巨人の村の娘は人間   作:UMI0123

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創造海賊団・団長
師団長


 ――ドレスローザでの基盤を確実にした創造海賊団が次に見るのは侍たちによって守られる“ワノ国”。ディアンヌがワノ国を求める理由はただ一つ。それはワノ国が持つ海楼石の加工技術だ。創造海賊団の幹部以上の半分以上は能力者のため、ワノ国を他の海賊に取られたら創造海賊団は不利になるので、ワノ国の技術を守る必要があったのだ。

 しかし大々的に動く訳にはいかなかった。それはとある二つの事件からだ。その一つが“金獅子”がインペルダウンからの初めて脱獄を成功させたのだ。大海賊時代前は勢力拡大に尽力していた金獅子だったが、脱獄後はまったく表舞台に出ることがなく息を潜めていることがディアンヌには恐ろしく思えていた。

 

「うーん……“金獅子”はなんで表舞台に出てこないんだろう……捕まる前よりは勢力が縮小したとはいえ、大海賊の名に恥じない勢力は持ってるはず……」

 

「団長……ドレスローザの経済を掌握することには成功しましたが、まだ敵は多いです。そんな中船長がこの国を離れるとなるとマーリンの努力が無駄になるかもしれません」

 

「分かってる。……でも早いうちにワノ国を取っておかないと何か大変なことになりそうなんだよね。ステラはどう思う?」

 

「……私は団長が思うように動けばいいと思いますよ。だって貴女は私たちをまとめ上げる船長なんですから。そのくらいのことを決断出来なければこれから先生きて行けませんよ」

 

 ステラが面倒くさいからと何も考えていないようにも感じ取れる言葉だが、ステラが言うことも一理あるのだ。ディアンヌは少なくない船員をまとめ上げる団長として『何かを捨ててでも何かを得る』ことを決断する力は必要なのだ。

 ただ、ステラは面倒くさいから如何にもな理由を言っているだけなので勘違いしないで欲しい。

 

「はぁステラに聞いたのが間違いだった」

 

「私は秘書なので、それ以上の仕事を押し付けないでください。面倒なので」

 

「あの頃の可愛いステラはどこにいっちゃったのだか。今ではこんなに厚かましくなっちゃって……」

 

「キャンドラーが言ってましたよ。『海賊は強欲でいい』ってね」

 

 強欲ねぇ……キャンドラーの何処が強欲なんだか。まあいいやステラが強欲だろうと可愛いことには変わりないからね。

 ワノ国の件は私一人で乗り込めば、ドレスローザの掌握は思うけど……問題はあの人を政府から隠し通せるかどうかかな?

 

「……ねぇステラ……あの人の体調はどう?」

 

「一応起きはしましたが、混乱しているのか話そうとしません。……もし船長が彼女のことで悩んでいるのなら大丈夫ですよ。私たちを信じてください。仲間なんですから!」

 

「――そうだね!私は行くよワノ国に!!

 

「……そういえばワノ国への行き方を知っているんですか?」

 

「大丈夫だよ!」

 

 ステラはロジャーの船に乗っている時に2回ワノ国へと訪れているので、行き方は分かっている。それにおでんの“命の紙(ビブルカード)”を持っているので航路に迷うことも無かった。

 

「私は当分の間帰って来ないと思うから、私がいない間はキャンドラーに創造海賊団を任せるから。……ステラはテゾーロのところに行く?」

 

「いや、マーリンの仕事を手伝います。テゾーロは今が頑張り時ですから……私が居たら邪魔になりますよ」

 

「一応マーリンに連絡しておくけど、自分でも許可取ってね」

 

「分かりました」

 

 ――その後ステラは無事マーリンの臨時秘書となり、マーリンの経営術を学んでいくのだった。

 

 

 

 ――ドレスローザ商業地区

 

 ドレスローザのコリーダコロシアムから少しのところにある商業地区は元々歴史あるダナ商会とフォール商会が権力を握っていたが、リオネス商会と創造海賊団が手を組んだことからリオネス商会に商権や店舗をジリジリと奪われていき、今では小さな店舗を数店しかダナ商会とフォール商会は持っていなかった。

 その店舗たちもリオネス商会の傘下に入ることで持つことを許された店舗のため、実質ドレスローザの商業はリオネス商会が握ったことになる。

 

「私は貴方たちがどうなろうと知ったこっちゃないが、このままの売り上げだと潰さざるを得ないな」

 

「し、しかしこの小さな店舗だと、どうにも客の入りが悪く……」

 

「そ、そうです。自分のところも客入りが悪くて、売り上げがなかなか伸びないんです!」

 

 二つの商会が持つことを許された店舗は、全てにおいて小さくて汚い店ばかりでお客は滅多なことがない限り入ろうとしなかったのだ。

 これはマーリンの作戦であり、小さくて汚い店でも切り盛り出来るほどの経営術を持つ者が二つの商会に居た場合は自身の商会に好待遇で招き入れるつもりでこの作戦を実行したので、これは二つの商会を振るいにかけるものだったのだ。

