東方冒涜伝   作:空ネロ

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またまた、深夜からの投稿になりましたね
空ネロでございます
今回も少し長めとなりました
近頃は集中して書いていると何時の間にか2000字を
超えてしまう様になってしまいました

他の方の作品に比べると短いですが
少しでも世界観を理解して頂けたら光栄です

それでは本編へどうぞ


第四十話 距離

輝夜「わ、わかったわよ…」

 

あれから5分間、説得…いや我慢?になるのか

続けた結果結局輝夜が折れた

譲るわけにはいかないんだよ…これだけは

 

楽矢「助かる」

 

輝夜「それで、楽矢の用事は?」

 

楽矢「蓬莱の薬をくれってだけだ

それ以外には特に用はない」

 

輝夜「何よ!その言い方!」

 

輝夜の機嫌を損ねたらしい

面倒くさいお説教の時間だ

よく喋る姫様だこと、上品の上の字もありゃしない

ま、今はこいつを慰めるのが優先じゃあない

用は済んだ…次にやる事は

 

輝夜「ちょっと!聞いてるの!」

 

楽矢「聞いてる…が、うちにも煩い姫様が居てな、

帰りが遅いと色々と面倒なんでな」

 

俺はそう言い残し逃げる様に塀を飛び越えた

後ろから話はまだ…だの聞こえてきたが

わざわざ見えた罠に引っかかる程の遊び心は俺にはない

走っているうちに次第に輝夜の声は小さくなり

街中まで走り抜けていた、案外俺も走れるもんだな

街中は相変わらずの騒がしさというか賑やかというか…

 

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

………声が聞こえた細道に目をやると

一人の少女が複数の子供に殴られ、蹴られ…

周りの大人達はというと、見てないふりか

人間の心だの状況ってのは何処の時代でも共通なのかねぇ

俺は偶々その目に入った少女が見知らぬ誰かさんなら

周りの傍観者になっていただろう

…が、目に入ったのは見覚えのある少女だった

これで見捨てる程俺は面倒くさがりでもない

 

懐の銀刃を取り出し、少しずつ近づいて行く

正直、これが複数の大人なら半殺しにでもしてたろうが

 

楽矢「おい、糞共…随分と楽しそうだな」

 

妖力を具現化してオーラの様な形に変えながら

一歩一歩丁寧に近づいて行く

攻撃して来たら正当防衛…だよなぁ?

こいつ等とは違って俺は女を殴る趣味はない

そんなドメスティック野郎まで成り下がる予定もない

こんなの、俺の子供時代に見たらトラウマもんだろうな

やりすぎて気を失ってるじゃねーか…

随分とガキにしては命知らずだな

 

「なんだ、お前、俺たちはこいつを制裁してい…ひっ!」

 

楽矢「今すぐ消えろ、異論は聞かない」

 

流石にやりすぎたか…

ガキ共腰抜かして動けなくなりやがった

ま、なんにしろ俺は気を失ったナナシを両手で担いで

例のボロ家まで持ち運んだ

扉を開き、凶香は…いた、まだ寝てやがる

 

楽矢「帰ったぞ、良い加減に起きろ」

 

まだ寝ていた凶香頭を軽く叩き強制的に

夢の世界から連れ戻してやった

 

凶香「ん…うぅ…」

 

目をこすりながら眠たそうにこちらを見ている…が

 

楽矢「もう夜だ、寝過ぎるのも大概にしろ」

 

凶香「あ、楽矢…おはよう」

 

楽矢「もうこんばんは、だ…」

 

俺は取り敢えず手が不自由な為

ナナシを降ろし横にさせた

正直俺の血でも飲ませたら傷は治る…

俺が蓬莱人なら不老不死のサプライズ付きだが

今現在の俺はどの不老不死に位置するのだろうか?

