RAS篇はロックが正式加入まで、MV撮影はまぁ裏でやってるよ・・・
そうしないと紗夜さん放置プレイがとんでもないことになってまう・・・
皆さんは食べ物を投げるのはやめましょう。
これが出来るのは彼女の愛と技術のなせる業です。
RASのライブが終わった翌日。
ロックは香澄の妹である明日香と共に追っ手を振り切るべく学校内を走り出していた。
「あたし!!もうダメかも!!」
「明日香ちゃん!?運動部じゃ!?」
「あたし水泳部だから!!走るの向いてない!!」
明日香の言葉を聞いたロックは後ろを振り返る。
そこに迫っていたのは・・・。
「ハァハァハァハァ!!」
チュチュの犬・パレオがロックを捕まえるべく迫りくる。
飼い主はその遥か後方を必死の形相で追いかけている。
その姿に恐怖したロックはすぐさま前を向き彼女の持てる全力で走る。
逃げてる途中にロック達に向けて、同じ学校の日菜の注意や巴達のヤジが飛ぶが彼女はその言葉も聞かずに走り続け、学校を飛び出して街を駆け抜けて商店街へと逃げ込むと予想外の人物と出会いその友人の店に身を潜める。
そしてその少し後、パレオと共にチュチュが商店街へと辿り着いた。
「どこへ行ったんでしょうか・・」
「はぁ・・・はぁ・・・」
周囲を見渡すパレオと地面に見つめ息を整えるチュチュ。
そしてチュチュが顔を上げると目に入ったのは”北沢精肉店”の看板とハロハピのベースであるはぐみが店番をしている光景。
その光景を見たチュチュは肉屋の中へと足を運ぶ。
「いらっしゃーい」
「ねぇ。こっちに眼鏡Girl来なかった?」
「眼鏡Girl?」
「朝日六花様のことです」
「ろっかは・・・」
彼女たちの探しているロックははぐみの足元に隠れており、咄嗟の事にはぐみは言葉を詰まらせる。
しかし、とある人物が店へと訪れたことで彼女が口を滑らせることは無かった。
「はぐみ!!コロッケ6つ!!ってお前らは昨日の・・・」
「あっ、ゲンちゃん先輩いらっしゃーい!!」
「あなたは・・・!!!」
「ライブでロッカアサヒと一緒にいたBadBoyじゃない!!」
突然現れた弦太朗に驚くチュチュとパレオ。
はぐみは2人からの質問よりも弦太朗の注文への対応を優先する。
「パレオに対して責任取りに来たんですね!!」
「パレオ!?そんなことないわよ!!ところでBadBoy!!こんなところで何やってるのよ!!」
「バッドボーイって俺の事か・・・?何ってコロッケ買いに来たんだけど、お前たちは違うのか?」
「違うわよ!!ここのコロッケなんて食べたことないわよ!!」
「コロッケ”なんて”・・・?むぅ!!」
「じゃあ何してんだ??」
「ロッカアサヒを探してたのよ!!」
「ロックを?」
「ゲンちゃん先輩!!コロッケだよ!!」
「おう!!サンキュー!!」
はぐみは弦太朗に注文通りコロッケを渡す。しかし、その顔は怒っていた。
原因は先ほどのチュチュの言葉。
コロッケなんてと言われたことにはぐみは彼女らしくない怒りの表情を浮かべていた。
「それと2人とも?」
「はい?なんでし・・・ムグゥ!!」
「なによ?・・・ムゥ!!」
はぐみはチュチュ達2人へ呼びかけると彼女たちははぐみへと向きなおす。
その瞬間はぐみの手元がブレると同時にはぐみの手元から茶色いものがチュチュ達の口へと投げ込まれる。
弦太朗は目の前のはぐみの手元を見るとそこには銀色に輝くトング、チュチュ達の口元へ視線を移すとそこには弦太朗が買ったものと同じコロッケが彼女たちの口へと収まっていた。
チュチュは口に収まったコロッケをそのまま呑み込むと怒りの声を挙げる。
「・・・なにしてくれてるのよ!!」
「・・・何って?うちのコロッケだよ?」
「コロッケ?なんでそんなものを投げるのよ!!」
「それでうちのコロッケはどう・・・?」
「What's?」
突然のはぐみの言葉に理解が出来ないが、パレオは口に入ったコロッケを咀嚼すると声を挙げる。
「チュチュ様!!これ美味しいですよ!!」
「それならもう1つ食べる?」
「はい!!出来れば持ち帰り用で3つお願いします!!」
「はーい!!」
はぐみのコロッケを食べたパレオはその味を感激したのかそのまま追加と持ち帰り用でコロッケを注文する。
その光景にはぐみはにこやかな表情を向けて、注文へと対応するとはぐみの顔はチュチュへと向けられるがその表情はパレオに向けられた表情とは異なるものだった。
「それで?うちのコロッケの味はどうだったの?」
「いきなり口に入ったから味わう余裕なんてなかったわよ!!」
「そっか~」
「なによ?・・・ムゥ!!」
チュチュの言葉を遮るようにはぐみは再びコロッケをチュチュの口内へと正確に投げる。
そして今度はゆっくりとコロッケを味わってから咀嚼する。
「悪くないわね・・・」
「えへへーそうでしょー!!」
チュチュの言葉を聞いたはぐみはチュチュにも笑顔を向ける。
その光景を見ていた弦太朗はコロッケからロックについてへと話を戻す。
「なぁ・・・。お前らがロックを探してたのってスカウトの事か?」
「YES!!」
「でも何でそこまでロックに拘るんだ?」
