――戦士に全力で戦ってもらう為に一日の休息期間が設けられた。その間各国要人たちはドレスローザで観光することになった。要人たちの護衛のために普段はグリーンビットに住む環境師団に入っていないトンタッタ族も駆り出された。
そんななか体から泡を出しながら独り言を喋っている変人が居た。変人は自分が仕える者が計画したことを始めるのだった。
「二日に分けるとは聞いてなかったんだがな……始めるか。“
その男の体から無限とも言える量の泡が溢れ出した。溢れ出る泡はまるでカイドウのような龍の姿へと変化していった。
しかし要人たちやドレスローザの国民たちは龍の姿になっても所詮は泡なので、何かの催し物だと思い慌てて逃げるどころか周りから人が集まり始めていた。
「王下七武海に護られて平和ボケした国民が……光に集まる虫どもみたく集まって来やがった……死ぬとも知らずによ」
「死なせると思ってんのか?」
「……少々想定外になったが、まあ多少は死ぬだろ。“
龍の姿になった泡の口から放たれたのは泡が固形の石鹸に変化した物だった。しかしその形は小さな石鹸が数百個あり、その形は全て棘の生えた球体だった。しかもその石鹸一つ一つに武装色の覇気が流れていた。
そんな攻撃が民間人に当たったら一溜りもないためキャンドラーは動かざるを得なかった。
「クソみたいな攻撃をしやがって……だがそんだけの覇気を使えば直ぐに切れるだろ」
「切れるまでに何人死ぬかな?」
「“
キャンドラーは三節棍を取り出した。広範囲に放たれた棘の石鹸に対抗するかのように覇気を流した。ザイスの方が武装色の覇気は上なのだが、ザイスは大量の石鹸に覇気を流しているのに対してキャンドラーは三節棍だけに集中して流しているので、石鹸一個一個に流れる破棄の量とキャンドラーの三節棍に流れる覇気の量はキャンドラーの方が多いため破壊するのは可能だろうが、キャンドラーは国民を守らなければならないので不利なことには変わりなかった。
しかしキャンドラーの三節棍を扱う技術は圧倒的な物だった。まるで手足かのように自由自在に操られた三節棍はキャンドラーが使った六式の“剃”の速さに合わせて神速の如く石鹸を砕いた。そしてキャンドラーは広範囲に放たれた石鹸をほぼ打ち砕くことに成功した。砕かれなかった石鹸も見回りに来た環境師団に在籍しているトンタッタ族によって砕かれた。
「配下は六傑杯で疲れてるんじゃねェのか?」
「環境師団は別なんだよ」
「“
「――ッ!?急だな」
ザイスから生み出された龍の姿をした泡は泡の波となってキャンドラーたちへと襲いかかった。小さいトンタッタ族は手も足も出ず波に飲まれた。体の大きいキャンドラーも泡によって力が削ぎ落とされてしまい流された。
(力が入らねェ……それに手のひらから摩擦が無くなったからか建物も掴めやしねェ)
「お前にはここで死んでもらうぞ」
ザイスは泡の波に飲まれて身動きの取れなくなったキャンドラーの心臓へと剣を突き刺そうとした。
しかしそこへ待ったをかけるかのように攻撃が仕掛けられた。
「“アイス
「……何故海軍大将のお前が居る」
「おれは一応海軍大将なんだよ。そしてここは世界政府加盟国の一つだ。ここの国を守ろうとしている奴に加担するのも仕事の一つなんで」
クザンから放たれた“両棘矛”はドレスローザの街を流れる泡の波に刺さるとその場所から泡を全て凍らした。
キャンドラーたちを助けたみたい言い方をしているが、キャンドラーたちが飲まれた泡の波ごと凍らしたのであくまでクザンは加盟国のドレスローザの国民を守るという仕事をしただけだった。
「こっちからも質問させてもらうが“金獅子”の側近が何故居るんだ」
「これから勢力を拡大していくのに政府と手を組んだ創造海賊団が邪魔になるからな。潰しに来ただけだ」
「いくらお前が強いからってそれは無理があるだろ」
「誰がおれ一人と言った?」
その言葉を境に爆発が多数の場所で起こった。そしてドレスローザから少しの沖にはとある海賊旗を掲げる艦隊が来ていた。
クザンもある程度は予測していたがここまで仕込みがされているとは思ってもみなかった。
「……これは“金獅子”の仕込みか面倒なこって。お前はあっちへ行けキャンドラー。分かってんだろ。あの沖にいる奴はお前とディアンヌが行っても勝てるか分からねェだろ」
「……誠に遺憾だが、その通りだな。任せるぞクザン」
いつの間にか氷から抜け出していたキャンドラーはドレスローザの沖に居る海賊の対処に当たるために港へと走り始めた。
それを邪魔しようとザイスは泡を発生させたが、尽くクザンの氷によって止められたためキャンドラーの邪魔を諦めて目の前に立つクザンだけに集中した。
「自分はこの戦いを報告しに行くれす」
「はい隊長!」
二人が戦いを始めるのを建物の影から見ていたのはさっきまで氷に囚われていた環境師団の団員だった。キャンドラーが氷を破壊した際に抜け出すことが出来た。
