楽矢「…見事なまでの発想力だな、俺」
今俺の目に見えているものはまさに鬼、
その一言以外でどう言い表す事が出来るだろう…
まさに、俺の発想が実現した瞬間だ
……まぁ、鬼の数匹が此方を睨みつけてはいるがな
「何だぁ?随分と弱そうな妖怪じゃねぇか…」
初対面でいきなり相手を罵る、それも鬼だな
まぁ、流石は妖怪最強の種族なだけはある
どんな雑魚でも覇気というか、周りの空気が違う
ま、やり合うつもりは無いんだがな…
楽矢「すまない、人探し…いや鬼を探しているんだが」
「鬼だぁ?わざわざ里に来るとは
いい度胸してるじゃねぇか…」
気のせいだろうか、最強の種族と言えど
頭の中は最弱の種族…いわゆる脳筋って奴か?
俺は一言も里を潰しにきた、とは言ってないんだが?
楽矢「すまないが、争い事は苦手でね
時間もあまり無くてね…焦っているんだ」
「弱小妖怪が最強の鬼に楯突く気かぁ?
やってやろうじゃねぇか!」
確信を持った、こいつ多分耳が無いのか
人間の言葉が理解出来ないんだろう
俺は争う気はないんだがなぁ…
「私にやらせてもらっていいかな?」
大きな鬼の後ろから鬼にしてはちっさいのが出てきた
しかも女…いや、鬼に種別って有るのか?
「……まぁいい、やれ」
「久しぶりに腕がなるよ…」
ちっさいのが構えをとった
……だからやり合うつもりは無いんだが?
せめて人の意見くらい取り入れてくれないかねぇ…
「そりゃ!」
楽矢「人の話を少しは聞いてくれ…」
身体に合わない速さでちっさい鬼が動いた
鬼の力強い右腕が俺のいた地面へと振り落とされた
拳が地面に穴を開けている、
緊急的に飛んだから怪我は無いものの
当たったら一頭身まで縮められていただろうな…
だが、俺の好奇心に火がついてしまった
鬼の力比べ、どの程度のものか楽しみだ
「もう一発!」
今度は力強い蹴りが俺の目の前の空気を裂いた
その蹴りからの真空波が俺の顔に当たった
当たった、というよりは頬を掠めた程度だがな
さてと、もう暫くは鬼の生態系でも観察するか
「避ける事しか出来ないの?面白く無いね!」
鬼の足、腕、拳が物凄い速さで俺の身体を掠める
速さだけでは無い、一つ一つの攻撃で
真空波が生じる程だ、反撃は…まだやめておこう
楽矢「少しでも当ててみたらどうだ?腰抜け」
「今…何て言った…?」
どうやら怒らせてしまったみたいだな
さっきよりも空気が刺さる様に感じる
楽矢「腰抜けだ、耳が遠いのか?」
「もう…許さないよ…?」
鬼の拳が正確に俺の腹部を捉えた
打撃の筈が貫かれたかの様な痛さだ
俺の口から大量の血が吐き出された
一度は飛ばされたものの立つ事に支障が出る程では無い
これが鬼の本気か………
「まだ立ってられるか…面白い!」
楽矢「並の妖怪なら死んでただろうな…」
いや、改めて言おうか…これが鬼の本気か
……この程度が鬼の本気か…
威勢の良さで判別したが、所詮妖怪か
楽矢「なぁ、お前を倒せたら
俺の欲しい情報をくれないか?」
「面白いね…いいよ!」
まぁ今回はポチとクロは使わないでおこう
銀刃は…そうだな、もう俺には必要無いな
月夜見の助けが無くても実力だけで勝てるしな
それに、相手は肉弾戦がお好みの様だ
俺は両手の周りに黒炎を纏わせた、反撃開始といこうか
「さっきからちょこまかと…」
鬼の攻撃を軽く躱しつつも間合いを詰める
黒炎を乱射して遠距離戦に持ち込んでも面白いが
それはそれで卑怯になる…直々に近距離戦だ
楽矢「遅い…」
足に神力を集中させて鬼の顔を蹴り飛ばした
女子どもには普段あまり攻撃しないんだが