 

「(今のところ見所のあるやつは居ないようだが……まだその時ではないか)それは貴方たちの実力が足りないからだろ。そんなんだから私みたいな新興商会に負けるんだよ。……自分たちの実力が足りないのなら下の者にも聞くのが、人の上に立つ者として必須だぞ

 

「クッ……分かりました。今日は会議をするので帰らせてもらいます」

 

「私も同じ理由で帰らせてもらいます」

 

「構わんぞ」

 

「「……失礼します」」

 

 ダナ商会とフォール商会の代表たちはリオネス商会の会議室から離れた。そいつらが商館から出たのを覇気で感じ取ったマーリンは溜め息を漏らした。

 

「はぁ……帰ったか」

 

「商人ってのは本当に面倒くさいですね」

 

「それは私も含んでか?」

 

「いえいえ、あの豚どもですよ。自分の利益しか考えてない癖に変にプライドが高くて他人の意見をまともに聞かないところとか面倒くさいですよ」

 

 さっきの商人たちがマーリンの忠告を聞くつもりがないことはステラでも分かっていた。それはマーリンも分かっている筈なのに何故あの言葉を商人たちに放ったのかは、ステラにはまだ理解が出来なかった。

 

「そうだな。アイツらは私の忠告を聞くつもりは無いだろう。だがこのままでは自分が終わるってのも分かっているはずだ。だから何かしらの動きを見せる。まあ、動きを見せなかったとしてもその時は経営不振で潰せばいいだけだ」

 

「……そうなんですね」

 

「そんなもんだよ商人ってのは」

 

 

 一通り話を終えた二人は大きい店舗から順に売り上げ確認を始めるのだった。

 商人として成功を果たしたマーリンだったが急速に拡大した商会だが人材が足りていなかった。その為ある程度実力のある者をほかの商会から集めたのだが、それが仇となり最初の頃はほぼ全ての店舗で横領が行われていたため、マーリンが直接出向くことになったのだ。

 

「はぁ、横領する奴らの首を切ろうにも数が多すぎるからな。そっちの船員を借りれないか?」

 

「借りる分には大丈夫だと思いますが、店舗を任せるには不安ですよ?顔はイカついし、喧嘩っ早いし、人を動かすのにも向いてない下っ端ですからね」

 

「……いっその事1から育てるか」

 

「ドレスローザの孤児でも引き取りますか?」

 

「……いや引き取るのではなく、孤児院を国から買い取ろう」

 

 ドレスローザにある孤児院は国営なのだがそこに回される予算はあまり多くないので、マーリンは国より好待遇にすることを条件に買い取ろうと考えていた。

 

「リク王はそれを許しますか?リク王は我々創造海賊団が拡大することを望んでませんからね」

 

「そこは今までに上げてきた市民の好感度でも使って国に訴えればいいだけだ」

 

「王下七武海の名に相応しい動きをしてきましたが、そう簡単に私たちを信用してますかね?」

 

「人ってのは欲深いからな。その欲を満たしてくれる商会や守ってくれる海賊なら悪いようにしないからな」

 

 そんな人が持つ欲をよく理解して人を意のままに操るマーリンはステラから“魔女”と呼ばれているのだが、マーリンはまだ気付いていなかった。

 

 

 ――ドレスローザ近海の小島

 

 この島はキャンドラーによって調べられて、“鷹の目”とキャンドラーの戦闘にも耐える強度の植物たちが生えていることが分かった。

 その植物たちから成る果物、野菜は普通の物に比べて固いというデメリットがある代わりに栄養が高いことが分かったので、植物の専門家であるレオグロウの手によって支配されることになったのだ。

 

「そこの木はもう長くないのれ、切っちゃってくらさい」

 

「了解れす!!」

 

 レオグロウの部隊は外に出ることを望んだトンタッタ族が数十人が居るだけだが、その実力は人間の下っ端が数百人居ても敵わない実力なのでディアンヌからは信用されている部隊だった。

 

「やっぱり植物を見る力は戦士長が1番れす!!」

 

「自分は“創造海賊団”環境師団“師団長”のレオグロウれす!!間違えないれくらさい!!」

 

「それした」

 

 環境師団とは大きくなり始めた創造海賊団の幹部たちがまとめ上げる師団の一つである。

 師団長は団長、副団長の次に偉い位にあって、そこにはレオグロウ、マーリン、テゾーロが位置する。団長秘書という立場のステラは組織図からは独立した存在であり、人を動かす権力は持ち合わせていないのだ。

 

「環境師団としてしっかり植物を育てるれす!!みんなも幹部になれるように頑張ってくらさい!!」

 

