――“創造海賊団”は最近新世界入りを果たした海賊だが、超大型ルーキーとして海賊の間で噂になっていた。それもそうだろう。“創造海賊団”の船長であるディアンヌは新世界の“皇帝”と呼び声の高い白ひげ海賊団の1番隊隊長相手に相打ちになるほどの実力者だ。仲間の情報はほとんど表に出ないが、船長が実力者であることからその仲間も実力者であるだろうと予想されていた。
「うーん、そこそこ海賊を狩ってきたから七武海入り出来るかなぁ〜」
「なんだ船長、七武海に入りてぇのか?」
「いや、七武海に入っておけば“ドレスローザ”に着いた時好印象になるかなと思ってね」
“王下七武海”これは政府に略奪を認められた7人の海賊の総称である。“七武海”に名を揃える海賊たちはみな世界に名を轟かせる大海賊ばかりだ。そんな“七武海”になるには他の海賊への抑止力になる“知名度”と“実力”が必要なのだ。
現在の七武海には2名の欠員が出ている。政府としては早急に空席を埋める必要があるのだが、今波に乗っている海賊はルーキーばかりなため“七武海”入りをさせていいのか悩んでいた。
そのルーキーとはクロコダイルや“赤髪のシャンクス”、そして“巨腕のディアンヌ”。この海賊たちはまだ若い“ルーキー”にも関わらず、世界に名を轟かせている実力者たちであった。
「うーん、七武海に入ってる有名どころって誰か分かる?」
「有名なのは“鷹の目”とか“暴君”ね」
「“鷹の目”に“暴君”か〜、……そこと比べられると私は劣るなぁ。でも私もそこそこ実力をつけたと思うし、新世界の海賊を何度も潰してるんだよ?向こうから来てもおかしくないと思ってるんだけどなぁ〜」
「あらでも貴女も“七武海”の席空いてる2席を埋めるメンバーの候補に入ってるらしいわ」
「なんでそんな情報知ってるのかは聞いてもいいの?」
「あら女の子には秘密がいっぱいあるのよ?貴女も女の子なんだから分かるでしょ?」
ステラよ……女の子だからって政府の機密情報を得る秘密のコネがあるとか怖すぎでしょ!?この世界での女の子はみんなそうなの?……前世はないよね?まあ今になってはどうでもいいんだけどさ……でもちょっとは気になるよね。
「まあ私にも秘密はあるけど……そんな怖いのはないかな?」
「あら?私の秘密のどこが怖いのか分からないわ」
「もういいよ。……七武海には入れたとしてもまだ先っぽいからドレスローザを目指すよ」
「……やっと故郷に帰れるのか」
“創造海賊団副船長”の肩書きを持つキャンドラーは“ドレスローザ”の出身であり、故郷を大国にしたいという夢を持つ。最初は夢を叶えるためにディアンヌに同行していたが、旅をして行くうちにディアンヌの右腕として居るのもいいかと思っている。
ディアンヌと出会った当初は中国産“黒ひげ”と呼ばれるほど体がだらしなく太っていたが、今では体が引き締まって“黒ひげ”と見間違えることはなくなった。
「そうだよ。まあそこそこ名が売れちゃったから入港を拒否される可能性もあるけどね」
「だからディアンヌは七武海に入りたかったのか……」
「正解だよテゾーロ君」
“創造海賊団戦闘員”のテゾーロは船長のディアンヌに拾われた元ゴロツキだった。彼は元がゴロツキだったため戦闘の勘をある程度培っていた。そのため戦闘員として成長するのに時間は要らなかった。
彼が急激な成長をしたのにはもう一つ理由があった。それはステラの存在だ。ステラはディアンヌに買い取られた奴隷であり、テゾーロの愛すべき人であった。愛する人を自分の手で守るために強くなることに貪欲になっていたから彼は急激に成長したのだろう。
「あら、来るわよ」
「――ッ!私以上の“見聞色の覇気”だね。流石ステラ」
「おれに任せろ」
敵の襲撃を一番最初に気付いたのはステラだった。新世界に入ってからステラは“見聞色の覇気”だけ異常に発達したのだ。それは船長であるディアンヌを超える感知範囲だった。
襲撃してきた相手は懸賞金が1億ベリーの海賊“狂犬のワンコロフ”を筆頭とした中堅どころの海賊だった。
その海賊は砲撃をディアンヌの船に撃ち込んできた。それを受け止めるのはディアンヌやキャンドラーではなくテゾーロだった。
「この程度で突破出来ると思われるのは心外だな。――“
