巨人と人間の娘
とある山奥に巨人族が住む村がありました。そこの巨人族は人間に奴隷にされていた過去から排他的な種族でした。しかしとある人間の娘が森の中に捨てられているのを見つけた時から巨人族は変わり始めました。
「ディアンヌ今日もお願いね」
「はーいお母さん」
ディアンヌと呼ばれる少女は十年前に山の中腹に捨てられていた娘であった。彼女は育ての親となるマトローナに拾われて今まで育てられてきた。
彼女は一週間に一度、食料などを買いに行くため山の麓にある港町に降りていた。
そこの港町はとある海賊のナワバリなので無法地帯とまでは行かなくても危険なところであるのに変わりはないのだが、そこに毎週通える彼女の実力は言わなくても良いだろう。
そんな彼女には秘密があった。それは彼女が彼女ではなく彼であったことだろう。彼は地球という星で亡くなりこの世界に転生したのだ。転生した時に彼から彼女になったのだが、今になってはもうどうでもいいのだろう。彼女が今一番気にしているのはどんな世界に転生したのかだろう。最低でも巨人という種族がいるのは確定の世界なのは分かっているが、それ以外のことはあまり分かっていなかった。
「おじさーん!!魚くださいな」
「おうディアンヌか、活きがいいのが沢山入ってるぜ」
「じゃあマグロで」
「はいよ!ディアンヌは毎週来てくれてるから少しまけとくよ」
「ありがとおじさん!!」
いつもの日常だったが、変化とはいつも突然であった。
魚屋のおじさんだけではなく周りの店の人たちも慌て始めた。
「おいディアンヌ!早く山に帰れ!!」
「どうしたのおじさん?」
「説明している暇はねえ!ただ言えることは海賊が来たんだ。だから帰るんだ!」
「私も戦えるよ!!」
「何言ってやがる!子供はお呼びじゃないんだ。それになオレらはガラの悪い客なんて日常茶飯事だ。だから気にせず帰るんだ」
おじさんは笑いながらディアンヌを安心させるように言ったので、ディアンヌはおじさんの言葉を信じて山へと帰って行った。
しかし山へ帰ったディアンヌを待っていたのは、おかえりという言葉ではなくむせ返るような血の匂いだった。
「なんでみんな!!」
彼女の目に映ったのは村のみんなが血とともに倒れている姿と血を浴びた五人の人間だった。
「ん?なんで人間のガキがここに居るんだ?」
「上物だぜ!高く売れそうだ」
「そうだな巨人どもはデカくて捕縛は難しくて死なせちまったが、人間のガキなら楽勝だろ」
巨人族は人間より遥かに力が強く負けるはずはなかったのだが、この村の巨人族は対人戦を一度もやったことがなく強いて言うなら山に住む野生のイノシシ等の獣だったのでなれない戦闘だったのに対し、相手は何度も対人戦をした事のある海賊だったため経験の差で殺されてしまったのだった。
「お前らがマトローナ達をやったのか?」
ディアンヌの声は冷静で冷淡であったが、圧倒的な威圧感だけは放っていた。
しかし威圧感を放っているのが目の前の少女だと思いたくなかったのか、五人はディアンヌに武器を向けて走り出した。
「それは肯定って事だよね」
そこからは一方的だった。武器を持たないディアンヌは自分の拳で相手の武器を破壊して、相手を痛めつけるように致命傷になる場所は狙わず腕などの破壊に専念していた。
そんな彼女の腕はたまに黒く染っていたが、まだ彼女は知らなかった。それが“武装色”の覇気と呼ばれる対能力者に必須の力だということを。
「はぁはぁ…ごめんなさいみんな。私が仇をとるから」
そう言ってディアンヌは巨人達の死体を埋めて麓の港町目指して走り出した。
更に彼女を地獄へとたたき落とす光景がそこにはあったのだ。港町の建物は血塗られており、そして入口には山へ向かったディアンヌを追いかけようとしていたのか背中を斬られた魚屋のおじさんが倒れていた。
「おじさん!!」
ディアンヌは急いで魚屋のおじさんの体を触ったが、もう冷えきっていたので、もう息を吹き返すことはないだろうと察した。彼女はおじさんの仇をとろうと町の中を見ると一人の男が男の胸ぐらを掴んでいた。それを見たディアンヌは町の人の仇だと思い走り出した。
「なんか来るな」
男がそう呟くと背中を向けていたのにも関わらず拳を振りかぶっているディアンヌに向かって剣を振り抜いた。
「――っ!?女それもガキだと?」
ディアンヌの姿を見た男は急いで剣を引こうとしたが一足遅く剣と拳はぶつかってしまった。男はディアンヌがすぐに吹き飛んでしまうと思ったのだろうが、ディアンヌは数秒であったが耐えていたのだ。そのため男が剣を引いたらディアンヌはそのまま倒れてしまった。
「お前いい拳だな〜!!だがなぜおれを襲ったんだ?」
「お前だろ!!この町の人たちを殺したのは!!!」
