巨人の村の娘は人間   作:UMI0123

11 / 35
ドレスローザ

 ――ドレスローザ。

 

 “新世界”に位置する愛と情熱の国“ドレスローザ”。

 “ドレスローザ”という国は800年以上前にドンキホーテ一族によって建国された国である。その後世界政府創設に伴い聖地マリージョアへとドンキホーテ一族が移住する際にリク王一族に王権を譲渡されてから現リク王朝が続いている国だ。

 現在のドレスローザ国王は若くして名君と呼び声の高いリク・ドルド3世である。彼は国民を戦争に巻き込むようなことをしないため、国としては決して豊かではなかったが国民たちからは慕われる王だった。

 そんなドレスローザを訪れた者達はいくつかの事に心を奪われるだろう。

 一つは――かぐわしき花々と、この国自慢の料理の香り―――また一つは……疲れを知らぬ女たちの情熱的な踊りである――。

 

「いい女だな」

 

「テゾーロさん?貴方はキャンドラーみたいなこと思ってませんよね」

 

「思うわけない。おれはステラ一筋だから」

 

 うわぁ……ステラの笑顔がものすごく怖く見える。だって後ろに虎が見えるよ……。そしてテゾーロはすごいよ!恥ずかしげもなくそんなこと言えるなんて……本当にステラに恋してるんだね。私は応援してるよ。

 キャンドラー……君は何してるんだい?これはお仕置をしてあげなくちゃいけない事案だね。

 

「キャンドラー……当分は夜間外出禁止ね」

 

「はァ!?無理に決まってんだろ」

 

「なにか文句でも?」

 

「……なんでもありません」

 

 “創造海賊団”の力関係は圧倒的に女性が上のようだ。

 その理由はディアンヌの強さによるものだろう。現状としてはディアンヌが1番の実力者なのでディアンヌと同じ性別の女性が力関係的に上なのだろう。

 そもそもこの世界は実力至上主義なので性別はあまり関係ないのだ。その証拠に海軍将校にも女性は多数いるし、世界最強の女と名高い“ビッグマム”ことシャーロット・リンリンは“万国(トットランド)”の女王として君臨している。

 だがそんな世界でもやはり上位に居るのは男性ばかりだ。それは元々の体の構造が男の方が強く出来てるからなのだろう。“ビッグマム”という例外を抜いては女性がこの世界の同種の男性に力で勝てることはないのだ。

 

「おれが居た頃より笑顔が多いな……」

 

「それは今の王リク・ドルド3世のおかげじゃない?噂に聞いた程度だけど若くして名君として国民に慕われているらしいよ」

 

「リク・ドルド3世……先代はどうなったか知ってるか?」

 

「うーん……確か病死だったかな?」

 

 ディアンヌは元々原作弱者なのでこの世界の情報を知るために新聞を読みふけっていたため、原作には登場しない情報まで知識として得ることが出来ていたのだ。

 

「病死か……」

 

「先代の死因なんてどうでもいいんだよ!!今はどうやって国王に取り入るかが大事なんだから!!!潜伏する程度なら今のままでも出来るだろうけど、本格的に海賊として動くとなれば国王からの公認は重要になってくるんだからね!!」

 

「おいちょっと待て……海賊として動くって何をするつもりだ」

 

「あれ?キャンドラーに言ってなかった?私が海賊をやってる理由は2つ!まずは“海賊王”ロジャーと同じ偉業を成し遂げること……。そして2つ目は……世界政府と天竜人をこの世界の頂点から引きずり落とすこと!!

 

「船長の夢は天竜人に支配されない国を作るんじゃなかったのか?」

 

「あの時は君の夢に似た夢を出すことで、親近感を生み出してキャンドラーが仲間になるように誘導しただけだよ」

 

「……あん時嵌められたのか……」

 

「嵌めるつもりはなかったよ。だってあながち間違ってはいなし……。天竜人に支配されない国を強固な地盤として、世界政府を攻め落とすつもりだったもん」

 

 世界政府を個人で攻め落とすことは出来ないなんてこと分かりきってるから、国という地盤が必要だったんだよね。ある程度勢力のある国なら周辺国家との貿易で武器や“悪魔の実”が手に入るだろうし、いちばん重要な兵が手に入るもんね。

 私としてはワノ国がいちばん兵としては欲しかったけど、あそこはおでんの国だから迷惑かける訳には行かないんだよね。それに()()か、大名にでもならなきゃ権力は持てないだろうから外から来た私が兵を使えなさそうなんだよね……。まあ私たちの勢力が大きくなったら頼みにでも行こうかな。

 

「でもキャンドラーの夢は叶えてあげるからWin-Winだね。それとも私と戦って止める?それでも私はいいよ……だって()()で戦ってくれたらいい勝負出来るでしょ

 

「……何言ってんだ。おれが船長に勝てるわけないだろ」

 

「え〜、最初は私勝ったけど今は分からないじゃん。私としては戦っておいて戦闘力を理解しておきたいんだけどなぁ」

 