「流石テゾーロ。貴方はきっと大物になるわ」
「それは見聞色の覇気で見た未来かな?」
「いや違うわ。でも分かるのよ。……彼が新世界で名を轟かせることを」
それはディアンヌにも分かっていた。テゾーロにの才能はディアンヌに迫るものがあり、
そんなテゾーロは武装色の覇気を纏った右腕から放たれる掌底で船へと撃ち込まれた砲弾をいとも簡単に破壊した。
「おいおい砲弾破壊しやがった」
「船長どうしやすか?」
「そんなの一つだけだろ!野郎ども行くぞー!!」
狂犬のワンコロフは狂犬の名にふさわしく“創造海賊団”の船へと攻め込んできた。その人数は100人。それに対して“創造海賊団”は4人しかいない。普通ではディアンヌ達が勝利するビジョンは見えないだろう。
しかしこの世界は雑魚がいくら集まろうと1人の強者に負ける世界だ。少数精鋭を売りとする“創造海賊団”に雑魚どもでは意味が無いだろう。狂犬以外では歯が立たないのだ。
「弱いなァ!!雑魚どもが何人集まろうが強者には勝てねェんだよ!!」
「あらステラさん。キャンドラーが自分のこと強者とか言ってますわよ」
「そうですわね。ディアンヌに勝てないのに強者とか笑ってしまいますわね」
「おいそこ聞こえてるぞ!!!」
「お前らバカにしてんのか!!?」
雑魚どもをあらかた片付けた“創造海賊団”はあまり脅威だと思えない“狂犬”を放置して内輪ノリを始めていた。それにキレたワンコロフは1番近くに居たキャンドラーへと襲いかかった。
しかしキャンドラーは狂犬の攻撃をものともしなかった。殴りかかってきた狂犬の拳をわざと顔面で受けて、カウンターとして狂犬の鳩尾へと蹴りを入れた。
「覇気も使ってねェ攻撃なんか痛くも痒くもねェなァ」
「――久しぶりに本気を出してやる。おれが狂犬と呼ばれる理由はな!能力者なんだよ!!」
「それがどうした?新世界で能力者なんか珍しくもねぇだろ」
偉大なる航路での能力者など珍しいものでは無い。それが新世界ともなれば能力者が1つの海賊団に複数いることも有り得る。そんななか能力者であることを自慢するワンコロフはただの脳筋なのか、それとも……
「おれの能力を見せてやるよ!!」
狂犬の体が変化して行った。その姿はまるで闘犬であったセントバーナードのようだった。
「あー、あいつただの脳筋だったぞ」
「ただの
「まあ普通でも使い手が強ければそこそこ強くなるけどね」
「おれを怒らしたからな。お前らには苦しみながら死んでもらうぞ」
「――出来るものならやってみろ」
そこから一方的だった。能力を使って人獣型になっているワンコロフの攻撃をことごとく体で受けて、そこから相手の体にカウンターを打ち込んでを繰り返してた。
能力を使った攻撃はある程度威力が上がってるだろうけど、そんな攻撃じゃ、うちのキャンドラーにダメージは与えられないよ。
「この程度かァ!?それならもう終わりにしてやるよ――“
キャンドラーは今まで使って来なかった武装色の覇気を使ってワンコロフのことを殴り飛ばした。今までの攻撃で1番単純にも関わらず1番威力が出ていた攻撃だった。
殴られたワンコロフは気絶してしまったため人獣型は解けて倒れていた。それをキャンドラーは回収するとディアンヌの近くに寄ってきた。
「こいつどうすんだ」
「うーん……海軍に引き渡すかな。その代わりに“七武海”の席を貰えたら万々歳なんだけど……1億程度の海賊じゃあ貰えないかなぁ……まぁ印象を良くするためにも海軍に引き渡すよ」
「……そうか」
「あら丁度いいところに海軍船が」
ステラの見聞色に引っかかったのは巡航していた海軍船だった。その船に乗船していたのは海軍中将でも実力者と名高いモモンガ中将だった。
「あれはモモンガ中将じゃん……ちょっと危ないかもね」
「中将一人になにビビってんだディアンヌ」
「モモンガは強いんだよ。今のテゾーロじゃあ相手にならないくらいね」
「創造海賊団の者ども!!」
「船長はモモンガ相手に勝てると思うか?」
「海の上じゃなきゃ勝てるけど、海の上となると私の能力は巨人化の能力しか使えないから勝てなさそうだよ」
ディアンヌの能力は地上戦にてその力を発揮するタイプである。ディアンヌは大地を操る能力を持っているため船上では全く効果をなさない能力であった。
