ヴィラン名:【都市伝説】   作:むろふし

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とあるヴィランのモノローグ

僕の名前は七不思議怪奇。

都市伝説という個性を持った史上最凶のヴィラン、らしい。

 

僕は小さな頃から他の人には見えないモノが見えていた。

他人にあれはなに?とかあの人は誰?って聞いても誰にも見えなくて、悪ふざけはやめなさいとか、怖がらせるつもり?とか言って、真面目に聞いてくれる人は誰もいなかった。

 

アイツらは僕の恐怖心を煽る様に、じわじわと怖がらせるように、一思いに殺したりしなかった。殺したら楽しめないからか、僕の怖がる姿を見るのが好きなのか、ずっと、ずっと、ずーっと怖がらせるんだ。

 

助けを求めても誰も助けてくれなかった、誰もアイツらが見えないから。

 

僕がアイツらに傷つけられてもその傷すら他の人には見えないんだ。

傍から見れば僕はいたって健康で、嘘つき呼ばわり、僕はこんなに苦しんでいるのにね。

 

一思いに死んでやろうと思った、高い所から飛び降りたり木に掛けた縄で首吊ったりした、子供ながらに思いつく死に方全部やってみた。

 

だけど助かっちゃうんだな。

きっとアイツらが僕を死なせないようにしてるんだと思う、僕が寿命で死ぬまで楽しむ為に生かしてるんだ。

 

結局僕は心の病気だって事になって変な施設に預けられた。

 

そこでもアイツらは変わらず僕を怖がらせていた。

それでいつも怖がってる僕を見て不思議に思った他人が聞いてきたんだ。

何故そんなに怯えているのってね、心配だったのかな、多分、好奇心だったんだろうな。

それで僕は話したんだ、アイツらの事を。

 

盛況だったねぇ。

話を進める毎にたくさんの他人が集まって来てね。

皆が僕の話を聞きたがるんだ、それからどうなったの?つづきは?ほかにはないの?ってね。

 

誰も聞いてくれなかった僕の話を聞いてくれるなんてなんて良い他人達なんだろうって、その時の僕は思ったね。

 

けれど彼らはただ怖い話が聞きたかっただけなんだ。

後日僕の話を聞いた他人たちがまるで自分が体験した話のようにして他人に話すのを見て、あぁ、僕の辛さを理解してくれる他人は誰一人としていなかったんだって、絶望って言うのか、諦めって言うのか、悟ったね。

 

それから僕は他人に助けを求める事はやめたんだ。

でもそれでよかったんだ、僕の話を聞いた連中、他人伝に聞いた連中は皆、僕と同じようにアイツらが見えるようになったんだ。

 

僕と同じモノが見える人が増えて僕は素直に嬉しかったね。

それで彼らはアイツらへの対処法とか僕に聞いてくるんだ、助けてってね。

 

でも僕はアイツらへの対処法とか知らないんだ。

むしろそんなものあるなら僕がやってるしね、でも大丈夫、アイツらに襲われて意識失えば次の日目が覚めるからって教えてあげた。

 

 

でも彼らは目覚めなかったんだ。

アイツらに傷つけられてそのまま死んじゃったんだ。

彼らが羨ましかったよ、だって一度で楽になれるんだもの。

 

 

結局、その施設は無くなっちゃった。

その日からあちこちで謎の死を遂げる人が増え始めてね。

きっとあの日死んだ人たちの中に僕の話を他所に広めた人がいたんだろうね。

 

で、ヒーローが動き出したんだ。

これはきっとヴィランの仕業に違いないってね。

ズルいよね、僕の時はヒーローなんて現れなかったのにさ。

 

で、そのヒーローも死んじゃったんだ。

事件の真相を追い求めるうちに僕の話も聞いたみたいでね。

 

その死んじゃったヒーローは僕の話が謎の死の原因だって突き止めて馬鹿正直に僕の話を遺言に遺してたみたいでそれ見た他のヒーローたちも死んじゃった。

 

僕の話が言葉だけじゃなくて文字だけでも伝わると効果があるって分かった瞬間だったね。

 

でも彼らがそれに気づいた時すでに手遅れだった。

インターネットで僕の話は世界中に広まっていて、結果、多くの人が死んじゃったんだ。

 

で、世界中が協力して僕の話を規制したり、規制しきれないとみるや僕の話を変化させて弱体化させようとしたんだ。

 

て、今に至るって感じかな。

彼らの目論見は成功、僕の体験談は姿を変え名を変えて見事に弱体化した。

僕の話を聞いても誰も死なないし、誰もアイツらが見えるようにならない。

昔はあんなに怖がられていた僕の話も今では子供も大人も楽しめる娯楽になっていた。

 

 

そのおかげかな。

僕の個性が変化していって、アイツらが僕に襲い掛かってくることがなくなってね。

随分楽になったんだ。

 

でもね…。

最近、何故かアイツらが皆女性になったんだ。

幼い女の子から淑女まで、しかももれなく僕に好意を抱いているんだ。

意味が分からないんだけど。

 

 

 

しかも、アイツらは普通に他人にも見えているんだ。

 

僕に絡みつくアイツらの姿が…。

 

 

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