「それは誤解だな。おれはこの町に来たら海賊が暴れているのを見て止めただけだ」
「そ、そんなの嘘だ!!」
「嘘じゃねえ。お前も冷静になって分かってるんじゃねえか?」
「――っ!?な、なにを言っている?」
「おれの周りにお前の知らない武装したやつが倒れているだろうが、それがおれの仲間じゃねえことぐらい赤ん坊でも分かる」
「でも海賊なんてみんな同じだ!!」
「そうか……ならおれの仲間になれ!仲間って言っても見習いだが……おれの仲間になれば海賊にもいろいろあるってことを知れるだろ」
「……でも貴方がいい人って証拠はない」
「証拠か…それはないな。だがお前はこれから生きる術はあるのか?今この町の生き残りはお前しか居ない。少し実力があったとしてもお前みたいな幼いガキが生きていけるほどこの世は甘くないぞ」
そんな彼の言葉は冷たいながらも、ディアンヌのことを助けようとしているのはディアンヌでも分かっていたので、ディアンヌは彼を信じることに決めたのだった。
「分かった。私を貴方の仲間にして連れて行って」
「わっはっはっ!!最初からそう言え!!――お前の名は?」
「私はディアンヌ……貴方は?」
「おれか?おれの名前はゴール・D・ロジャーだ」
「ロジャー船長ね……分かった」
この時名前を聞いて思い出したが、彼女が前世で読んでいた“ONEPIECE”に出てきた海賊王の名前と男の名前が一致したので、この世界が“ONEPIECE”の世界であると気づいたのだった。
ロジャーはディアンヌと町の人の埋葬を終えてから自分の船へと帰還した。
幼女を船へと連れて来た船長への反応は人それぞれだった。
「ロジャー……お前はそういう趣味だったのか……だからって堅気の人間にお前が手を出すなんて……」
「レイリー……おれは堅気には手を出さねえ。こいつは身寄りが無くなったから見習いとして仲間に入れただけだ」
「そうかそうか……自由な船長だな」
「シャンクス、バギーこいつに見習いの仕事を教えてやれ」
「分かったよロジャー船長」
「なんで勝手に了承してんだシャンクス!?」
「なんだバギーよ文句があるのか?」
そう言ったレイリーにバギーはすぐさま土下座した。
「すッいませんでした!!!」
それを見た船員たちはゲラゲラ笑っていた。
更にその光景を見たディアンヌは仲の良さそうな海賊だと思っていた。
仲の良さそうな海賊だけど……それは仲間内だけかもしれないし……まだ信用は出来ないかな。
――ロジャー海賊団の見習いとなったディアンヌはシャンクス、バギーと共に忙しい日々を過ごしていた。
朝は船の掃除から始まる。船の掃除はいつもバギーがサボって副船長に殴られているから、私はサボらないようにしようと思った。
そこからはほかの全員達とそう変わりのない1日を過ごしていた。でも今日はディアンヌがこの船に乗って初めてほかの海賊との抗争だった。
この日はいつも通り邪魔してくる海軍を倒したのだが、バギーが島の反対に“白ひげ”の船が居るのを見つけていた。
「白ひげか〜〜久しぶりだな」
「鳥が騒いでる、上陸したな」
「いっちょやるか生きててこその“殺し合い”!!!おれももう
はァ……初めての抗争がロジャー船長と同レベルの実力者が相手だなんて…“白ひげ”といえば海賊になったばかりの私でも知ってる有名人じゃん……
――白ひげはこの頃から世界に名を残す海賊であった。彼が有名になった理由としては、彼の悪魔の実によるものが大きいだろう。彼の悪魔の実は“グラグラの実”と呼ばれる地震を起こすことを可能とする最強クラスの能力を持つ。
更に彼を有名にするのは悪魔の実だけではない。選ばれし者しか持たない“覇王色”の覇気を持っていたり、彼の持つ武器が最上大業物12工の薙刀「むら雲切」であることも彼を有名にする1つであった。
そして“白ひげ”の部下にも有名人が二人居る。まず1人目は見習いながらも
船長が「ワノ国」の“
「来るぞーー!!“
ロジャー海賊団の一人が向かってくる着物を来た男を見つけて叫ぶと、着物の男は刀を抜いた。
「おでん二刀流…!!“
前線にいた仲間は簡単に吹き飛ばされてしまった。その侍の強さを見てロジャーは…
「よう
ロジャーの飛ぶ斬撃は侍に技を出す隙を与えずに侍を吹き飛ばす程の威力を持っていた。そのロジャーの姿を見ていたディアンヌは……
――やっぱりロジャー船長は強いんだ。出会った時も思ったけど、実力は圧倒的すぎる。私もいつかこれほどの“力”を得ることは出来るのかな……
初めまして?
今回は七つの大罪から嫉妬の罪ディアンヌの登場です。ワンピースの巨人族の設定から巨人族でなく人族のディアンヌですが、能力はディアンヌと似たものになっていきます。
次回はロジャーと白ひげがぶつかります
感想、評価暇な時でもして頂けると嬉しいです。