隊長と呼ばれたトンタッタ族は背中から翅を生やしてコリーダコロシアムへと飛んで行った。
「逃がすか!“
体から生み出された泡は蛇の姿へと変わり、報告をするために空を飛ぶトンタッタ族を捕らえようとした。
「おれを無視するなんて酷いじゃねェの」
「……今お前に隙を晒すよりも奴らを逃して三英レベルが来たら絶対に勝てねェからな」
「“アイス
巨大な雉の姿を持った氷の塊がザイスへと向かっていった。その氷はザイスでもトンタッタ族を捕まえる片手間で相手出来るほど柔くない。
それでもザイスはトンタッタ族を捕らえることを取った。その結果“暴雉嘴”をもろに喰らったザイスは大きなダメージを負った代わりに援軍が来る心配が無くなった。
「代償はデカいが……有利な戦いに持ってこれた」
「有利だと?舐められたもんだな」
「“覚醒”は知ってるだろ」
「……なるほど。覚醒があるなら納得だ」
彼がその言葉を放った後直ぐに周りの建物から泡が溢れ出し始めた。――否、建物が泡になり始めた。
――コリーダコロシアム
「意外だったなぁ。元海軍の君が恨みを持つ奴にけしかけるなんてさ」
「……海軍だって勝つためには何でもやるものです」
「まあ今は海賊だからね。卑怯なのは強さだから別にいいんだけどね――っ!?」
ディアンヌと六傑となったヴェルゴが試合について話していると爆発音が多数の所から聴こえた。
「……やっぱり襲撃があったか……ヴェルゴ六傑になって初めての仕事だよ。他の六傑を集めて爆発の現場に場所に向かって暴れている者が居たら鎮圧して」
「分かりました。ディアンヌさんは?」
「私は……海に行くから」
ディアンヌが何故海に行くのかヴェルゴには分からなかったが、上司の命令に従うのが海軍時代から絶対だったので何も言わずに他の六傑が居る部屋まで走った。
六傑居る部屋はピリピリしていた。それは部屋の中心に居るアーサーからのが主だが、他の六傑も先程の爆発音を聴いていたので警戒していたのだ。
「仕事だそうだ。爆発音の現場に赴いて鎮圧しろのことだ」
「……そうか。なら六傑としての初仕事。……もし失敗したら除名されるかもしれないな」
アーサーは一言残してその部屋から消えた。アーサーは力や覇気などは老いによって衰えているがスピードだけは全盛期のままなので消えたように見えただけだ。
アーサーの後に続くように他の六傑達も現場へと向かい始めた。そして一人部屋に残った者も一言残して部屋から去った。
「……この覇気は……海に居るのは
一番近くで起こった爆発の鎮圧に当たったモンピートが見たのはデルエリ海賊団の副船長をしていた頃に何度も争ってきたライバルとも言える白翼海賊団副船長マエルの姿だった。
しかしその姿は以前とは大きく変わり背中まであった髪の毛は短くなり、顔には不吉な刺青が入っていた。そして一番の変化は頭から
「……その姿はマエルのようだが……リュドシエル達は一緒では無いのか?」
「リュドシエルなら死んだよ。……いやおれが殺したって言った方があってるな」
「――ッ!?何故実兄であったリュドシエルを殺す必要があった!!?」
「……知らねェよ。そんなことどうでもいいだろ!!お前はここを守る義務があるんだろ。ならおれは敵だ。……そんな二人が対峙してやることつったら一つしかねェだろ!!」
先に動いたのはマエルだった。腰にある短剣“
しかしその刃がモンピートに当たることは無かった。デルエリがマエルを横から殴り飛ばしたからであった。
「やっぱり殴る威力はトップクラスに強いなァ。覇気を流すのが遅かったらダメージ喰らってたぜ」
「ノーダメージか……ケツから言って危ない」
「そのレベルの覇気を使われるとこっちも本気で戦わないといけないから生け捕りするのが難しく、殺してしまいそうで危ないな――」
「ん」
デルエリが放った言葉の説明をモンピートが終えると二人は動き始めた。
前衛であるデルエリがマエルを正面から殴り飛ばした。マエルも覇気を流してダメージはなかったが、吹き飛ばされてしまったので少し隙が出来ていた。
「どうしてそうなったのかは知らないが……そこまで落ちちまったなら私がリュドシエルのもとへ送ってやるよ」
モンピートは隙をさらしたマエルの背中を蹴り飛ばした。覇気を流すのが間に合わなかったマエルは大きなダメージを負い近くの建物へと吹き飛んで行った。
「だいぶ強くなったな。けどよ……成長率ならおれの方が上だ」
砂煙が晴れ、崩れた建物から出て来たマエルの姿は大きく変わっていた。両腕は黒い大きな翼、両脚は鋭い鉤爪、腰の辺りからは黒い尾が生えていた。
「能力者になってるのか」
「ケツから言って面倒」
「その姿になる能力者は
「ん」
