ま、本編どぞ
ナナシ「旅人さんですか…」
ナナシはもの不思議に此方の服装から
輪郭に至るまでじっくりと見つめる
楽矢「そんなに珍しいのか?」
ナナシ「私は見たのが始めてだったもので」
子供特有の好奇心ってやつだ
懐かし…俺にはそんな事考える時間すらなかったな…
もう一度やり残して見たいものだ
ナナシ「何か…気まずい事言いましたか…?」
ナナシは心配そうにそわそわしながら
此方の顔を覗き込む
楽矢「いや、大丈夫だ、なんにもないさ」
俺はとっさに誤魔化した
ナナシ「そうですか」
ナナシは何事もなかったように
また俺を先導するために前に出た
そういえば、先程から子供を見かけない
いくら、昔でも子供の一人くらいいるだろう
楽矢「ここら辺だと子供は遊ばないのか?」
ナナシ「いえ、そういうわけでは…」
気まずそうな顔で此方をチラチラと見る
あー、何と無くわかった俺が原因か
そんな強面で危険に見えるのか…
ナナシ「あ!あれです」
ナナシは少し黙っていたが
大きな屋敷を見つけると大きな
声を出して指を指した
楽矢「あれか…」
目の前まで駆け寄ると既に手遅れ…
いや、人集りが出来て通る道がなかった
少し奥を見ると大きな門が閉まっていた
ナナシ「この通りです、連日通い詰めるように…」
ナナシは人集りを指指し呆れた顔ををしながら
「こっちです」と人集りとは別の方向に歩き始めた
俺は案内係に従って進む事にした
少し進むと裏口…いや、あの門とは別に
少し小柄な門が顔を見せた
楽矢「これは?」
ナナシ「主にお父…偉い人が使う本来の通路です」
楽矢「そうか、ありがとな」
俺は例代わりに服のしたに空間を隠し
その中から偶々入っていた飴を差し出した
それに対してナナシは包装を不思議そうに見つめた
楽矢「安心しろ、毒じゃない」
それを聞くとナナシはホッとしながら
自分の着物の胸あたりに収納した
ナナシ「ありがとうございます
では、また何処かで!」
ナナシは足早に来た道を戻って行った
不思議なものだ、話している感覚が
どこか…いや、そんな筈はないだろう
俺は小さな門を少し強めに叩き
「蓬莱山輝夜!出て来い!」と
脅し気味に叫んだ
理由としては間違いなく確信的に
月から抜け出してきている…
暫くすると門を開けて一人のガタイのいい青年が
「輝夜様は会いたくない、と言っている」
と言い残して、門をまた閉めた
……失敗か
此処で追い打ちをかける気もない
とっととずらかるか…
俺はため息を吐きながら来た道を引き返した
…気のせいだろうか門が一瞬開いた気がした
しかし振り返るとやはり閉まっている
城下町、とでも言っておこう
元いた町に戻ると見覚えのある顔が
面倒くさそうな金持ち野郎に絡まれていた
凶香「は、離してよ…」
「お主、我の嫁にならんか?
いや、決定じゃ!その美しい容姿
輝夜姫にも勝りしその美貌!」
随分弱気だな、殺しても証拠隠滅くらいなら
してやるのに…まぁ、ルール違反になるか…
面倒くさいなぁ…随分と今日は運が悪い様だ
俺は一歩一歩を軽く踏み入れ
凶香に近寄っていく…
まぁ、この金持ちも不運だったわけだ
楽矢「すいません、旅の連れが迷惑を…」
「ん、なんじゃ貴様…
態度がでかいぞ!頭を下げんか!」
凶香「楽矢!」
楽矢「ほら、行くぞ…」
俺が凶香の手を引こうとした瞬間に
バチンッ!と手に痺れるような感触が走った
「この女は我の物じゃ!
凡人如きが触れるでない」
楽矢「すいません、うちの相棒なんで…」
もう一度手を引こうとすると
今度は顔に鈍い痛みが走った
殴られたようだ…ボンボンの癖に
力だけは強いな…
鼻から赤い液体が少し垂れた
今は血が通ってるのか…
凶香「楽矢…」
時代に合わない喧嘩っ早さだな…
「………幾らならその女を売る?」
金持ちは少し考えてからその発言を口走った
暫くの沈黙が続いた後に
俺はため息をついて一言呟いた
楽矢「あんた、相当腐ってんな…
殴ろうとも思ったが価値もない…
凶香、行くぞ…予定が山積みだ」
凶香「うん…」
「殴る?この我を殴るだと!
笑わせる…」
金持ちの言葉を遮って爆発音が鳴り響いた
楽矢「前言撤回だ、二発分しっかり返したぞ」
貴族の方を見ると壁に顔がめり込んでいる
…これだから人間嫌いなんだよ
金さえあれば解決できる…笑わせるなよ…
凶香「ら、楽「殺してはないさ」
楽矢「まぁ、完治まで暫くかかるだろうがな」
金で育った奴は世間を知らない…
まさにこの通りだ…石ころで
人を買う…俺以上のクズでしかない
楽矢「行くぞ、夜まで何処かに泊まる」
凶香「うん…」
平和主義の凶香には辛いかもしれないが
これが現実だ…
こんな奴に二度と絡まれないようにしたい
俺は怯えていた凶香の頭を
二回ほど軽く叩いてまた町へと足を進めた
いつも荒れてる後書きコーナーですが
今日は特にネタがありません…
というか…金さえあれば全て解決出来る!
って奴が割と現実にもいて困ったものです…
今回もご回覧ありがとうございました