”問題児”Roselia篇
もうみんな分かってるから、最初から正体なんで隠さないスタイル。
めっちゃ大暴れしてもらうからね・・・
悪・逆・風・紀-1 狂ったメトロノーム
パスパレの事件を解決した休日明け―――
彼が学校へ向かうと、腕章を付けた生徒達が校門前に並んでいた。
並んでいた生徒たちが校門を通る生徒たちへの挨拶運動を行っていた。
弦太朗も周囲の生徒に倣い、その生徒達に挨拶をすると彼女たちからも挨拶が返ってくる。
ただ一人を除いて―――
「おう、紗夜。おはよう」
「・・・」
弦太朗が学校にやってきた初日から彼女から挨拶が返ってきたことはないが、それでも弦太朗は毎朝の挨拶を続けていた。
「今日も無視か・・・。いつもながら感じ悪ぃ奴だな。でも、そんな奴ほどダチにしたくなるぜ!!」
「・・・」
「じゃあ後でな。紗夜!!」
紗夜は今まで彼の挨拶を徹底的に無視しており、会話は常に弦太朗からの一方通行になっていた。
紗夜への挨拶を済ませた弦太朗が校内へ入る姿を見て彼女は呟く。
「あんなのがいるから・・・」
そんな状況を見かねた生徒が一人、彼女へと話しかける。
「氷川さん・・・」
「どうしましたか?白金さん」
「いえ・・・。いつも、あの人の言葉を無視してますけど・・・。それは良くないと思いますよ・・・?」
「あの人?あんなのがいるから風紀が乱れるんです!!・・・そろそろチャイムが鳴りますので、これで失礼します」
紗夜は一方的に会話を打ち切り、教室へと戻っていく。
「氷川さん・・・最近おかしいですね・・・。どうしたら・・・」
「白金さん。おはよう」
「あっ・・・。おはようございます・・・」
燐子は1人校門の前で呟くが、その言葉に反応する生徒は誰もおらず周囲からの挨拶だけが響いていた。
その後、燐子は最後の1人になるまで校門に残っていたが―――
「あっ・・・授業が始まっちゃう・・・」
授業開始の予鈴が響く中、急ぎ足で自身の教室に戻っていく。
しかし、その教室の前には人だかりが出来ていた。
「・・・?何かあったのでしょうか・・・?」
彼女が不思議に思っていると、人だかりから学友である彩が燐子へ向かって駆け寄る。
「燐子ちゃん!!ちょっと来て!!紗夜ちゃんが!!」
「氷川さんがどうかしたんですか?」
「いいから早く!!」
燐子は彩に手を引かれて人だかりの中をかき分けて進んでいく。
そして人だかりを抜けた彼女達に飛び込んできたのは―――
「ふざけるのもいい加減にして!!」
紗夜の絶叫と乾いた音。そして弦太朗の頬を叩いた紗夜の姿だった。
事の始まりは数分前に遡る―――
――――――
「おう、千聖に花音。今日は早いな」
「あっ如月くん。おはよう・・・」
「弦太朗。あなたも早いじゃない」
座って会話をする3人の姿を目撃した生徒は戦慄する。
先週まではあそこまで嫌っていた弦太朗に嫌な素振りを全く見せていない。
この休日の間に何があったのかと噂になるが、噂の中心である彼らはそのことを全く気にしている様子はない。
「そういえば、この間言っていた件だけど。花音も参加することになったからよろしくね」
「花音が?」
「うん。折角だからライブ以外で千聖ちゃん達と何かしたいなって思ったから・・・」
「って事は薫も・・・?」
「えぇ、今日辺りにでも日菜ちゃんが聞く予定よ?それに薫も”アレ”のこと知ってるからやりやすいんじゃない?」
「まぁそうだな・・・」
会話の流れを切るかのように千聖の携帯へ通話がかかる。
「・・・日菜ちゃんからだわ?・・・もしもし?」
『もしもし、千聖ちゃん?薫くんもOKだって!!』
「あら、そうなの?」
『うん!!それでね。うちの学校で撮影の許可出しておいたよ!!後はゲンちゃんの入校許可も!!』
「短い時間で良く出来たわね・・・」
『だって、あたし生徒会長だし。それにつぐちゃんもノリノリだったからね!!』
「そういうことね・・・」
「日菜って生徒会長だったのか?」
「うん・・・。いっつもつぐみちゃんが振り回されてるって・・・」
『あれ?ゲンちゃん達も一緒だったんだ!!それと薫くんが麻弥ちゃんと一緒に台本用意するって言ってたよ。』
