ということで投稿です(2021年に予約投稿設定)
「おい、マジで紗夜はポテトで釣られるのか・・・」
「まぁ、紗夜だからね~。・・・でも、ドアが開いたようには見えなかったけど・・・」
「リサ姉!!捕まったのは紗夜さんじゃないよ!!」
ネットの元へと歩く2人よりも先に駆け出したあこの声が響く。
「えぇ!?じゃあ誰が・・・」
「紗夜以外にも釣れるのか・・・」
2人はあこに追いついてネットの中を確認するとそこにいたのは―――
「ヒナ!?何やってるの!?」
「妹もポテトで釣れるのかよ・・・」
そこにいたのは仕事でここにはいないはずの日菜。
彼女は床に置いてあったポテトに飛び掛かったのをフォーゼのネットによって捕縛されてしまった。
いるはずがない彼女が現れたことに疑問を覚えたあこがその理由を日菜へと質問する。
「ひなちん!!まやさんとお仕事だったんじゃないの?」
「それなんだけど、アタシの収録はすぐ終わったから麻弥ちゃんおいて帰ってきたの」
「仕事してきたんだったらいいけど・・・」
「ゲンちゃん。ここから出してよぉ~!!」
「すまねぇ・・・。すぐ出してやるからな」
フォーゼはそのままネットのスイッチを切ると網の中から日菜が現れる。
彼女はポテトを片手に掴んでそれをおもむろに口に運ぶと途端に目の色を輝かせる。
「りさちー!!このポテト!!おいしーよ!!」
「まぁ、アタシの自信作だからねぇ~。ちゃんとヒナの分も作ってあるから」
「リサ姉!!あこも食べたい!!」
「じゃあ、キッチンに取りに行くねー。後、ヒナの持ってるのは紗夜の分だからねー」
「はーい。あこちゃん!!一緒に食べよー!!」
「うんっ!!」
「じゃあ、アタシは燐子たち呼んでくるから待ってて」
日菜は手に持っていたポテトを紗夜の部屋の前に置くとあこと2人でリビングへと消え、リサも燐子たちの様子を見に日菜の部屋へと入っていくのを確認するとフォーゼも変身を解除して日菜達の後を追
った。
「それで、おねーちゃんはどうだった?」
「紗夜さん、まだ出てこないよ~」
「やったのは、紗夜の部屋に向けて大きな音を流したのとポテト置いただけだけどね~」
「次は紗夜を出して見せるわ・・・」
「もう!!友希那はちゃんと反省して!!」
「でも、紗夜の事をどうするんだ?本当にドアをぶち破るか?」
「それは最終手段ってことで、燐子は何かいい案がある?」
ここでリサは紗夜の事をどうするかを今までに案を出していない燐子へと意見を求める。
「私・・・ですか・・・?」
「友希那はまた歌うだけだと思うからね~。それにあこの話は聞いたから次は燐子じゃない?それにヒナはワタシに紗夜の事話す前に何かしらやってるでしょ?」
「リサちーに話す前に色々やってみたけどダメだったよ・・・」
「リサ。次はさっきとは違うわ・・・」
「それ曲違うだけだよね?」
「・・・・・・違うわよ」
「その間は図星だよね~」
「・・・・・・」
リサの指摘によって友希那は言葉を失い、そのまま案が出ないままリビング内が静寂に包まれる中であこが何気ない言葉で沈黙を破る。
「そういえばなんで紗夜さんは部屋から出てこないんだろう?」
「あこちゃん・・・?」
「あこ。急にどうしたの?」
「だって!!あこ!!紗夜さんが部屋から出ない理由を聞いてないんだもん!!」
「大体検討は付くけど一応まとめてみよっか」
「わかりました・・・」
リサの言葉を聞いた燐子は自身のカバンからノートを取り出して広げてペンを手に取る。
「考えられるのはスイッチでしょうか・・・」
「そうでしょうね。日菜を自分の手で怪我をさせたのだから・・・」
「それに日菜さん以外の人も・・・」
「それは頭の中がおかしくなっちゃったからやったことで・・・紗夜さんは悪くないよ!!」
「でも、紗夜だから気にしてると思う・・・」
「それにおねーちゃんが罪悪感を感じて、警察とかに言っても相手にされないんじゃないかな?」
「まぁ、『スイッチ使って怪物になった自分が人を怪我させました』って言っても信じらんねぇだろうな・・・」
その言葉に全員が声が止まる。
この街には怪物になった人を裁く法は無い―――
そのため多くの人を傷つけてしまった紗夜の罪を誰かが裁いて罰を与えられることはなく、その事が紗夜の事を大きく苦しめていた。
しかし、その事をここにいる自分たちではどうすることをも出来ない。
そう考えたリサは出来る限り明るく振舞い、弦太朗に別の話を振ることにした。
「弦太朗、前の学校でスイッチ使った人が紗夜みたいに学校に来なくなる事ってなかった?」
「天校の時にもスイッチを使ったやつが学校に来なくなったことがあったな。学校行ってもスイッチを探しちまうって言ってな・・・」
「ゲンちゃん!!その時はどうしたの!!」
「その時はライダー部とそいつの恋人と一緒に家に行って説得しに行って、その後は自分で立ち直って学校に来るようになったぜ」
「恋人かぁ~。青春だねー・・・☆」
「でも紗夜さんに恋人なんていないよね?」
「ならゲンちゃんがおねーちゃんの恋人になってよ!!」
「ダメだよ!!」
「リサ?どうしたんだよ?」
日菜の言葉に目の色を変えたリサが声を挙げて反対する。
その様子に弦太朗達は驚くがリサはその様子を気にする様子もなく自身の恋愛観を語り始める。
「あのね!!お店でポテトを注文するみたいな感じで、恋人になるなんてダメだよ!!
