まぁ、今回はこれだけは収めたい!
という思いが強く少し長めとなっております
誤字、脱字を極力抑える様にしていたらもう
2.3ヶ月も月が流れていました
自己満足な話となりますが
それでもよければお先にお進み下さい
現在俺たちは街外れの使われていない
ボロ家…とでも言っておこう
それを借りて夜をしのごうとしている
…が、空気が悪い!いや重い
凶香は下を向いて結婚式直前の花嫁の様に固まっている
俺にどうしろと…ここで無茶するほど無知でなければ
人と強制的以外に関わろうとも思わない
が、この空気で夜眠るのは気持ち良く寝付けない
楽矢「どうした…さっきから、
この家での寝泊まりが気に食わないか?」
凶香「いや、そんなんじゃない…
私さっき何もできなかった…」
凶香「楽矢が来なかったらあのまま
連れ去られてた…」
凶香は随分と暗い空気にしたいらしい
俯いてブツブツと終わったことを…はぁ
さっきから自分の否定しかしていない
こういうのは心の中だけにしてくれ!
とでも言ったら空気の悪さがグレードアップ
されそうだな…やめておこう
楽矢「まぁ、そう気にするな
終わったことの修正は出来ないさ」
凶香「まぁそうなんだけどさ…」
そんな小さな事を気にして足を引っ張られる…
待てよ、こいついつまで俺といる気だ?
こいつはなんだ?いつまでもいる気なのか?
楽矢「それより、一つ聞かせてくれ」
凶香「なに?」
楽矢「お前いつまで俺と行動する気だ?
嫌いだから、とかではないんだが…」
凶香「安心しなよ、この先長くないよ?」
そんな宣告されてもな…
こちらとて何て言葉を返せばいいんだ
楽矢「失礼な様だが…病でもあるのか?」
凶香「違うよ?えーと、どう説明したらいいのかな」
凶香「まぁ、まず私の生い立ちについて
話すべきなのかな」
凶香「そこまで長く話す事でもないから
簡潔に言うけどさ」
少し、表情が険しくなったな…
そんなに不安か?過去を知られるのが
俺もそうベラベラと話す話題でもないから
自分の過去なんて殆ど語らないがな
楽矢「そう堅くなるなよ…
どんな過去でも驚かねーから」
実際どんなに悲劇のヒロインであれ
自画自讃…いや、出来ればしたくないんだが
俺の過去に叶う暗い過去も早々にない
言ってて悲しくなる程の自慢だな
凶香「私の家はね、五人兄弟がいてさ
一番下だからって理由であんまり優遇
されなくてさ、父親が偉い人だったみたいで
よく、家柄に合わせろ!って言われたんだ」
偉い人…一国の王族か?いや、それは無いか
口調的に…歴史上のどっかの天皇の血でも継いでる、
とかしか思いつかねぇ
何か見落としてるようだが…思い出せないな
凶香「それでさ、ある日父親が帰って来なくなって
事故だったらしいんだけど、今までは
まだ、食事も出されてたし、お風呂もあった
だけどその日以来から扱いがひどくなって
食事はもちろん出ない、奴隷みたいな扱い
挙句の果てには売り飛ばされそうになる始末でさ…
まぁ、酷いの一言に限るのかな」
俺とは違った酷さだな、聞いた話じゃ家族ってのは
一家団欒だの綺麗事の語源だと聞いたが…
ま、俺には多分関わりのない言葉だな
よくある、親がいれば全て、だのその言葉を
信じてる奴を引っくり返す体験談だな
凶香「そんなある日、妹がいた事が発覚してね
いきなり知らない女の人が子供を置いていったの
可愛かったなぁ…なんていうか純粋というか…
まぁ兄弟が世話する筈もないから
私が世話することになったんだけどね」
凶香「まぁ、ある日偶々兄弟が話してるのを
聞いちゃってね、父親は自殺したって」
凶香「お偉いさんの姫様に求婚した挙句
振られて自殺…最低な親だよ」
それに付け加えて、隠し子…
随分とお元気なようで
凶香「この先は…ちょっと待ってね…」
言葉詰まるほど辛いならやめてもいいんだがな
語るにしろ墓場まで持ってくにしろ
本人の自由だ、口出しはしない
ま、こんな人の欲だらけの話の終わりは
大方その姫様に復讐してトゥルーエンドあたりか
楽矢「お疲れさん、大体はその姫様に復讐して
悪趣味な終わり方するんだろ?」
凶香「うん、まぁそんな感じ
よくわかったね、流石」
何か…何か見落としているような…
どこか言葉に異変があったはずなんだが
楽矢「ま、世の中正しい奴が馬鹿を見るそんな時代だ
そう気にするなよ…お前何てマシだ」
楽矢「それで?生い立ちとの関係性は?」
さっきまでの表情とは一変
凶香の顔が真剣な表情となった
凶香「私の生まれた時代が今って事になるかな…
私は別世界で生まれ育った、これで分かる?」
楽矢「要するにこの時代のお前が生まれたから
何らかの理由で消えるってことか?」
凶香「そう、元々龍神とのこの世界に入る時の
条件でもあったのを私が無視して生き永らえてる、
マナーを破って私はここにいるの」
楽矢「そうか…」
俺が凶香に感じていた死、消滅の予感は
ここに繋がったか…何とも言えないな
悲しめと言われても分かりきっていた事で
泣くのは馬鹿馬鹿しい、かといって喜ぶのはお門違いだな
はぁ…あんまりこういうの得意じゃないんだが…
楽矢「それでお前はどうしたい?
