東方冒涜伝   作:空ネロ

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第四十七話 駒

現在、俺たちは家から少し出たところで

いわゆる夜の散歩をしている

こいつにどうしても…とせがまれつい、負けた

それにしても今日は一段と月が綺麗に見えるな

星は少なく感じるがまたそれに映えて綺麗だ

 

凶香「わぁ…楽矢見て!月が綺麗だよ!」

 

同じ発想だったか…

このタイミングでこれを言うのもどうかと思うが…

まぁ、死亡フラグとかにはならないだろう

まず俺は死なないしな

 

楽矢「あぁ…今夜は月が綺麗ですね」

 

多分これが長い永遠の人生の中で

この先言う事のない種類の言葉だろう

ここまで信頼できる人間がこの世界で

自分に作れた事がもはや奇跡に思えるな…

それを全部含めての感謝の言葉だ

 

凶香「楽矢?どうしたの?いきなり敬語なんか使って」

 

流石にこいつには分からないか

まぁ、今の意味を分からないでいてもらいたいものだ

 

楽矢「いや、ちょっとな…」

 

気のせいだろうか…

今こいつが凄く嬉しそうな顔をした

まぁ、気のせいであってくれ

案外口にするのには慣れていないせいで顔が熱い

 

凶香「楽矢?顔赤いけど大丈夫?」

 

楽矢「少し、飲みすぎたようだ…」

 

凶香「お酒飲んでないじゃん!」

 

楽矢「あれ、そうだったか?」

 

なんとか多少強引ながらもごまかせたか

後々考えると恥ずかしいものだ…

 

凶香「ねぇ…あの空にあるのなんだろ?」

 

来やがったか…最悪のタイミングだ

人が楽しんでいる時を狙ったかのようで腹が立つな…

まぁいい、やる事は一つだ

 

楽矢「なぁ、凶香?今から用事があるんだが

今日は一人で帰っていてくれないか?」

 

凶香「こんな時間から?付いて行っちゃ…「駄目だ」

 

楽矢「危ない用事だ、それもかなりのな

俺はお前が傷つくところは見たくない」

 

凶香「しょうがないなぁ…帰っとくよ」

 

楽矢「すまないな、帰ったら話の続きをしよう」

 

案外一言で済むもんだな、

この交渉に時間が一番かかりそうだったんだが…

こいつは今幽霊ではない、人間だ

幽霊ならばある程度のダメージは耐えられるだろうが

人間の身だ、俺と違って物凄く脆いだろう

俺は凶香が帰るのを見届けて街の真ん中へと足を進めた

奴らの乗って来たものは本当の意味での宇宙船だった

まさしく空飛ぶ船だな…大砲でもあれば落とせるんだが…

どうやら上陸してくるのは予想より早かったな

俺は少しだけペースをあげて屋敷へと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

輝夜「嫌よ、私は戻らないわ」

 

「なりません、こんな下賤な民などと居ては…」

 

「そうです、早く月にお戻りに…」

 

まだ交渉中で良かった

どうやら間に合ったようだ

これで遅れてでもしたら後々どうなっていたか…

考えるだけでも恐ろしい…

報酬のある仕事だ、しっかりとやりますか…

 

楽矢「あー、お話中ですまないんだが」

 

俺の姿が見えたと共に俺と輝夜は蓬莱人に

囲まれてしまった…おいおい、たった一言発しただけだろ

 

「何者だ!貴様…月の民に口を聞くとは無礼な」

 

面倒だな…こういう自分が一番な奴は嫌いだ

見ているだけで腹が立ってくる

 

輝夜「あ、楽矢…遅かったじゃない!」

 

楽矢「まぁそう怒るな、俺にも色々あるんだよ」

 

会話をしているうちにぞろぞろと蟻の様に

蓬莱人の群れが出て来た

一人の姫様連れ戻すのにかなりの大群なこった…

正直戦う前からここまで面倒に感じる戦いは初めてだ

 

「輝夜様、ですから早く帰りましょう」

 

「そうです、綿月様達もお待ちに…」

 

綿月?月夜見じゃないのか?

月のトップも変わるもんだな…

つい、変わるんなら八意になるもんだと思っていたが

 

輝夜「だから嫌って言ってるじゃない」

 

本来なら正しい方に加勢するんだが…

まぁ、報酬付きの仕事に善も悪もないか

さてと…ポチとクロの方は…問題無しか

 

輝夜「楽矢…もう準備は出来てる?」

 

輝夜が俺の耳元で小さな声で囁いた

準備どころかもう勝利まで見えている

 

楽矢「あぁ、準備完了だ」

 

俺も輝夜の耳元で返事を返した

さて…妖力、神力ともに問題無し、いつでも行けるぞ

 

「さっきから貴様…こそこそと…」

 

一人の蓬莱人が銃らしき何かを構えながら

近づいて来る…銃か、羨ましいな

本来は剣よりも銃の方が使い慣れているんだが

俺も銀刃を静かに構えタイミングを伺った

 

楽矢「輝夜…後どれくらいだ?」

 

輝夜「まだ駄目…もう少し」

 

何を待ってるかは知らないが

今はこの護衛対象の言う事を聞いておくか

 

「貴様!そこをどけ…さもなくば…」

 

蓬莱人の隊長らしき奴の銃口が俺の頭へと向いた

早く指示をくれないか?姫様…流石に危ないんだが?

 

「人間程度…これさえあれば…」

 

おいおい…引き金に指まで掛かったぞ…

撃たれたら不老不死とはいえ頭が飛んだら

再生にかなりの時間がかかるわけだが…

 

輝夜「今よ!」

 

輝夜の大きな声と共に月を遮るかの様に黒い影が

宙を舞った、それと同時に隊長が倒れた

次々に俺の周りを囲んでいた蓬莱人が倒れていった

あまりの早さについていけなかったが

よく見ると一本の矢がそれぞれ一人一人に刺さっていた

しかも、刺さっていた場所は頭だ

 

???「久しぶりね、何億年ぶりかしら?」

 

楽矢「さぁな、久しぶりだな…八意永琳」

 

影が光に照らされて出て来たのは

見覚えのある一人の月人…いや、最強の駒だった

 

 

 

 




皆様、こんばんわ空ネロです
前書きは書く事がなかったため省略です

いやー、皆様…お盆休みに入りましたが
いかがお過ごしでしょうか?
帰省や、お墓参りなど先祖を敬う出来事が多い中
私は残念ながら予定がないため
家でもっぱらFPSに励む所存です
というか、今年の夏はFPS以外に
何かをしたという記憶がありません…
人生経験上一番悲しい夏の過ごし方です

そんな事は置いておいて
今回の話で使用した月が綺麗ですね、
という言葉は知ってる人も多いと思うのですが
知らない人のために説明しますと
夏目漱石が英語教師であった時、
生徒にI love youの訳を聞かれた時に
日本人はそんな事は言わない、と言って
月が綺麗ですね、と訳した事がきっかけだそうです
まぁ、楽矢が凶香に対する思いを敢えて
ダイレクトに表現していませんが、お察し下さい

それでは今回もご回覧ありがとうございました
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