「文化祭での映像見て最初の音でRASに必要だって分かったの!!あの子のギター力は本物よ!!」
「はぐみ知ってるか?」
「うん!!ろっかのギター凄かったよ!!」
「やっと見つけたのに・・・」
呟きと共にチュチュの視線が下を向く。
その姿を酷く気落ちしており、見かねたパレオがチュチュの腕を引いて店を後にする。
彼女たちが去って立ち上がろうとするロックだが、弦太朗の言葉を聞いたそのままロックはその場に身を潜め続けていた。
「ロックを入れるためにあそこまでやってるのはスゲーな」
「あー。ハロハピも最初はこころんとかのちゃん先輩がメンバー探しからだったし・・・」
「あそこまで真っすぐな奴らなんだ悪い奴じゃねと思うぜ。・・・って俺もそろそろ行かねぇとな」
「ゲンちゃん先輩バイバーイ!!」
「おぅ!!」
そうして弦太朗も店から去っていく。
弦太朗の言葉を聞いたロックは少し考えた後、バイトに向かうために家への帰路へと着くのだった。
――――――――――
チュチュのスタジオでギターを待ってたけど、あいつらが捕まえられなかったと聞いたから私はチュチュのスタジオからバイクを転がして実家へと戻ってきた。
店の裏にバイクを止めるとヘルメットを外して実家の横のライブハウスに足を運ぼうとすると、
見たこともねぇバイクがやって来るとあたしのバイクの横に止まった。
そのバイクに乗ってるのは男、それもあたしと同じデザインのスカジャンを着た男だ。
ヘルメットを外すとそこにいたのは、昨日ライブを見に来てた男。
「お前、昨日のライブの奴か・・・」
「てめぇは・・・」
「如月弦太朗だ!!お前は?」
「佐藤ますき。RASではマスキングって名前でドラムやってる。お前は何しに来たんだ?」
「あぁ、このライブハウスでバイトしてるロックに届けもんがあってな」
昨日のハナ達の件もあったから、あたしの警戒心むき出しでそいつを睨むけど相手は全く気にしてる様子もねぇ・・・。
そうするとこいつの視線はあたしの愛車"デス・ギャラクシー号"へと移る。
「なぁ、これ。ますきのバイクか・・・?」
「そうだけど、わりぃか?」
あたしもあいつ―――弦太朗の乗ってきたバイクを見る。
ボディもシートも白い車体。
車体に描かれている黒いペイントとボディの白のせいでスペースシャトルを思わせるような見た目で、飾りである後ろのスラスターの内側にしっかりと焼けたような黒い跡も残ってる。
それにしても改造元の車体が全く分からねぇのが気になる・・・。
乗ってみてぇ―――。
そう思ってたら弦太朗の方が先に声を挙げた。
「お前のバイク!!さいっこうだな!!ヴィンテージものをここまでカスタムするなんてな!!」
「・・・分かるのか?」
「じぃちゃんがバイク屋だからな!!名前もカッコいいし!!特にこの炎のペイント!!これが堪んねぇ!!」
こいつ・・・。
めっちゃ話の分かる奴じゃねーか!!
レイ達が見たときは微妙な顔されたけど、やっぱこのペイントかっけーよな!!
「だろ!?話わかんじゃねーか!!」
「おう!!」
「それにしてもお前のバイクもなかなかじゃねーか!!カスタム元が分かんなくなるなんてスゲーな!!今度乗らせてくれよ!!なんて名前なんだ?」
「おう!!こいつは"マシンマッシグラ―”だ!!今度乗らせてやるぜ!!」
「そう言えば弦太朗はうちのライブハウスに用があったんだったな・・・。行こーぜ!!」
「うちのって?」
「あぁ!!目的地のライブハウスは親父がやってんだよ。その横の八百屋が実家でな」
「そういう事か・・・」
あたしは弦太朗を連れてライブハウスへの階段を下りる。
扉の前に立つと中からはギターの音が漏れる。
「なんだ?」
「・・・誰かやってんのか?」
「今日は予定なんてなかったはずだけどな・・・」
「行けば分かるだろ。行こうぜますき」
「だな!!」
あたしはそのまま扉を開ける。
そこにあったのは誰も観客のいないステージの上でギターを弾いていた。
確かロックって言ったっけ・・・。
しかも弾いてるのはRASの”R・I・O・T”―――。
あいつは1回のライブ見ただけで完璧に耳コピしてやがる・・・!!
その演奏にあたしは言葉を失って見入っていた。
「ロックの奴・・・スゲェ・・・」
横で弦太朗が呟くけど、本当にその通りだ・・・。
そしてロックの演奏が終わる。
「あいつ・・・」
あいつのギターでライブがしてぇ!!
そう思ったあたしはロックへと歩み寄っていた。
「あっ!!ますきさん!!練習ですか?」
ロックは汗を拭おうとするがその腕をあたしは掴み取る。
「んんっ!?」
「来いよ!!どうせなら弦太朗も見に来いよ!!」
その言葉と共にあたしはロックの腕を引いてライブハウスを飛び出す。
訳わかんねぇこと言ってるロックを店の裏に止めたバイクに乗せる。
「おい!!ロック!!これ着とけ!!」
後ろを付いてきていた弦太朗はそう言って自分のスカジャンをロックに着せると自分もバイクへと跨る。
あたし達のバイク夜の街にエンジン音を響かせ、目的地であるチュチュのスタジオへと走り出していた。
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