ヴィラン名:【都市伝説】 作:むろふし
僕の名前は七不思議怪奇。
僕には家族がいる。
おかあさん、おねえちゃん、いもうと、むすめ、ペット。
皆、本当の家族ではないんだけどね。
これもみんな何処かのヒーローのせいなんだよ。
普通は家族ってお母さん一人だよね。
だけど僕の家族はお母さんがたくさんいるんだ。
お姉ちゃんもたくさんいるし、妹もたくさんいる。
僕は結婚してないけれど娘もたくさんいるんだよ。
飼った覚えのないペットもたくさんいる。
皆楽しそうに、嬉しそうに、僕の名前を呼ぶだけで幸せそうなんだ。
過保護って言うのかな。
僕はこの部屋から出た事が一度もないんだ。
起きる時も、ご飯を食べる時も、歯を磨く時も、着替える時も、テレビを見る時も、お風呂に入る時も、着替える時も、ご飯を食べる時も、歯を磨く時も、テレビを見る時も、寝る時も、皆が僕の世話をしてくれるんだ。
ありがたいけど僕はもうすぐ小学生なんだ、自分の事は自分でやらなきゃ駄目だって…誰かが……誰だっけ。
僕の名前は七不思議怪奇。
僕には家族がたくさんいる。
それは全てを狂気に誘うもの。
「僕の名前は七不思議怪奇」
「「「「子子子子子子」」」」
「「「「弟弟弟弟弟弟」」」」
「「「「兄兄兄兄兄兄」」」」
「「「「父父父父父父」」」」
「「「「ワンワンワン」」」」
善も悪も何もかも飲み込む混沌の渦。
「都市伝説という個性を持った史上最凶のヴィラン、らしい」
「「「「子子子子子子」」」」
「「「「弟弟弟弟弟弟」」」」
「「「「兄兄兄兄兄兄」」」」
「「「「父父父父父父」」」」
「「「「ワンワンワン」」」」
それの姿を目にしてはいけない。
それの言葉を聞いてはいけない。
それを知ろうとしてはいけない。
命を掛けてそれに関わる全てを改変せよ。
「僕は小さな頃から他の人には見えないモノが見えていた」
「「「「子子子子子子」」」」
「「「「弟弟弟弟弟弟」」」」
「「「「兄兄兄兄兄兄」」」」
「「「「父父父父父父」」」」
「「「「ワンワンワン」」」」
今から記す言葉を見た者は死ぬ。
今から記す言葉を聞いた者は死ぬ。
今から記す言葉を知った者は死ぬ。
今から記す言葉を改変せよ変更せよ捏造せよ。
「僕がアイツらに傷つけられてもその傷すら他の人には見えないんだ」
「「「「子子子子子子」」」」
「「「「弟弟弟弟弟弟」」」」
「「「「兄兄兄兄兄兄」」」」
「「「「父父父父父父」」」」
「「「「ワンワンワン」」」」
これを見ているモノが何者だろうと構わない。
「結局僕は心の病気だって事になって変な施設に預けられた」
「「「「子子子子子子」」」」
「「「「弟弟弟弟弟弟」」」」
「「「「兄兄兄兄兄兄」」」」
「「「「父父父父父父」」」」
「「「「ワンワンワン」」」」
語り続けるのだ。
その命を賭して改変し変更し捏造し語り続けるのだ。
「それから僕は他人に助けを求める事はやめたんだ」
「「「「子子子子子子」」」」
「「「「弟弟弟弟弟弟」」」」
「「「「兄兄兄兄兄兄」」」」
「「「「父父父父父父」」」」
「「「「ワンワンワン」」」」
それに哀れみをもってはならぬ。
それに殺意を向けてはならぬ。
ただただ語り続け語り継ぐのだ。
「ズルいよね、僕の時はヒーローなんて現れなかったのにさ」
「「「「子子子子子子」」」」
「「「「弟弟弟弟弟弟」」」」
「「「「兄兄兄兄兄兄」」」」
「「「「父父父父父父」」」」
「「「「ワンワンワン」」」」
それの名は佐藤蓮。
無個性の両親のもとに生まれた無個性の少年だった。
それは無個性なれどヒーローを目指す、善き少年だった。
「僕の名前は佐藤蓮、無個性だけどヒーローを目指してるんだ」