今回は本編の裏で会ったお話を―――
本・編・裏・側-1 舞台の裏で狂って踊る―――
~~~小ネタ12:青薔薇お泊り会-ポテト抜き豚骨醤油に大号令を添えて―――
無人の白金家にやってきた一同。
家主が鍵を開けてドアを開く。
「皆さん。上がってください・・・」
「リビングで待ってるよりんりん!!」
「おじゃましまーす☆」
「おじゃまするわね・・・」
「お邪魔します!!・・・すっごーい!!」
「おい!!ひまり!!あこ!!・・・燐子さん、すいません」
「ふふっ。いいんですよ。あこちゃんの明るさのお陰でみなさんが明るくなっているんですから」
「そういって貰えると助かります・・・」
無邪気にはしゃぐ妹と幼馴染の行動を謝る巴だが、家主は2人を見ながら笑いながら許していた。
燐子と巴が2人でリビングへと向かうと一同はリラックスムードを漂わせていた。
「あっ!!どうしよう!!弦太朗くんの上着持ってきちゃった!!」
「それは明日如月さんに返しておきます・・・。
学校で会いますから・・・。それで皆さん。お風呂と食事どうしますか・・・?」
「そうね・・・。夜も遅いし食事は軽くでいいから欲しいわね・・・」
「あこもー!!」
「私もー!!」
「すいません。アタシもご飯食べずに来たんで・・・」
「う~ん。そうだね~。アタシも欲しいな~☆」
「でしたら、皆さんは順番にお風呂に入ってきてください。その間に準備しますから・・・」
「そう。悪いわね・・・」
「そうだ!!燐子。キッチン使わせて~。みんなはお風呂行ってきなよ。その間にアタシが何か作っておくから!!アタシは病院でシャワー借りたから後でいいからさ~」
「リサ姉の手料理!?やったー!!」
食事の準備の間に風呂。
しかしここで問題が発生した。
「誰から入りますか?」
「・・・あこからでいいわ」
「そうで・・」
「いえ!!あこは私と一緒に入りますから湊さんからどうぞ!!」
風呂の順番。
後輩を優先させて先輩らしく振舞おうとする友希那。
先輩を立てるためにあこを止めて友希那から入れさせようとする巴。
それ食事の準備を進めようとするリサは呆れながらもそれを見守るが、雲行きが怪しくなってくる。
「あこから入りなさい・・・」
「友希那さんから!!」
「湊さんから・・・」
譲り合いの結果、誰も風呂に入ろうとしない。
そんな様子にしびれを切らしたリサが吠えた。
「いい加減にしなさい!!お風呂の順番は出席番号順!!その後に燐子とアタシ!!決定!!」
「「「「はい!!」」」」
「はい!!ひまりからお風呂入りなさい!!」
「ひーちゃん!!お風呂こっちだよ!!」
リサの言葉に反射で反応してしまった4人。
出席番号順でひまりからあこの案内でお風呂へと入っていく。
あこが戻って少し経った頃、リサはあることを思い出して声を挙げる。
「あっ。そうだ。燐子。後で裁縫道具貸してくれる?弦太朗の上着の袖なんだけど。ボタン取れそうで・・・」
「それなら私がやっておきますから・・・」
「ボタン着け直したらアタシがお風呂入るときに洗っておくからー。よろしくねー」
そう言い残して燐子はどこからか裁縫道具を取り出すと同時に上着のボタンを付け直す。
目にもとまらぬ早業にリサ以外全員の視線が燐子へと集まる。
「りんりん!!すっごーい!!しゅばば~って!!」
「流石、燐子ね」
「えぇ~・・・」
「あこちゃん。お風呂入るときに持って行ってくれる?」
「うん!!」
「お風呂あがりましたー。ってあれ?巴どうかしたの?」
「ひまり・・・」
「おねーちゃん一緒にお風呂入ろ!!りんりんのお風呂すっごいおっきいから!!」
このタイミングで風呂から上がったひまりがリビングに戻ってくるが巴が困惑している様子を疑問に思うがあこが巴の言葉を遮り、一緒に風呂に入ることをと提案する。
「おう・・・」
「あれ?あこちゃん。どうして弦太朗くんの上着持ってるの?」
「えぇっとね!!リサ姉がお風呂入るときに洗うから持って行ってって!!」
「そうなんだ~。流石リサさん」
「じゃあ行こ!!お姉ちゃん!!」
「そうだな・・・」
そう言うと宇田川姉妹はそのまま2人でそのまま風呂場へと向かった。
――弦太朗の上着:宇田川姉妹の場合
「風呂広いな。じゃあ、湊さんも待ってるしすぐ入るか・・・。ってあこは何してんだ?」
