東方冒涜伝   作:空ネロ

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第五十七話 共存

案内役の後ろを着いて歩いてかなり経つな…

それに、空気から香る匂いが強い酒の匂いだ

こんなの普通の人間がここを通れば

匂いだけで酔い潰れてしまう程のキツさだろう…

それに、最初の方は鬼といえど下っ端の部類だったのだが

段々と歩くに連れ周りの鬼もレベルアップしている

多分、さっきのちっさいのと同等なレベルだろう

 

「あまり余所見をするな、狙われるぞ」

 

案内役も慣れてきたのか段々と口調が和らいできた

その方が話しやすくてありがたい

狙われる…何だ?こいつ等は見た目に反して

知能の無い猛獣なのか?

 

楽矢「あぁ、気をつける」

 

俺が発言するとその猛獣の様な鬼が数匹こちらを向いた

睨み付けている目から敵意が感じ取れる程だ

…だが、気のせいであってほしいのだが.

俺の抱きかかえている鬼を見ると

さっきの下っ端と同じ顔色に変わった

もしかして…既に面倒に巻き込まれている感じか?

 

「なぁ…一つ尋ねていいか?」

 

案内役の鬼が歩く速度を少し落としてこちらを見た

そんなにこの鬼が何か有るのだろうか…

 

楽矢「どうした?この鬼なら素直に返すが…」

 

「いや、そうじゃない…あんた、名前は?」

 

俺の勘も時々は外れてくれるもんだな

まず人に名前を聞く時は自分から名乗れ、

とは良く言うが…相手は鬼だ、素直に名乗るとしよう

 

楽矢「穂冒楽矢だが…それがどうした?」

 

俺が自分の名前を発言した途端に

周りの鬼の顔が一層青くなった

だが、案内役は納得した表情で此方を見た

 

「…どうりで人間にしては戦闘の次元が違うわけだ」

 

どうやら、名前が知られているようだ

あまり表で名前が出回ると裏で動きにくいんだが…

 

楽矢「……鬼子母神から聞いたのか?」

 

まぁ、当然の様に俺の名前を知る鬼といえば

あいつくらいしかいないだろう…

人の名前を勝手に広めないでほしいものだ

 

「あぁ、黒い髪をした着物姿の人間と

白い髪をした黒い布を纏った人間が来たら

絶対に何があっても喧嘩を売るな…と」

 

思いっきり約束破ってるように思えるんだが?

ってか、凶香の事まで教えてあるか…

あいつは多分、他人との絶対に秘密…という約束を

守れないタイプの性格なんだろうな

 

楽矢「その約束を破棄した奴が

今、俺の腕の中でお休み中のこいつな訳か」

 

「俺も一つ道を間違えれば今あんたに

抱きかかえられてたところだ」

 

お断りだ、何で女ですら嫌なのに

男を担がねばならんのだ…

俺はあくまで情けと気分で今こいつを担いでるわけで、

気分が悪ければ身体が半壊してようとその場に置き去りだ

 

楽矢「まぁ、次の被害が増える前に

気づく事ができて良かったな」

 

「全くもってその通りだ、一歩間違えたら

この山自体が一面焼け野原になってたからな」

 

案内役は笑いながらそう言った

だが、実際それが出来てしまうから

俺には笑えない冗談だな…

 

楽矢「ここに来る前に天狗と山の神様を見たんだが

この山は多くの種族が共存しているのか?」

 

「あぁ、鬼、天狗、河童、そして厄神

それ以外にも沢山の種族が共存している」

 

よく、争いも無くやっていけるものだ

前世の世界もこれ程平和ならば

俺も普通の人間として普通に生きていただろうにな

 

楽矢「平和そうで何よりだな」

 

「人間とも共存出来たら良いんだがな…」

 

案内役の鬼は遠くの空を細い目で

見つめながら小声でそう言った

…鬼が人との共存を望むとはな

天狗とは違ってやはり…気持ちに余裕が有るんだな…

……そんな世界があるなら見て見たいものだな…

 

「っと、ここを真っ直ぐ進めば鬼子母神様だ

決まりで残念ながら俺はここまでだ」

 

楽矢「色々と助かった、ありがとな

……後、共存出来る世界に変わるといいな」

 

「そうだな…」

 

