淫魔ちゃんねる   作:だいこんおろし

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カフェというものを知っているか

魔獣族ちゃんねる

 

1:名無しの魔獣族

我らはあまり行かないが実は穴場らしいぞ

 

2:名無しの魔獣族

喫茶店とかいうやつか

 

3:名無しの魔獣族

確かに行かないな

 

4:名無しの魔獣族

コーヒーとかいう水は苦いし

 

5:名無しの魔獣族

コーヒー牛乳ならギリギリ飲めなくもないが

 

6:名無しの魔獣族

そもそも我らは苦味が苦手だからな

 

7:名無しの魔獣族

穴場と言われてもな

 

8:名無しの魔獣族

そう言うな 食べ物もあるぞ

 

9:名無しの魔獣族

ふーむ……

 

10:名無しの魔獣族

小皿程度の飯では小腹の足しにもならぬぞ

 

11:名無しの魔獣族

ああいうところの飯は少ないからな……

 

12:名無しの魔獣族

まあ大抵は人間用か飯をそこまで食わない貴族やらの種族用に作られているから仕方あるまい

 

13:名無しの魔獣族

人間は1キロカレーとか食わないのだな この前初めて知った

 

14:名無しの魔獣族

1キロなんかほぼおやつだが……?

 

15:名無しの魔獣族

人間、そんなだから貧弱なのだぞ

 

16:名無しの魔獣族

我らが守ってやらねばな……

 

17:名無しの魔獣族

うむ しっかり庇護しなければ

 

18:名無しの魔獣族

しかし、そんな奴らが店など開くのだからな

 

19:名無しの魔獣族

人間の怖いもの知らずは今に始まったことではないが……

 

20:名無しの魔獣族

厨房まで押しかけられても知らぬぞ

 

21:名無しの魔獣族

そう、そこなのだ

 

22:名無しの魔獣族

ん?

 

23:名無しの魔獣族

何がだ

 

24:名無しの魔獣族

今日はカフェが穴場だという話をしに来たのだ

 

25:名無しの魔獣族

ああ、そう言えばそうだったか

 

26:名無しの魔獣族

忘れていた

 

27:名無しの魔獣族

実は、ああいう所の飯はな

 

28:名無しの魔獣族

うむ

 

29:名無しの魔獣族

人間の手作りである可能性が高いのだ

 

30:名無しの魔獣族

なんだと

 

31:名無しの魔獣族

本当なら大変な事だぞ

 

32:名無しの魔獣族

手作りご飯……

 

33:名無しの魔獣族

そもそもカフェというものは、魔族と結婚して暇な人間が開きがちなのだ

 

34:名無しの魔獣族

ふむ……

 

35:名無しの魔獣族

金を持て余した魔族と結婚すると莫大な資金だけが手元に入るからな

 

36:名無しの魔獣族

使い道もないくせに

 

37:名無しの魔獣族

居酒屋に入るとたまに奢ってくれるから悪くは言えんが

 

38:名無しの魔獣族

いくらでも食えと言ってくれるからうれしい

 

39:名無しの魔獣族

家事も大体便利な魔導具を一式揃えてあったりメイドを雇っていたりするからする必要もないしな

 

40:名無しの魔獣族

ますます暇だ

 

41:名無しの魔獣族

それで道楽ついでにカフェを開くのか

 

42:名無しの魔獣族

そうだ だからそういう場所の飯は大体人間が作っている

 

43:名無しの魔獣族

なるほど 飯を作るのが趣味だからか

 

44:名無しの魔獣族

コーヒーに凝る者も多いそうだ

 

45:名無しの魔獣族

コーヒーか……

 

46:名無しの魔獣族

いくら人間が手ずから淹れたものとは言え……

 

47:名無しの魔獣族

苦いのは嫌だ

 

48:名無しの魔獣族

ジュースはないのか?

 

49:名無しの魔獣族

フルーツ牛乳がほしいぞ

 

50:名無しの魔獣族

ミックスジュースならあるみたいだ

 

51:名無しの魔獣族

うれしい

 

52:名無しの魔獣族

とびっきり甘くしてほしい

 

53:名無しの魔獣族

手作りなら頼んでみたら砂糖多めにしてくれるだろう

 

54:名無しの魔獣族

いいな

 

55:名無しの魔獣族

行きたくなってきた

 

56:名無しの魔獣族

ふふふ、そう言うと思ってな

 

57:名無しの魔獣族

うむ

 

58:名無しの魔獣族

まさか

 

59:名無しの魔獣族

お先に潜入させてもらったぞ

 

60:名無しの魔獣族

おお

 

61:名無しの魔獣族

どうだ?中はどんな感じだ?

 

62:名無しの魔獣族

人間は居たか?

 

63:名無しの魔獣族

ご飯のメニューは?

