「ハァ……!ハァ……!ハァ……!」
夜の闇に沈んだ町の、街灯もない暗い路地を、1人の女性が走る。
危機迫った様な表情で、時折後ろを振り向いて走る姿は、明確に
これが人間の悪漢に追いかけられているのであれば、まだ良かっただろう。
しかし、この町では――――
「マテ……!マテェエ……!」
――――
女性を襲う怪人の名は、『マンティスオルフェノク』。
名前の通りカマキリの力を持つソレは、まるで狩りを楽しむかの様に……いや、実際に狩りを楽しみながら、女性をわざと捕まらない速さで追いかけていた。
その気になれば、すぐにでも捕まえられるのに。
「誰か……!」
それを薄々勘づきながらも、僅かな可能性に賭けてマンティスオルフェノクから逃げ続ける女性。
人影もないこんな所では、誰も助けになど来ない。
そうとは分かっていても、こう叫ばずにはいられない。
「誰か助けて!!」
「ダレモ!コネエヨォ!!」
嘲笑いながら迫るマンティスオルフェノクだが、そろそろ追いかける事にも飽きて来たのか、狩りを終えるために速度を上げる。
そしてその手首から生えた凶刃が女性の首へと迫り――――
「させるかオラァッ!!」
「ナニッッ!!!?」
――――突如路地の横道から現れた男性が振り下ろした剣が、マンティスオルフェノクの鎌が女性を斬る前に地面に叩き落とした。
「ッ!?あ、アナタは!?」
「俺は良いから、早くあっちへ逃げな!」
彼女の問いかけに、自分が出てきた横道の先を指さす男性。
それに僅かな間だけ逡巡するも、すぐにその道へと女性は駆け出していく。
「オマエ……ジャマダナ……」
「お互い様だろ」
「オマエハ……ナニモノダ?」
「俺か?俺はな」
マンティスオルフェノクの問いかけに、赤いベルトのバックルを腰に当て、赤いガイアメモリを構えて男性は答える。
「俺の名前は『
[アクセル!]
そのまま
そしてそれに手を添える。
「『仮面ライダーアクセルロスト』だ!変身!」
[アクセル!]
ロストドライバーを操作し、アクセルメモリの力を解放すると、再び鳴り響くエンジン音。
「さあ、ブッチ切るぜ!」
その音が止まった時、そこには真紅の仮面ライダーが立っていた。
それは
「カメンライダー……!オマエモカ……!」
「お前も、か。俺以外にも知っている口ぶりだな?」
「ソウダ!オマエノマエニモ、デクワシタコトガアル!……ダガ!オレガコロシタ!」
実際のところ、マンティスオルフェノクが仮面ライダーを倒したのは事実だった。
しかし、それは最弱の仮面ライダーと呼ばれる『ライドプレイヤー』が相手であった。
つまるところこれは嘘は言っていないというだけなのだが、仮面ライダーを倒したことには違いない。
「オマエモココデ!コロス!」
だからなのだろう。
ここは逃げるべきであっただろうに、彼がアクセルロストへ鎌を振り上げ立ち向かってしまったのは。
「殺されてたまるか!!」
「グァァッ!?」
その鎌の一撃を、アクセルロストは
一刀でマンティスオルフェノクに深々と傷を付けると、それによって怯んだ隙にアクセルメモリを右腰のマキシマムスロットへと装填される。
タンッ、と音をさせながらスイッチを押すと、
[アクセル!マキシマムドライブ!]
「アクセルグランツァー!」
「グアァァッッ!!?」
アクセルメモリから右足にエネルギーが充填され、回し蹴りがガラ空きになった胴体へと叩き込まれる。
その勢いのままに壁に叩き付けられるマンティスオルフェノクだが、
「ナ……ナンデ……オレガ……」
「……それはお前の被害者たちも、そう思ってただろうよ」
自身に伸ばされたマンティスオルフェノクの手には目もくれず、振り払う様に元来た横道を変身を解除しながら歩き去るアクセルロスト。
「ア……アァ……」
去っていく背を見つめながら、
この世界ではない、どこかの世界の日本のどこかにある、実験都市リンカーシティ。
大企業『リンカー・コーポレーション』の大規模実験のために作られたこの町では、ある存在たちが集まる。
それは、転生者たち。
彼らは皆、仮面ライダーの世界における何らかの力を宿してこの世界で2度目の生を授かり、そして何故かこの町に集う。
力を得た結果、人々を守るために闘う者もいれば、人々を害する存在になってしまう者もいる。
もしくは、それ以外の意図で行動する者もいる。
これは、