「……分かった。どこか広い場所へ行こう」

 

「うん!テゾーロとステラも着いてきてね」

 

「……ああ」

 

 ディアンヌたちはドレスローザに来たばかりで地理が分からないので、キャンドラーを先頭に歩き始めた。そんなキャンドラーが目指す先はドレスローザより北にある無人島グリービットだった。

 グリービットはドレスローザと繋ぐ橋の下を闘魚の群れが泳いでいるため無人島となっている。

 

「この先が人の目に付かなくて広い場所だ。だがここは闘魚が泳いでいる。どうやって進むんだ」

 

「うーん……私が守りながら進むよ」

 

 ディアンヌがそう言うのと同時に体が巨人のサイズへと大きくなっていた。獣型になったディアンヌは地面から巨大な戦鎚を作り出した。

 ディアンヌは巨大な戦鎚を手に持ち歩き始めた。ディアンヌに遅れないように慌てて三人も歩き出した。

 橋を歩いている四人を襲おうと闘魚たちが一斉に水面から飛び跳ねて鉄橋にぶつかった。闘魚の巨体は鉄の橋を簡単に凹ませディアンヌたちへと迫った。

 

「思ってたより弱そうでよかったよ」

 

 ディアンヌは戦鎚に武装色の覇気を纏わして闘魚たちへとぶつけた。巨人の巨体から放たれる戦鎚に覇気を纏わした攻撃の威力は計り知れず闘魚は吹き飛んで行った。

 吹き飛んだ同種を見た闘魚たちは萎縮して水面へと帰って行った。

 

「やっぱり弱かったね」

 

「……普通は闘魚相手に一発で吹き飛ばす攻撃は打てないんだけどな」

 

「キャンドラーは前回戦った時より強くなってるかな?私は本気を出すからキャンドラーも出してね。……出してくれないと殺っちゃうかもしれないからさ」

 

「……程々に頼むぜ」

 

 そこから二人の戦闘が始まった。二人は相手の動きを見ようとなかなか動き出さなかったが、先に痺れを切らしたのはキャンドラーだった。痺れを切らしたキャンドラーはリーチの長いディアンヌの懐へと入るため“(ソル)”を使って足元へ入った。

 しかしディアンヌはただの巨人ではなく“悪魔の実”の能力から来る巨人なので普通の人のサイズへと変化した。

 

「私相手に足元へ来るのは悪手じゃないかな?」

 

 元のサイズに戻ったディアンヌは目の前に居るキャンドラーを殴り飛ばした。ディアンヌの攻撃にキャンドラーは反応は出来たものの避けることは出来ないと分かっていたため“武装色”を纏った腕でガードした。

 ガードしたキャンドラーだったがディアンヌの攻撃はサイズが変わっても強力だったので吹き飛んでしまった。

 キャンドラーが吹き飛ぶのと同時にディアンヌはまた巨大化して新しい武器を創り出した。その形はまるでボウガンのようだった。

 

「“因土螺(インドラ)の矢”!!」

 

「マジで船長は殺すつもりなんかよ……あまり使いたくねぇが仕方ねえか」

 

 ディアンヌが放った矢は鏃がドリルのように回転している形なので回転しながら飛んでいた。回転することで威力が数倍にも膨れ上がってるのだろう。

 しかし巨大な矢がキャンドラーに刺さることは無かった。キャンドラーが何かしたのか拳とぶつかると同時に砕け散って行った。“武装色の覇気”を纏っていないにしろ相当な強度を持つ矢を破壊したのだ。

 それはキャンドラーが何かをしたというのがディアンヌにも伝わったのだ。

 

「思ってた通りだね」

 

「なんか言ったか?」

 

「いや何も言ってないよ……そんな事はいいから続きをやるよ!!

 

 そこから二人の戦闘は丸1日行われていた。“動物系(ゾオン)”のディアンヌに対して、悪魔の実も持たずに一日中戦い続けたキャンドラーは賞賛に値するだろう。そんなキャンドラーもディアンヌには勝てず最後は“覇気”が切れて動けなくなってしまった。

 

「私の勝ちだね。でもキャンドラーは本当に強いよね」

 

「何言ってんだ。勝ったやつに言われても嫌味にしか聞こえねぇぞ」

 

()()キャンドラーじゃ、あの攻撃を止められるとは思ってもいなかったよ」

 

「……なあテゾーロたちはどこ行った」

 

「あそこに……って居ない。……どこ行ったの!!!

 

「おれらが戦闘始めた時には居たはずだぞ」

 

「誘拐されたのかな?でもあの二人を声も出させずに誘拐するなんて相当な実力者だよ!」

 

 この国でテゾーロとステラを捕まえられる住民は居なさそうだけど……あー、でも海兵とかCP(サイファーポール)とかなら有り得るか……。ちょっと見聞色を使ってみたけど島の中央の地下から小さいけど強い力を感じるなぁ〜。この島ってどんな島だったかな?うーん……確かロビンが言うには小人だったかな?