「分かったわ。任せっきりでごめんなさいね」
『面白そうだし大丈夫だよ。あっゲンちゃん!!今日って放課後予定ある?』
「ん?今日は特に予定はないけどどうしたんだ?」
『さっきリサちーからのライブのチケット貰ったから一緒に行かない?』
「あぁいいぜ。でも”リサちー”って誰だ?」
『うん!!じゃ放課後こっちの学校までよろしくねー!!』
言いたいことだけを言い残して、日菜からの通話は一方的に切られた。
「あいつ電話切るの早いな・・・」
「えぇ・・・。でもいつものことよ?」
「あはは・・・」
「ちょっと!!」
途中からこの会話を聞いてしまっていた生徒―――紗夜が3人の元へと怒りを露にしながら近づき弦太朗の胸倉を掴み上げる。
その光景を見た千聖は普段の彼女から想像も出来ない行動に固まり、クラスにいたものはおろか廊下にいたもの達の視線集まってくるが紗夜にはその視線を一切気にした様子はない。
その状態のまま紗夜は弦太朗へと詰問する。
「あなた!!日菜に何をしたの!!」
「何をってなにもしてねぇぞ?」
「ならなんで日菜とあんな仲よさそうに話してたの!!どうせ日菜を脅して・・・!!」
「ちょっと紗夜ちゃん!?何してるの!?」
そして真っ先に我に戻った千聖は目の前にいる紗夜を止めようとするが―――
「白鷺さんは黙っててください!!私はこのゴミと話しているんです!!」
「「!?」」
普段の紗夜からは出ないであろう言葉に驚きを隠せず、周囲もその光景について小声で様々な憶測を話し始める。
「それに!!なんで白鷺さんもこんなゴミと・・・!!もしかしてあなたも弱みを握られているんですね!!」
「違うわよ!!彼とはただの友達よ?」
「あなたがこんなゴミと友達なんてありえません」
「紗夜ちゃん?あなたちょっと言いすぎじゃないかしら?」
「関係ありません」
「どうせ前の学校でもゴミだったから、うちの学校に押し付けられただけでしょ!!」
「ふえぇ・・・」
「別に日菜も千聖も普通にダチなだけだぞ?千聖には(仮)っていわれたけどな。それに前の学校では"トラッシュ”って言われてた時期もあったけどな」
その話を聞き我慢の限界を迎えた紗夜は―――
「ふざけるのもいい加減にして!!」
絶叫と共に弦太朗の頬を渾身の力で叩く。
風紀委員である紗夜が見た目が不良であるだけの弦太朗を聞こうともせずに、ただ一方的に手を挙げたのだ。
紗夜の行動に教室内が静まり返る中、紗夜の腕がもう1度振り上げられが、紗夜以外の叫びによってその手は止まった。
「氷川さん!!なにをやってるんですか!!」
叫びをあげたのは燐子。
その姿に流石の紗夜も手が止まる。
それと燐子の叫びで手が止まった彼女へと千聖をはじめとしたクラスメイト数名が紗夜と弦太朗は引き離し、紗夜を抑える。
「離してください!!」
「氷川さん。なんであんなことをしたんですか・・・?」
「白金さんには関係ありません!!」
「一体なんの騒ぎですか!!」
状況の収集がつかなくなったタイミングに騒ぎを聞きつけた教師が教室へと駆けつけてくる。
教師は抑えられている紗夜をそのまま教室の外へと連れ去り、弦太朗と千聖達を含めた教室での出来事の聴取が行われたが―――
被害者である弦太朗の擁護も虚しく、複数の目撃証言によって”氷川紗夜の1週間停学”が決定した。
――――――
気がつけば私は家に帰って自身のベッドで寝ており、窓の外を見れば外は暗くなっていた。
そして私は、今日の出来事を思い出し、怒りを覚えた。
何で私がこんな目に会わなければならないのかが分からない。
それにあのゴミには何も処罰がないことが許せない。
私はただ学校の―――いえ、この街の風紀を乱すゴミを片付けようとしていただけなのに。
こうなったらどんな手段を使ってでも・・・。
私は通学カバンから”スイッチ”を取り出す。
そして、それを片手に夜の街へと飛び出していった。
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感想評価は気分次第でお願いします。
紗夜さんはそんなことしないって?
全部スイッチによって精神歪んだせい。
この設定めっちゃすこ