巨人の村の娘は人間   作:UMI0123

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戦士長

 ――グリーンビット地下

 

 トンタッタ族によって地下に連れてこられたテゾーロとステラはトンタッタ族と打ち解け始めていた。それはテゾーロとステラの話術にあった。彼らの話術は相手を程よく持ち上げて自分を売り込むことで相手の懐に入り込んでいた。

 テゾーロがトンタッタ族と打ち解けようとした理由はトンタッタ族の膂力が戦力になると思ったからだ。今の創造海賊団はディアンヌとキャンドラーが実力者であるため戦えているが、大規模な抗争となると圧倒的に頭数が足りないのでそこをとりあえずはトンタッタ族で埋めようとしているのだ。

 

「トンタッタ族のみなさまと取引をしたいと思いまして……」

 

「どんな取引なんれすか?」

 

「少々の武器をあなた方に提供しますので、もし私たちがピンチになった場合に戦力として手伝って頂きたい」

 

 テゾーロは腰を低くして交渉をしていた。トンタッタ族は騙そうと思えば簡単に騙せるのだが、もしバレた場合はドレスローザの王に伝わる可能性もあるので友好関係を築く方が得と考えている。

 

「……武器とはどんなのれすか?」

 

「剣や刀、銃などの有名な武器からモーニングスターなどのマイナー武器までありますよ!」

 

「それは魅力的れすよトンタ長様!!この国から手に入る武器は良くて剣までれす。それが手に入るなら戦力になるくらいならいいと思うれす!!」

 

「うむ……ならいいれすよ」

 

 ……やっぱり信じやすいな。この一族を放っておいたら他の所に直ぐに取られてしまうな……おれらで保護しつつ働いてもらうか……。

 

「友好の証として1人か2人私たちと行動させて貰えないだろうか」

 

「友好れすか!!それなら自分に行かせてください!!」

 

「――ぬしは戦士長なのだ。兵をまとめる立場なのだぞ行かせるわけないだろう」

 

「外が好きなんれす!!」

 

「……ならいいれすよ」

 

『トンタッタ族“戦士長”レオグロウ』

 

 トンタッタ族の戦士長であるレオグロウは地上で生きたいと思っており、地上で人から物を盗むこともしない唯一のトンタッタ族だった。

 レオグロウはテゾーロたちとの友好が続けばいつかは地上で生きていけると考えて、テゾーロたちへと着いて行くことを決めたのだ。

 

「きっと船長も強い人なら認めてくれるでしょう」

 

「船長れすか?貴方が一番偉いんじゃないんれすか?」

 

「ええ、あの人は私の恩人であり、尊敬に値する人です……」

 

 

 

 ――グリーンビット地上

 

 うーん、地下に居るのは分かってるのにどうやって行けばいいか分からないなぁ……。能力で地面を割ってもいいけど、そしたら小人たちとの関係が崩れそうだな。うーん割っちゃっていいよね。

 

「割っちゃうけどいいよね」

 

「おいおい割るって何をだよ」

 

「そりゃあ地面をだよ」

 

「ダメに決まってんだろ。近付いて来てんだからな」

 

 ほんとだテゾーロとステラ、そして小さくて強い人が地上へと登ってきてる。小さい人が地下に住んでいる小人なのかな?ステラよりは強いように感じるけど、小さい体のどこから力を出してるんだろうか……。まあこの世界で体の大きさなんて当てにならないか。

 

「テゾーロ、その小さな人は誰かな?」

 

「この人はトンタッタ族の戦士長であったレオグロウです」

 

「うわっ!気持ち悪い喋り方やめてよね」

 

 テゾーロみたいなのが敬語とか気持ち悪いよ。でもテゾーロの“夢”はエンターテイナーになる事だから敬語は必須なのか……でもまあ気持ち悪いことには変わりないけどね!

 小人ってのはトンタッタ族の事だったかぁ……博識なロビンでも知らないことはあるんだね。

 

「私はこれからこの喋り方で話しますのでよろしくお願いしますよ。船長」

 

「よ、よろしくね。交渉ごとはテゾーロに任せるから」

 

 背筋がゾワゾワってする!テゾーロの敬語は当分慣れなそうだなぁ……。交渉はテゾーロに任せるのが一番だと思うけど、ステラには何をお願いしようかな……うーん、取り敢えずは私の秘書ってことでお願いしとくかな……。

 

「お任せ下さい。それで彼は……」

 

「よし!レオグロウが仲間になるのは全然いいよ!今のステラより強そうだしね!!」

 

「――っ!見聞色ですか?」

 

「まあね。でも私は一瞬だけ先を読めるぐらいの力とある程度の範囲の感知しかないけど、それに比べてステラの見聞色の感知力は意識すればグリーンビット全域を感知できるくらいだから、私たちの中では一番極まってるよ」

 

 ステラは覇王色と武装色の覇気を使えない代わりに見聞色だけを鍛えて来たおかげで、見聞色だけはディアンヌを超えるものを持っていた。

 その見聞色は感知に特化している。感知に特化しているため戦闘に直接は役に立たないが、斥候としては優秀な人材となるだろう。

 

「まあ見聞色が強いって言っても戦闘向きではないから戦闘させることは()()()()()はないけどね。だからこれからはステラには私の秘書になってもらいます!!」

 

「分かったわ」

 

 ステラの実力が今のテゾーロくらいまでに来たら秘書兼諜報員でも頼もうかな?私たちの勢力が大きくなったらスパイは来るだろうから不振な動きを感知できるステラが適任だよね。

 

「そろそろ街へ戻るよ」

 

 ――ディアンヌたちは街へと戻って、拠点となる場所を探した。お金はそこそこ持っているので立地と外見を重視して選んだ結果“コリーダコロシアム”の近くの大きめの家を事務所として買い取った。

