東方冒涜伝   作:空ネロ

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第二十六話 過去編②

「一つ聞いていいですか?」

 

「なんだい?答えられる範囲なら答えよう」

 

「ここまで尽くしてくれたのは

感謝します、ですが、なんで俺なんですか?」

 

俺は不思議でたまらなかった

何故、この男はここまで関係のない男を

救えるのか、それが不思議だった

なんで俺なんだ?他にもたくさん

孤児はいる、そんな発想しかなかった

 

「なんで…か、俺の話をしよう」

 

昔の話?同じ境遇だとでも話すのか?

 

「俺はね、君みたいに打たれ強く、

悲しい過去を持っていない」

 

「馬鹿にしているんで…いや、馬鹿にしているのか?」

 

「俺は普通だった、何をやっても普通

家庭も普通、だから、気になった」

 

「悲しいってなんだろう?ってね」

 

「本当の悲しさが俺には分からなかった

だから君に教えてもらいたいんだ」

 

「残念ですがそれだけのために

ここに来たのか?俺を怒らせたいのか?」

 

俺は生まれて始めて腹が立った

今まで味わったことはない、怒りだ

こいつは俺の過去を馬鹿にしている

俺を馬鹿にしている

 

「いや、別にそんなわけじゃない」

 

「何がいいたいんだ?」

 

俺は怒りで拳を握りしめた

 

「本当の理由を言うとね…

君に家族、というものを教えたい」

 

「そんな理由で引き取るのか?

面白い理由だな」

 

「そうかい?俺からすると

重要な理由だと思うよ」

 

重要な理由…

俺からするとそこまで重要だと

思えない理由だな

 

「ダメか?」

 

だが、こいつ、面白い

 

「面白いな…これから頼む!」

 

 

そんな事から俺の物語は始まった

そんな男との出会いが俺を変えていった

 

-----一ヶ月後-----

 

「慣れて来たかい?」

 

「まぁな、少しだけだが

家族の感情が分かって来た」

 

「本当かい!?そりゃよかった

どうだい?記念に寿司でもとるかい?」

 

「大袈裟だな、秋尋」

 

「せめてさん付けしろよ楽矢」

 

ほんの少し、ほんの少しだけ

俺の悲しみが埋まった気がした

年月は流れていく、

その俺の埋まりが掘り返されるのも

そう遅くはなかった

 

俺はせめてもの恩返しに

高校をやめた

理由は無駄だからだ

誰と話すわけでもなく

ただ、座って話を聞いて終わる

こんなのなら家で本を読む方がましだ

まぁ、秋尋は猛反対してたがな

 

-----半年後-----

 

今日はクリスマスイブらしい

まぁ、興味はない、いつも通りだ

 

「なぁ、楽矢、クリスマスケーキ

食べたくないか?」

 

炬燵でみかんを口に居れながら

秋尋は呟く

 

「クリスマスケーキ?

この家キリスト教じゃねーだろ」

 

「いいじゃないか、世間に便乗してさ」

 

「この寒い中出て買いに行くのか?」

 

「そうさ、いい運動になるよ?」

 

「行かねーよ、クッソ寒いなか

馬鹿じゃねーのか?」

 

俺は炬燵で寝転びながらそう答える

 

「いいじゃないか、

それに伝えたい事もあるし」

 

「なんだ?告白か?ホモだったのか?」

 

「僕はれっきとした異性愛者だよ」

 

「なら、なんで少し頬を赤らめた…

まぁいい、それで?なんだ?」

 

「とにかく行くよ!」

 

「理由くらい言えよ…」

 

「はぁ、分かったよ、ちょっと待ってろ」

 

「分かったよ〜」

 

こいつにはこいつなりの考えが

あるんだろう、まぁ、乗ってやるか

こいつには救われる面が多い

兄貴がいるってこんな感じなのか?

俺は少し前に無理やり買ってもらった

黒い厚手のコートを羽織り

玄関へと向かった

 

 

 

 

 

「いやー、思ってたより人多いねー」

 

「クリスマスだからな」

 

「カップルだらけだねー」

 

「そんな中歩かされる俺の気持ちを

考えてくれ、周りの視線が痛い」

 

「まぁ、ね」

 

「さて、何処へ行くんだ?」

 

「ケーキ屋に決まってるだろう?」

 

「分かったよ、それと距離開けろ」

 

「あ、ごめんごめん」

 

「さて…と、ケーキ屋まで

長いし何か話そう」

 

「それ言わなくても話してるだろう」

 

俺は秋尋を見て笑った

俺は秋尋に会った事で

少しずつ笑顔を取り戻した

 

「それじゃあ、俺が君を引き取った

本当の理由を教えようか」

 

「本当の理由?」

 

「その理由を教える前に

一つ言わせてくれ、

お前と過ごせて楽しかったよ

 

「き、急にどうした?これが最後じゃ

あるまいし」

 

「いや、これで最後なんだ

だから、ありがとう」

 

これが最後?

