サブタイトルが一番の鬼門って世間で一番言われてるから・・・
Roselia2章終わったら小ネタ篇です。
巴からの連絡を受けた弦太朗はあこと共に現場へと駆けつけていた。
2人が見た光景は、意識を失っているリサと紗夜の2人が並んで横たわっている。
「リサ姉!!紗夜さん!!しっかりして!!」
「おい!!しっかりしろ!!すぐに・・・!!」
「如月くん待って!!」
「つぐちん!!何で!?」
「えぇっとね・・・」
2人を心配して慌てるあこと、制服を赤く染めているリサを見た弦太朗はドライバーを取り出すが、それをつぐみが静止させたつぐみは複雑な表情を浮かべながら言葉を詰まらせている。
その様子を見かねて蘭が状況を説明する。
「紗夜さんはこの場に倒れてたんだけど、リサさんはあそこに倒れてたのをモカと2人で引っ張り出したんだよ・・・」
弦太朗の言葉に蘭が指差しながら説明するが、指の先には強い匂いを放つゴミ捨て場。
ゴミ捨て場の様子からリサは何者かに投げ飛ばされてあそこに落ちたことを理解するがつぐみが変身を止める理由が分からない弦太朗。
その様子から弦太朗は最悪の結末が頭を過る。
「おい・・・もしかして・・・!!」
「嘘でしょ・・・?リサ姉!!死んじゃヤダよ!!」
「あこ!!如月も待てよ」
弦太朗の考えがあこにも分かって取り乱し始める2人に言葉を詰まらせる蘭達を差し置いてモカはゴミ捨て場へと近寄って物を漁り始める。
「モカちん!?こんな時に何してるの!?」
「リサさんのはこれが原因だよ~」
あこの言葉を他所にモカがゴミ捨て場から引っ張り出したのは”トマトジュース”。
「はっ?」
「どういうこと?」
「だから、リサさんの服はこれが原因で大きなケガは無いんだよ~。」
「んっ・・・。いったぁ・・・」
「リサ姉!!」
モカの説明に呆気にとられる弦太朗達を他所に地面に転がっていたリサは身体の痛みで意識を取り戻して身体を起こす。
その姿を見たあこは喜びの余りリサへと飛びつくが―――
「いったあああああああ!!あこ痛いから!!」
「リサ姉~!!良かった~!!生きてるよ~!!」
「分かったからとにかく離れて~!!」
「リサさん・・・。ここで何があったんですか・・・?」
しかし、飛びつかれたリサからは痛みによる悲鳴が返ってくる。
その様子を見かねた巴によってあこはリサから引き剥がされ、彼女によって話はここで起こった出来事についてへと変わる。
巴の言葉を聞いて、リサは痛みに耐えながら投げ飛ばされたゴミ捨て場の上の壁を指で指し示す。
その際にリサは痛み以外の違和感・・・何とも言えない匂いを感じるが、あえて気にしないことにして説明を始める。
「路地裏から紗夜の声が聞こえたからさ~。中に入って行ったら紗夜ともう1人いてさ」
「もう1人・・・?あたし達はリサさん達以外は見てないけど・・・」
「もしかしてリサさん・・・。もう1人って・・・」
「多分、巴の想像通りだけどスイッチ使ってでっかい虫?に変身したんだよね。それで私は投げ飛ばされて・・・。あそこの壁に叩きつけられて・・・。」
「あぁ~だからリサさんはゴミ捨て場に気絶してたんですね~」
「ゴミ捨て場・・・?だからなんか臭うような気が・・・」
リサの説明を聞いたモカがリサがゴミ捨て場にいたことに納得したように声を挙げ、その言葉を聞いたリサの視線を徐々に自身の身体へと向けて、そこで説明が止まる。
「うそ・・・!!制服また汚れてる・・・!!クリーニングで汚れ落としたばっかなのにー!!」
「まぁまぁ~。大怪我しなかったから良かったってことで・・・」
「モカちゃんの言う通りですよ!!」
「良くないから~!!」
「とりあえず、病院行きましょ~。モカちゃんも着いて行くんで~」
自身の制服の汚れを見たリサの叫びとモカたちの言葉に緊張が和らぐ中、リサは意識を失う直前に聞いた内容を思い出す。
「そう言えば、気を失う前に紗夜と虫が話してたんだけど・・・。明日の夕方に隣町で会うって・・・」
「リサ姉!?ホント!?どこで会うの!!」
「・・・ごめん。最後まで覚えてなくて・・・」
あこの問いに対してリサは答えることが出来ない。
彼女は紗夜たちの会話の途中で意識を失ってしまったため、最後まで正確に記憶することができなかったのだ。
「明日何かあるって分かっただけでもいいじゃねぇか」
「まぁ・・・そうだけどさ・・・」
「でもさ・・・紗夜に聞けばいいよね?」
「紗夜さんが話してくれると思いますかね・・・?」
紗夜がこの事を話してくれると自信をもって言葉に出来ない彼女たちはこの言葉を最後に沈黙する。
「リサ・・・紗夜・・・」
「友希那さん!!りんりん!!ひーちゃんも!!」
遅れてやってきた友希那達3人に向けて駆け寄るが、彼女たちは途中で足を止めると顔を少し歪ませてゆっくりとリサ達から距離を取る。
「あれ?友希那さん?りんりん?」