 その狙いとしてはコロシアムで行われる試合を見に来る客へと物を売るのが資金を集めるうえで一番効率がいいと考えたからだ。

 この案を提案したのはディアンヌではなくテゾーロだった。テゾーロは今現在から資金稼ぎの才能の片鱗を見せつけていた。

 

「拠点の購入を記念して宴だァァ!!」

 

「ウォォォォォ!!ってお前らもテンション上げろよ」

 

「私はあまり酒がすきではないので……」

 

「私は付き合いますよ。でもテンション上げるのはキャラじゃないので」

 

「あの男は誰れすか?」

 

「知らなかったのかよ!!!」

 

 レオグロウは地上に出てきてから一度もキャンドラーとは話さずにディアンヌとテゾーロとばかり話していたのでキャンドラーのことを知らなくても仕方がなかった。

 

「まあいい。で、酒はあるのか?」

 

「たーんまりと買い占めてるよ!」

 

 まあ買い占めた理由はこの世界でお酒を飲んだことがなかったからどんなのがいいのか分からなかったから、あるもの全部買っただけなんだけどね。

 昔の私はお酒に強かったけど今はどうなんだろう?……あーお酒おいしいなぁ〜〜♪あれ?目の前に大きなお肉だぁ〜♪

 

「おいおい、なんで腕を大きくしてんだ!?まあ待て船長って酒臭ァ!!?」

 

 酒に酔ったディアンヌは腕を大きくしてキャンドラーのことを掴んだ。今のディアンヌにはキャンドラーが大きなお肉にしか見えていないので仕方なかった。

 

「僕豚肉大好きなんだよね〜〜♡こんなに大きなお肉は・じ・め・て♡」

 

「誰が豚だ!!そしてなんで人のこと食おうとしてんのに色っぽいんだよ!!」

 

「あーむ」

 

「話聞けって腕を食べるなァ!!」

 

「ふふ…ディアンヌも弱点があったみたいね」

 

「私の尊敬する船長の像が崩れていく……」

 

「お酒おいしいれす」

 

 ディアンヌを中心に始まったどんちゃん騒ぎに目もくれずにお酒をチョビチョビ飲み続けているレオグロウはものすごくマイペースな人物であった。

 宴はディアンヌを放置することで続けることが出来た。そんな宴は次の日の昼まで続いていた。

 

「あったま痛ってェ。昨日飲み過ぎたな……幸せそうに眠りやがってお前のせいでどんだけおれが苦労したか分かってんのか」

 

 自分の部屋から広間へと出てきたキャンドラーの先に居るのはお酒の瓶を抱えて眠っているディアンヌ改めて呑んだくれがいた。その顔はヨダレを垂らしながら口角を上げていた。

 テゾーロとステラは宴がある程度進んだら自分の部屋へと帰って行った。二人ともあまり酔ってはいなかったのか広間に来た時は普通に歩いて来ていた。

 

「船長はまだ眠っているのですか……はぁ尊敬する人間違えたかもしれません」

 

「大丈夫よテゾーロ。ディアンヌは酒癖が悪いだけで他は尊敬出来るわよ」

 

「……そこが問題なんですよ」

 

 ディアンヌに秘書を任命されたステラは職務を全うするためにディアンヌを起こそうとした。しかし酒によって深く眠っているディアンヌは自分の安眠を邪魔する者を排除するために殴り飛ばそうとした。

 

「仲間を殴っちゃ駄目れす!!」

 

 ディアンヌの巨大化した腕を止めたのはレオグロウだった。小さな体から考えられない力でディアンヌを腕をあっさり受け止めたのだ。

 その力を見たテゾーロは自分の力が小さな体のレオグロウに負けているかもしれないと思い驚愕していた。

 

「まさか……ここまでとは」

 

「ありがと()()ちゃん」

 

「自分はレオグロウれすよ」

 

「レオちゃんの方が可愛いからいいじゃない」

 

「じゃあ自分はレオちゃんれす」

 

 レオグロウがレオちゃんとなることを決めていた頃、キャンドラーはディアンヌの頭を引っぱたいていた。

 

「酔ってたからって仲間を殴るな!」

 

「痛ったぁ……ってアンタはシラフで殴ってるじゃない!!

 

「屁理屈言うな!!」

 

「理不尽だ!!?」

 

 キャンドラーは酷いなぁ。麗しい乙女の頭を引っぱたくなんて……。まあ痛くは無かったけどさぁ容赦なく殴るなんてアイツの頭ん中見てみたいわ。

 

「まあいいや……今日からシノギを始めるわけだけど、どんなのがいいか会議をするよ!!」

 

 ディアンヌの一言によって始まった会議は終わりのない迷宮へと入ろうとしていた。

 

「私としてはエンターテイメントを“コリーダコロシアム”で魅せつけるのがよいかと思います」

 

「私は普通に食品を売るのがいいと思うなぁ」

 

「海賊ならみかじめ料を貰えばいいと思いますよ」

 

「お酒がいいれす!!」

 

「お前ら自由に言い過ぎだ!!」

 

 

 ――すっかりツッコミ役にハマってしまったキャンドラーはこれからも個性豊かな仲間たちをツッコミ続けるのだが、彼はまだ知らなかった。




 新キャラが出ました。
 特に書くことが思いつかず短めになってしまいましたので、単純な力の強さを発表します。
巨人ディアンヌ>>⌇⌇>>ディアンヌ≧キャンドラー>レオグロウ>>>テゾーロ>>⌇⌇>>ステラって感じです。レオちゃんがディアンヌの拳を止められたのは眠っていたからです。

 評価と感想を良ければしていってくださいお待ちしております。

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