わけがわからない…

 

「どういう事だ?」

 

「俺の仕事は君を誘拐する、

そして、金を巻き上げる」

 

「それが俺の仕事…

でも、言えなかった…」

 

「どういう事なんだ…?

さっきから頭が追いつかない」

 

「要するに俺は事実上誘拐犯なんだ」

 

「誘拐犯…?何を言ってるんだ?」

 

「俺の仕事は楽矢を誘拐して

金を巻き上げて売り飛ばす」

 

「それを今まで何度も繰り返してきた

でも半年前…俺の中で何かが崩れた」

 

「お前は俺に似ていた」

 

「似ていた?だってお前…

何もかも普通だって…」

 

「俺の中では普通だったのさ

盗み、殺し、そんなもんが普通だった」

 

「じゃあ…「あぁ、嘘だ」

 

なら…今まで一人で家族と

思い込んでいただけ、

騙されてたのか…

 

「俺も昔捨てられた…

捨てた親は殺した」

 

「なんでだろうな、なぜかお前を

見た時、俺と同じ道を歩みそうで怖かった」

 

秋尋の目からは涙が流れていた

これが殺人犯とは思えない

ごく普通の涙だった

俺は今まで秋尋を信じていた

だが、この一瞬で裏切られた…

二度目の裏切り…

 

「なら、最後に教えてくれ」

 

「なぜ、俺を殺さなかった?」

 

「それか…それは…」

 

ゴスッ、頭に衝撃が走った

薄れいく意識の中で

「この道は俺のオリジナルだからな」

秋尋はそう言い残すと

いつもと同じ笑顔で笑った

 

 

気がつくと俺は椅子に縛り付けられていた

よくわからないが人の話し声が聞こえる

視界もはっきりしてきたと同時に

一人の男が近づいて来た

 

その男は俺の腹を蹴ると

「お前が楽矢か、

お前はあの男と違って

殺す価値もないな」

 

あの男?まさか、と思い

おれは周りを見回すと

当たって欲しくない予想が当たった

秋尋が頭から血を流し倒れていた

 

「あぁ、気づいたか…そいつ

結構生きてたんだけどね」

 

結構"生きてた"んだけどね

生きてた?生きてただと…?

という事は

 

「おれが殺したんだ

中々楽しかったんだけどね」

 

「最後まで君の事話してたよ?」

 

男は笑いながらそう言った

 

「さてと、君はどうかな?」

 

「秋尋を殺したのか…?」

 

「そうだよ〜」

 

殺した…秋尋が死んだ…

おれを殺さなかったから死んだ

 

「いやー、こいつ結構

いろいろやんちゃしててね」

 

「上から殺せって言われたしね」

 

殺せ…か、

何かの本に書いてあったな…

殺す時は殺される覚悟で殺す

 

「そうか…

なら、さっきの言葉

そのまま返そうか?」

 

「お前には殺す価値どころか

俺の視界に入る価値もない」

 

俺の中で理性が砕け散った…

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は無意識の内に

その男を殺していた

死んだ後も何度も何度も刺した

 

 

 

俺に意識が戻った時

もうその男の跡形もなかった

ただの肉片だった

 

「俺も殺人犯…か、

ケーキ、食いたかったな…」

 

俺の目から涙が流れた

あの時の同じように

止まる事なる流れた

 

俺はその時決めた…

俺は秋尋の分も生きる

生きて自力で今まで失った

ものを手に入れること

それが俺の人生の目標となった

 

 

 

 

 

 

 

 

凶香「楽矢?大丈夫?」

 

楽矢「あ、あぁ凶香、少し考え事してた」

 

凶香「そうなの?まぁ、早く帰ってご飯食べよう!」

 

楽矢「あぁ、そうだな」

 

これが今の秋尋の代わり、

いや、俺の大切な家族だ

俺はあのクリスマスから

変われた、いや、見つける事が

出来たんだ、大切な仲間を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こ、こんばんわ

評価下がってて当たり前なのに
こんなのでも見てくれる人がいて
驚いていた空ネロです

今回の過去編



下手くそですいません
もう少し上手くかけたら
伝わるんですが…

文章力がないため
下手くそになってしまいました

この一ヶ月は色々な行事が重なり
投稿出来ませんでしたが

今後ともよろしくお願いします
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