「ちょっと3人とも?どうしたの~?」
「あこちゃん・・・。今井さん・・・。その・・・。えぇっと・・・」
「そのですね・・・。何と言いますか・・・」
燐子とひまりはは2人に掛ける言葉が見つからない。
距離を取られる理由が分からない2人は疑問に思う中、友希那はハッキリとリサたちへと言い放つ。
「2人ともなんだか臭うわよ・・・。それに美竹さんも・・・」
友希那の言葉に空気が凍り、微妙な空気になりながらも友希那達は紗夜とリサを病院へと送り届けてこの日は解散する。
ショックを受けた3人は友希那の発言の後の記憶はすっぽりと抜け落ちていた―――
「ここは・・・?」
日もすっかり落ちた夜中、紗夜は柔らかい感覚に包まれて意識を取り戻す。
彼女の視界に広がるのは見慣れない天井。
彼女の鼻を消毒液特有の匂いが刺激し、着ている服も制服から病院服へと変わっていた。
今井さんを見て気を失った後、病院に運ばれたのだろう―――
自身の状況を理解した彼女はゆっくりと身体を起こすと、向かい側のベッドにいる少女と目があってしまう。
「そんな・・・今井さん・・・」
「紗夜?なんて反応してるの?」
その視線の先にいたのはリサ。
その姿は紗夜を同じく病院服を着ており、彼女と違うのは頭を始め、数か所に包帯が巻かれていることだった。
紗夜が最後に見たのは路地裏で血に塗れて倒れていたと思っていた紗夜は目の前で身体を起こして話していることに驚きを隠せない。
「だって・・・あそこで倒れて・・・。血が・・・」
「あぁ~。まぁ運がよくってね~」
「そうですか・・・」
リサの言葉を聞いた紗夜はそこで話を止めて、リサから視線を外す。
目の前にいる彼女は何とも無さそうな顔をしているが、確実に軽くない怪我を負ってその原因が自分にあると思っている紗夜はこれ以上リサを見ることは出来なかった。
「紗夜?もしかしてだけど・・・」
「なんですか?」
「アタシの怪我を自分のせいだと考えてる?」
「えぇ・・・」
「言っておくけどそれは違うからね?これはアタシの責任だから気にしないで」
「えっ・・・?」
リサからの言葉に紗夜は疑問を隠せず、リサへを視線を向けてしまう。
紗夜は彼女からの責められることを覚悟していた。しかし、それに反して返ってきたのは自身の事を気遣う言葉。
「アタシが勝手に飛び出したから怪我したんだよ。紗夜のせいじゃないよ」
「ですが・・・」
「仮に誰かのせいだとしても紗夜のせいじゃないよ」
「・・・今井さん。1つ良いですか?」
「どうしたの紗夜?」
紗夜はリサの言葉を聞いて何かを考えると突然リサに質問を投げかける。
「どうしてあなたはそんなに強くいられるんですか?」
「強い?よく分かんないけど。アタシは弦太朗や巴達みたいに闘ったりできないし、そういう事なら紗夜の方が強いよ。
でもね・・・。今の紗夜はあこや燐子にも勝てないよ。どうしてだと思う?」
「・・・分かりません」
紗夜はリサの言葉の意味が分からなかった。
リサは自分たちの中で強いのは紗夜の方だと言っている。それなのにも関わらず、リサは自分ではあこや燐子にも”勝てない”と言っている。
その言葉の意味を理解することが出来なかった。
「紗夜はね・・・。心に余裕がないんだよ」
「余裕・・・ですか?」
「うん。張り詰めた糸がすぐ切れるみたいに、紗夜の心もそうなんだよ」
「ですが、湊さんはそんなことはないじゃないですか」
「友希那は音楽以外がダルンダルンだからそれで釣り合いが取れてるんだよ。そうだ。紗夜、ちょっとこっち来てくれる?」
「えぇ・・・」
不安になりながらも紗夜の元へと近づいていくと、リサは1枚の封筒を紗夜へと手渡す。
「これは・・・手紙ですか?」
「うん。友希那からのね・・・」
「っ!!」
「無理に今開けなくていいよ。」
「なら、いつ開ければいいんですか・・・?」
「そうだなぁ~。今の紗夜に足りないものが1つ埋まった時・・・かな?」
「足りないもの?」
「うん。今の紗夜に足りないのは”自分と向き合う勇気”と”心に余裕を持たせられる遊び心”かな?」
「どういうことですか・・・?」
「それは自分で考えないと・・・。じゃあアタシはそろそろ寝るね~。おやすみ~」
「ちょっと・・・!!」
リサは言いたいことだけを言うと布団を頭まで被って紗夜の言葉を遮る。
紗夜はその言葉の意味を考えながら自身が入っていたベッドへと戻っていく。
「・・・後は頑張ってね。紗夜・・・」
布団の中ではリサが遅れて襲って来た痛みに耐えながら眠りに付く。
そして翌朝、病院内に紗夜の姿はどこにも見えなくなっていた―――
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そろそろ真剣に次章バンド考えないと・・・
連絡
小ネタ:氷川紗夜の日常シリーズは次の小ネタ篇で最終回になります。(本格的に存在知ることになるからね。)