「うーん。カッコいいと思ったから着てみたの!!でも、袖がぶかぶかだよ~」
巴の視線の先には弦太朗の上着を着たあこ。
袖が長すぎるため腕が通らず、余った袖をぶらぶらと揺らしながら巴に答える。
その上着は血で汚れているが、あこは気にしている様子はない。
「服汚れるぞ?」
「大丈夫だよ!!もう脱いであるから!!でもこれ、おねーちゃんなら似合いそう!!着てみてよ!!」
そういうとあこは上着を脱いでそのまま巴へと突き出す。
「うーん。でも流石に汚れてるからなまた今度な」
「そっか~。でも蘭ちゃんとかも似合いそう!!」
汚れが気になる巴はなんとかやり過ごそうとするが、あこの言葉にあることを思いつく。
「この前、つぐがスケバンでライブしたから今度みんなで合わせてライブするか!!」
「面白そう!!」
「なら、その時まで楽しみにしてくれ。早く入るぞ」
「うん!!」
こうして姉妹は2人で仲良くお風呂へと消えていった。
結論:あこはおふざけで着る。巴は次のライブの衣装にしようと思いつく。
――湊友希那の場合
「すぐにお風呂入ってご飯食べましょう」
友希那は上着などに目もくれずそのまま風呂へと向かい、最低限身体と髪の手入れを終えるとすぐさまリビングへと戻っていた。
彼女にとって上着などは眼中にない。
彼女の意識は風呂上がりのリサの食事それだけである。
結論:上着よりもリサのご飯!!
――弦太朗の上着:白金燐子の場合
「まさかあんなことになるなんて・・・」
燐子は今日の体験を思い出していた。
男子と手を繋ぎ、抱きかかえられて、空を飛んで、怪物との戦いを目撃した。
その事を思い出しながら服をすべて脱いだ燐子の視線の先にあったのは弦太朗の上着。
彼女は今後の衣装の参考にするべくその上着に腕を伸ばして観察する。
「意外と小さいんですね・・・」
彼女は何を思ったのか上着に袖を通す。
あこほどではないが袖が余り、前のボタンは彼女のサイズによって閉めることは叶わない。
「でも、これは良く考えたら私たちのイメージとは違いますね・・・」
冷静さを取り戻した燐子は上着を脱いで、改めて上着を持ち上げて観察する。
「こういう生地なんですね・・・。裏地もしっかりしてる・・・」
彼女は上着の構造を入念に確認するが、その時彼女の腕から上着が滑り落ちて顔に被さってしまった。
「・・・!!!?!!」
瞬間、彼女の身体に電流が走る。
今まで嗅いだことのない漢の匂いが彼女が鼻腔に襲う。
「お父さんとは違う男の人の匂い・・・。この匂い結構好きかも・・・」
匂いを嗅ぐと身体の奥から熱くなり、燐子はそれを堪能するために上着に鼻を押し付けて大きく深呼吸をして匂いを堪能する。
「これ・・・いい・・・」
そして燐子が匂いと堪能していると突如としてドアが開く。
「燐子~ご飯出来たけ・・・ど・・・」
ドアを開けたのは食事の準備を終えたリサ。
そんな彼女が見たのは全裸で男子の上着の匂いを嗅いでいるバンド仲間の姿。
気まずい空気が2人の間に流れる。
「あはは・・・。ごめんね~。ごゆっくり~」
「っ!?!?!?!?」
リサは震える声を上げながらドアを閉める。
そして燐子は顔を真っ赤にして湯舟に飛び込みその直後にのぼせてしまい後から様子を見に来たリサに救出された。
結論:開けてはいけない扉を開けてしまった。
――弦太朗の上着:今井リサの場合
「よーし。ご飯を食べたし、後は上着の血だけは落としておかないとね~」
リサは風呂に入る前に弦太朗の上着を掴むと先ほどの燐子の行動を思いだす。
「燐子はさっきあんなことしてたけど、そんなに匂いしたかな~」
そうしてリサも燐子同様に服に匂いを嗅ぐ。
「う~ん。そんな臭くないと思うんだけどな~。まっそんなことより・・・」
リサは燐子の家にあるものを総動員して手に持っている上着についている汚れに立ち向かっていった。
「汚れを駆逐してやる!!1つ残らず・・・!!なんてね」
結論:リサ姉の戦いはこれからだ!!
リサの洗濯によって汚れは完璧に落ちて翌日、燐子の手によって弦太朗へと返却された。
その際、教室中の視線を集めてしまい、あらぬ噂が流れてしまったのは別の話。
~~~小ネタ13:おいたわしや・・・お師匠様
あたし、桐ヶ谷透子!!
モニカのギターをやってんだ~。
ギターの師匠はあのRoseliaの紗夜さん!!