「お前らとやり合うつもりは無い!!私は『海軍本部』中将モモンガ!!!お前らを“七武海”に勧誘しに来た!!!」
わーお、七武海のこと話してたら本当に来たよ。政府が嫌いだからって自分に利がある事を捨ててたらこの先、生きていけないからこの誘いを乗って、自分に都合がいい時にでも裏切ればいいよね。
「いいよ!お礼にこいつあげるよ」
「こいつは……“狂犬”か。“七武海”になったとはいえお前が海賊であることには変わりない。賞金は払わぬぞ」
「別にお金には困ってないから」
「そうか……このことを報告しに帰るぞ!!」
ふぅ、これでドレスローザに着いた時にある程度は印象が良くなるでしょ。問題はリク王とキュロスなんだけど……てか今の王ってリク王なのかな?原作は少ししか読んでないからいつリク王が王になったとか分からないからなぁ……まあ誰だろうと大丈夫か。
「よし!!晴れて七武海入りを果たしたのでドレスローザへと目指します!!!そこに着いてやることはただ一つ。……ドレスローザの“富国強兵”だよ!!!」
「富国強兵か……」
「なんだそれ?」
「テゾーロ富国強兵ってのはね、その国の軍事力の強化と経済力の発展を目指すことだよ。ですよねディアンヌさん」
「その通りだよステラ!!」
ステラはホントに成長したよ。その知識はどこから得てるのか分からないけど……もしかして私の知識を読んだりした!?もしそうなら、ちょっと考えなきゃいけなくなるけど……。
まあステラは賢いから外に漏らすようなことはしないと思うけどね。
「ステラは本当に賢くなったよね。で、その知識はどこで得たのかな?」
「……キャンドラーさんからいろいろと」
「……へぇ〜、キャンドラーが……」
キャンドラーが教えてたなんて意外過ぎるんだけど!?弟子みたいなテゾーロならまだしもステラ相手に知識を教えてるなんて……まさか!?ステラを狙ってたりするんじゃ……師匠だからってテゾーロは譲らないと思うよ。それにステラはどう見てもテゾーロのこと好きだし……ドンマイキャンドラー。
「船長……お前が思ってるみてぇなことはねェよ」
「あらま、気付いちゃった?でもキャンドラーが知識を出すなんて珍しいよね」
「それはおれが脳筋だって言ってんのか?」
「それもあるけど……キャンドラーは何事も隠しがちだからね」
「――なんの事か分からねぇな」
キャンドラーは少し言葉が詰まってたけど、直ぐに返事をしていた。ホントにキャンドラーは何者なのかねぇ……感情を隠すのが上手すぎるよ。初めて会った時みたいにお酒を飲ませれば感情を表面に出してくれるのかな?
今のキャンドラーは体が引き締まって、強い覇気も感じ取れる。今のキャンドラーは全盛期ではないと私は思うんだよね。
体は堕落してたから太ってて、覇気はキャンドラー自身の“意志”が弱くなっていたからだと思うんだよね。そう思う理由としてはキャンドラーの身のこなしはそこら辺の海賊とは訳が違うし、ダメージにも慣れてるような感じがする。
「……まあいいや」
「そんなのどうでもいいだろ。ドレスローザに着いてからの動きを話そうぜ」
「そうだね。――」
その後、私たちはドレスローザに着くまでの間ドレスローザに着いてからの動きについて話し続けていた。
――“ドレスローザ”
“ドレスローザ”。この国は新世界にあるリク王が統治している国である。昔はドンキホーテ一族が統治する国だったが、ドンキホーテ一族が“世界政府”創設によるマリージョアへの移住の際にリク王一族へと国を讓渡された。そんな歴史のあるドレスローザは人々からこう呼ばれている
『愛と情熱の国』
今回はドレスローザまでの航海の話でした!ちなみに“狂犬ワンコロフ”はこれ以降は話には登場しません。
この時期にはモリアくんは七武海に居ると思うんですが、ステラは七武海の話の時に出しませんでしたね(笑)まあモリアくんは個人的に雑魚だと思ってるので扱いが悪くなると思います。なのでモリアファンとペローナを悲しませるかも知れません。そこの所はご了承ください。
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