとし始めたが、ここで小さな不幸が重なり別室から説教を終えて涙目の彩が戻ってきてしまい、彩を見た有咲は再び火がついてしまった。
「丸山ァ!!」
「ひゃ!?有咲ちゃん!?」
「そこに正座しろぉぉぉおおおおおおおおお!!」
「先輩、止めないの・・・?」
「無理だろ・・・」
「周りの被害は減らせたかもしれないけど、有咲ちゃんとか私が狙われる原因だから・・・流石に止められないかな・・・」
余りの怒りに先輩相手の敬語も忘れた有咲によって地面に正座させられた彩は説教の第2ラウンドが開始されてしまい、あのハロハピの面々すらも有咲の圧に負けてしまい彼女の怒りが収まるまで年甲斐もなく泣きわめく彩を見守ることしかできなかった。
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