自分の中での決まり文句のようなこの挨拶も
すごく久しぶりに感じます。
前回から約二ヶ月もの投稿期間が空いてしまったという真実を
受け止められない自分が今呆然とスクリーンの前に映し出されています。
それでは本編へ。
………どこだ…此処…
自分の名前は分かるが思考がはっきりとしない…
「……の?」
頭の上でか細い少女のような声が目覚めて直ぐの耳に入った。
…何故俺はこんなところで寝ているんだ…?
……いや、いい。思い出した。あのちっこいアホに
見事に騙されたんだった…思い出すだけで滑稽なもんだな
「…生きてますか?」
小さな少女の声がまた頭の上に響いた。
耳も聞こえる、意識もあるということは俺は生きているらしい。
目覚めたばかりで喉からひり出したような声で俺は呟いた。
楽矢「生きてるように見えるか?」
目覚めたばかりで喉からひり出したような声で俺は呟いた。
久しぶりの他人との会話に咄嗟に出た精一杯がこの一言だったのだ
俺は硬くなった上半身を起こし背筋を伸ばすと
背骨がなり身体中に酸素が巡る。
俺は空気の味を楽しむかの如くもう一度息を大きく吸い込んだ。
目を開くとそこには綺麗な緑色の髪に宝石の様な
青く輝く目をした少女が心配そうな面持ちでこちらを見つめていた。
「よかった…ずっと返事がなかったので…」
楽矢「生憎生死とはかけ離れた身体でな…
それよりも…悪いな、世話してくれてたのか?」
俺の渾身の一言は流され少女は大きく息を吐いた。
辺りを見回すと薬草の類だろう。
色々な色をした木の実や石ころが少女の周りに散らばっている…
俺の身体に治癒を施してくれていたようだ。
俺は硬くなった全身をほぐすように肩を回し
手を何度も開いた。血が身体中を暴れ馬の如く流れている。
一方の少女は俺が生きていた事に対する
安堵なのか。それとも俺の看病に対しての疲れなのかは
分からないが小さく溜息を吐いた。
「ええ…私にはこれくらいしか出来なかったので…」
少女は照れているのか少し頬を染めて顔をかくような仕草をした。
薬草なんざ俺に使っても無駄以外の何物でもないんだがな…
まぁ、人の好意は素直に受け止めておくものだろう。
「そんな事よりよく空から落ちてきて無事でしたね…」
楽矢「身体のつくりだけは自分でも理解出来ないくらいに
頑丈だからな。」
不老不死が不幸か幸運かはさておき
俺は得意げに鼻を高くして胸を張った。
…待て、空から、という事はあの後そのまま
あのチビは俺を下に叩き落としたのか。
今になると信用した自分の不甲斐なさと
あのチビに対する苛立ちが俺の心を埋め尽くした。
「人間…ですよね?お名前尋ねてもよろしいですか…?」
楽矢「楽矢だ。旅をしている」
人間という種族を見るのが初めてなのだろうか…
と言うくらいにまじまじと少女は俺を見つめた。
人里から離れて暮らしているのだろうか。
だとしたらかなり危ないものだが…
楽矢「嬢ちゃん、名前は?」
「私は…えっと…」
助けて貰った礼儀程度に名を尋ねると
少女はもじもじとしながら下を向いた。
…名前を聞くのがそんなにいけなかったのだろうか…
これまでの人生経験で名前を聞いてこんな顔をされたのは初めてだ。
…いや、かなり前に同じような体験をしたな…
楽矢「名前…無いのか?」
「えっと…その…はい…ただの妖精です…」
俺の問いに少女は目を丸くして驚いた様子だった。
前例があったとは言えまさか的中するとはな…
少女は俺の問いに対する的中力に対して
驚いているのか。それとも名が無いのを知られたく無いのか
それは分からんがあまり聞かない方が良かったのは確かだ。
ずっと下を向いて指と指を擦り合わせたら落ち着きがない。
………待て、かなり流してしまっていたが妖精という
単語がふと俺の中で引っかかった。少女の身なりを見ると
大体人間の子供くらいの大きさに青いワンピースに緑の髪…
背中には透明に近い羽が生えている。
あまりにも会話が自然すぎて見逃すところだった。
楽矢「嬢ちゃん、頼ってばかりで悪いが此処はどこだ?」
「えっと…ここは…大きな湖の近くの森です。
名前は分かりませんが生まれた時から此処に…」
一瞬だけ上を向いた顔がもう一度下を向いてしまった…