最近は色々あったらしくて練習見てもらえなかったんだけど・・・。
今日は珍しく、紗夜さんの方から呼び出しがあったんだよね~。
でも、いつも以上に真剣な感じだったからな~。
もしかして免許皆伝的な!?
そんな期待感を胸に待ち合わせ場所であるななみのバイトしてるファミレスに早く着き過ぎてしまったけど、まぁ大丈夫っしょ!!ミクロン!!ミクロン!!
あたしが飲み物を片手に紗夜さんを待っていると入口から神妙な顔をした紗夜さんの姿が見えた。
「紗夜さ~ん!!」
「桐ヶ谷さん!!」
あたしが席から紗夜さんを呼ぶと普段と違って明るい顔になってあたしのとこまでやってきた。
それにしてもカバンの中から何か見えてるけどなんだろ・・・?
「桐ヶ谷さん。急に呼び出してすいません」
「いえ!!それにしても紗夜さんからこんなところに呼び出すなんて何かあったんですか?」
「えぇ・・・。桐ヶ谷さんに頼みたいことがありまして・・・」
「・・・っ!!」
あたしの質問を受けて紗夜さんの空気が変わった。
それにしてもあたしに頼みたいことか~。
今までにそんなことはなかったのに紗夜さんが他でもないあたしに頼ってくれることを感激していた。
「桐ヶ谷さん。あなた確か自分の服のブランドを持っていましたよね・・・?」
「えぇ」
「実はお願いしたいことって言うのは・・・」
ブランドの事を聞いて頼みたいこと・・・?
もしかして・・・!!
「もしかしてRoseliaの衣装デザインですか!?任せてください!!紗夜さん達に似合う最っ高~の衣装用意するんで!!」
「いえ、衣装ではないんです」
「もしかしてRoseliaのグッズで服出すんですか!?量が多いとちょっと時間かかっちゃいますけど・・・。
師匠でもある紗夜さんのためならすぐにだって・・・!!」
「本当ですか!?桐ヶ谷さん・・・」
「それでどんなデザインにします?バンドイメージの薔薇ですか?イメージ教えてくれればすぐにサンプルを用意しますんで!!」
「いえ、デザインはもうあります」
そうして紗夜さんは自身のカバンからスケッチブックを取り出してあたしに見せてくる。
でも、それを見たあたしは自分の言った言葉に後悔した。
そこに描かれていたのはTシャツのデザイン・・・。
Tシャツなのはわかるんだけど~、なんでフライドポテト?しかも・・・この数字はなに?
「あの~紗夜さん?」
「桐ヶ谷さん?なんでしょうか?」
「これって(Roseliaの)Tシャツですよね・・・?」
「えぇ・・・(私の)Tシャツです」
「・・・・・・」
紗夜さんの自信に満ちた発言に絶句した。
これはあたしにも理解できない・・・。
それに自信満々な紗夜さんにこれをそのまま作って渡すのも・・・。
「紗夜さん!!あの・・・」
「なんでしょうか?」
「これだと色々デザインを詰め込み過ぎなのでもっとシンプルにしましょう!!
紗夜さんが着るなら、もっと飾り気のないクールな感じの方がいいと思うんですよ!!」
「なんですって?」
実際にこんなのは紗夜さんに着てほしくない。そう思って咄嗟に出てしまった嘘。
しかし、その言葉を聞いた紗夜さんは私の前で肩を震わせている。
やっば~これは怒らせたかな・・・。
謝んないと・・・!!
「桐ヶ谷さん!!あなた・・・」
「紗夜さん・・・?あの~」
「桐ヶ谷さん!!デザイン案を一目見てすぐに改善点まで挙げてくれるなんて・・・!!
流石!!私の一番弟子です!!」
一番弟子・・・!!
紗夜さんから出た言葉にあたしのテンションはぶち上ってしまった。
「紗夜さん!!任せてください!!これをベースに最っ高~に紗夜さんに似合うクールなのをデザインしてきます!!」
その言葉を最後にあたしの記憶はすっ飛んでいた。
おぼろげに覚えているのはその光景を遠目で見ていたバイト中のななみの姿。
紗夜さんのデザインを基にあたしなりに改良してTシャツを試作した記憶。
そしてハッキリを覚えているのはそのシャツを渡してすぐに着てしまうくらいゴキゲンな顔をした紗夜さんの顔だけだった。
その後、このシャツをRoseliaグッズとして売り出して、それなりに利益が出たことにあたしは頭を抱えずにはいられなかった。
誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。
誤字報告は非常にありがたいです!!
以下ネタ説明
お泊り会
裏ではどうしてんだろと思って書いてたらりんりんがぁ~!!
お師匠様
343爆誕の原因。
透子ちゃんは完全な被害者でも、師匠のために少しでもまともにした英雄
小ネタ次回予告
別ルートEND+紗夜さん