相手が鬼となれば話は変わってくる
だが、流石に一般人の蹴りでは平等でないにも程がある
鬼は身体を守っていたためか予想外の攻撃によろめいた
俺はすかさずに油断した鬼の腹部に拳をめり込ませた
勿論、拳のダメージも有るがおまけも付いている
手に纏っていた黒炎が鬼の腹を焼き焦がした
「く…ぅ…」
まだだ、俺はさっきとは逆の方向に足で蹴った
最早防御すら出来ずに立っているだけでも困難だろう
すかさずに、俺は蹴りと拳を叩き込んだ
さっきまでの威勢は徐々に薄れていくように無くなり
立ち尽くすだけでも最早限界に見える
「く…ぁ………」
鬼の口からは力弱い咳と共に
先ほどの俺以上の血液が吐き出された
周囲には肉の焦げた様な嫌な匂いが漂い、
鬼は半殺し…いや、もう九割は死んでいるだろう
少し、やり過ぎたか…ついで許される訳も無いか…
手加減がしにくい分、争い事ではなく一方的になる
だから俺は攻撃する気は無かったのだ
鬼の小さな身体から力が抜けていくのが目に見えて分かる
俺はその倒れゆく鬼を身体で受け止めた
………止めを刺すつもりはない
いや、止めは刺さないにしろやはりやり過ぎたな
俺は自分の妖力を鬼に流し込み
本来の数十倍の速さで傷の修復を行った
腹部に出来た大きな火傷がみるみる回復していった
戦いを見物するために出てきた鬼達は
驚きと恐れのような表情をしながら俺を見つめた
楽矢「安心しろ、殺してはいない
……それとも殺した方がいいか?」
俺は抱きかかえた鬼の顔に指を突き立てた
つい癖で、相手に聞いてしまうな…
昔の仕事の名残がまだ残っていたようだ
「い、いや…殺さないでいい…」
一番最初に威勢の良かった鬼の顔が蒼白としている
それにしても、黒炎はコントロールが難しい
小さな鬼は気持ち良さそうに俺の腕の中で寝ている
人質だとかじゃないんだがな…返せと言われれば返す
これでも大分抑えた方だ、完全に出し切っていたら
この山ごと焼け野原だっただろうな
楽矢「そうか、なら鬼子母神のところまで
約束通り案内してもらえないか?」
今回の反省点は好奇心を抑えきれなかった事と
相手にハンデを与えなかった事だろうな…
今我に返ると鬼すらも蒼白させる程の戦いだったんだろう
昔の血が騒いだせいだな…今度からは抑えるとしよう
「は、はい」
観覧していた鬼達は俺に道を開けた
………こんなはずじゃなかったんだがなぁ…
案内役が怯えながら先導をしていた
その案内役を後ろからついて歩いた
鬼達はまだ俺に対して驚きを隠しきれないようで
じっとこちらを見ていた、そりゃあ鬼に勝ったら
こうなるわな…俺は眠っている鬼を抱きかかえながら
開かれた道の真ん中を歩いた
皆様、夜分遅くにこんばんわ、空ネロです
二日連続投稿成功です
今回の話は何というか…やり過ぎましたかね…
まぁ、怒らせると怖い人の良い例になりましたね。
現実でここまで容赦無く殴ると殺人未遂だの
犯罪になってしまいますがね…
まぁ、自分自身が書いていて目標の
幻想郷介入に到達出来そうな事が伝わってきます
チートはチートでも容赦の無いチートを目指して
これからも日々頑張っていきたいと思います
後、これだけは言わせてください
私は決して萃香が嫌いなわけではありません
寧ろ好きな部類に当たります
今回の話を読んでいて、もし、お気分を損ねて
しまったのであれば申し訳ありませんでした。
ただの私の好き嫌いでボコボコにしたわけでは
ないので、そこをご理解頂けると有難いです
それでは、今回もご回覧ありがとうございました