その復讐の歴史をどうにか変えるまでは分かった」
凶香「なら…それ以外は…」
どこまで一人で強がるんだ
この浮遊霊は…化けの皮剥がしてやるか…
楽矢「お前の使命を聞いてるわけじゃない
やり残した事とかあるだろ…」
凶香「そんなの…な「はぁ…」
楽矢「顔に涙垂らしながら強がるな」
凶香の顔には自然と涙が流れていた
女の涙は武器…よく言ったものだ…
俺なんかに泣きついてどうするんだ
こういうのは好意のある奴にやってやれよ…
凶香「ごめん…なさい…」
凶香はダムが崩壊したかのように泣き崩れた
話してる時は強がっていたが、
浮遊霊にしろ何にしろ消えるということに
悲しいと感じるんだな…元が人間なだけある
楽矢「謝るなよ、対応に困る」
凶香「私…楽矢の横にいたい!
もっと喋ってもっと…」
何故だろうか…俺の体は言葉を発するより
先に動いたらしい
気付くと俺は凶香を強く抱きしめていた
楽矢「もういい…わかった…!」
どれくらい経っただろうか
凶香は自然と泣き止みいつも通りに戻っていた
凶香「楽矢…ありがとう…」
凶香の顔は幼いながらも大人びた風格を纏っていた
やはり、こういうのを美人というのだろう
これが成長…にしては早すぎるか
本当の凶香は多分この大人びた方なんだろうな…
楽矢「さて、何が欲しい?」
凶香「えーと…ね…」
おいおい…何だこの空気なんかデジャヴだぞ…
この甘い空間…例えるならかき氷の氷を氷砂糖で代用
して上から通常通りにシロップをかけたもの…
口で説明するには難しいな
凶香「楽矢の家族として消えたいかな…って」
楽矢「………」
凶香「だ、駄目だよね…無茶言ってごめんね」
楽矢「……お前の本当の名前を教えてくれ」
凶香「え!えっと…」
これさえ分かれば…
全て繫がるんだ…これさえ分かれば
凶香は決心したようで息を大きく吸い込んだ
凶香「藤原蘭華…」
予想的中ってやつか
見事に的をしかもど真ん中射抜いたな
今の時代になって藤原家の何処かの年代で
名前すら記されていない…いわゆる隠し子が
存在していた事が判明したが凶香の事だったか…
道理で扱いの酷さにも繫がるもんだ
楽矢「そうか…いい名前じゃないか」
凶香「私は楽矢の付けた名前の方が好きかな…
その方が楽しい思いでも多いしね!」
楽矢「それよりも、お前気付いていないのか?
凶香って名前をあげた時からずっとお前は
穂冒凶香ただ一人なんだ」
そうだ…数少ない俺の家族の一人なんだ
…俺は…俺は人間らしくなれただろうか?
穂冒の名を継ぐに相応しい…いや、秋尋の様な
人間になれているだろうか…
凶香「ありが…どうしたの?楽矢…泣いてるよ?」
つい過去の事を思い出すと虚しくなる…
たった一人の保護者に何もできなかった
気付けなかった自分に嫌気と殺意が湧き上がる…
楽矢「あ…あぁすまない、思い出し涙と
とでも思ってくれ」
凶香「何か辛い事でも思い出したの?」
楽矢「遠い遠い昔の家族の事さ」
凶香「教えてほしいな…」
凶香の顔に滲み出ているのは好奇心というよりも
母性という奴に近く思えた
こいつになら言えるかもしれない…
いや、言うべきなんだろうな…
楽矢「お前も教えてくれたんだ構わないさ」
俺は凶香に全てを話した
全て…というには少な過ぎる話だが
捨て子だった事、秋尋の事、秋尋の仕事を継いだ事
そういや、秋尋の正体が誘拐犯って話した時が
一番驚いたかな…何か誤解をされたようだが
秋尋の本当の仕事は裏社会の監視役みたいなものだった
借金の金が払えなくなって子供を見捨てた俺の親の
人質代わりに養子として引き取られたらしい
凶香は話の難しさに時々首を傾げながらも
一つ一つを真剣に耳に聞き入れてくれていた
凶香「秋尋さん…いい人だね…」
気を遣ってくれたんだろうな…
可哀想だとかの偽善ではない
これで偽善で返されたら話した意味が
無くなってしまうからな
楽矢「だろ?俺の生き方の先輩だからな」
胸を張って他人に他人を誇れる事が
こんなに清々しいなんて思ってもみなかった
凶香に話すだけでここまで楽になるのか
凶香「でも…いいの?私なんかが」
楽矢「他の誰がどう否定しようとお前は
藤原蘭華じゃなく穂冒凶香だ」
言葉を返される事はなかった
凶香が言葉を返そうとすると
凶香の目から大量の涙がこぼれていた
女ってのは本当、良く泣く人種だよ
気付くと俺は凶香をそっと優しく抱き締めていた
いつのまにか俺は凶香を手放すのが惜しくなったらしい
一緒になって別れを悲しむかの様に
俺の目からも涙が零れていた
もう朝方になりかけていた空の上から
俺と凶香を見守る様にそっと部屋に明かりを灯す様に
まだ小さくも暖かい太陽の光が二人の
繋がりを祝福するかの様に射し込んだ
疲れました…
普通に何時もの3倍近い量なので流石に疲れました
それ程までに詰め込みたかった理由、ご理解頂けたので
あれば下手くそ自己満小説家の私も嬉しい限りです
次回からの更新については
遅れないのを心掛けますが
私生活が忙しい事が多く編集の時間が取れない
状態にありますのでなにとぞ御理解頂くようお願いします
それでは、今回のご視聴もありがとうございました。
次回も皆さんとここで出会える事を望んで…