あまり質問責めにするのも良くないのかもしれない。
楽矢「それにしても妖精か…初めて見たな」
「…珍しい…ですかね?」
嫌になる程妖怪は見てきたが妖精とは俺の中で初めての例だ。
いや、此処まで絵に描いたような…絵本のまんまな
生物が存在していることに対して驚いてもいる。
楽矢「さて、そろそろ行くとしようか…」
「え?お身体の方は…」
楽矢「頑丈なのさ…まぁ心配に値しない」
助けてもらっておきながらあまり質問責めにしても
恩を仇で返すようで悪い。自分で探せる事は自分で探すとしよう。
改めてあたりを見回すと木が生い茂っていて
丁度頭上から太陽の光が差し込んでいる。
まさに森の中という言葉が一番似合う風景だろう。
森の中…というあって昼の間でも少し薄暗い。
楽矢「手間取らせて悪かったな。」
俺は足にかかった木の葉を手で払い除けて
立ち上がろうとすると身体がふらつくようだ。
暫く死んでいたのだろう。足は再生はされているが
筋肉が硬直している。肩や腰を見ると、
折角の年季の入ったコートが土や木の葉で汚れてしまっている。
「あの…本当に大丈夫ですか?」
楽矢「…大丈夫だ。それよりも今度何か恩を返させてもらうよ」
少女も立ち上がると辺りを警戒しながら背筋を伸ばした。
上を向くと太陽が真上…いや、少し落ち始めているのか
どうやら昼過ぎくらいのようだ。
前世で言ったところの…2時くらいだろうか。
…それにしても尚更此処が何処なのか分からなくなってきたな
俺の記憶にこんなに自然が残っている場所は
数少ないがどれも該当しない。
楽矢「色々と迷惑かけてすまなかったな。」
「楽矢さん…ですね。此処で会ったのも何かの縁、ですかね。
今度会う時を楽しみにしてます」
少女の落ち着きのない表情は始めて笑顔に変わった。
一切の汚れが無い純粋な子供のような笑顔だ
妖精というだけはあって本当に純粋なのだろう。
人間も此処まで素直ならば社会に溶け込めるんだがな…
楽矢「そうだな…それじゃ、またな。大ちゃん」
俺は軽く妖精の綺麗な緑の髪を撫でると妖精に背を向け
第六感の告げる方へと歩き始めた。
何となくで思いついたあだ名だがこんなもので良いだろう。
あまり他人の名前の都合には深入りしたくはない。
森の中へと気怠そうな欠伸と足音が響いた。
…いつになったらこの森を抜けるのだろうか…
もう何時間もこの森の中を歩き回っているが
一向に抜け出せるような気配がない。
流石に俺の体力もだんだんと疲れが見えてきた。
不老不死だからといって体力は妖力なら何なりで
ドーピングしない限りは普通の人間と変わらないのだ。
楽矢「はぁ…」
流石の森の広さに俺は顔を歪めざるを得なかった。
あまりに変わらない景色ばかりだと見栄えもしなければ
楽しげもない。辺りには夕焼けのオレンジの光を
木が反射して反応すら出来ない夕方の景色を映し出している。
仕方ない。あまり好まない手段だが…
「その顔は…もしかして…」
俺が辺りに空間を張ろうとすると後ろから凛とした声が
疲れ果てた俺の耳に響いた。
秋というより冬なんじゃないかと思うくらいに
最近急に冷え込んだおかげで布団だけが癒しになりつつある人間。
どうも、空ネロです。
約二ヶ月前に区切りを付けてからどのように話を切り出すか。
という問題と葛藤が自分の中で生まれて
中々投稿に至るまでが長く、こんなに遅れてしまうとは
思ってもみませんでした。
前回の終わり方が終わり方なだけあって
本当に終止符としての区切りを付けてしまいそうで
自分の中でもかなりハラハラしてました…
そんな中で今回の話を思考回路から絞り出したのですが
スクリーンに大量の文字を打ち込むという作業が
あまりにも久し振りすぎて編集中は
それを着々とペース良く。なおかつ面白く進める他の投稿者の皆様に対してずっと尊敬の眼差しでした。
三年も続けてこんな話数だといつ終わるのやら…
今回の後書きは愚痴のようになってしまいましたが
全ては眠気と少ない語彙力をフル活用した結果です。
本当に申し訳御座いませんでした。
次回は極力早くを心がけます。
せめては一ヶ月内に投稿をしたい。そう思う所存で御座います
これからもご迷惑をおかけしますが何卒宜しくお願いします。
今回もご閲覧ありがとうございました