 

64:名無しの魔獣族

落ち着け 一遍には答えられない

 

65:名無しの魔獣族

む、そうか

 

66:名無しの魔獣族

失礼した

 

67:名無しの魔獣族

さて、まず扉を潜ると(人間用なのかちょっと狭い 頭をぶつけた)人間が出迎えてくれた

 

68:名無しの魔獣族

いいな

 

69:名無しの魔獣族

ずるいぞ

 

70:名無しの魔獣族

甲斐甲斐しいやつめ……

 

71:名無しの魔獣族

一瞬この人間と結婚していたのかと勘違いしそうになったが、淫魔の匂いが染み付いていたので正気に戻った

 

72:名無しの魔獣族

ああ……

 

73:名無しの魔獣族

お手つきか

 

74:名無しの魔獣族

言われてみればカフェというのは結婚した人間が始めるのだったな

 

75:名無しの魔獣族

そう言えばそうか

 

76:名無しの魔獣族

無念である

 

77:名無しの魔獣族

でも注文を聞きに来てくれたのでうれしい

 

78:名無しの魔獣族

それは嬉しいな

 

79:名無しの魔獣族

エプロン姿がとても愛くるしいぞ

 

80:名無しの魔獣族

写真はないのか

 

81:名無しの魔獣族

みたい

 

82:名無しの魔獣族

写真……どう撮るのだ?

 

83:名無しの魔獣族

それは……分からぬ

 

84:名無しの魔獣族

まあ直接見に行けばいいか

 

85:名無しの魔獣族

そうだな

 

86:名無しの魔獣族

あと、席は少々狭い 気をつけろ

 

87:名無しの魔獣族

そうなのか

 

88:名無しの魔獣族

ああ 何となくいたたまれなくなるぐらいには狭い

 

89:名無しの魔獣族

やはり人間用なのだな

 

90:名無しの魔獣族

そのようだ コップも一口サイズだからな

 

91:名無しの魔獣族

割らないよう気をつけろよ

 

92:名無しの魔獣族

うむ……ガラス製だからちょっと怖いな……

 

93:名無しの魔獣族

ただのガラスなのか?

 

94:名無しの魔獣族

魔導ガラスではなく?

 

95:名無しの魔獣族

ああ 皆も力を込めないよう気をつけろよ

 

96:名無しの魔獣族

なるほどな

 

97:名無しの魔獣族

練習しておくか

 

98:名無しの魔獣族

あ、料理が来た

 

99:名無しの魔獣族

おっ

 

100:名無しの魔獣族

人間の手作り料理はどうだ?

 

101:名無しの魔獣族

とても小さいが、なんだか綺麗だな

 

102:名無しの魔獣族

綺麗?

 

103:名無しの魔獣族

飯がか?

 

104:名無しの魔獣族

うむ なんだか色が多くて洒落ている

 

105:名無しの魔獣族

ふーむ……?

 

106:名無しの魔獣族

あまり想像がつかないな

 

107:名無しの魔獣族

おお、味もうまい

 

108:名無しの魔獣族

いいな

 

109:名無しの魔獣族

どんな味だ?

 

110:名無しの魔獣族

なんと言うか……味が多い

 

111:名無しの魔獣族

味が多い?

 

112:名無しの魔獣族

匂いも多い

 

113:名無しの魔獣族

多いとはどういう意味なのだ

 

114:名無しの魔獣族

何か……複雑な味だ 単調でなくて不思議な感覚だな

 

115:名無しの魔獣族

想像がつかんな

 

116:名無しの魔獣族

本当に想像もつかない味がする これはきっと量より質を求めた料理なのだな

 

117:名無しの魔獣族

面白いな

 

118:名無しの魔獣族

なんだか俄然楽しみになってきた

 

119:名無しの魔獣族

しかし、量はやっぱり少ないな 5口で食べ終わってしまった……

 

120:名無しの魔獣族

かなしい

 

121:名無しの魔獣族

もっと頼んだらどうだ?

 

122:名無しの魔獣族

そうだな いっぱい頼もう

 

123:名無しの魔獣族

もしかしたら、そういうものなのではないか?

 

124:名無しの魔獣族

どういう事だ?

 

125:名無しの魔獣族

寿司が流れてくるところがあるが、あれは一皿だけ食べるものではない 100は食べたいだろう

 

126:名無しの魔獣族

なるほど

 

127:名無しの魔獣族

カフェも同じなのか

 

128:名無しの魔獣族

確かにこの方式なら色んな味を食べられて便利だな

 

129:名無しの魔獣族

そういう事か

 

130:名無しの魔獣族

だとすればやる事は決まりだな

 

131:名無しの魔獣族

とりあえず全種類頼んでみるか

 

132:名無しの魔獣族

肉料理は20皿くらい頼んでいいだろうな

 

133:名無しの魔獣族

ジュースも……ジョッキでほしいな

 

134:名無しの魔獣族

人間の手作り料理でお腹いっぱいになれるの、嬉しいな




魔獣族:はらぺこわんこお姉さん。でかい。ニコニコしながら両手でお肉を持って頬張っていた。

カフェ:色んなものが人間くん仕様のため、人間界での生活を体験したい魔族に大人気。次回から魔獣さんは予約制。

人間くん:美味しそうに材料が無くなるまでバカ食いしてくれるお姉さんに翻弄される。

一キロカレー:米のみで一キロ。ルーやトッピングの重量は含まない。

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