「頑張ります!!」

 

 環境師団のトンタッタ族は切れ味のいい糸を持って、鉄よりも硬い木を切り始めた。糸鋸の原理で擦り付けることで糸の切れ味とトンタッタ族の膂力によって鉄より硬い木でも切り落とすことが出来るのだ。

 

()()()()れす!!」

 

 レオグロウのが放った言葉は島に変化をもたらした。トンタッタ族によって減っていた植物を補填するかのように同じような植物が生え始めたのだ。

 レオグロウは植物の扱いのスペシャリストであるトンタッタ族に一番合うであろう悪魔の実を食べているのだ。

 

「流石師団長の奇術れす!!」

 

「植物を生やしたんれすから、水やって育てるれすよ」

 

 レオグロウ率いる環境師団はこの島の植物に一通り水をやり終えるとドレスローザへと帰還した。

 

 

「レオグロウさん。マーリンさんとテゾーロさんが待っています」

 

「分かったれす」

 

 レオグロウが下っ端に案内された場所は創造海賊団の本拠地にある会議室だった。そこに居たのはレオグロウと同じ師団長のマーリンとテゾーロだった。

 

「遅かったな」

 

「思ってた以上に先が短い木が多かったれす」

 

「早く会議を始めよう」

 

 この会議は月に1度行われそれぞれの師団の活動共有と財務師団師団長のテゾーロへの予算報告が目的だった。

 テゾーロがディアンヌから悪魔の実を譲り受けて能力者になったのと同時に組織の編成が行われた。その目的としてはマーリンとテゾーロの役割を完璧に分けるためだった。マーリンとテゾーロはどちらもお金に関連する仕事だったため、テゾーロは財務師団の、マーリンは経済師団の師団長になったのだ。

 

「まずは自分かられす。環境師団は先月と変わりなくバイゼルれの伐採と植林れす。全部自分らでやってるのれ、予算は要らないれす」

 

「あれは植林と言えるのか分からないが、まあ予算がないならいいでしょう。マーリンはどうでしょうか?」

 

「私のところは特に横領などなく順調に進んでいる。予算は……前回と同じで商会の運営費のみで大丈夫だ」

 

 創造海賊団に入る収入は全てテゾーロの元へと届けられて、その後にアガリとして団長であるディアンヌへと収められる。そのためリオネス商会の運営費もテゾーロの所から支払われるためここで予算として話す必要があるのだ。

 

「そうですか……傘下として残した商会の件は大丈夫ですか?」

 

「特に問題はないな」

 

「なら私も報告を……集めた金額にある程度余裕が出来たので、団長が求めるあれを造ります」

 

「あれか……本格的に金を集めに行くのか」

 

「ええ。完成したら私はそちらの運営に回りますので、ドレスローザに居ることが少なくなります。完成してからはこの会議を2ヶ月に一度にするつもりですが、よろしいですかな?」

 

「私は構わん」

 

「自分も大丈夫れす!」

 

「私の報告はこれで終わりです。他になにかありますかな?」

 

 これは毎回聞くことだが、手を挙げるものはいつも居なかったのだが今回は違ったのだ。

 

「私から一つ」

 

「なんでしょうか?」

 

「団長の件だ。団長はワノ国へと向かったそうだ。団長が不在の間は副団長に任せるそうだ」

 

 テゾーロは顔を顰めていた。それもそうだろ。副団長のキャンドラーは周辺国家への牽制をするために半年以上船に乗っているのだ。そんなキャンドラーがディアンヌから任されたとしても何も出来ないだろう。しかしディアンヌがキャンドラーに任せるってことは何か考えがあるのだろうが、テゾーロには分からなかったため顔を顰めていたのだ。

 

「テゾーロ気にするな。私だって団長が何故副団長に任せたのかは分かっていないからな」

 

「……流石団長です。私たちでは考えつかないことを考えていられる」

 

 二人はディアンヌのことを褒めたたえていたが、その場に居たステラは違うことを考えていた。

 

(団長はそんなこと考えてないだろうな)

 

『なんでキャンドラーに任せるんですか?キャンドラーはドレスローザに居ることが少ないですよ?』

 

『えっ?あー、うん副団長だからかな?テヘペロ』

 

 ディアンヌは何も考えてなくて、ステラに聞かれたことを誤魔化すため右手を頭にコツンとして舌をペロッと出して誤魔化したのだった。

 

 




 創造海賊団の組織図はこうなります。
 団長→副団長→師団長→副長→下っ端
 今のところなので物語が進んだら変わる可能性もあります。ちなみに副長は今のところマーリンの所のアーサーだけです。テゾーロとレオちゃんの所は不在となっています。
 ディアンヌの最後の誤魔化しは同じ声優がやる比企谷小町がやる仕草です!!可愛いですよね!!

 評価と感想を良ければしていってくださいお待ちしております。

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