 

「多分だけどこの島の地下に二人は居ると思うよ」

 

 

 ――ドレスローザ“王宮”

 

 

「グリービットに侵入した者共がいるだと?」

 

「はい。周辺住民が言うには男3の女1の4人組だったそうです」

 

「謎の4人組か……しかし闘魚の居る鉄橋を超える実力者たちだ。その者たちが何者であれ警戒はしておいてくれ」

 

 ……謎の4人組か、もしそいつらが最近“王下七武海”入りを果たした“創造海賊団”だとしたら、我の軍だけでは対抗できぬやもしれぬ……。そうだとしたらキュロスを早めに迎え入れる必要があるかもしれぬな……。

 

「リク王よ。闘魚を倒せる者達だとしたら我々では対処出来ない可能性もありますが、どうなさいましょうか?私としては暗殺を仕掛けるのが1番だと思いますが……」

 

「それは駄目だ。私としては殺しは野生に堕ちるも同然だ。この国は“人間”でいるからこそ800年戦争がないのだ。そんな歴史を私たちの勝手な憶測で獣になれば先祖に顔向けできん!!」

 

 私たちは獣ではない。人間として生きてるからには殺し合いなどさせる訳にはいかん。それに私たちに何か危害があった訳でもないんだ。……もし危害があったとしても殺さずに海兵に引き渡せばいいだけだ。

 

 

 ――グリーンビット地下

 

 

「――ん、……ここは」

 

「わーっ!!目を覚ましたぞっ!!!警戒態勢!!!」

 

「大人間が目覚めた!!!」

 

 ここはどこ?それにこの子達は……確かトンタッタ族だったかしら?でも私は何故ここに居るのかしら……私はディアンヌさんとキャンドラーの戦闘を見てて……確か物音が聞こえたから森の中に入ったら眠くなって…………そうだテゾーロは!!

 

「ねえ貴方たち……私を縛ってる紐を解いてくれないかな」

 

「おまいは悪い大人間だから解く訳にはいかないれす!」

 

「私は悪意があったわけじゃないの……ただ音が聞こえたから森の中に入っただけなの」

 

「うそをつけ!れそんな言い訳が通じるかっ!!」

 

「ホントよ」

 

「えっ!!?ホントならいいれすよ」

 

「悪い人じゃなくてよかったれす」

 

「てっきり悪い人かと……」

 

 えっ!?なんでこんなに信じやすいの!!?騙されやすいからこんな地下で住んでるのかしら……でもこれは使えるかもしれない。

 

「こら!!一体何をしている!!!」

 

「トンタ長様っ!この人はいい人れした」

 

「そんなわけあるか!!」

 

「でも本人そう言ってます」

 

「えっ!!?ならいいれすよ」

 

 えぇ〜〜〜!!?あの子だけじゃなくてこの種族は全員信じやすいの!!?逆にこっちが騙されてるんじゃないかって心配になる程信じやすいよ!

 

「私と一緒に捕まった人知らないかしら?」

 

「緑っぽい髪の人ならまだ眠ってるれす」

 

 そう言われて見に来てみれば……私より身ぐるみ剥がされてるわね。もうほぼ全裸よ……あらご立派ね。起こさなきゃいけなかったわ。

 

「ねぇテゾーロ起きて」

 

「……」

 

「起きて」

 

「……」

 

「起きて」

 

「……」

 

「起きろってんでしょうが!!!」

 

「ぶへっ!」

 

 なかなかテゾーロが起きないことに切れたステラは縛られているテゾーロの顔を殴り飛ばした。

 

「あの人殴ったれすよ」

 

「やっぱり悪い人なんじゃ……」

 

「あ、あれは……そう!愛の拳よ

 

「……なんだ愛の拳れしたか」

 

「よかったれす!」

 

 あれ?そういえばテゾーロの声が聞こえないけどどうしたのかしら?

 

「テゾーロ!!?」

 

 なかなか声の聞こえないテゾーロを心配してテゾーロが居るところを見ると、壁に頭をぶつけて気絶しているテゾーロの姿があった。テゾーロ程の実力者を意識は無いものの気絶へと追い込むパンチを打ったステラの拳は覇気でも纏っていたのか……。いや違う。これはテゾーロへの愛ゆえのものだ。“麻酔花”程度で非戦闘員のステラより眠り続けるテゾーロを心配して殴り飛ばしてしまったのだ。




 今回はディアンヌとキャンドラーの戦闘がメインでした。やはりキャンドラーには何かありますね。まあ現状としてはディアンヌに劣ってるように見えますが……。
 そしてステラとテゾーロは原作のロビンとウソップみたいになりました。テゾーロはなんかネタキャラみたいになってますがいつかはカッコよくなります(多分)。
 ちなみにリク王の設定は本作オリジナルなのでそこのところはよろしくお願いします。

 評価と感想を良ければしていってくださいお待ちしています。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。