案内役はそう言い残して来た道を戻って行った

多分、案内役は独り言のつもりで言ったのだろう

俺が付け加えた一言の後の案内役の顔が

最初と比べて赤く染まっていた気がする

共存出来る世界…これからの世界が

どう変わっていくのかが見ものだな

 

「ぅ…ん………あれ?」

 

俺の鬼子母神への手土産が目を覚ましたようだ

ちっこい鬼は不思議そうな顔をして辺りを見回している

そして、鬼の顔が案内役の顔よりも赤くなっていき

気付けば俺の頬に激痛が走っていた

 

「さっきの人間!」

 

楽矢「人が親切心で回復させてやってたら

お礼の言葉より早く掌が飛んでくるとはな」

 

ちっこい鬼は自分の身体に火傷跡や、

打撲傷が残っていない事にやっと気づいた

…今度から親切心で行動するのはやめにしよう

 

「あれ…痛くない…ありがとう!」

 

鬼の思考回路は単純に出来ているのだろうか…

こちらが心配になるレベルの鳥頭だ

目が覚めた事だし、俺はちっさいのを地面に下ろした

 

楽矢「次からは喧嘩売る相手を選べ」

 

「普通の人間なら勝てるんだけどねぇ…普通、なら」

 

鬼は口を尖らせながら悔しそうに呟いた

普通を強調しなくていいだろ…

俺だって自分がそこまで人間らしいと思ってない

種族的に見ない限りはただの妖怪でしかないだろうしな

 

楽矢「じゃあ、またな」

 

俺は一人で後悔に浸りながら呟く鬼は放って行く事にした

いや、直感的になるが嫌な予感がする

面倒事になりそうな嫌な予感がな…

 

「あ、忘れてた…人間、名前は?」

 

楽矢「穂冒楽矢だ、お前は?」

 

「私?私は伊吹萃香だ!よろしく!」

 

萃香は笑いながら俺の背中を叩いた

鬼なだけあって軽く叩かれるだけでも痛い

というか、初対面で馴れ馴れしいのは

鬼特有のマナーか何かなのか?

こういうのをリーダー格だとか言うんだろう…

 

楽矢「あぁ、よろしく」

 

「鬼子母神様のところだろ?私が案内してやるよ」

 

案内…?いや、さっきまでの案内役から

もう道教えてもらったし、何より道が一直線で

このまま真っ直ぐ行けば着く道の案内…?

こいつ、ただ単に一人が寂しいんじゃないだろうか…

まぁ、それを言ったら無駄に妖力を消費する事に

なりそうだから言わないがな…

 

楽矢「あぁ、頼む」

 

「りょーかい!」

 

萃香は俺の前に立って楽しそうに歩き始めた

多分、こいつは一人で時間を潰せないタイプの正確だろう

今迄の俺の人生経験がそう語っている

俺はあまり乗り気では無いものの萃香の後ろを

一定感覚のスピードで歩いてついていった

………また面倒事に巻き込まれるんだろうな…俺は

 




皆さん、夜遅くにこんばんわ、空ネロです

最近は徐々に暑い夏から風が心地良い秋へと
変わって行くのが身に染みて分かります
秋といえば、読書、食欲、運動など色々とありますが
皆さんはどの秋をお過ごしでしょうか?
私は季節が変わろうと変わらなくても
毎年睡眠の秋を過ごしています
冬ほど寒くも無く、夏ほど暑くも無い
そんな睡眠にはぴったりな季節だと私は思います

話は変わりますが、お気に入り登録者が
最初と比べるとかなり増えてきて、最近は
編集前に開覧数とお気に入り登録者の数字を
ついつい確認してしまいます
自分のやってきた事の長続きに対する驚きもありますが
ここまで、やってこれている事が一番の驚きです
やはり、最近よく思うのは
皆様の支えが一番の続ける理由になっているんだなぁ…
と、近頃はよく感じます
実は…最初の話辺りでの段階では
気まぐれ更新に付け加えて飽きたらやめるつもりでした
ですが、書き続けるとあら不思議、
こんな駄文を温かく受け入れてくれた皆様が
いるではありませんか…
と、やめる理由が無くなってしまった訳です
後書きの長さだけは他の方の小説に負けないよう、
これからも駄文小説家として気まぐれ更新を
続けていきたいと思います
1でも開覧数が増える限りはやめないです、はい

それでは今回も長くなりましたが
最後までご開覧、ありがとうございました
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