五代雄介side
心配だったけど、なんとか港坂鎮守府のアルバイトに採用された。取り敢えずこれでお金の心配は消え一安心!そんな事を考えながら、友人から聞いていた艦これに付いての設定を思い出す。
確か深海戦艦ってのが敵なんだっけ?ちゃんと聞いてなかったから知識もあやふやなんだけど、たぶん大丈夫!
ホテルを出て近くのお店で買ったご飯を食べ、鎮守府へと向かう
いやぁ、なんかかの姿になってから食べる量が少し増えた用な……気のせいか?どうでもよい事を考えながら鎮守府へと入り竜崎さんのいるであろう執務室へと向かう
途中で何人かの艦娘らしき子達を見掛けたけど話してくる子はいなくて、無視される事の方が多かった。
何人かは俺を睨み付けてくる子もいたし、まぁ軍事施設に見知らぬ人がいたら警戒されるのは普通だよな、でもやっぱりあの子達の姿のせいか軍事施設というよりは、やっぱり学校に感じる
確かアイツの言う通りなら、あの子達が深海戦艦と言われる奴らと戦ってるんだよな……
先程見掛けたけど艦娘の子の中には小学生や中学生と言われてもおかしくないくらいの子達もいた
あんな子供達に戦わせたくない、本当ならあの子達は学校へ行って友人と楽しく話すしていた方が幸せなはずだ
執務室と書かれた札が下げられた部屋を見つけノックをする
「すいません、竜崎さん。五代です」
入れと言う声が聞こえ、ドアを開けて中に入るとそこには竜崎さんしかおらず前にあったときのメガネを掛けた少女はいなかった
「おはようございます!今日からバイト、よろしくお願いします!」
「此方こそよろしく頼むよ。さて、まず君の事をみんなに紹介するからついてきてくれ」
「はい!」
そう言いながら竜崎さんの後ろを付いて行く、そして見えたのは講堂の札が吊り下げられているドア
竜崎さんに続いて部屋に入ると講堂と書いてあるだけあり、すごく広い部屋に艦娘と思われる子達が整列していた
思わず足を止めそうになるが、竜崎さんに続いて講堂のステージへと上がり指示にされた通りに竜崎さんの左斜め横に立つ
「みんな、急な朝礼にも関わらず集まって貰い感謝する。今回の朝礼は彼についてだ」
そう言いながら竜崎さんが手を俺の方に向けるので取り敢えずお辞儀をしておく
「彼は私が募集したアルバイトに応募し見事合格した五代雄介くんだ。本日より清掃員として働いて貰う、質問は?」
「はい」
手を上げたのはショートカットで高校生ぐらいの子だった。名前は加賀らしい
「加賀くん」
「そこの方に質問なのですが、
「ふむ、五代くん。彼女ら
「えっと、その艦娘?について全く知りません!」
「そう………」
その答えを気に静かだった講堂にヒソヒソとした話し声が広がる
『このご時世に、そんな事あり得ますか?』
『珍しい人やなぁ………』
『怪しいのです………』
『流石に単語ぐらいは聞覚えがあっても良いと思うんだけど』
『やっぱり変な人じゃ………』
『艦娘を知らないなんて、ありえない』
『パンパカパーン……』
『やっぱり、見張って置いた方が良いんじゃ』
アハハ、艦娘を知らないだけでここまで言われるとはな
「他に質問は?……ふむ、無いようなので。これにて緊急朝礼を終了する!」
そう言って歩く竜崎さんを追いかけ、最初にいた執務室へと戻ってきていた
「まず、ここの掃除を頼むよ。掃除用具はこれを使ってくれ」
そう言いながら箒やモップ、雑巾などが収納された台車のある場所を教えて貰う
「はい!任せて下さい!!」
そう言って俺は執務室から出て、教えて貰った場所へと早歩きで向かった
竜崎 薫side
彼は渡したメモを手に執務室から出ていったのを確認し、部屋に隠れて貰っていた艦娘へと指示を飛ばす
「念のため、彼を見張っておいてくれ。少しでも変な事をしようとしたら報告するように、それじゃあ頼んだぞ────
現れたのは何故か和と洋を会わせた忍のような服装の少女、川内が不満そうな声を出しながら現れる
「えー、夜戦じゃないの?まぁ、良いけどさ。任せてよ、軽巡の力たっぷりと見せて上げるから!」
そう言いながら執務室を出ていく川内を見送り、私は事務作業に戻るのだった。
五代雄介
それにしても、この鎮守府?はとても広い。高校と同じくらい広い。いつもどうやって掃除してるんだろ?大変なんだろうなぁ、そう思いながら廊下をモップで擦りゴミをチリトリと箒で集めゴミ袋に入れる。
「よし、次は……」
そう言いながら窓ガラスを雑巾と新聞で磨いてく。新聞を破り先に濡らしてから拭き、後からからの雑巾で磨く。窓から見える景色の先はちょっとした庭のようになっていて花壇には沢山の花が咲いており、小学生ぐらいこ子達が花達の世話をしながら笑っているのが見える
彼女達も艦娘か、この風景だけみたら普通の女の子だと感じるなぁ。あんな小さな子も深海戦艦って奴と戦うのか………
「手、止まってるよ」
そんな声が聞こえ、振り向くと以前にこの場に面接に来たときに出会った響が此方を静かに見つめていた
「君は……前にあった子だよね?久しぶり」
そう言いながら止まっていた手を動かし次の窓ガラスを磨く
「そうだね、まさか本当に雇われるとは思っていなかったよ」
「確かにここが軍事施設だと知って驚いたけど、雇ってもらえたからには頑張ってお掃除しないとね!」
「その割には手が止まっていたけど?」
「ああいう風に笑ってる小さな子達が戦場に出る、そうだと思うと……ちょっとね」
そう言いながら苦笑し汚れた新聞をゴミ袋に入れ新たな新聞紙を取り出して水に濡らす
「艦娘の適正があったんだから、仕方ない。私も、適正があるからここに来た」
「そっか………そう言えば名前言って無かったよね?俺は五代 雄介、よろしくお願いします!」
そう名乗りながらサムズアップをすると、響ちゃんは僅かに目を見開き、そして僅かに怒りを感じる瞳で此方を見てきた。
「よろしく頼むよ、清掃員」
そう言いながら俺の横を歩いて通りすぎる瞬間
「悪いけど、君を個人として認識したくない。だから清掃員と、そう呼ぶよ」
そう言いながら去っていく響ちゃん、なんでそんなに俺に対しての当たりが強いのかな?少し不思議に感じたが、即座に俺は掃除へと戻る。
あの子は何か、抱えているのだろうか?そう思いながら窓ガラスを磨く作業へと戻るのだった。
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