それに恋愛って言うのは・・・もっとこう・・・。そう!!お互いの事を良く知って時間をかけてするものだよ!!」
「リサ?何を言ってるの?」
「今井さん。この前恋愛小説を読んでましたから・・・」
「とにかく!!そんな軽い気持ちで恋人になるなんてダメ!!」
「でもリサ姉?それ以外に何かいい考えある?」
「それは・・・」
自身の恋愛観を語ったリサはあこの言葉にいい案が出せない。
でも、この場で自分が対抗案を出さなかったら紗夜と弦太朗が恋人同士・・・。
そんなことになろうものなら止められなかった自分の身が危ないことを察してしまっていたリサは必死に案を考える。
「あの・・・。1つ良いでしょうか・・・」
「燐子?何かいい案が浮かんだのね」
「いえ・・・そうではないんですけど。氷川さんがどうしてあんなものを手に入れたんでしょうか?
それに使った理由も分からないですし・・・」
「そうだよ!!どうやって手に入れたかは分かんないけど!!使う理由が無くなれば・・・!!」
「紗夜さんが閉じこもる理由もなくなるってことだね!!」
「・・・それで何か心当たりはあるかしら?」
「それは紗夜と同じ学校の燐子と弦太朗の方が詳しいんじゃないかな?」
「俺は特に分かんねぇな。学校来た頃から紗夜の奴、ツンツンしてたしな・・・」
弦太朗が即答するが、燐子は考え込む。
紗夜の様子が変わってから今に至るまで、彼女が何を思っていたのか・・・。
そして皆の視線が集まる燐子はとある言葉を呟く。
「”風紀”・・・」
「燐子ちゃん?どういうこと?」
その呟きの意味が分かっていない一同を代表するかのように日菜が最初に声を挙げ、燐子が応える。
「氷川さん。如月さんが来る少し前くらいからだんだんと厳しくなったような気がして・・・」
「如月が来る前から?それっておかしくないかしら?」
「そうだよりんりん。げんたろうが来た時じゃなくて来る前からなのって変じゃない?」
「うん・・・。最初は1月くらい前に如月さんが学校に来た時から凄く校則に厳しくなったんだけど。その前からも少しずつ厳しくなっていったような気がして・・・」
「確かに紗夜が練習中のリサの服装とかあこの言葉とかに注意始めたのもその辺りじゃないかしら?」
燐子の説明にRoseliaでの活動中の紗夜の言葉を思い出す友希那。
それを聞いたリサは1つの結論を思いつく。
「つまり、弦太朗が来る前から様子がおかしくなり始めてて、弦太朗がヒナと電話した時に爆発したってこと?」
「そうだと思います・・・。如月さんが学校に来た日に化け物騒ぎが学校で起こって、その時の様子がおかしかった。と市ヶ谷さん達から聞いてますから・・・」
ここまでの話で紗夜の事が分かり始めた一同。
そして1つの妙案がリサの脳内に浮かび上がる。
「ねぇ、アタシにいい考えがあるんだけど・・・」
そして、リサはこの場で自身の案を皆に伝えて、1名が複雑そうな顔を示すが皆の説得によって納得してリサの案を決行することになった。
「・・・ってことで、悪いんだけどヒナ。今日は・・・」
「今、麻弥ちゃんに連絡したらお泊りしても大丈夫だって!!」
「それで明日は日菜以外で紗夜を迎えに行けばいいんだな」
「うん!!って事でみんなよろしくね~!!迎えに来ても出てこなかったら。弦太朗がドアを壊して学校まで引き摺って行くってことで」
「上手くいくでしょうか・・・」
「分かんないけど。紗夜さんがポテトで釣れないんだから強引にでも連れ出さないと・・・」
「そうね。早く練習に復帰してもらわないと困るもの・・・」
「それじゃあ、帰るよ~」
こうして紗夜だけを家に残して、一同は氷川家から去っていく。
そして翌日。
この作戦が大騒動を起こすことを彼女たちはまだ知らない。
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