さて、普通の人間の治療なんてどうしたものか

 

凶香「随分と酷い傷だね…喧嘩でもしてたの?」

 

楽矢「いや、一方的にだったな…

それより人間の傷ってどうやったら癒えるんだ?」

 

凶香「え、そんなのわか…不老不死だったね楽矢」

 

楽矢「ご名答、こいつを頼むぞ」

 

万が一不老不死がないにしろ

何億年前もの真面な人間時代なんて

思い出くらいしか残っていない

最早傷の手当なんか仕事で骨折して

モルヒネを使った事くらいしかない俺にどうしろと…

こういうのは女同士の方がいいだろう

変に疑いを掛けられるのは納得いかないしな

 

凶香「うーん、どうやるんだったけな」

 

楽矢「任せたぞ、必要なものがあるなら

出すから言ってくれ」

 

凶香「それより…私って昔髪短かったんだね…」

 

そこかよ…同一人物に気付くポイントが

髪型とは…普通ほくろの位置だとか

声質だとか古傷が妥当なところだと思うが

髪型一つで気付くこいつは人じゃな…幽霊だったな

 

楽矢「なんだ、気付いてたのか」

 

凶香「自分の特徴くらい覚えてるよ

それにこの着物お気に入りだったしね」

 

楽矢「って事はやっぱり同一人物か」

 

全てが繋がった…やっと全ての意味が…

ナナシが凶香、という線は薄々勘付いていたが

これを決定付ける何かがなければ行動に移せない

こいつは特徴で見分けたが俺の場合話が違った

街中の人間一人一人の気力を見極め

俺の妖力に対する反応が凶香に一番近いものを探す…

この作業の繰り返しだ、正直現代の警察犬より確実だ

だが、これに対する妖力の消費はシャレにならなかった…

 

凶香「よし、多分これで大丈夫」

 

楽矢「そうか…」

 

凶香の手当ては丁寧で出来る限り目立つ事のない様に

工夫されていた…流石、自分を治療してるだけあるな

それより、さっきの話に戻すと、

一番の困難は人間が無意識の内に感じ取れる妖力まで

調整しなければならなかったことだろう…

そりゃあ馬鹿でかい妖力なんて

寝ている奴でも反応出来るほどの気味が悪い気力が

自分の身体に触れるんだ、街中全体が大騒ぎになるさ

それを防ぐための調整だが、気力の強い人間なら

さっきのガキん時に流した妖力すらも感じ取るだろう、

かといって俺と同じ方法で逆探知する様な

知識人もこの時代にはいないだろうな

とにかく、この約2日間の間でかなりの妖力を消費した

出来る事なら3日後まで、眠って妖力を蓄えたいところだ

 

ナナシ「ん……あれ、ここは…」

 

楽矢「気が付いた「も、もう殴らないで…」

 

かなりのトラウマになっているな

この年で抱えるには少し大きすぎるな

 

楽矢「殴らないさ…俺だよ」

 

ナナシは身体を丸くしていわゆる防御の体制を取った

随分と酷くやられたようだな…

俺はナナシの身体を優しく撫でた

 

ナナシ「あ、あれ、楽矢さん?」

 

凶香「あ、起きたんだ、こんばんは」

 

相変わらずこの幽霊は呑気なこったな…

今まで何度もこの呑気さに救われたな

後少しか…俺はこいつに何をしてあげられるんだろうな

何かする事でこいつが喜ぶとは決して限らない

ただの自分の心の満足感、達成感の為なんだろうな…

せめて、こいつを何事もなく見送る事が

家族、になるんだろうな…やはり、難しいな人間の心は

 

ナナシ「え、えっと初めまして」

 

凶香「はい、初めまして…ねぇ、楽矢?」

 

楽矢「どうした?凶香」

 

凶香の顔が笑顔から随分と険しい表情となった

話があるならこいつに聞こえない様に…

 

凶香「夕食でも食べようか」

 

凶香の顔は何時もの何処か憎めない笑顔にまた戻った

…悪戯にしてはたちが悪いもんだ

 

楽矢「あぁ…そうするか、

ナナシ、お前も一緒にどうだ?」

 

ナナシ「では遠慮なく」

 

凶香のこの顔は昔から変わらないんだな

ナナシ…もとい蘭華も同じ顔をする

こいつに凶香と同じ道を辿らせてはならない…

随分と簡単そうでかなりの高難易度な

頼みごとを引き受けていたようだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後書きの時間がやってまいりました
本編よりも此方の話題探しの方が最近難しく…
つい、気が付くとここの後書きを考えるのに
30分が経過しています

書かなくてもいいじゃないか、という方も
いらっしゃるとは思いますがこれはあくまで自己目標の
為、ここで閉ざす事はまだこの先ありません

本音を言うと後書きは作者の気まぐれですので
反応を頂かなくても作者が勝手に満足しています

そんな、変わった作者でよければ続けます

今回もご視聴ありがとうございました
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