マエルの体はさらに変化していった。全体的に二回り程大きくなった。その巨体が翼を動かし空へと羽ばたいた。その翼から周りへと放たれる風圧は周りの建物を全壊させた。
そして空中に居るマエルの口からは高温のエネルギーが溜められているのが感じられた。
「……周りへの影響は多少は仕方ないかもしれないな」
「周りばかり気にして防げるのか!!――“
マエルの口から放たれた高温のエネルギーはモンピートとデルエリに直撃した。
直撃と言ってもダメージを受けたのはデリエリを庇って“獄炎”を受けたモンピートだけだった。そのモンピートも覇気を流した拳をぶつけることでほぼ威力を消すことが出来ていた。
獄炎に対処する必要が無くなったデルエリは動いていた。デルエリは上空に居るマエルの背中へと跳び乗った。
「落ちやがれ!!」
「――ッあ!?」
デルエリはマエルの事を地面へと叩きつけた。そこへすかさずモンピートは懐から短刀を取り出し脊髄へと突き刺そうとした。
しかし刺される寸前にマエルは能力を解除したことにより、マエルの首は細くなったのでモンピートは短刀を空振った。マエルはその腕を掴みモンピートのことを投げ飛ばした。
「相変わらず連携が上手いな」
「会わなくなってからそんなに時間経ってないのに“悪魔の実”の力を使いこなしてやがるな」
「……獣まで落ちたおれは生き延びるために……本能のままこの数年間は生きて来たからな……」
俯きながら言葉を洩らすマエルを見て、この数年間に何かあったことは二人の目から見ても明らかなので攻撃するのを少し躊躇ってしまった。
その瞬間モンピートとデルエリの目の前に“
「敵に隙を晒しちゃ駄目だろ!」
マエルは二人の頭を掴み地面へと叩き付けた。叩き付けた二人を投げ飛ばした。
マエルは飛んでいくモンピートを追いかけて首を掴みもう一度地面に叩き付けた。マエルはそのまま首を絞めてモンピートのことを殺そうとした。
「何か言い残すことはあるか」
「ぐっ……私は……今まで能力を使ってこなかったが……お前と一緒で能力者なんだ……“
「――っ!?」
モンピートとマエルの場所が入れ替わった。今度は逆にモンピートがマエルの首を掴み絞め殺そうとしている体制になっていた。
「私の能力は“マジマジの実”のマジシャン人間。私の手の内にある物体もしくは私自身とほぼ同等の大きさか質量の物の位置を交換する」
「ウ………秘密はお前にもあったのか」
「長い間戦ってきた相手にこんな終わり方をするのは申し訳ないが……仕方ないよな」
モンピートはこのまま首を絞めてマエルとの戦いに終止符を打とうとしたが最後まで絞めることが出来なかった。
遠くから吹き飛んで来た瓦礫と人物によってモンピートはマエルのことを離さざるを得なかったのだ。
「痛ったぁ〜〜〜。やっぱり難しいなぁ」
――ドレスローザ王宮
「貴様は何者だ!!」
「フフフ!!タダの情報屋だ。お前が知りたがってるこの騒ぎの情報を教えるために来てやったんだ」
「貴様みたいな奴の言うことを聞くと思っているのか!!!」
「信じなくてもいいさ!!情報屋だからな。この国で起こっている暴動はこの国を根城にする創造海賊団を邪魔に思った海賊たちが誰かの手によって襲撃を起こしたんだ!!この国を攻めてきた者たちは創造海賊団達によって撃退されるだろうな。だが!!これが何度も続くとしたら……この国の経済や自然はどうなるだろうな……フフフフフ。それだけだ」
「何者ですか!!」
知らない者の声がリク王の居る部屋から聴こえたことを怪しんだ侍女が王国軍の騎士を連れて入ってきた。
しかし謎の男は侍女たちが入ってくる前に窓から飛び降りたのでその姿を見ることは叶わなかった。しかし飛び降りた時に舞った
「ヴィオラの侍女だろ。何故ここにおるのだ」
「いえ。ヴィオラ様に夜食をお願いされましたので調理室に向かうところこちらの部屋から聞いたことの無い男の声が聞こえたもので……」
「そうか。兵を連れてきたこと感謝する」
その左手の薬指に嵌めた
海軍→要求通りにセンゴクは帰還しました。しかし創造海賊団もここまで大規模に襲撃してくるとは思っていなかったので、これは失敗かも?
ザイス→アワアワの実の能力者です。
百獣の船→ディアンヌとキャンドラーの二人がかりでも倒せない相手とは……誰だろうなー(棒)
ヴェルゴ&ステューシー→仕事はするタイプの人間です
マエル→なんであの海賊の部下になったら角が生えるんだろう?生えている人だけ幹部にしてるとか?
モンピート&デルエリ→マジシャン人間なので場所の交換だけじゃないかも……?デルエリはフィジカルです!!
謎の男&侍女→両方謎ですね!!!
次回は残りの六傑の話になると思います。残りの二人もワンピースにはいないキャラです。原作キャラにしようとも思いましたがそうすると原作の流れが大きく変わったりするため辞めました。
評価や感想をして頂けると嬉しいです。